freee流グロースハック。月間30本もの施策を行う秘訣とは。

GHJインタビュアー(以下、GHJ):本日はよろしくお願いします。早速ですが、まずはfreee 社の事業と提供するサービスについて教えてください。

轡田 哲郎氏(以下、轡田):スモールビジネスに関わる方々がクリエイティブな仕事にフォーカスできるようにするということをミッションとして、主にバックオフィス業務のクラウドサービスを提供しており、「クラウド会計ソフト freee」、「クラウド給与計算ソフト freee」、「会社設立 freee」の3つのサービスがあります。他にもオウンドメディアなどいくつかのサイトを保有しています。

※参考:会計ソフト freee
鈴木 幸尚氏(以下、鈴木):加えて、10月から始まるマイナンバーに関するサービスも現在立ちあげているところです。

GHJ:複数サービスがあるんですね。その中でみなさんはどのようなお仕事をされているのですか?

グロースハックを専門で行うスペシャリストチーム

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・左からエンジニア轡田氏、エンジニア大平氏、マーケティング鈴木氏

轡田:freee はセールス、マーケティング、開発、サポート、UX…などのいくつかのチームで運営していて、私たちはその中でグロースハックに特化したグロースチームに所属しています。

GHJ:グロースハックに特化したチームですか。みなさんの職種とチームにおける役割を教えて頂けますか?

轡田:エンジニアでグロースチームのリーダーをしています。もちろんエンジニアリングもやるのですが、企画・プランニングから、作って、リリースしたものを分析して…というところまでやっています。

大平 武志氏(以下、大平):エンジニアの大平です。基本的には企画から実装、あとは分析できるようにデータの出しわけなどをメインで担当しています。

鈴木:マーケ側のグロースを担当している鈴木です。もともとマーケティング担当としてAdWords運用などをやっていたので、そういった知見を活かしたグロースをメインでやっています。エンジニアリングはやりませんが、その前段階の企画や、オンラインマーケティングの実装はやることもあります。

轡田:この3名に加えてもう一人、山田というデザイナーもいれた4名でグロースチームです。あとはチーム外でデータマイニングアナリストがいて、施策に必要なレポート出したりしてくれています。

GHJ:自己紹介ありがとうございます。それでは早速グロースチームについて色々聞かせて頂きたいと思います。

GHJ:グロースチームでは主にどのサービスや領域を担当しているのですか?

轡田:グロースチームは、先にお話した「会計freee」、「給与計算freee」、「会社設立freee」の3つのサービスすべてを見ています。お客様とのコミュニケーションや、LPの改善施策まで何でもやります。継続して利用してもらうためにどういう要素が必要か、そのために何をすべきか考えて、実装まで行なっています。

GHJ:特定サービスにフォーカスするのではなく、3つのサービスに横断的に関わっているんですね。

「エジソン」とにかくアウトプットし続け、成果に繋げるチームカルチャー

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GHJ:グロースハックを担当する専門のチームがあるというのは珍しいと思うのですが、チームのミッションとして掲げているものはなんでしょうか。

轡田:チームミッションは、ユーザーにサービスを継続して利用してもらうために、価値を提供し続けることです。それを表すキーワードとして「エジソン」というものがあります。エジソンは大発明もしていますが、その発明に至る過程で数多くの失敗もしているのは有名ですよね。彼は失敗を失敗と思っていなくて、「うまくいかなかったことを発明した」と言っているんです。

グロースの中でもうまくいかないこともありますが、たくさんの施策をうって、学習しながら、やれることはスピード感をもってどんどんやっていく。そこから学習したことを活かしてさらに施策をうって、成果につなげていく。とにかくアウトプットしていくチームでありたいという思いから、それを言い表すキャッチーフレーズとして、「エジソン」を掲げています。

GHJ:面白いですね。このフレーズはどうやって決まったんですか?

轡田:チーム作りをするときに、メンバーで半日会議室にこもって、互いを知るために個人的な話もしたりしながら議論しました。そのなかでスピード感や、失敗から学んで改善していく、そういったチームであることを大事にしたいという声が多く出て、そこで鈴木が「それならエジソンですね」と。彼はマーケティングの天才なので、キャッチコピー考えるの得意なんです(笑)。

鈴木:「エジソン」一択でしたね。

GHJ:そうなんですね、さすがです(笑)。

状況に応じてチーム体制を変えていく柔軟性

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GHJ:グロースチームが発足するに至った経緯や、今のメンバー構成の理由などについてお聞きしてもいいでしょうか。

轡田:1 年ちょっと前くらいからグロース専門のチームとしてやっています。もともと数字をみてどれくらいのユーザーが継続利用しているのか、有料ユーザーになっているのかなどを追えていなかったので、そこを追っていくチームを作って仕組みを整えていった方がいいということで立ちあげられました。

最初はセールス担当なども含めた5,6名のチームだったのですが、ちょっとずつ変わってきました。メンバー編成にエンジニア以外のマーケやデザイナーも入ってるのは、作るだけでなくデザイン・マーケティングの部分からもサービスを全体最適していく、というところもありますし、このチームだったら何でも出来る、ということもあります。デザイン、UI/UX、開発、それを広めていく、というところまで一貫してできるチーム編成ですね。

GHJ:チームメンバーや構成が変わっていったきっかけは何だったのですか?

轡田:これといったきっかけというよりは、必要なときに必要なメンバーでやれるようにしていった結果ですね。必要なときに、適宜巻き込んでいく、というかたちでプロジェクト毎にメンバーをアサインしたりもします。

GHJ:そうなんですね。皆さんはグロースチーム専任なんですか?それとも他の業務も行なっているのですか?

轡田:私と大平はグロース専任でやっています。 鈴木と山田は他チームと兼任してますね。

GHJ:チームを兼任するのってバランス保つのとか難しそうですね。マーケチームとグロースチームでの住み分けってどのように線引しているのでしょうか。

轡田:サービスプロダクト内をメインで考えるのがグロースチーム。プロダクト外を担当するのがマーケチームという分け方ですね。ただ、マーケは、プロダクト内にももちろん絡んでくるので、はっきりとした線引きはしてないですね。

GHJ:なるほど、ありがとうございます。

月間30本の施策をまわす高速PDCAとは

GHJ:さて、チームミッションやチーム運営の変遷について聞いてきましたが、実際の業務の進め方について教えて頂けますか?

轡田:毎月1回、施策の案出し会議をします。ブレストみたいな感じで。そのなかでフォーカスしていくエリアを決めて、プロジェクトごとにリーダー(プロジェクトオーナー)を決めて、そのオーナーが施策の優先順位を決めて、進めています。

GHJ:そうなんですね。施策の案だしはどのように行なっているのですか?

轡田:他サービス事例をヒントとすることもありますが、本質は「課題解決」ですね。データをみたり、アンケートをみたり、サポートへの問い合わせ内容をみたり、ユーザーテストを実施したりしてユーザーの抱えている課題を把握して、そこからソリューション(施策)を考えています。

BtoBの会計ソフトって、選ぶときに皆吟味するからハードルが高いんです。だから単にクリック率とかを考えるだけでなく、何が課題で、どうやったらそれを解決できるのかを見つけ出すのがとても大事なんですよね。

GHJ:なるほど。月にどのくらいの施策を行なっているのですか?

轡田:細かいA/Bテストなども含めると月30本くらいの施策を行なっています。

GHJ:30本もですか!すごいですね。では常にいくつもの施策を動かしているのですか?

轡田:エンジニアが2人なので同時に動かしているのは2つくらいですね。

GHJ:並行して施策を行うと2つのKPIがバッティングしてしまうこととかないんですか?

轡田:施策の順番はかなり気をつけてますね。優先順位付けをする段階で同時に比較できないものは外すようにしています。

GHJ:優先順位付けはどうやっているのですか?

轡田:インパクトの大きいそうなところからですね。週次で施策対象を切り替えたりしてます。

GHJ:KPIとしては何を見ているのでしょうか。

轡田:KPIとしてはユーザー数と継続率が大きな2つですね。当社サービスの場合は、ユーザーも法人の方と個人事業主の方ではニーズが違うのでそこでも分けています。その他にも
データ入力率とかそういったところも見ています。

GHJ:施策をみる期間はどのくらいなんですか?

轡田:長くても1週間くらいですね。短いものだと2日くらい。統計的な有意さを求めるとサンプル数は多い方がいいのはもちろんなんですが、それだと短期間で改善できないので、(サンプル数の多さによる)厳密さよりもスピード感を重視していて、6割でもいいから出そうということを大事にしています。

裁量権の大きさがスピードに、そして成果に繋がる

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GHJ:とにかくスピード感をもって取り組むと。施策の進捗管理はどのように行なっているのですか?

轡田: 少人数のチームということもあってフレキシブルにやってます。Googleのスプレッドシートにバーっと施策を出して、優先順位やリリース日などをメモしてやっています。細かい進捗確認は毎日の朝会で確認していますね。実際に作るもので言うと半日から1日でやるものが多いですね。

GHJ:施策を行う決定権はチームにあるんですか?なかには会社の承認が必要なものもあるかと思いますが。

轡田:はい、チームに権限があるので、会社の承認がなくてもどんどん進められます。これくらいしないと普通じゃないスピードで改善していくのは無理ですね(笑)。

鈴木:最初はお伺いを立てていたのですが、それじゃ全然進まなくてダメだと。それこそチームができたばかりの時はサインアップフローの変更に数ヶ月もかかって。面白いのは、綿密に考えた案だったとしても結果が必ずしも良くなるとは限らないということですね。逆に、ラフにやった方が結果が良かったです。このままじゃダメだから、とにかく小さい施策でもいいからスピードもって繰り替えて改善していこう、となっていった感じです。

柔軟なチーム体制による他部署との関わり

GHJ:先ほどグロースチームとマーケチームの住み分けの話がありましたが、実行する施策がチーム外からくることはあるんですか?

轡田:それはありますね。サポートチームから「最近こういう問い合わせ多いんだけど…」とか、セールスチームから「こういう数字が欲しいんだけど」とか。

GHJ:そういう場合どう対応しているのですか? 既に進めている施策との兼ね合いもあると思いますが。

轡田:費用対効果を考えてグロースチームで優先順位を付けて対応します。もともとスケジュールをガチガチに固定していないので、インパクトが大きそうなものが突然入ってきたらそっちを優先して対応することもありますし。そこらへんはかなり柔軟に対応していると思います。

失敗をどう次に活かすのか。諦めないことが成功につながる。

GHJ:なるほど、ありがとうございます。施策について事例を教えて頂けますか?失敗したもの、上手くいったものの両方教えて頂けると。

鈴木:先ほどの数ヶ月に及ぶサインアップフロー変更プロジェクトが1つ。あとは2年間ずっと変わらなかった初期登録画面でのA/Bテストですかね。全然違う20画面くらい試しましたね。やっていく上でいろんな知見が貯まり、改善するまで諦めずにやり続けてようやく改善できました。

上手くいかなかった事例で共通していたことでいうと、「なんかダサいから変えよう」みたいな感じでコンセプトがふわふわしている場合でしょうか。こういうケースはダメだった時も何かダメだったかの学びが少ないですね。逆にコンセプトが明確な場合は、仮に失敗しても次に活かせることが多いです。

轡田:うまくいった事例でいうと、サインアップフローの改善でしょうか。「自動で経理」という機能があり当初はそれを推していたのですが、サービスが成長するにつれて、またユーザーが増えるにつれて、それ以外の機能も充実してきたので、思い切ってその機能を推しすぎないようにしたら離脱率が下がったり、いろんな数字が改善しました。

