「作る」と「届ける」。アマナがコンテンツ制作で大事にしていること

国内最大手のコンテンツソリューション・カンパニーであるアマナグループは、近年、コンテンツを「作る」ことにとどまらず、作ったものを「届ける」ことにも力を入れている。読み物から映像まで幅広い形態のコンテンツが乱立する中、「伝える」ではなく「伝わるコンテンツ」を作り続けるアマナグループが、コンテンツ制作において大切にしていることはどんなことなのだろうか。話を伺った。

―アマナグループのコンテンツ制作に対する考え方や取り組みについて教えてください。

まず、アマナを中心とした10数社のグループ会社で構成される「アマナグループ」は、国内においては日本最大級のコンテンツソリューション・カンパニーだと私たちは自負しています。企業のコミュニケーションに必要なあらゆるコンテンツを、ビジュアル1枚から映像、イベントにいたるまで制作するカンパニーです。今年で40周年を迎えましたが、コンテンツという領域においてはいろいろなブランドさんとお取引させていただいています。

40年間の大半においては、コンテンツを作ることが主な生業だったのですが、デジタル情報化社会による情報の大きな洪水ができて、作っただけでは届かなくなった昨今、「どうやって届けていくのか」の視点も求められるようになりました。その結果、様々なコンテンツを届けるプラットフォームを活用して、ディストリビューション領域に対してもさまざまな施策をおこなうようになりました。

作ったコンテンツを最適なユーザーにつなげるのにレコメンデーションは有益

―ディストリビューションを考える上で大切にしていることは?

「CONTENT is KING, DISTRIBUTION is QUEEN.」という北米で生まれた言葉があり、日本でもその概念が少しずつ定着してきていますが、コンテンツとディストリビューションにおける本当の意味での両視点を持つことが重要という考え方です。デジタルコミュニケーションの領域では「DISTRIBUTION is KING」な視点で対話が進み、どうしても数字や効率主導主義に陥りがちです。しかし、本来、人の心を動かすのはコンテンツそのものであり、その視点抜きではパフォーマンスは最大化されません。そしてそれは、中長期的にビジネスインパクトへ大きな影響をもたらします。クライアントさんもそのことを理解されているので、コンテンツを生業にしてきたアマナグループがディストリビューション領域まで手がけることは全体最適の視点においても反応がよく、我々の事業の中でもその領域が伸びてきているという現実があります。

先程、様々なコンテンツを届けるプラットフォームを活用しているとお伝えしましたが、その中でも非常に相性が良いと感じるのが、レコメンデーションプラットフォームです。
当社では、記事コンテンツ制作や企業のオウンドメディア支援案件も多いので、レコメンデーションという届け方はかなり相性がいいんです。ソリューションベンダーさん数社とおつきあいさせていただいています。

―複数社ご利用されている理由を教えてください。

それぞれの特徴が違うので、実際の案件において複数社を活用してみることでパフォーマンスの横比較をし、案件特性と各プラットフォームとの相性を見ているのですが、その結果を見ると、総じてアウトブレインはいい数字を出しています。

これは複数のレコメンデーションを使った某案件の横比較のグラフで、折れ線が読了率、棒グラフが平均滞在時間を表しているのですが、アウトブレインはその両方ともがすぐれていることがわかります。比較をとったのは記事コンテンツで、目的はブランディング。そのブランドに共感してもらうことが目的だったので、記事をしっかり読んでくれることがとても大切になります。滞在時間が長いということは、興味をもってじっくり読んでくれているということ。つまり、エンゲージしているということです。

我々はこのエンゲージメントに非常に注目しています。獲得とリーチは、データとしては非常にわかりやすいですが、益々コモディティ化が進む現代において選ばれ続けるためには、より消費者との深いコミュニケーションで共感や理解を図ることが重要となります。

