前回の記事までに、「グロースハッカー」と「平凡マーケター」の5つの違いと題して、

  • ・成長>予算
  • ・商品開発とマーケティングを区別しない
  • ・バイラル効果(拡散性)を埋め込む
  • ・新しいマーケティング・チャネルのみに目を向けず、既存チャネルの無駄を省く

といった4つの特徴を紹介してきました。

長い道のりではございましたがとうとう今夜が最終回。
どんな新しい概念や手法が登場するのかと期待してくださった皆様、大変申し訳ございません。

最後を飾るのは精神論、リスクを恐れない姿勢と行動です。

リスク・テイキング

risktaking

既に過去記事で何度も繰り返して来たように、サービスとビジネスの成長こそがグロースハックの最重要課題です。

たとえそれがサービス利用規約や法律スレスレのラインでも、成長にさえ貢献すればグロースハッキングは成功に終わるのです。

もちろん私は「サービス規約や法律なんてド返しして成長だけを追い求めろ!」なんて皆様に迫っているわけではありません。(いまだに警察の前歩くと意味もなくドキドキしてしまう小心者でございます。)

過剰なリスク・テイキングは時にトラブルを招き、ビジネス自体を破滅に追いやる可能性だってあるんですから当然です。

重要なのは、リスクとトラブルの境界線を要所要所で見極めてサービスを展開することなんです。

Pealk VS. LinkedIn

日本ではあまり話題になりませんでしたが、パリ発のスタートアップ Pealk と皆さんご存知LinkedInの例を取ってみましょう。

Pealkは、LinkedInのようなプロフェッショナル・ネットワーキング・サービス上におけるヘッドハンティングを簡易化するアプリとして2012年の初頭にかけて急速に頭角を表しました。

PealkはLinkedInのAPIを利用することで互いにウィン・ウィンな関係を築いていたかに思われましたが、

  • ・LinkedInのデータを保存・アーカイブしていた
  • ・LinkedInのユーザーに対して大量のメールマーケティングを行なった
  • ・APIを利用してLinkedInの競合になりうるサービスを展開した

という3つのサービス規約違反を犯したことで、最大のプロフェッショナル・ネットワークであるLinkedInとの関係が途絶えることになったのです。

(*APIを使うことで、あるサービスの一部を他のサービスの開発者にリリースすることが可能になり、それらのサービスを中心としたエコシステムを増築・強化することが出来る)
幸いPealkはViadeoというプロフェッショナルネット・ワーキング・サービスに買収され一命を取り留めましたが、この例1つを取ってもリスクとトラブルの境界線の見極めが非情に重要であることがお分かり頂けると思います。

もちろん誰もがそんな鋭いビジネス感覚を持ってるわけじゃないですが、グロースハッカーを志すものとして、いつまでもリスクテイカーとしての姿勢は忘れないことは重要だということですね。

さあ、「グロースハッカー」と「平凡マーケター」の5つの違いと題してお送りしたシリーズも本記事でひとまず終了です。

今後は具体的なノウハウやタイムリーな実例などを中心に、マーケティング担当の皆様に有用な情報をお届け出来ればと考えておりますのでお楽しみに!