GHJ:なるほど、強みとして推しだしていたところを思い切って変えるって勇気が要りますね。

※GHJ注)
その他にも色々なグロース事例について話してくれました。それらの事例については別サイトの「継続的なグロースハック「クラウド会計ソフトfreee」のユーザビリティ改善事例 | freee 株式会社」で紹介しております。

最後に

GHJ:色々お話頂きありがとうございます。最後に改めて、freee のグロースチームが大切にしていること、読者の皆さんに伝えたいことについて教えて下さい。

轡田:そうですね…グロースハックを行なっていく上で、というかグロースハックに限ったことでは無いと思いますが、「ユーザーにとってマジで価値あるか」をとことん突き詰めることが大切だと思います。グロースハックというのは本質的にはユーザーの課題解決だと思うので。あとはエジソンのようにあきらめない心と好奇心旺盛であることと。これらをもってやり続ければ伸びていくんじゃないかなと思います。
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まとめ

今回はfreee 社のグロースチームに、グロースハックの考え方やチーム発足の経緯、チーム運営の仕方についてインタビューさせて頂きました。インタビューのなかでいくつも事例が出てきたりと(残念ながらここではご紹介できないものもけっこうありました。)、本当に裁量権とスピード感をもって施策を行なっていることに驚かされました。チーム作りやプロジェクトの進め方など、読者のみなさんがグロースハックを行なっていく上でヒントになるものがあるのではないでしょうか。

【Japan Growth Hack Awards 2015】開催!グロースハッカーによる地方創世

少し日にちは経ってしまいましたが、先日2月10日にKaizen Platformさんが開催した「Japan Growth Hack Awards 2015」のイベントレポートです。

Japan Growth Hacker Awards 2015

japan growth hack awards

本大賞は、Kaizen Platformに登録された1,300人以上(2014年11月時点)のグロースハッカーを対象に、クライアント採用数、採用率、勝率、報酬金額などを審査項目とし、計10部門の優秀なグロースハッカーを決定します。さらに、年間最優秀グロースハッカーとして、グロースハッカー・オブ・ザ・イヤーを決定します。日本で初めてのグロースハッカーに特化した賞です。

出典元:国内初、年間で最も活躍したグロースハッカーを表彰する「日本グロースハッカー大賞」を創設

日本初のグロースハッカーに特化した授賞式イベントということで、グロースハックをテーマに掲げている当メディアもイベントにお邪魔してきました!

(※なお、本文中の「グロースハッカー」は、Kaizen Platformに登録された1,400人以上のWebデザイナー、Webディベロッパー、コピーライターなど、Kaizen Platform上でのA/Bテストを通じてクライアントサービスのUI改善を行っている方々の総称として使っております。)

1部:Kaizen Platform, Inc. Co-founder & CEO 須藤憲司氏から開会の挨拶

Kaizen Platform特化型グロースハック

「高い期待と大きな課題感」
かつて大航海時代においては、船をつかって海に冒険の旅に出ても、生きて帰ってくるということが難しかった。その時代に羅針盤や地図、六分儀など技術が発達し、職人がその精度を上げていったことで遠くまで航海にでても生還率が上がっていった。今、技術革新が起きてグローバル化が進む中、時代の要請をうけて技術を駆使して成果をだしていくことが求まれている。

「何故グロースハッカーが必要なのか」
・競争過多:Webビジネスが当たり前の時代なっており、各社がしのぎを削っている。
・構造変化:今までのように、広告費を2倍にしても売上2倍にならない。効率が悪くなってきている。
・変化そのものの早さ:消費者のほうが動きが早く、今までの取り組みでは対応が難しい。

「Data Driven Marketing」
データを元に成果を出していくことが成長に繋がっていく。これはWebに限らずWebに限らず店舗の什器、DM、TVCMなどのオフラインについても同様。しかし、多くの企業がこれを実現できていない。マーケターが課題を分析し、デザイナーやエンジニアが実装する…という専門化、分業化のなかでうまくできているところは少ない。

「Kaizen Platform」
そういった企業の課題を解決するためにKaizen Platformというサービスを提供。立ち上げて約1年半で国内大手企業100社以上に導入。41カ国800社のアカウントで6,000回以上の改善実施。1,400人のグロースハッカーを抱え、なかには年収1,000万のグロースハッカーも。グロースハックの効果は複利×打席数で考える。一刻も早く開始し、とにかくテストを繰り返すことが成果に繋がる。

「特化型グロースハックチームの提供」
企業のニーズにあわせてECやスマホ、女性向けなど、それぞれに特化された10名程度のグロースハッカーチームを組織し、企業はチームの工数を1人月ずつ購入して10人それぞれの1ヶ月のリソースを10%ずつ確保することができサイト改善に当てることができる。1名を自社で採用するよりもリスクとコストを抑えながら高いパフォーマンスを出すことができる。

2部:日本グロースハッカーアワード表彰式

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クライアント採用数、勝率などを査定項目として、10部門の優秀賞及び、年間最優秀グロースハッカーとして「グロースハッカー・オブ・ザ・イヤー」が決定しました。

賞名称:受賞者
スマートフォンサイト部門:奥村 一弥氏(N)
eコマース部門:早川 学史氏 (EXDESIGN)
旅行部門:平田 啓介氏 (settenLab)
メディア部門:小柳 勝生氏 (やじるし)
人材サービス部門:福井 渡氏 (Oneoneo)
飲食部門:福井 渡氏 (Oneoneo)
サービス・そのほか部門:鎌刈 渉氏 (Pooyan)
クライアント最多採用部門:鎌刈 渉氏 (Pooyan)
勝率部門:井浦 英太郎氏 (PW)、雨宮 史朋氏 (Macapoo)、牧野 健太郎氏 (Split Engine)
女性向けサイト部門:今井 美智留氏 (BRK)
グロースハッカー・オブ・ザ・イヤー:小柳 勝生氏 (やじるし)

3部:グロースハッカーによるパネルディスカッション

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モデレーター:Kaizen Platform 鬼石氏
井浦 英太郎氏 (PW)
雨宮 史朋氏 (Macapoo)
平田 圭介氏 (settenLab)
ゲストコメンテーター:ロフトワーク諏訪氏

「結果を出すグロースハッカー」
稼ぐグロースハッカーになるために必要はことは何か。
井浦氏:Kaizen Platformのツールの中で、採用されるものは勿論、採用されなかったものを分析して、次回以降の提案に活かしていく。
平田氏:改善前のサイトを細かく分析して、ユーザーの気持ちになってみて考える。
雨宮氏:クライアントのゴールを理解して、何をして欲しいのかを理解する。
諏訪氏:成果のでるデザインをシステマチックに作りあげていくのは難しいが、学習し、どんどん改善していけるのがいい。

「場所を選ばない働き方のメリットとは?」
井浦氏:家でも海外でも、場所に関わらずどこでも仕事をできるのがメリット。
平田氏:生まれも育ちもずっと沖縄。そういった状況でもだれでも知っている企業やブランドに対してもチャレンジする機会がある。
雨宮氏:場所を選ばらない働き方というのが当たり前になってきている。福岡は市をあげてITにけっこう力入れてたりするし、東京で人手が足りてないところを地方の優秀な人材が補えるというのは企業にとってもいいことだと思う。
諏訪氏:仕事に戻りたいけど戻れない、そういった人たちがKaizen Platformで生計を立てられるようになれば地方で働く人も増えてくるのではないか。

「グロースハッカーになって生活がどう変わったか?」
井浦氏:一般的なサイト制作だと成果が数値として見えづらいところもあるが、自分の作ったデザインで成果がわかるのでハリがでる。その結果として報酬をもらえるという幸せ。
平田氏:良くも悪くも結果が数値でわかる。自分で考えたことが数値でわかるのは魅力。
雨宮氏:ナショナルクライアントの業務に携わっているということは、ビジネスをやっていく上での営業上の強みにもなる。
諏訪氏:広告代理店殺しのエコシステムだね(笑)ツールとの付き合い方が重要。これだけやっていてもWebサイトの作り方がわかるわけではないが、こうすれば成果出るんだ!というのを実感できたり、スキルを伸ばせるというのはいい。

「グロースハッカーの4つの価値」
1.仮説検証・スキルアップ
2.場所を選ばない
3.大手企業への実績
4.新しい収入手段

まとめ

今回、日本初の”グロースハック”をテーマにしたイベントということで参加してきました。そのなかで大きく以下の2つのテーマがあったかと思います。
1.Webビジネスの変化
2.働き方の変化
前者でいうと構造変化により、今までのようなWebマーケティングの在り方ではなく、より早くより柔軟な動きを企業が求められるようになっていること。後者でいうと、その変化のなかで場所や時間を選ばない働き方をする人が増えてきていること。Kaizen Platformではそういったなかで、企業に対しては新しいWebビジネスの在り方を、グロースハッカーに対しては新しい働き方を提供しています。

日本では「グロースハック」の定義自体がまだまだ曖昧ですし、A/Bテストだけがグロースハックではないですが、この変化を先読みして柔軟に対応していくことが企業にしても、プロダクトに関わっている人々にも求められるのかと思います。

日本初!グロースハッカーのための授賞式イベント開催!

皆さん、明けましておめでとうございます。グロースハックジャパン運営担当の渡邉です。本年最初の更新は、グロースハックに関するイベントのお知らせです。
japan growth hack awards

きたる2月10日(火)に、Kaizen Platform, Inc.が日本国内初のグロースハックに関する賞を創設して、その授賞式兼ミートアップイベントとして【Japan Growth Hacker Awards 2015】を開催するそうです。

イベント内容

本大賞は、Kaizen Platformに登録された1,300人以上(2014年11月時点)のグロースハッカーを対象に、クライアント採用数、採用率、勝率、報酬金額などを審査項目とし、計10部門の優秀なグロースハッカーを決定します。さらに、年間最優秀グロースハッカーとして、グロースハッカー・オブ・ザ・イヤーを決定します。日本で初めてのグロースハッカーに特化した賞です。

出典元:国内初、年間で最も活躍したグロースハッカーを表彰する「日本グロースハッカー大賞」を創設

上記にあるように、Kaizen Platformで、実際にクライアントサービスの改善に携わっている1,300人以上 (めちゃくちゃ多い!) のグロースハッカーの中から、女性向けサイト、Eコマースなどの11部門に渡って、部門ごとに優秀者を選定して表彰するそうです。

賞名称
グロースハッカー・オブ・ザ・イヤー
女性向けサイト部門
スマートフォンサイト部門
Eコマース部門
旅行部門
メディア部門
人材サービス部門
飲食部門
サービス/その他部門
最多採用数部門
勝率部門

当日は、各部門の受賞者からのコメントや、グロースハック事例の紹介もあるそうです。1,300人以上もの候補者の中から選ばれるグロースハッカーの方々の成功事例を聞けるので、皆さんのサービス改善に活かせるネタがきっと見つかるはずですね!

創設目的

日本グロースハッカー大賞の創設の目的は、グロースハッカーおよびその予備軍ともいえるWebデザイナー、Webデベロッパー、コピーライターがグロースハッカーとしてより活躍することを促し、業界を活性化することです。また、企業のマーケティング担当者に優秀なグロースハッカーを広く知ってもらうことで、Webのユーザー・インタフェース品質向上に貢献します。

出典元:国内初、年間で最も活躍したグロースハッカーを表彰する「日本グロースハッカー大賞」を創設

日本でも、ここ1,2年くらいで「グロースハック」というキーワードが認知されてきていると思いますが、まだまだグロースハッカーの地位や、プロダクトやサービス開発の場におけるポジションが確立されているとは言えません。

こういったイベントを通じて、日本でももっとグロースハックという考え方が普及して、開発や改善の場に当たり前にグロースハッカーと呼ばれるポジションの人がいて、当たり前にチームでグロースハックを行っている環境がある…という流れになっていくと面白いですね。

イベント概要

開催日時:2015年2月10日
場所:グラナダスィート (代官山)
参加:無料
定員:100名 (予定)
詳細/参加申込:http://growthhackerawards2015.peatix.com

イベントはおしゃれな街代官山の、結婚式が行われるようなおしゃれな会場で行われるそうです。しかも無料!これはもう盛り上がること間違いなしなので、グロースハッカーの皆さん申し込むしかないですね!