プラットフォームのフィロソフィに共感できるとおのずと親和性も高くなる

―どんなところに、プラットフォームごとの特徴の差を感じますか。

各社の特徴に差が出てくる要因は3つあると思っています。ひとつめは「メディアのネットワークの質とバラエティ」、2つめは「届けるためのアルゴリズム」、そして3つめは「プラットフォームを運営する方々のフィロソフィ」です。アウトブレインに関して言うと、メディアネットワークの面においてはブランドセーフティが担保される安心・安全なプレミアムメディアが構築されている印象があります。要は、「こういう媒体には出したくないな」というものに掲載されてしまうことがない。アルゴリズムに関しては、検証の結果として、届けたかったユーザーに届いていることが一目瞭然です。

そしてフィロソフィに関しては、アウトブレインがコンテンツの質を重視していることは日々のコミュニケーションの中でも伝わってきます。たとえば、厳しい審査基準を設けて、質の悪いコンテンツやユーザーに誤解を与える情報などに目を光らせていますし、ガイドライン基準に則っていないコンテンツやサムネイル、タイトルは審査に通していません。同様に質を追い求めてきたアマナグループとしても、私たちが作る質にこだわるコンテンツは、質の高い届け方でなければ、正しいコミュニケーションにならない。だからこそ、アウトブレイン自体がコンテンツの質を理解してくれていることに安心感がありますし、この3つの視点において僕らと親和性が高いアウトブレインには高い信頼を寄せています。

とはいえ、訴求内容や届けたい人、目的に応じて、他のソリューションが相性が良い時もあります。ですので、基本的にはアウトブレインを推奨しながらも複数のレコメンドソリューションを使っています。複数のプラットフォームを使ってパフォーマンスの横比較をしながら、結果に応じて予算をアロケーションしていき、ディストリビューション最適化につなげています。

クリエイティブの変数の力を信じたい

―アマナグループがコンテンツを制作する上で大切にしていることを教えてください。

「質」ですね。“安かろう悪かろう”であってはならないと思っています。インターネット上での届け方の手段が溢れ、そのこと自体に注目が集まったため、CPMやCPC、CPAはどうかといった数字や効率主導主義になり、コンテンツの質が脇に置かれた印象があります。ですが、「CONTENT is KING, DISTRIBUTION is QUEEN.」は、コンテンツとディストリビューションの両方が存在して(キングとクイーンがそろって)、初めてひとつの“王国”を繁栄していけるもの。ディストリビューション最適またはコンテンツ最適だけ考えるのではなく、俯瞰で見て全体最適をはかっていくことが本来必要なんです。

もちろん、数字を見ながら最適化していくことも大事ですが、時にはそれを大きく超えるようなことがあります。それはなにかというと、クリエイティブの変数。そのため、ディストリビューション最適化だけではなく、クリエイティブの視点をどんどんいれていくことにより、数字だけを見ていては成し得ない大きなブレイクスルーを追求したい。クリエイティブの変数を活かしていきたいと思っています。

―コンテンツ制作において今後どういうことが大切になってくると思いますか。

やはり「質」ですね。これからさらに消費者の目は肥えてきますし、もっとコモディティ化は進むと思うので、そういった意味でも質は大切。ディストリビューションのプラットフォームの価値を最大化させるのは、コンテンツの質ですし、さらにいうならデジタルマーケティング全体のパフォーマンスも最大化させると思っているので、数字では語れない変数の力を信じてデジタルマーケティングをおこなっていきたいですね。

佐藤 勇太氏
株式会社アマナ / 執行役員
株式会社アマナデザイン / 取締役
CEO

株式会社アマナに入社後、広告制作プロデューサーとしてグラフィック、映像、WEB、イベントなど、企業のコミュニケーションに必要な幅広い分野でのコンテンツ制作事業に従事。現在は、国内外の様々なデジタルマーケティングプラットフォーマーとの国内連携を推進しながら、アマナグループにおけるデジタルマーケティング事業を担当。

