「グロースハッカー」と「平凡マーケター」5つの違いその②: 商品開発とマーケティングの境界線

いつもブログを拝読頂き有難う御座います。

前回の記事に引き続き、今回もGrowth hackerがどのように従来のマーケティングを変えたのかご説明いたします。

前回の記事で残った一つの疑問。

「なんでグロースハッカーはマーケティング担当なのに商品開発に口を出すの?」

従来のプロダクトマーケティング担当といえば、自社製品の広告業務の柱として製品の販促に大きな貢献をする存在でした。

大まかに言えば、

  • いくらで売るのか
  • 誰に売るのか
  • どの流通経路で売るのか(オンラインか店頭販売かなど)
  • どうやって魅力を伝えるのか(広告)

などを思案し、手元にある商品をより多くの顧客に販売する使命を担っていたのです。

しかしここで黙ってないのがグロースハッカー。
彼らにとって商品開発プロセスはマーケティングプロセスの一環であり、商品開発と商品マーケティングを区別する従来のフローを覆したのです。

devmark

ではなぜそこまで商品開発にコミットする必要があるのでしょうか?

その答えはバイラル効果という概念に隠されています。

バイラル効果

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日本語では自己増殖性なんて難しい言葉でも訳されているようですが、簡単に言ってしまえば、ネット上の口コミなどを介して瞬く間に人気が出て世の中に拡散することなんです。

FacebookやTwitterなど、ネットワークが広がれば広がるほど楽しみが増していくSNSは正にこのバイラルモデルの典型です。

こういったサービスの成功は、多大な労力を使わずとも人から人へと魅力が伝わるように、グロースハッカーによって「ウィルス性が商品に埋め込まれた」結果なのです。

具体例を紹介したくてうずうずしているのですが、ちょっぴり長くなりそうなので続きは次回の記事で。

「グロースハッカー」と「平凡マーケター」5つの違いその①:成長>予算

前回の記事では、グロースハッキングを「巧妙な技術と豊富な知識を駆使してサービスやビジネスの成長に貢献すること」と大まかに定義しました。

色々な定義があると思うので、あくまでイメージとして掴んで頂ければと思います。

「でも、頭の良いマーケティング担当なんて世界中探せば過去にだっていくらでもいたでしょ?」

その通り、ごもっとも、You’re absolutely right! なわけです。

では、グロースハックが今まで私達が考えてきたマーケティングやプロモーションとどう違うのでしょうか?グロースハッカーの5つの特徴と共に説明していきたいと思います。

……

とは言ってみたものの、5つも一気に説明されたら頭がこんがらがってしまいますよね。

つきまして今回はグロースハッカーの5つの特徴の1つをじっくり説明していきます。

大切なのは成長であって予算じゃない

「SEOは不確実だから20万円も割けないよ。」
「リスティングは即効性が高いけど、この入札額じゃすぐに予算が底を突きちゃうな。」

(特に中小企業で)ウェブマーケティングを担当する方々にとって、予算とのにらめっこは日常の風景ですよね?
いかに安くマーケティング費用を抑えるか、考えない日など無いと言っても過言じゃないでしょう。

そこで多くのウェブマーケターは、

  • ・ブログ
  • ・SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)

などを利用した低コストマーケティング手法に過剰に注力しがちになります。(サービスやビジネスに適合したブログ及びSNSマーケティングを筆者は推奨します。)

しかし当初の想定とは裏腹に思ったような効果が得られず、上司の怖い顔が目に浮かび、ご飯しか喉を通らず、更に予算の悪夢に怯える事態に陥ってはいないでしょうか?

「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか!」

もちろん予算と日々格闘するマーケターの皆様の気持はも十分理解しております。
一方で、超絶的に有能なマーケターであるグロースハッカーの目の付け所は、予算ではなく成長にあるのです。

CPAとLTV

では一体彼らにとっての成長とは何を指すのか。
鍵はCPA(顧客獲得単価)とLTV(顧客生涯価値)の関係にあります。

「でた、難しい言葉。。。」

皆さまどうかご安心を。
本記事においてそれぞれの具体的な説明は避けますが、簡単に言ってしまえば、

CPA(顧客獲得単価)=広告費÷広告効果数(CV数)

LTV(顧客生涯価値)
=お客様が一回に使う平均サービス料金×お客様が1年間にサービスを利用する平均回数×お客様が同サービスを利用する平均年数
=お客様があるサービスを使い始めてから離れるまでに同サービスにかける平均金額

ってことなんです。
簡単ですよね?