というわけで、新年初の記事では2015年の幕開けを飾るグロースハッカーにおくるイベントの紹介をさせて頂きました。それでは皆さん、本年もグロースハックジャパンをどうぞよろしくお願い致します。

グロースハック図書館 書籍「ハマるしかけ」が面白い

0:はじめに

グロースハックやLEANと名がつく書籍に関して、沢山の本が本屋に並んでいます。

正直、どれから読み始めたらいいのかわかりません。海外本の翻訳だけでなく、日本での独自の解釈を踏まえた書籍はこれからも多数出てくると思われます。

過去、GHJでも推薦書籍企画として
グロースハック前に必ず読みたい本10冊
といった企画を実施しております。

今回は、上記企画の延長戦上として、グロースハックの図書館として新規で出てきた書籍に関する解説をしたいと思います。

1:「ハマるしかけ」

今回は、ニール・イヤールが執筆「ハマるしかけ」 使われ続けるサービスを生み出す「心理学」x「デザイン」の新ルール
という本を取り上げたいと思います。

書籍の内容に入る前に、ニール・イヤールに関しての軽くご説明を。

リサーチャーでありコンサルタント・心理学を得意とし、Hookedというモデルに関して執筆をおこないました。スタンフォードビジネススクールを卒業し、なおかつデザイン学科の卒業もしています。TechCrunchを始め、ハーバードビジネスレビューや、Psychology Todayなどへの寄稿も行っている人物です。

過去リクルート主催の、GrowthHackerMonth等で講演を行っており、日本にも何度か来日されています。

来日に関しての情報等は、VASILY グロースハックブログにて掲載されています。
海外の消費者心理学の専門家が語る、WEBサービスをユーザーの習慣の一部にする方法[前編] | VASILY グロースハックブログ

1:概要

フックサイクルの4モデルに関しての解説と、モデルごとの顧客を巻き込む仕組みに関して書かれています。本モデルの要点は、

①トリガー(きっかけ)
②アクション(行動)
③リワード(報酬)
④インベストメント(投資)

とされています。

これら4つは、1回のサイクルではなく何度も何度も顧客に提供される事によりハマっているという状況になる事につながります。

2:学べるポイント

1)報酬に関しての説明

 フックモデルについては、4つの要素に基づいて実施する仕組みです。どの項目も非常にためになる内容が記載されています。

特にユーザーが一番知りたかった、①トリガー(きっかけ)の要素に関してどの様に検討すべきかという部分は、内的・外的トリガーとして説明がされています。

しかし、グロースハックジャパンでは③のリワード(報酬)に関しての解説が非常に価値のある情報だと感じました。

多くの場合、リワードはバッジを与える事やユーザーに対してコストに見合うお金などを支払う事と考えられがちです。

しかし、実際はコミュニティかたら与えられるちょっとした評価やアプリケーションからのコメント等がそれにあたるとされています。

明確に数値化できないけれども、ユーザーがぼんやりと感じられる予測不可能な価値が、フックモデルに必要な価値とされています。

2)実際のモデルを交えた解説

 GHJ系の書籍に多い傾向ですが、○○を実施することによりxx%の効果が出た。

といった物や対象サービスのみに特化した解説が多いです。自社サービスに照らし合わせた際に同じ事ができるかというと、多くの場合参考にしかなりません。

本書籍では、効果が出る理由性や概念的な部分での解説を厚く実施しています。自社サービスにおいてどうか?といったものや、これから作りたいアプリにおいて指標とすべき部分等を学ぶ事ができます。

3)読み方についてのポイント

 GHJは、この書籍を読んだときに、読み方に関してポイントがあると感じました。

章の最後には、今すぐやってみようという項目が用意されています。

例えば、①のトリガーであれば、あなたのサービスのユーザーは誰だろう?といった事や、ユーザーの習慣化の直前に実施している行動は何なのかイメージしてみよう、といった事になります。

本書籍は、非常に読みやすく本項目に関して読み飛ばしがちですが、一旦書籍を閉じて自分のサービスにおいてどう当てはまるのかを考える事が重要です。

そこで、すんなりと回答が出てこなければ自分のサービスに関して深く考える事が必要です。

また、質問意図が不明瞭であれば対象の箇所を再度読み直す事が求められます。

3:最後に

グロースハックは定型的な知識・スキルではなく、広がりを持った能力となりつつあります。

グロースハックジャパンは、これからも新刊や古典も含めて推薦書籍を解説したいと思います。

もし、買おうか悩んでいるから解説してほしいといったものや、自薦他薦で書籍ございましたらFaceBookページにてコメントお願いします。

スタートアップにおけるベストパートナーを選択する為の5つのTIPS

0:概要

本記事は、INC How to Pick the Best Business Partner
を翻訳し、GHJの解釈も交えて記事を掲載しております。

今パートナーがいる人は全て当てはまる。
パートナーがいない人でしたら、こんな人かどうかを参考に探してみて下さい。

1:パートナーを持つ事とは

パートナーを持つ事は、自分のビジネスにおいて、最良の選択を選ぶ事も悪夢の様な状況に陥らせる事にもつながります。

正しい人を雇えないと、人生において最大のミスを犯す様な事につながる可能性があります。

先週、デール・パリスはというビジネスパートナーと会社設立10年を祝いました。それと同時に12年彼と一緒に仕事をしてきました。これまでの中で、スタートアップにおけるパートナーの見つけ方に関して、いくつかのヒントがありましたので記載したいと思います。

2:補完し合う事ができる人か?

パートナーは両方の人々が機能して、初めてパートナーシップを発揮できます。私は、良き作家であり、ビジネスマンです。

しかし、私は数学に関してはからっきしです。一方で私のパートナーは数学やロジスティクス(物流)に関して天才的な能力を持っています。

つまり、私たちは多くの事に対して補完し合う事ができるのです。逆に、お互いが最高だと思っている部分でぶつかり合ってしまうと、多くの時間を浪費する事につながります。

3:相手のアイディアしか採用されなくても、腐らないか?

もし、ビジネスにおいてあなたのアイディアが一つも採用されなかったとしても、相手をサポートする事ができるでしょうか?

自分のアイディアに関しては、最高の価値を持ち、誰に卑下されてもかちんと来る部分があるかと思います。なんで採用してくれないのと、相手を恨めしく思う時もあるでしょう。

しかし、本当の意味でのパートナーシップは逆です。相手のアイディアが採用された時には、それが実行・成功を移されるために必要な様に自分のリソースを裂きます。

逆に私自身がより多くのアプローチを取る為に必要な物があれば、パートナーのサポートを求めます。パートナーシップを発揮する為には、自分たちが快適と思える場所にいきつける努力を惜しんでは行けないのです。

パートナーが耳を傾けなかったり、自分がパートナーを尊重できない場合、あなたは相手の事を競争相手として見てしまいます。

スタートアップにおいて、パートナーとは多くの時間を過ごします。

本来戦うべき、見えない競合相手と戦うよりも、目の前にいる気に入らない人と殴り合うことの方が簡単です。殴りたい拳を諌め、お互いに前向きな関係である事が必要です。

4:問題やミスをさらけ出せるか?

ミスというのは、会社であれ・個人であれ非常に嫌な感情を持つ物です。実際人間というのはミスをする動物ですので、致し方ない事というのには度々見舞われます。

しかし、パートナーシップを機能させる為には、ミスはすぐに共有する事が重要なのです。共有しない場合、多くのとき発生するのは、培った信頼への亀裂です。

これは、逆に相手がミスを犯した際に慣用である事にもつながります。パートナーが犯したミスに対して、再発の防止策をお互いに考える事のが前向きな成長を生みます。

ミスを明かしてくれれば、多いに喜んで下さい。
自分がミスを発見して、相手に対して怒る時間を節約させてくれたのですから。

5:パートナーとゴールが一致しているか?

パートナーと共有しなければいけないのは、業績でも・ソースコードでも・かわいい女の子の情報でもありません。ゴールが一致しているかです。多くの場合、事業ベースで物事を考えがちです。

短期的ビジョンでのスタートアップであれば、これもまた間違った選択ではないでしょう。

しかし、多くの場合社会的影響を与えたいといった目標や、世界を変えたいといったゴール設定があるとおもいます。これらが、共有できていないと、おおうにしてスタートラインに戻る事を求められます。

もてはやされるピポットという視点に関しても、あくまでゴール共有ができていればの話なのです。

ゴールが事業設定の度に変わる様では、ゼロスタートと何ら変わりないです。

どんなに人格的に・モチベーションに優れていた人物であってもゼロスタートであれば疲弊します。

自分が持っているゴールと相手の持っているゴールをしっかりとすり合わせる事に関しては、コストとしてではなく必要なプロセスと考える事が必要です。

あなたはできていますか?コンテンツマーケティングを実施するときに意識すべき行動心理学5つ[寄稿]

「コンテンツマーケティング」と「行動心理学」この2つのものそれぞれは、こちらのブログの読者の皆様であればよくご存知かと思います。

コンテンツマーケティングはここ数年で注目度が一気に高まってきたWebマーケティング手法であり、行動心理学は古くからマーケティングに応用されてきたものですが、この2つを結びつけて考えたことはありますか?
実はコンテンツマーケティングの注目すべき効果は、サイトのアクセス増加への貢献だけではなく、行動心理学を利用して、当人も気付かないうちに行動を変容させる力です。

今回は、コンテンツマーケティングによって得られる行動心理学の原理・法則5つと、コンテンツマーケティング戦略への落とし込み方をご紹介します。

1.権威への服従原理

権威への服従原理とは、権威がある人や、その道の専門家の言うことは正しい、と信じてしまうことです。
出典:権威への服従原理とは何か?- YouTube

権威性を利用して信頼を獲得するという手法は古くから取り入れられています。「歯科医師推奨」や「モンドセレクション金賞受賞」などは権威を利用して自社製品への信頼を獲得するための常套手段です。

コンテンツマーケティングにおいては、「その業界の専門家」「その業界で優れている存在」であることを認識させることが重要です。ある製品やサービスについての深い知識や役立つ情報をコンテンツとして発信することで、その業界の権威として認識され「このサイトに書いてあることは信頼できる」と認識されやすくなります。

その感覚がどんどん強化されていけば、「このサイトでおすすめしているものなら信頼できる」と購買へのハードルがかなり低くなり、あなたの商品を信頼してリピートしてくれる優良顧客も増やすことができるようになります。

コンテンツマーケティング戦略によっては、サービスなどに直接的な関係が薄いおもしろコンテンツでPV数をのばすような戦術を取る場合がありますが、これは権威性の面から考えるとマイナスに働く場合も考えられます。コンテンツの中身はコンテンツマーケティングを行う目的とユーザーに与えたいイメージを考慮し、慎重に選びましょう。

2.単純接触効果

単純接触効果(たんじゅんせっしょくこうか)は、繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。
出典:wikipedia

あなたも流行っている曲を街中で何度も聞いているうちに好きになってしまった、なんて経験があるのではないでしょうか?
これはコンテンツマーケティングにも適用できる考え方であり、コンテンツを通してあなたのサイトに接触するたびに、あなたのサイトやあなたの会社に対するユーザーの好感度は高まっていくのです。

好意を持ったユーザーはあなたの会社のサービスの提案に対しても好意的な反応を示しやすくなります。あなたも何か買うなら今日初めて会った人より何度か会っている人から買いたいですよね。

コンテンツマーケティングが、サイトや会社へのイメージ向上や売上向上にも貢献する理由がよく分かるのではないでしょうか?

