今回は、スタートアップにむけたマーケティングハックの記事を翻訳し、紹介します。世界中で数々のベンチャー企業が登場している中、抜きん出て成長するスタートアップにはどのような秘策があるのでしょうか。

グロースハックは大概、「言うは易し、行うは難し」と実現可能性が低いものとして捉えられがちです。ですが、そんな偏見をも消し去る画期的なマーケティングハックについて近頃言及されているものがあります。苦戦を強いられ、進化のためには多少のリスクも厭わないスタートアップにぴったりなマーケティングハックを紹介します。

今こそブランド・エバンジェリズムを

エバンジェリストとは、ある製品やサービスについて、その人自身の知名度やネットワークを活用しながら、拡散してくれる人をいいます。基本的にはマーケティング用語の中でのWOMM(クチコミマーケテイング)を指します。クチコミは、TwitterやPinterestが世を席巻している中で、依然として一番力のある“メディア”でもあるのです。

企業のエバンジェリズムを育むことは、ブランディングや集客面において中長期的に有効に働きます。そのためには、消費者をエバンジェリストにする取り組みとしてTOMSの例のように「マーケター意識」を植えつけ口コミを生み出すような施策を打ち出すなどが有効です。
TOMSのマーケティング
また、SEOやコンテンツマーケティングの取り組みとして、継続して情報の発信を続けることなどは、その人自身をエバンジェリストにするためにはとても有効な取り組みです。

「ブランドカルト」を生みだす

”カルト”というと聞こえはネガティブなものになりがちですが、ブランドカルトはとても前向きなものです。いい製品やサービスというのは、人々のニーズを満たし、ブランドを通じて関係性を持つようになります。その中で信者のごとく熱狂的なファンを生み出すことを”ブランドカルト”といいます。例えば、バイクでいえば老舗のHarley DavidsonやiPhoneなど革新的なプロダクトを生み出すAppleなどがその成功例です。

ブランドカルトを作り出すには、主に7つの要素があると言われています。

①他にない唯一性をきちんと保つこと
②勇気を示しだすこと
③ライフスタイルにまで及ぶ楽しいものであること
④顧客に耳を向けること。顧客自身に価値を持たせること
⑤コミュニティをつくり上げることに努力を惜しまないこと
⑥オープンであること
⑦自由を謳うこと

これらをどのように達成していくかによって、カルトのように熱狂的な信者を持つことができ、そのブランドは他とは違ったものになるのです。

ネガティブ・バズ(論争)をおこしてみる

ネガティブな評価で世間に露出することは、一見するとその企業にとっては悪いことに感じられます。実は、これが名を売ることにつながり、結果的に企業へ大きな恵みをもたらすことにつながるということがあるのではないかと最近話題になっています。

Uberのネガティブバズ
有名な例が、現在世界で最も企業価値の高いスタートアップUberです。Uberは、かつて世界での利用者が増える一方で数々の訴訟問題を抱えていました。連日報道される訴訟に関するニュースや世間からの反感というネガティブバズによって、Uberは世界的に知名度をあげることにつながりました。その知名度を活かし、ネガティブバズを各国でサービスをローンチするチャンスとして動いたことがUberの成功要因でした。
Uberの成長
このようにUberは年々企業価値を上げ、設立3年にしてFacebookを超える企業となったのです。将来、Uberを超えて世界一となるスタートアップは、今度はどのような形で私たちの目の前に現れるのでしょうか。

まとめ

企業が抜きん出て成功するには、エバンジェリズムやブランド信者の創造、時には世間の怒りの感情を生むこともいい結果をもたらすようです。ですが、日頃から「どのように顧客との関係性を築いていくか」ということが、今回のマーケティングハックに共通して意識されるべきポイントであると感じました。