そして何より重要なのはこの2つの関係です。

LTV

グロースハッカーは、

  • ・顧客獲得の為に割かれた費用以上の利益を顧客が企業にもたらしたか
    (顧客生涯価値―顧客獲得単価>0になったか)
  • ・そしてその差がどれだけ大きかったのか

という2つ成長の測定基準を重要視するのです。

具体的には、

  • ・リピート率や利益率が高く、顧客生涯価値が極めて高い商品には存分にマーケティング予算を割く。
  • ・利益率やリピート頻度が低い商品にはただ予算を割くだけでなく、ネットワーク外部性(電話のように利用者が増えるほど利便性が高まる現象)を高めてユーザーを増やす工夫を商品に凝らす。

などなど、グロースハッカーはあくまでビジネスとサービスの成長を最重要視してマーケティング活動を行います。
予算を気にするばかりビジネスや商品の特性をないがしろにするマーケティングの落とし穴を、彼らは経験と商品設計へのコミットを通じて回避しているのです。

「あれ、でもなんでグロースハッカーはマーケティング担当なのに商品開発に口を出すの?」

さすがするどい!
書き甲斐があるってものです。

あっ、でも今日は疲れたので答えは次回の記事で。

Growth Hack

はじめまして!

突然ですが、皆様はGrowth Hack(グロースハック)って何かご存知でしょうか?
ウェブやスマホアプリに精通する方々には既に馴染みのある言葉かもしれません。

「FacebookやDropboxの急成長サービスを影で支えたマーケティング戦略や手法でしょ?」って答えたあなたはまさに大正解です!

有名SNSやスマホアプリの大規模拡散を支えたのがこのグロースハックと言う比較的新しい概念であり、今世界中のIT業界でGrowth hacker(グロースハッカー)(超絶的に優れたマーケティング担当者とでも言っておきましょう)が必要とされているのです。

試しに「 “growth hacking” 」をググってみると、なんと英語ページのみに絞った検索結果では399,000件もヒットしました。じぇ! \(‘jjj’)/ じぇ!

Growth hacking searched 1

数ページを覗いてみると、

  • Growth Hack 101(グロースハッキングの基本)
  • Examples of growth hacking(グロースハッキングの実例)
  • 19 Growth Hacker Quotes(グロースハッカーの19の名言)

などなど、様々な Growth hackingにまつわるコンテンツが存在しているのです。

「うわ、知らない。。。完全に乗り遅れた。。。」
聞こえます。皆様の心の嘆きは聞こえています。

でもそんな皆様もどうかご安心を!

英語圏のIT業界ではもはや当たり前のように使われるようになったグロースハックという概念ですが、日本ではまだまだその真意が明らかになっていないのが現状なのです。

実際に日本語ページのみで調べると以下の様な結果に。。。

  • Growth hacking:  5,450件
  • グロースハック:   491件

「ほっ。。。」

安堵の息が思わず漏れちゃったようですが、まだまだ安心してはいけません。

  • なぜ今グロースハックが取り沙汰されているの?
  • グロースハックって普通のマーケティングと何が違うの?
  • どんなサービスやビジネスにも通用する戦法なの?
  • マーケティングやネットビジネスに精通する限られた人材にしか実行に移せないの?

などなど、まだまだ(特に日本では)知られていないことが多くあるのです。

Growth Hack Japanブログは、こうした疑問に対する解答に加え、具体的なノウハウやタイムリーな実例なども併せて読者の皆様にお届けすることを目的としています。

長期連載の末に、人々の生活を潤すモノやサービスの流通に本ブログが少しでもお力添え出来ましたら幸いです。