しかしながらこの効果は、あなたが提供するコンテンツがユーザーを満足させられるものであることが前提となります。
ユーザーの好意的な態度を引き出すためにも、一つ一つのコンテンツのクオリティーを常に高めていく努力が必要です。

3.返報性の法則

人は何かしらの施しを受けた場合、お返しをしなければいけないと考えます。この心理現象の事を返報性の法則と言います。
出典:【保存用】Webからの売上を増やすために使える行動心理学、30法則まとめ

情報もある意味では「施し」であると言えるでしょう。価値のあるコンテンツをあなたのサイトから何度も受け取っているユーザーは、深層心理で「何かお返しをしなければいけない」と考えます。

もしあなたが整体院の院長で、あなたのブログを見て度々情報収集をしているユーザーがいたとします。
その人がいざ実際に整体院に通おうと思ったら、いつも色々なことを教えてもらっている恩返しの気持ちが働き、まずあなたの整体院に行こうと思うはずです。

裏を返すと、ユーザーに効果的なコンテンツマーケティングを行うためには、コンテンツの中身がユーザーにとってメリットを感じさせる情報である必要があります。

企業がコンテンツマーケティングを行う場合、早く購買行動を起こさせたいという気持ちが働いてしまい、無意識のうちにユーザーが知りたいことよりこちらが伝えたいことばかりを優先してしまうことがあります。しかしながらそれではユーザーのエンゲージメントは高まらず、効果は半減してしまいます。
リリースするコンテンツはユーザーにとって価値があるかを常に意識しましょう。

4.一貫性の原理

人は自身の行動、発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理が働く。この心理を「一貫性の原理」と呼ぶ。
出典:wikipedia

この原理は「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」と呼ばれる手法に利用されています。これは、まずは小さな要求から行い、それを受け入れるという態度を引き出した後に要求を上げていくと、最終的に購入の要求も受け入れてしまうというもので、この時の顧客側には一貫性の原理が働いていると言えます。

コンテンツマーケティングでは、最終的なゴール(製品の購入など)につなげるために、見込顧客であるユーザーに「最初の要求を受け入れてもらう」ことを意識することが重要となります。
最も障壁が低いものではいいね!やシェアなどのソーシャル拡散ですが、理想としてはメルマガ購読などユーザーに自身の情報を入力させるところまでを第一の障壁と考えた方がよいでしょう。

ポイントは要求を受け入れてもらうための導線や受け皿の設計です。
まずソーシャル拡散を促すボタンを記事のページの上部・下部につけ、ユーザーが押したいと思うタイミングで目に入るようにします。拡散方法もユーザーによって好む方法が違うため、FacebookとtwitterはもちろんはてブやGoogle+など、サイトのターゲットユーザーが使う可能性があるものは出来る限り網羅しましょう。

さらにサイトに訪問したユーザーのメールアドレスや名前を獲得するために、メルマガ購読や無料の資料のダウンロードなどのオファーも用意します。
ユーザーの目に入りやすい場所にバナーを設置し、ユーザーにオファーが伝わるようにしましょう。ここでユーザーに色々な情報を入力させようとすると離脱する可能性が上がるので、必要最低限の入力項目にとどめましょう。

▼スクロールについてくるバナーで常にオファーを表示

一貫性の原理_スクロールについてくるバナーで常にオファーを表示

実際にユーザー情報を獲得するページはこちら

5.バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、そのサービスを購入・利用する人が多ければ多いほど、一人ひとりの顧客の満足度や安心感が高まっていく心理的現象の事です。流行している空気を醸成できれば、そのサービスに対する支持をより強める事ができます。
出典:【保存用】Webからの売上を増やすために使える行動心理学、30法則まとめ

わかりやすく言うと「勝ち馬に乗りたい」という意識です。バンドワゴン効果は特にニーズが顕在化している見込顧客に対して効果を発揮する理論です。
ダイエット食品のLPなどで「太っているというコンプレックスを持っている人たち(=今あなたが属している集団)」と「痩せていて自分のスタイルに自身を持っている人たち(=より理想的な集団)」を提示し、「あなたもダイエットして理想的な集団の一員になりませんか」とオファーを出すような形で使われているのを目にするかと思います。

一般的にコンテンツマーケティングはニーズが顕在化しているユーザーよりも、購買から遠いけれど将来的に購買に至る可能性があるユーザーと出会うことに重点が置かれますが、実際には購買に近いユーザーにも多くのプラスの影響を与えます。

あなたがユーザー側の立場になったと想定すると考えやすいかと思いますが、多くの顧客は、似たようなサービスを購入しようと考えた場合、流行っていそうなものを選択します。

コンテンツマーケティングを行い、コンテンツに人が集まっている状況を作り出すことで、あなたの会社のサービスが「勝ち馬である」と感じさせやすくなります。
逆にコンテンツマーケティングをあなたが行っておらず、競合他社が行っていた場合、ブランディングの面で負けてしまうので、同レベルもしくはより高いレベルのサービスを提供していても選んでもらえない可能性が出てきます。

これはコンテンツマーケティングがある程度成功している前提で享受できる効果となりますが、実は購買に近いニーズが顕在化している見込顧客にも、大きな効果を発揮するのです。権威性や単純接触による信頼獲得などに加え、このバンドワゴン効果も意識したい行動心理学の理論の一つです。

まとめ

コンテンツマーケティングによってユーザーの行動心理に働きかける方法をご紹介しました。

現状コンテンツマーケティングを実施しているがあまり意識していなかったという方は、これからぜひ行動心理学に注目してみてください。
そしてこれからコンテンツマーケティングを始めるという方は、戦略立案の段階から、ユーザーの行動をどのように変化させていきたいかを想像しながら行動心理学を取り入れていきましょう。

プロダクトの成長に最も重要な6つの心得 / 【今まで本当にありがとうございました!】growth hack japanを退職します。

「グロースハックはマーケティングじゃねぇんだよ」

「何してますか?忙しいですか?グロースハックしてもらってもいいですか?」

「まだマーケティングで消耗してるの?」

「グロースハックを! ウグッブーン!! ゴノ、ゴノグローブッヒィフエエエーーーーンン!! ヒィェーーッフウンン!! ウゥ……ウゥ……。ア゛ーーーーーア゛ッア゛ーー!!!! ゴノ! グロ! ハックガッハッハアン!! ア゛ーーグロースハックを! ゥ伝エダイ! その一心でええ!! ィヒーフーッハゥ」

タイトルは最後まで悩みましたが、最後のエントリーは真面目に、予てより本媒体をご愛顧頂いている皆様に素直に現在の想いをお伝えしようという結論に至りました。

本日を持ちまして、私森竜太郎は、昨年の11月より執筆を続けて参りましたgrowth hack japanのライティング及び運営担当から退職する運びとなったことをここに報告致します。

私事で大変恐縮ではございますが、半年以上にわたって本ブログをご支援頂いた読者の皆様、運営に協力頂いた関係者の皆様に、この場を借りて深く御礼申し上げます。

僭越ながら、growth hack japanを通じて学んだプロダクトの成長に関するノウハウ、今後の活動予定、そして皆様へのお願いなども以下に掲載致しました。

どうか最後までご覧頂ければ幸いです。

growth hack japan

マーケティングのマの字も、グロースハックのグの字も分かっていなかっただろう昨年末、私は当時勤務していた株式会社Vapesよりgrowth hack japanの立ち上げを命じられました。

TechCrunchを含む米系テックニュースを定期的に講読していたとは言えど、自ら情報を発信するほどの知識は皆無。

もちろんそんなブログに人が集まることはなく、1ヶ月以上はほとんど誰にも見てもらえない状況が続きました。

そんな現状に何度もプレパラートのハートが折れそうになりましたが、仕事は仕事。

自ら積極的に学習を重ねたことはもちろん、同系ブログを執筆する先輩からブログの書き方を教わったり、当時の同僚や友人に拡散を依頼したり、多くの皆様に助けられながら数多くの皆様にご覧頂けるブログへと成長しました。

私個人の学習内容を記録する役割も担っていたgrowth hack japanがここまでの成長を遂げたのは、偏に皆様のおかげです。

ひとつひとつのツイートやいいね!が、皆様と共に学習を深めているという実感が、growth hack japanを通じて得られたひとつひとつの出会いが、本日までの執筆活動を後押ししてくれました。

本当に、本当にありがとうございます!!!

growth hack japanの功罪

growth hack japanにおける執筆活動を通じて、微力ながら日本における「グロースハック」という概念の普及に貢献したことは、一つの事実だと捉えています。

開発とマーケティングが明確に切り離されていた一昔前の考え方に僅かながら変化を与える役割を果たし、結果として多くの皆様から反響を頂いた事は本ブログを通じて達成したかった目標の一つであり、その結果には決して満足していない一方で、本業務から身を引くひとつのきっかけになりました。

一方で、グロースハックという言葉が一人歩きし、一部に誤った理解が広がってしまったことも事実。

これに関しては、知識・説明不足のまま執筆活動を行っていた私も勝手ながら責任を感じており、深く反省している次第です。

過去記事を通して正しい理解の普及に努めてきたつもりではございますが、自身に対する戒めの意も込めて、本記事においても改めてプロダクトの成長に関する根本的なノウハウを共有したいと思います。

プロダクトが命

顧客が価値を見出せないプロダクトにいくら小手先の施策を講じても無駄

複数の記事を通じてお伝えしてきた、プロダクトの成長の根本にある考えの1つです。

あなたのプロダクトはどんな問題や課題を解決するのでしょうか?あなたのプロダクトにしか提供できない価値は何でしょうか?このプロダクトがなくなった時、いったいどれほどの人が悲しみや落胆を示すでしょうか?

growth hack japanで紹介してきた海外の著名プロダクトが講じてきた細かな施策の数々は、根本的な価値を際立たせるための技であり、それら自体に価値がある訳ではありません。

以下の過去記事などを参考に、今一度プロダクトの価値について再考してみてください。

その先には必ず急速な成長が待っているはずです。

参考:

「好きより価値を追求しろ」ネットの覇者アンドリーセンが語るプロダクト論

成功するために、グロースハックはマーケティングよりもプロダクト開発に焦点を当てなければいけない

「グロースハックとは」 FB、Twitterの成長請負人が語るあなたの考えを覆すグロースの真実

継続ユーザーの育成が肝

グロースハックという概念とともに、AARRRというコンバージョンの捉え方も広く普及しました。

AARRRの普及に伴って、総ダウンロード数や累計PV数といった指標の重要性が低下し、より細かで、緻密な解析を通じてサービスの成長に貢献する指標が注目を浴びるようになったことは、ウェブサービスやアプリの開発サイド全体にとって非常に前向きな一歩であったことに疑いはありません。

しかし、AARRRの中でも特に注目を集めるのはAcquisition(ユーザー獲得)とReferral(紹介)の2つ。

海外のどの急成長プロダクトも最重要視していると言って過言ではないRetention(継続利用)の重要性は、今後より深く認知されるべきだと考えます。

プロダクトをこよなく愛するユーザーが増えれば、その後のReferralやRevenueの基礎は整います。

以下の2つのコホート分析グラフを見れば継続ユーザーを育成する事の重要性は明らかであり、サービスが迎えるフェーズにもよりますが、今後はより多くのグロースチームがリテンションの優先順位を高めてプロダクト全体の改善に努めていくべきでしょう。

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(継続を疎かにした結果、新規ユーザー獲得が減少すれば今にも収益が激減してしまう状況。ZyngaやGrouponがこの最たる例。)

Screen Shot 2014-07-18 at 15.19.48

(フェーズごとの獲得ユーザーは比較的少量だが、継続ユーザーが多い分、持続的な成長が可能。)

*画像: Customer churn can kill your startup

徹底的な顧客開発

プロダクトの価値を高める事も、リテンションを最適化する事も、全ては徹底的な顧客開発から始まります。

顧客開発の重要性は、グロースハックに限らず、コンセプトの大部分を共有するLean UXやLean Startupでも説かれています。

優秀だからこそ頭でっかちになってはいけません。

まずはオフィスを飛び出しましょう。

ユーザーや見込みユーザーの声に耳を傾けることが、急速な成長の推進力となるはずです。

固定観念からの脱却と失敗を責めない文化

顧客開発の重要性に関連して、制作サイドは常に自身が持つ固定観念に囚われない強い意識が必要です。

固定観念に基づいた仮説構築は改善フローのファースト・ステップとして誰しもが通る道ですが、より大切なのはその先にある検証作業。

100回試して80回失敗する事も当たり前」という言葉を忘れずに、自身が正しいと信じる考えが間違いである可能性を常に胸に留めておきましょう。

また、周囲が間違いを犯したとしても、それを責め立ててはいけません。

チーム全体が挑戦の結果生まれた失敗を許容する文化を醸成しましょう。

「そもそも失敗とは、多くの場合成功するまで続けなかったことが最大の原因」

このくらいのリスク許容性を持っていてもなんら問題はないでしょう。

左脳同様に重要な右脳

数値データに基づいた改善作業は、あくまでグロースチームのタスクの1つでしかありません。

チームや社内に創造性を尊重する環境と文化を育みましょう。

コピーライティング、デザイン、チャネルの発掘など、著名サービスの成長は、左脳と並んで右脳をフルに駆使した結果と言えるのです。

「グロースハッカー」は不要

ライティング、デザイン、プログラミング、データ解析、マーケティング、コミュニティ・マネージメント…

そもそも「グロースハッカー」とは、これら全てをたった独りで実行し、プロダクトの成長を請け負う人材として注目を集めました。

しかし、深く考えなくてもこんな人材がうようよ存在するわけがなく、こんな人材がプロダクトの成長に必要不可欠ではないことも明白です。

もちろん「グロースハッカー」の定義に未だ確固たるものは無く、役職に「グロース」が付くことで意識が高まるというなら話は別ですが、名前だけが先行してタスクの責任所在地が曖昧になっては元も子もありません。

必要なのはこれらのタスクを総合的に実行できるグロースチームであり、今まで各部署が孤立して存在していたのなら、その壁を取り払うことこそが開発サイドには求められているのです。

growth hack japanと私個人の今後

以上、最後ということもあり色々と好き勝手物申してみましたが、タイトルの「退職」という言葉からも分かる通り、株式会社Vapesが所有するgrowth hack japan自体は私とは別のライターの皆様の力によって今後もメディアとして存続します。

メインのライター及び運営担当者が変わればメディア全体の趣向にも多かれ少なかれ変化が生まれることが予想されますが、今後growth hack japanを引き継いで頂く皆様には、上記で述べたプロダクトの成長に関する理念を基に、質の高い記事をより多くの皆様に届けて頂きたいと心より願っております。

僭越ながら私個人の直近の活動予定に関して記述いたしますと、今後は様々な社会問題(詳細は後述)をインターネットとデータの力を通じて解決するために、まずは私が出来ることやるべきことを画策したいと考えています。

ソーシャルビジネスや非営利活動とは異なるビジネスとしての大きな可能性を感じていることはもちろん、特に途上国における社会問題は大学時代より研究を重ねてきた分野であり、自身の情熱とユーザーに提供出来る価値が最も高い位置で交わる分野であるとの考えからこの道を志す決断に至りました。

現在は会社を建てることも十分視野に入れてリサーチやヒアリングに多くの時間を割いていますが、正直言って起業単体にはあまり興味がなく、私と私の理念やビジョンに共感してくださる同志が主体となってサービスを提供する意義が見出せた場合にのみ、起業に踏み切りたい所存です。

つきまして、宣伝のような形となり大変恐縮ではございますが、

①同分野に興味関心がある、

②(growth hack japan書いてた森竜太郎と)社会的インパクトの大きいビジネスに取り組みたい、

③手が空いてるし、困ってるんだったら頭脳とスキルを貸してもいい、

という3つの内いずれか一つでも当てはまる方がいらっしゃれば、是非とも私のFacebook個人アカウントまでご連絡頂ければ幸いです。

注文をつけるようで大変申し訳ございませんが、①エンジニア、②データサイエンティスト(統計・金融工学など)、③(特にネット金融・決済関連サービス系)ビジネス立ち上げ経験者の方がいらっしゃれば、極力時間や場所のご希望にお応えする形でお伺いいたしますので、何卒宜しくお願い致します。

ずば抜けて頭が言いわけでも口がたつわけでもありませんが、経歴から今後の展望に至るまで色々とお話出来ればと思います。

暇つぶしにでも構いませんので、ご連絡を心よりお待ちしております。

最後に

長々と大変失礼致しました。

重ね重ねになりますが、本日まで私がメインで執筆を担当してきましたgrowth hack japanをご愛読頂き誠に有り難うございます。

運営体制は変わりますが、growth hack japanは今後も皆様に有益な情報をお届けすることを目的に存続致します。

変わらぬご愛顧を賜りますようどうか今後とも宜しくお願い致します。

・・・・・・長い間!!! くそお世話になりました!!!

この御恩は一生・・・!!! 忘れません!!!

素晴らしい経験を有り難うございます!!!

*Twitterを始めてみます。

Ryutaro Mori ( @pantbutter )

*東京都心で格安で住めるお家探してます。

心当たりのある方は、Ryutaro Mori ( Facebook )までダイレクトメッセージお待ちしております!

スタートアップがプロダクトの価格を設定するときの5つのポイント

Translated by Takaya Uchida

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訪問者に訪問以上の行動を取らせる6つのアクティベーションテクニック」でもいくつかテクニックをご紹介しましたが、プロダクトの価格設定は常に頭を悩ます問題です。

価格を高く設定し過ぎてしまうと、ターゲット層の多くの人にリーチできなくなるリスクがあります。

一方で、安く設定すると多くの需要を獲得することはできるかもしれませんが、熾烈な価格競争を強いられる可能性があります。

では、どちらにも転びたくないスタートアップはどうすれば良いのでしょう?

本記事はThe Next Webに掲載された記事(原題:How to determine the right price for your product)を参考に著者が執筆したものになります。

固有の立ち位置を確立する

人々は他のプロダクトと比較できる特徴があまりないときにプロダクトを価格で比較します。

日本の家電大手メーカーはまさにこの典型例で、人々の需要にマッチする独創的な価値を創出できずにいるため、価格競争を余儀なくされています。

価格競争を避ける対策の一つとして、他のプロダクトと差別化を図ることや、固有の立ち位置を確立することが挙げられます。

例えば、全てのパーツが国内で製造されているならば、国産と明示することによってより高めの価格設定を行うことができます。

付加価値を付ける

業界によっては固有の立ち位置を確立することが必ずしも容易ではないことがあります。

この場合、プロダクトを他のプロダクトやオプションと組み合わせてパッケージとして売ることによってより高額の価格帯を正当化することが考えられます。

この例としては、アメリカのサービスではありますが、主にフリーランスによって活用されているFiverrが挙げられます。

オンライン上でユーザーが単発の仕事を他のユーザーに依頼できるマーケットとしてのサービスを提供しているFiverrは、引き受けた仕事の報酬として一律に上限を$5と定めています。

これでは仕事を引き受けた人は食っていけないではないか!と思われるかもしれませんが、仕事を引き受ける側が付加価値を提供することによって、付加価値分を報酬に上乗せすることが可能なため、これが低額の基本報酬を埋め合わせしているのです。

つまり、労働というサービスを、付加価値を付け加えることによってより高額で仕事に依頼者に売っていると言えます。

fiverr

初めは高めに設定して、徐々に値下げしていく

プロダクトの価格はいつでも変更することは可能ですが、値下げをすることに比べると値上げをすることは非常に困難な選択でしょう。

プロダクトを売り出してからまだ間もない時期は理想的だと考えている価格よりも高めに設定して、徐々に最適価格に値下げしていくことが鉄則でしょう。

この戦略を巧みに実践している良い例はAppleでしょう。

新しいiPhoneが発表される度に、価格が高すぎるという批判がなされますが、販売直後の波が去った後にAppleはより妥当な価格に値下げします。

新しいiPhoneを一早く入手したくてしょうがない人は少しくらい値段が高かろうと購入し、待つことができる他のユーザーは値段が下がるまで買うことを控えるのです。

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コストを熟知していること

どの業界にもコストと小売価格との間に特有の比率が存在します。

例えば、枕の製造と販売の業界ではコストと小売価格の比率は5:1です。

この業界のある起業家はこの比率よりもかなり低い価格で枕を売っていたそうですが、破産の瀬戸際まで追い込まれたことがあったそうです。

ここで強調しておきたいことは、プロダクトをユーザーと提供側両方に取って適正な価格をつけるには原料の入手、製造、そして流通全てにかかるコストをきちんと理解している必要があるということなのです。

A/Bテストを行う

ここでもA/Bテストかと思われるかもしれませんが、どの価格帯やキャッチコピーが人々に最もウケがいいのかを示してくれるのはあなたの直感ではなく、「海外の著名グロースハッカーが必ず押さえる6つのステップ」でも述べたようにA/Bテストの結果です。

eコマースのプラットフォームを持っている場合には、複数の価格を設定し、それぞれに別個のランディングページを設定することによって、どの価格とキャッチコピーの組み合わせを人々が最も好み、購入までつながるのかを観察して初めて適正な価格が見極められます。

split test

最後に

一旦価格の安さで勝負をしだすと、過去を振り返ってみてもわかるように、常に市場でより大きなシェアを占めている大企業が競合他社を潰してきた歴史があり、細々とした収入しかないスタートアップにとってはこの土俵は分が悪いのです。

プロダクトの価値を値段が安いことに見出す戦略は、他の手法が上手くいかなかったときの最終手段としてとっておきましょう。

見落とされがちなオフライン上での3つのリファラルチャンス

Translated by Takaya Uchida

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オーガニックな口コミ」による流入は昔から、そして今なおスタートアップにとっておそらく最も魅力を感じるマーケティング形態でしょう。

自身のプロダクトを友人や同僚に紹介してくれる人がいるというのは、そのプロダクトが良くて人々に求められていることを示す最も確実な証拠です。

一方、新規ユーザーにとっては知人からの「オーガニックな口コミ」が最もそのプロダクトに関して理解しやすい方法でもあり、信頼を置いている人からの推薦は、人々に自身と相性のよい素晴らしいプロダクトを発見することも容易にしてくれるのです。

本記事ではプロダクトを最も頻繁に使ってくれているユーザー(パワーユーザー)をリファラルに活用するオフライングロースハックテクニックを3つ程ご紹介します。

合わせて読みたい記事:

プロダクトに「売れる仕組みを埋め込む」6つのテクニック

リファラルとバイラルの関係性

グロースハックの専門用語を使うならば、「リファラル」とは新規ユーザーを自社のプラットフォームに招待するプロセス、すなわち、人を招待することから始まり、彼らが新規ユーザーとしてサインアップしてくれる一連の流れのことを指します。

また、既存のユーザーが新たなユーザーを招待することをバイラルループと呼んでいます。

Andrew Chenはバイラルループを

既存のユーザーが新規のユーザーを招待する上で取る一連の手順

と説明しています。

さらに、リファラルが上手くいっているかどうかを判断する指標をバイラル係数と呼び、バイラル係数は既存のユーザーがコンバージョンできる新規のユーザーの数を表しています。

バイラル係数の計算式は以下のようになります。

viral formula

リファラルマーケティングは上手くいくのか?

最初に申し上げてしまうと、リファラルを活用したマーケティングは非常に効果的です。

例えば、growth hack japanでも度々取り上げているAirbnbはプロダクトグロースの内、リファラル起因のグロースが30%もの割合を占めています。

リファラルに関する最先端の手法にご興味がある方は「リファラルを飛躍的に向上させることが実証されている11のテクニック」も是非参考にしてみてください。

なぜパワーユーザーがリファラルに重要なのか?

あなたにとってのパワーユーザーとはどのようなユーザーなのでしょうか?

パワーユーザーとは、あなたのプロダクトを誰よりも先に使ってみて、あなたにフィードバックを提供し、プロダクトに関する内容をSNS上で言及し、その後もプロダクトを頻繁に使用し、さらにあなたのプロダクトを(自身の便益のために)より有効活用できることに喜びを感じているような人達です。

プロダクトの提供側としては、ユーザーがプロダクトを通して行っていることに上達することを常に後押しすべきでしょう。

カスタマーサービスを通してユーザーをプロダクトの伝道者に仕立て上げるように努めることが重要なのです。

スタートアップがリファラルの仕組みにテコ入れするには、パワーユーザーを活用することが最適なのですが、その理由は:

1.  量ではなく質

スタートアップして間もない段階ではおそらくまだ沢山のユーザーは獲得できていないことでしょうが、自社プロダクトに強い関心を示しているユーザーはいることが考えられます。彼らはあなたのプロダクトに興味を持ってくれているため、プロダクトの提供側としては彼らと交流を持ち、パワーユーザーになってもらうことを直接的に働きかけることができるのです。プロダクトのローンチ直後は多くのユーザーではなく、数少ない熱心なユーザーがいることの方が重要なのです。

2.  思想的指導者

多くの場合、プロダクトが魅力的なものであれば、プロダクトが位置するニッチな分野の思想的指導者やインフルエンサーが最初にあなたのプロダクトを試しに使ってみることでしょう。これは、インフルエンサーである人々は一足先に最新ツールを使ってみることによって他の人よりも抜きん出ることを常に模索しているからなのです。インフルエンサーがリファラルに寄与してくれることはグロースを後押しする大きな力となってくれます。

質の良いアクティブユーザーはあなたのプロダクト上でシェアボタン等をクリックしてくれます。

パワーユーザーはこれよりさらに進んでより多くのことを実践してくれ、以下で「より多く」の部分を述べていきます。

リファラルを増やすためにパワーユーザーを活用する3つの方法

あなたのプロダクトを心底気に入っているユーザーは、プロダクトへのロイヤリティを見せびらかします。

あなたの仕事は彼らのプロダクトに対する情熱を受け入れ、彼らにさらに一歩進んだ行動を取ってもらうことにあるでしょう。

彼らがただの「アクティブユーザー」であった場合は、彼らを熱烈なアクティブユーザーに変える必要があり、既にパワーユーザーであった場合は以下でご紹介する3つのテクニックによって、彼らに数十倍もの人にプロダクトを紹介させるように仕向けることができるのです。

これから紹介する3つのテクニックは技術的に難しい点は一つもなく、費用のかかるものでもありません。

3つのテクニックが強力なのは、デジタルな世界から実世界に影響を及ぼせることにあるのです。

1.  ステッカーは常にパワーユーザーに喜ばれる

最近シリコンバレーを訪れたことがある人ならば、おそらくいくつものシールで埋め尽くされたMacbook airが目についたことでしょう。もはや軍人が上着に付けている数々の勲章と同じにすら見えてきます。

自分のパソコンにプロダクトのシールを貼るのはどのような人達なのでしょうか。

それは、そのステッカーが示している企業で働いている人か、そのプロダクトを熱心に使っていて、使うことが自身の価値観の一部を表していると信じている人かの2択です。

MacユーザーはMacへの熱烈なファンが多いことで知られていますが、彼らはどのようなシールであれば自身の貴重なMacbook airに貼るのでしょうか? 見栄えが良いステッカー? それとも機能的なステッカー?

そもそも機能的なステッカーとは何でしょうか? ずばり、それは価値を提供してくれるステッカーなのです。

Evernoteが実行したグロースハックは機能的なステッカーの良い例です。

Evernoteは皆さんもご存知の通り、人々がネット上で見たことを収集し、それに関するノートを取ることを可能にするサービスです。

これによりEvernoteは、人々が仕事の会合やミーティング中に会合内容のメモを効率よく取リたい場合に使うツールとしての立ち位置を確立しました。

しかし、これはユーザーが会合中もパソコンも開いていることを意味し、「会合とは関係ない作業を他人が話している間にしていて」話を聞いていないように他人から見られているかもしれない、という居心地の悪い思いをEvernoteのユーザーに誘発してました。

そこで、Evernoteはこの問題を解消すべく、ステッカーを作りました  −  安定したリファラルの獲得(ステッカー見た全ての人はそれを貼っている人がEvernoteを使っていることが一目で分かる)するとともに、ユーザーにとっても会合中にパソコンを使うことに対して申し訳なさを感じる必要がなくなったという点で、双方にとってお得な方法でした。

下のスクリーンショットにあるステッカーには「私は失礼な態度を取っているわけではありません。Evernoteでミーティングのメモを取っているのです。」と書かれてあります。

evernote

ステッカーの見栄えや品質の良さでパソコンに貼りたいと思わせることに成功したサービスにはBufferが挙げられます。

Bufferのステッカーは企業ロゴが記載されているシンプルなステッカーですが、非常に上質な素材で作られているのです。

2.  ITオタクは自己主張の強い面白おかしいTシャツが好きである

多くのインフルエンサーやパワーユーザーはある分野に関する知識が非常に深いオタクであることが多いです。

私自身も大学院での専攻が海洋物理学というニッチな領域であるため、オタクの一員であると言えるでしょう。

誰しも独創的なTシャツは好きです。Tシャツはいつの時代においても流行り廃りがなく、70年代のビンテージ物であろうと、アーティストのライブコンサートで手に入れられるTシャツやスタートアップのロゴが入ったTシャツであろうと安定した人気があります。

Tシャツとは見栄えさえ良ければ後は何だっていいのです。

では、ユーザーにとってスタートアップのTシャツを価値ある物とする要素何なのでしょうか?

ⅰ)  ロゴを強調しない

Mixpanelがプロダクトを頻繁に使ってくれるユーザーに贈呈するTシャツのデザインから学べることは、Tシャツに大きな文字で「Mixpanel」とは書かれていないということです。これは、人々は広告塔となるようなTシャツを着たがらないからなのです。その代わりにTシャツの表には「私はデータを重視する(I AM DATA DRIVEN)」と書かれており、この文言はMixpanelがターゲット層としている人々の考え方と共鳴するものです。さらに、着ている本人にとっても「私はスタートアップのデータ分析にTシャツをもらえるくらいMixpanelを活用しており、それほどまでにグロースハックに熱意がある」という意思表示をTシャツが周囲に代弁してくれる利点もあるのです。

ⅱ)  Tシャツの品質が良いこと

ユーザーに低品質なTシャツを送りつけることはやめましょう。長い期間にわたり使い続けることができる品質であると共に、着た本人の見栄えが良くなるようなデザインであることが重要です。人々は「入手可能な物の内、最もちゃっちいTシャツ」ではなく、品質が担保された綺麗なTシャツに腕を通したいのです。

mixpanel

3.  感謝状に人間味を加える

マーケティングがデジタル化されればされる程、人間的な暖かみの魅力が増しています。

もちろんパーソナライズの例として、あるサービスにユーザー登録したら自分の名前宛にメール送られてきたり、プラットフォームの使用手順に関する説明に自分の名前が表示されるようなことは実施されていますが、これらは本当の意味でパーソナルではありません。

本当の意味でパーソナルであると言えるのは、実際に人の手によって書かれたメモなのです。

熱心なユーザーやパワーユーザーが抱く可能性がある唯一の不満として、その人がプロダクトに向けている情熱に応えてくれるだけの注目をプロダクト提供側から得られないことが挙げられます。

この不満を解消する方法として、提供企業が一肌脱いで、そのユーザー宛にプロダクトチームのメンバーから手書きの感謝状を送らせることが実際にアメリカでは行われています。

個人から直接言われた「ありがとう」がなぜリファラルの成功に寄与するのでしょうか?

1.  手書きである

事前に社内で作成されていた文面であったとしても、誰かが自分の時間を割いて机に向かい、ユーザーのためだけに文章を書いてくれたのです。

2.  個人の名前でサインしてある

手紙の終わりにある署名が「開発チームより」ではなく、Lizという個人名なのです。このことにより、手紙がよりイカしてるものになり、人間味も加わるのです。

3.  プロダクト提供側があなたがユーザーであることにありがたみを感じている

感謝状の手紙は「私たちのプロダクトはイケてるよね」といった内容ではなく、ユーザーがプロダクトの使用に割いてくれている時間と努力に感謝の意を表しているのです。

4.  昔ながらの紙媒体で手元に届く

今の時代、一体誰が個人宛に手紙を郵送してくるでしょうか? 郵便ポストに届くのは電気代の請求書や広告紙くらいでしょう。しかしながら、現代人の多くはその感覚を忘れてしまったかもしれませんが、友人から手紙をもらう程わくわくする経験はありません。紙媒体の感謝状の送付によって、長い間行方不明だった友人から手紙が送られてくる喜びと驚きをプロダクトの提供企業はユーザーに提供できるのです。

buffer

mailbox

これらの手紙を送られてきたユーザーの多くが最初に取る行動は、手紙の写真をとりInstagram、TwitterやFacebook等のSNS上にプロダクトと送り主である企業が如何に素晴らしく、ユーザーへの思いやりがあるのかという文言と共に写真をシェアすることでしょう。

プロダクトの提供側が如何にユーザーに気を配れるかということを、プロダクトを甚く気に入っているユーザーが拡散してくれることに勝るリファラルの方法はないでしょう。

合わせて読みたい記事:

プロダクトに「売れる仕組みを埋め込む」6つのテクニック

最後に

パワーユーザーに感謝の気持ちを表すことを忘れないようにしましょう。彼らは必ずやあなたの感謝の気持ちに応えてくれるはずです。

本記事は Are You Missing Out On These 3 Powerful Offline Referral Opportunities ? を参考に執筆したものとなります。

高コンバージョンを保つウェブサイトが採用する5つの行動心理学テクと実例

7/25最新記事 見落とされがちなオフライン上での3つのリファラルチャンス

edited by Ryutaro Mori

過去に何度もお伝えしてきた行動心理学を利用したコンバージョン最適化テクニック。

本日は、growth hack japanの中でまだお伝えしてなかった行動心理学テクを、実例とともに5つ紹介します。

参考:5 Psychological Principles of High Converting Websites

プレグナンツの法則

プレグナンツの法則によると、人間は明確で順序だった物事を好み、複雑なアイディアやデザインを恐れる傾向にあります。

シンプルなものほど予期せぬ不快なサプライズを引き起こしにくいということを本能的に感じ取り、それに従ってシンプルに物事を解釈する人間の傾向を表しています。

例えば以下の英文を見てみましょう。

① Welcome to growth hack japan

②WELCOME TO GROWTH HACK JAPAN

③wELcOme tO gRoWtH hAcK jAPaN 

①から③に向かうにつれて文章が読みづらくなっていることがお分かりいただけるでしょう。

私たちは常日頃アルファベット1文字1文字を読み取って文章を読解しているのではなく、文字の形やスペースを読み取って文章を読解しています。

故に、たとえ上記の文が全く同じ内容を示していたとしても、普段慣れ親しんだ①の形態を最もシンプルで好ましいデザインと捉え、その他を複雑で分かりづらいものと捉えてしまうのです。

プレグナンツの法則を実際に利用した例に、オンラインゲームのThe Simsが挙げられます。

元来The Simsのランディングページは、①サインアップ(or ログイン)、②ストアを閲覧、③最新の企業情報を閲覧、④無料でリワードを受け取る、の4つの要素を表示していました。

しかし、プレグナンツの法則を基に改善を加えた後はユーザー登録を求める単一の要素のみを表示し、結果としてコンバージョン率がオリジナルに加えて128パーセント向上したと言います。

thank you refferal

経験の法則

経験の法則は、私たちが現在の物事を解釈するプロセスは過去の経験に大きく影響されることを示しています。

例として、Fab.comの改善事例を見てみましょう。

元々Fab.comの「買い物かごに入れる」ボタンにはショッピングカートのアイコンが表示されていましたが、改善を機に以下の2点の変更が加えられます。

①製造元の名前を表示

②アイコンからテキストに変更

更にFab.comは、「買い物かごに入れる」という意味の「Add To Cart」と「+Cart」という2種類のテキストを使ってA/Bテストを実行。

thank you refferal

結果として、「Add To Cart」はコンバージョン率が49パーセントの向上、「+Cart」は15パーセントの改善につながりました。

CTAボタンの明確さはもちろんのことですが、実はオンライン小売り最大手のAmazonは予てより同ボタンを「Add To Cart」に設定しており、恐らくAmazonで買い物をしたことがあるであろうほとんどのユーザーが「+Cart」に比べて「Add To Cart」を好んだことも好影響の理由として考えられるのです。

コストとベネフィットの法則

コストとベネフィットの法則は、目に見えるベネフィットとコストの関係を基に意思決定を下す人間の合理的な特性を表しています。

一見当たり前のようにも見えますが、使い方によってはレベニューに非常に大きな効果をもたらす法則です。

例えばクラウドウェブホスティングサービスのMeeboxは、3種類ある契約期間の内、最も多くの収益につながる2年間パッケージを大幅に割り引く戦術に出ました。

thank you refferal

その他2種類の契約期間に関しては値段をそのまま据え置いたことにより、結果としてより多くの金額を払うことに代わりはないにも関わらず、ユーザーは2年間契約を結ぶことにより多くのベネフィットを見出すようになります。

結果的に収益は施策前と比べ112パーセント向上。

コンバージョン率も51パーセント向上し、1回あたりの平均注文額も46パーセント向上しています。

フィットの法則

フィットの法則は、目的地までの距離と目標の大きさを基に、人が特定の目標に向かって手を移動させるときの行動予測に用いられます。

つまり、ウェブサイトにおいては理論的に以下の事象を予測出来ます。

①クリックしてほしいリンクの距離が現在マウスカーソルが存在する場所から近く、尚且つリンクが大きいほどクリック率が高まる

②クリックしてほしくないリンクの距離が現在マウスカーソルが存在する場所から遠く、尚且つリンクが小さいほどクリック率が低下する

①はコンバージョンに直結するリンクに、②はログアウトや退会など、クリックされることが好ましくないリンクに応用することが可能です。

例えばオバマ陣営は、アメリカの大統領選挙において、Eメールキャンペーンにフィットの法則を活用して総額500億円の寄付金獲得に成功しています。

thank you refferal

上記の画像から分かるように、元々は退会を意味する「Unscribe」の文字が分かりやすく表示されていましたが、改善後はその文字が「Click」に、より小さな文字で表示されています。

選択肢を減らすことでコンバージョン率を高めるパラドックス・オブ・チョイスを逆手に取ってクリッカブルなリンクを2つから3つに増やしている点も見逃せませんね。

これによって、解約率は22パーセントにまで低下したことが伝えられています。

顔認識

人間は、無意識のうちに他の人間の存在を求めています。

ウェブサイトで人の顔を見つけると、私たちはまずその顔に目を遣り、その顔に浮かぶ表情を観察します。

この効果によって、①サイト訪問者の注意を喚起する、②サイトを通じて伝えたいムードを伝えることが可能になり、コンバージョン率の押し上げが期待出来るのです。

CRMを提供するHighriseは、以下の形式で女性の笑顔を全面に押し出したウェブサイトへのリニューアルを実行しました。

thank you refferal

これによって訪問者に対して「このサービスを使うことで幸せになれる」という印象を与えただけでなく、更には前述のプレグナンツの法則に基づいたシンプル化を図った結果、コンバージョン率は102.5パーセント向上したと伝えられています。

7/25最新記事 見落とされがちなオフライン上での3つのリファラルチャンス

最後に

行動心理学は、急成長サービスのUXを支える非常に重要な学問分野です。

一つ一つの単語は一見取っ付きにくい印象を与えますが、ご覧のように噛み砕けば非常にシンプルな行動心理学テクをサービスの改善にどんどん活用していきましょう。

サービスの成長に最も必要なメトリックスの見つけ方

成長の為に最も重要な指標はどうすれば見つかるのか。

本日はそんな回答に答えるべく、DropboxやEventbriteのグロースを請け負ったSean Ellis氏によるプレゼンスライドを翻訳した内容をお届けします。

最も重要なメトリックスの見つけ方

*All image rights are reserved for Sean Ellis, Founder and CEO at Qualaroo.

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表題:最も重要なメトリックスの見つけ方 by Qualaroo、SumAll

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マーケティング担当は、データに溺れている。

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計測したい指標が多すぎる一方で、時間はほとんど無いのである。

・マーケティング担当は、未だかつて無い量のデータに圧倒されている。

 

・問題は数値や情報の不足ではない。数値から多くのことを見出せないことが問題なのである。

 

・実際のところ、どんなサービスも、どんなフェーズにあっても、本当に重要なメトリックスは2~3しか存在しないのだ。

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では一体、数値が持つ意味とは何なのだろうか?

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本当に重要なこととは、必ずしもあなたが重要だと感じるものではない。

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データの先、つまりデータから見出せる最も奥深くのインサイトを見つけ出そう。

以下の円の集合体は、ウェブ解析戦略の鍵となる構成要素を表す。

 

それぞれの円は、おおよそあなたが解析を通じて抽出出来るデータの量を表している。

thank you refferal

( Rethink Web Analytics: Introducing Web Analytics 2.0 )

大きな円から順に説明していこう。

 

まずはクリックストリーム(Webサイトの訪問者がページを渡り歩いた軌跡)が存在し、これはユーザー行動の「何(What)」が分かる。

 

次にやってくるのがコンバージョンレートの検証であり、ここでは「どれだけ多く(How Much)」という観点からユーザー行動を観察出来る。

 

その下にはA/Bテストと定性調査があり、ここでは「なぜ(Why)」ユーザーがその行動にたどり着いたかが分かる。

 

更に深堀りするとそこには競合調査が存在し、外部要因によるサイトパフォーマンスへの影響が浮き彫りとなる。

 

そしてその先に見えるのがインサイトであり、最小にして最も重要なデータだ。

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インサイトにたどり着くためのメトリックスを見つけ出す上で、以下の間違いは絶対に犯してはならない。

・総PV数や総ダウンロード数といった、次第に蓄積され、現状のパフォーマンスを図るには全く意味の無い数値を追いかける。

 

・どうやっても好影響を与えることの出来ない数値を追いかける。

 

・全てのユーザーの平均直帰率といったような、平均値を用いてサイトパフォーマンスを評価する。

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では適切なメトリックスとはいったいどんなものなのだろうか。

・シンプルで理解しやすい

適切なメトリックスであれば、チームメンバーに時間をかけて数値を説明する必要はないはずである。

・関連性が高い

ビジネスに全く関係の無い数値を報告しているなんてことはないだろうか?

・タイムリー

古いデータは直近のデータほど価値はない。前四半期のリード総数は、今期のマーケティング予算を決める上で役には立たない。

・すぐに使える

他のチームメンバーは、メトリックスの報告を受けるや否や次に何をすべきか理解出来るはずだ。

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追いかけるべきメトリックスは、成長のステージに依存する。

 

まず最初の段階では、プロダクトマーケットフィットに必要なメトリックスを追いかける。

 

次のステージは成長フェーズへの過渡期にあたり、ここでは各種コンバージョン指標を追いかける。

 

そしていざ成長フェーズにさしかかれば、各種指標の最適化、スケールに必要なメトリックス、そしてネットプロモータースコア(顧客ロイヤルティを測る指標)にとりかかる。

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では実際にどのようにメトリックスを選べば良いのだろうか?

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3つの鍵となるエリアに焦点を当てよう。

・ユーザー獲得

どのように新規顧客を見つけ出し、獲得するか

・行動

どんな行動が高いリテンションやエンゲージメントにつながっているか

・成果

どんな成果が最もあなたのビジネスにとって重要なのか。マクロ・コンバージョンなのか、それともミクロなのか。(後述)

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ミクロ・コンバージョンとは、メールマガジンの登録、チュートリアル/レポートなどのダウンロード、セッションごとのPV数、コンテンツのシェアなどを指す。

 

マクロ・コンバージョンは、商品の購入、サインアップ、無料トライアルの開始などを指す。

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最も重要なメトリックスにたどり着くためには、5つのステップをたどる必要が有る。

1.ビジネスの目的を決定

存在価値や達成したい目的を明確に定めよう。

2.目的の達成に向けたゴールを決定

具体的に「成功」のイメージを定めよう。

3.KPIを決定

あなたが成功しているのかどうか見極めるための指標を定めよう。

4.ターゲット値を設定

KPIがどれほどまで伸びれば満足なのかを判断しよう。
5.ユーザーをセグメントに分類

KPIの達成度を性格に計るために、どのユーザー群を追いかければ良いのか決定しよう。

*例えば直帰率は適切な診断指標になりうるが、KPIになることはない

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例えばアマゾンを例に取ってみると、以下のような結果となる。

目的:製品の販売

ゴール:売り上げの向上

KPI:平均注文金額

KPIではないもの:Retweetの数

ターゲット値:42ドル

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セールスフォースの場合は以下の通りだ。

目的:アカウントの増加

ゴール:売り上げの向上

KPI:ユーザーあたりの売り上げ増加

KPIではないもの:PV数

ターゲット値:95ドル

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重要なメトリックスは、ビジネスのタイプにも依存する。

・取引型

カスタマーは商品を購入する

・コラボレーション型

カスタマーはあなたのプロダクトを通じて何かを作り出す

・SaaS

カスタマーは、あなたのサービスの利用契約を結ぶ

・メディア

カスタマーは、あなたのコンテンツを読んだり消費したりする

・ゲーム

カスタマーはあなたのゲームをプレイする

・アプリ

カスタマーはあなたのアプリを利用し、対価としてフィーを支払う

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取引型に典型的なメトリックスは以下の通りだ。

・平均注文金額

一回の注文あたりの平均注文金額を指す。

・顧客生涯価値

1人の顧客がサービスの利用を止めるまでに支払う金額の総額を指す。

・訪問者あたりの収益

新規訪問者1人あたりの収益を指す。

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SaaS型に典型的なメトリックスは以下の通りだ。

・月間継続収益

契約の基に繰り返し発生する月ごとの収益を指す。

・解約率

一定期間の間に解約したカスタマーの割合を指す。

・訪問者あたりの収益

無料トライアル利用者の中で有料契約を結んだ人物の数の割合を指す。

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メディア型に典型的なメトリックスは以下の通りだ。

・訪問者のロイヤリティ

一定期間内における各ユーザーの訪問回数を指す。

・広告CTR

サイト内広告をクリックする割合を指す。

・セッションあたりPV数

セッションあたりのPV数を指す。

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目的、ゴール、KPI、診断指標などを定義し、計測し、解析し、改善する。

 

最も重要なメトリックを探すことは、1つのプロセスである。

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実際にやってみよう。

・アナリティクスを見直そう

何をトラッキングしているの? 今後は何をトラッキングすべきなの? 何を捨てるべきなの?

・本当に重要なものを見極めよう

ビジネスの目的やゴールと照らし合わせた時、あなたは本当に重要な指標をトラッキング出来ていますか?

・最も重要なメトリックを見つけ出そう

最も重要なメトリックは、1つ、多くても2~3つに限られる。それはいったいなんなのか? どのユーザーの手にあるのか?

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Peter Borden, Growth Hacker SumAll

ピーターは、無料コンシューマーグッズ、eコマース、エンタープライズ向けソリューションに至るまで、幅広いプロダクトのマーケティング経験を持つグロースハッカーである。起業の創業者やCEOがグロースの立役者を必要としているなら、彼こそがまさにその男である。

Sean Ellis, CEO Qualaroo ( @seanellis )

ショーンは、QualarooのCEOであり、growthhackers.comの創業者である。Qualarooの前には、Dropbox、LogMeIn、Uproar、Eventbrite、Lookoutなどのマーケティングにおいてリーダシップを取ってきた人物である。

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Qualarooについて

・アナリティクスが何が起きてるか説明することに長けているのであれば、Qalarooは「なぜ」かをあなたに伝えます。

 

・コンバージョン最適化の核となるツール

 

・A/Bテストだけで綱渡りするコストの高さを解消

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SumAllについて

・SMM、メールマーケティング、広告、決済、通販に至るまで。全てに対応するアナリティクス。

 

・今後のヒントや重要なインサイト、過去との比較などを含む重要なデータが毎日毎週メールで届きます。

リファラルを飛躍的に向上させることが実証されている11のテクニック

translated by Takaya Uchida

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アメリカのペンシルベニア州にあるWharton School of Businessは既存ユーザーの紹介でユーザーになった人の方が、他の経路でユーザーとなった人より18%も多くの人がプロダクトを使用し続けてくれる傾向があると述べています。

ユーザーの紹介(リファラル)は、それがユーザーが口コミで友人にプロダクトの入手方法、プロダクト使用による利点の証明や有益な内容を伝える等、形態の如何に寄らず、ビジネスを成長させるのに最も持続的な手法なのです。

それにもかかわらずリファラルの仕組みを最適化している企業はほとんど存在しないのが現状で、これは実にもったいないことをしています。

リファラルがプロダクトグロースに強力に寄与する理由は、リファラルをユーザーに行わせるのが困難である理由と同じで、それがプロダクトを紹介する動機が特にない状況の中で友人や親族等、紹介される側に取って信頼を置いている人からくるものだからです。

親友というものは互いにスパムを送りつけるようなことはしません。

そのため、プロダクトを提供する側のタスクとしては自身のプロダクトを紹介しないことはかえって友人達にとって損である、という感覚をユーザーに呼び覚ますことにあります。

以下では、ユーザーを最も強力なマーケティング資源として活用する方法を述べていきます。

本記事はThe Userlike Blogに掲載された記事(原題:Boosting Your Customer Referrals: 11 Best Practices)を参考に執筆したものとなります。

1.  サービスの内容を明確に定義する

リファラルとはプロダクトの宣伝文句をユーザーが友人に伝言ゲームで伝えるようなものです。

きちんとプロダクト概要を友人に伝えてもらうためには宣伝文句が記憶しやすいものでなければなりません。

ここで一行のキャッチコピーが力を発揮します:「1つ購入すると2つ目はタダ」や「満足できなければ全額返金」等々。

メッセージがシンプルであればある程、ユーザーの頭に残りやすく、友人や親族にも伝えやすくなります。

高級な靴やアクセサリーを取り扱っているオンラインショップであるHotter UKは「100% Happy Guarantee」というサービスを提供しています。

このサービスでは、ユーザーは購入した製品をどのような理由であっても購入から90日以内であれば返品できるようになっています。

ここで強調したいのはまず、Hotter UKのキャッチコピーが非常にわかりやすく、記憶しやすいということです。

さらに、全額返金のポリシーを掲げていることによって品質管理に細心の注意をはらっており、品質管理を重視すればする程企業収益にもつながることを理解している、ということを人々にアピールできているのです。

100%guarantee

2.  最も重要なユーザーを見つけるにはCRMシステムの中を探す

あなたにとって最も重要なユーザーはおそらくプロダクトに対するロイヤリティが最も高いユーザーであり、そのようなユーザーが一番知り合いにプロダクトを紹介してくれる傾向があります。

CRM(顧客関係管理)から得た知識を有効活用しましょう。

プロダクトグロースにとって最も貢献しそうなユーザーを見つけ、顧客関係にてこ入れをすることによってリファラルを活性化させることが重要だと言えます。

3.  チェックアウトプロセス後にリファラルをお願いする

リファラルをユーザーに要求する上で、タイミングは非常に重要な要素です。

商品購入後のチェックアウトプロセスの最終段階は良いタイミングだと言えるでしょう。

なぜなら、この段階でリファラルのお願いをすることは訪問者のコンバージョンを妨げることもなく、実際にその訪問者がコンバージョンしたということはおそらくその人はあなたのプロダクトやサービスに好意的な印象を持っているため、協力してくれることが考えられるからです。

4.  SNSとの統合やオートフィルによってユーザーの手間を最小化する

人は一般的に怠け者な生き物です。

しかし、オートフィル機能を加えたり、リファラルのプラットフォームをSNSと統合し、ユーザーにリファラルの手間を最小化することによって上手く機能させることができます。

Yeswareというサービスはリファラルのフォームを顧客の代わりに事前に記入しておくことによってリファラルを成功させました。

yesware

5.  アンケートという形態をとることでリファラルをあからさまにしない

リファラルを直球でお願いすることは押し付けがましいと感じる人は、表面上はアンケートという形式をとることによってリファラルの要求を隠すことができます。

タスク管理ツールを提供しているAsanaを例に取り上げてみましょう。

Asanaではユーザーがサービスを一定期間使用した後、「Asanaを使ってみて、あなたはこのサービスは友人に紹介できそうですか?」というこの質問のみで構成されているアンケートが表示される仕組みになっています。

これは、直接リファラルをお願いするのではなく、ユーザーに意見を求めることによって彼らの自尊心を刺激することになります。

それと同時にこのような質問を投げかけることによって、ユーザー自身にAsanaのプロダクトにどの程度ありがたみを感じているかを認識させ、意識をリファラルに向けることにもつながるのです。

企業によっては好意的な評価をしてくれたユーザーのみにフォローアップをし、友人のメールアドレスのみを記入すれば良いリファラルのフォームを配信する方法をとっています。

6.  プロダクトにリファラルの説明書を同伴する

プロダクトの提供側にとってリファラルの重要性は火を見るよりも明らかですが、一般的にユーザーはそこまで考えが及びません。

そのため、ユーザーにリファラルの存在を喚起することに悪いことはありません。

プロダクトがハードの製品であった場合は製品が梱包された箱の中に、ソフトプロダクトであった場合はプロダクトの購入と共に、そのプロダクトに興味を抱きそうな人を他に知っているかどうかを聞くフォームとリファラルの手順に関する説明書を購入者にお届けすることが考えられます。

プロダクトが手元に届く瞬間が最もわくわくしている時です。購入した人にまだいい気分の内に行動を起こさせることが大事だと言えるでしょう。

7.  知人を招待してくれたユーザーには報奨を提供する

知人をプロダクトに招待してくれたユーザーへの報奨としては、今後リリースされるサービスやプロダクトに使える割引券、ギフトカードや現金等といった金銭的報奨が挙げられます。

この際、リファラルの成功から報奨を提供するまで期間を可能な限り短くすることが重要となります。

ランディングページでリファラルをユーザーにお願いしているOmaha Steaksを見てみましょう。

下がランディングページのスクリーンショットですが、灰色で強調されている箇所には

招待した友人がOmaha Steaksで注文してくれた場合、その友人には無料で12個ハンバーガーを提供いたします。さらに、招待した友人が2人注文する毎に招待者には$80以上の注文でご利用できる$20分の電子ギフト券を贈呈いたします。

と書かれています。

omahasteak

金銭的報奨を提供している他の例としては、女性物の洒落た下着をネットで販売しているAdoreme.comがあります。

このサービスでは、友人を一人招待してくれる毎に、招待者にはAdoreme.comのストアーで使用できる電子マネーを$15分贈呈するようになっています。

adoreme

8.  招待されて実際にサービスを使用してくれた人にも報奨を提供する

上でも述べたように、友人は互いにスパムを送りつけるようなことはしません。しかし、良き友というものはいい話を自分のためだけに取っておくようなこともしないものです。

そのため、リファラルに対する報奨は招待した人と招待された人両方に提供することは非常に効果的な方法なのです。

すぐ上で紹介したAdoreme.comは招待された人にも製品を割引価格で販売する特典を提供しています。

9.  正式にリファラルプログラムを構築する

リファラルのプログラムを構築することは顧客に報奨を提供することをシステム化してくれるのです。

プログラムの例として、ユーザーが友人を招待したり、特定の行動を取ってくれた時に決まった額の割引や景品を贈与することを事前に規定しておくことが挙げられます。

リファラルのプログラムで最も成功しているサービスは言わずもがなDropboxでしょう。

Dropboxの輝かしい成功を可能にしたのは、ユーザーが何を本当に欲しているのかや需要があるものを提供することの価値をプロダクトマネージャーが熟知していたことにあります。

Dropboxは友人にプロダクトをシェアしてくれた人に追加でストレージを提供していますが、ストレージは謝礼のメールやトロフィーのように象徴的なものでなく、実際にユーザーにとって有益な景品でユーザーがリファラルに費やした資源を価値あるものとしてくれたのです。

10.  謝意をきちんと伝える

ユーザーが他人にあなたのプロダクトを紹介してくれた場合、彼らは親切心からそのような行動を取ってくれているため、知人を招待した後にプロダクトの運営側から何も音沙汰がないとユーザーは感謝されていないと感じてしまいます。

リファラルを行ってくれたユーザーには招待された人が自社のプロダクトやサービスを使ってくれた、くれなかったにかかわらず機会がある度に必ず彼らの行為に感謝の意を表しましょう。

好意的なフィードバックはより多くのリファラルを呼び込むことにつながるのです。

沢山顧客を抱えている場合は、返礼のプロセスを自動化させることを積極的に行うべきでしょう。

返礼のプロセスを自動化するためのツールとしてはアメリカのサービスではありますが、Referral CandyNextBeeAmbassadorInvite Box等があります。

知人を招待してくれたユーザーの現状把握が疎かになってしまうと、リファラルの機会を失うのみならず、既存の顧客までもが正当に評価されていないと不満を持ってしまう可能性があるので、注意しましょう。

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11.  他社と協力する

提携先の企業に自社の顧客を紹介することは、後々その企業から自社に顧客を紹介してもらえることにつながることがあります。

あなたのプロダクトが抱えている顧客の中でも最もプロダクトを良く使ってくれている人にとって、他にどのようなサービスが有益かを考えた後、提携先企業のプロダクトやサービスへの招待をすることは長い目でプロダクトグロースを見た場合、有効な手段なのです。

この際、その招待があなたから来ていることを提携先企業に事前に知らせておくことが重要となります。

最後に

リファラルを飛躍的に伸ばすことは、自社に合った方法の発見や最適化を要するため、時間のかかる作業かもしれません。

しかしながら、上記でご紹介したようなテクニックをいくつか実践されれば、ユーザーがあなたのプロダクトを友人や知人に紹介したくなることは間違いないでしょう。