データを駆使して“人”を読み解く。新時代のコンテンツマーケティングとは アウトブレインジャパン株式会社 代表取締役社長 嶋瀬宏氏

かつて雑誌広告が全盛だった時代には、ページをめくるたびに新しい発見と出会うワクワク感があった。だがデジタルマーケティングの興隆に伴い、予想外のものと出会う高揚感や期待は重要性を失い、その代わり、「ユーザーの興味関心に沿った広告を、どれだけ的確に表示できるか」という効率性が重視されるようになった。しかし本来、「ユーザーに新たな世界を提示し、豊かな時間を提供する」ことも広告の役割であると考えれば、確度の高さだけが広告の価値と考えることはできない。「広告によるユーザーエクスペリエンスを高めるためにも、ディスカバリーの要素が必要」と語るアウトブレインジャパン株式会社の代表取締役社長嶋瀬宏氏に、今後のデジタルマーケティングについてうかがった。

トレンドが一巡。広告の本質的な部分に回帰する傾向

–現在、日本のコンテンツマーケティングにおけるトレンドについて、どのようにお考えですか。

 いくつかのトレンドがありますが、まず一つはブランドセーフティ。欧米諸国では3年くらい前からよく聞かれていましたが、日本でも外資系企業を筆頭に、多くの企業でブランドセーフに対する意識の高まりが見られるようになりました。
 また、これまではどちらかというと、より多くのユーザーに対してどうやってリーチするかという点に主眼が置かれてきましたが、今後はエンゲージメント、つまり、どれだけ深くユーザーとコミュニケーションを図れるかという点が重要視されるようになるのでは、と考えています。今後、通信網が発展し、モバイルでできることがますます増えれば、よりインタラクティブ性の高いコミュニケーションの手法が一般的になるのではないでしょうか。

–そうしたトレンドの中、御社の取り組みについて教えてください。

 当社ではインタラクティブ性の高い動画コンテンツに力を入れており、中でも、ユーザー自らが動画を選択して視聴できる新しい配信サービス「FOCUS」は、ユーザーに「スキップされる動画」ではなく「選んでもらう動画」として、広告主の皆様にご好評をいただいています。また、広告のクリエイティブな部分に再度目を向けなおし、「どのようなコンテンツがユーザーに深く刺さるか」を考察。配信の手法や広告のフォーマットももちろん大事ですが、それ以前の課題として、「ユーザーに刺さるコンテンツとは一体何か」という、いわば、広告の本質的なテーマに今後、デジタルマーケティングは回帰していくのではないかと見込んでいます。
 では一体、どのようなデータがユーザーに「刺さる」のか? これを考えるには、データが大きく貢献するでしょう。つまり、インタレストデータを読み解くことでより確度の高いコンテンツを制作する。そして、どういったコンテンツがエンゲージメントに効いたのかアトリビューションを解析する。これらによって高速に PDCAを回し、よりユーザーに「刺さる」コンテンツを制作することができるでしょう。

–一般に、マーケティング先進国である欧米に比べ、日本は3年程度遅れていると言われています。

 確かに、そのような傾向もあるでしょう。先ほど述べたブランドセーフティについても、欧米ではすでにその概念自体が標準化していますし、デジタル広告を含めた運用自体もインハウス化されていて、リアルタイムに運用型広告を最適化したり、コスト効率を改善したり、透明性を担保したりしています。それに比べて、日本ではまだデジタル広告のインハウス化が進んでおらず、人員的にも体制的にも改善の余地がある。しかしその一方で、一部のアーリーアダプターたちは欧米と同様、もしくは、それよりも早い取り組みを見せています。彼らが最も進化している分野こそデータの活用であり、その分野に限って言えば、この1、2年の進化は非常に目覚しいと言えるでしょう。そういう意味では、日本におけるデジタルマーケティングは二極化が進んでおり、今後も益々この傾向が強くなるのではないでしょうか。
 
–そうした中で「刺さるコンテンツ」を作るための着眼点としては、どのようなものがありますか。

 私は、“3つのM”が関係していると考えています。一つ目は、「Mode(モード)」。たとえば、ユーザーが積極的にコンテンツを探しに行き、自らの意志で広告にアクセスすれば、当然、そのコンテンツはユーザーにとって深く刺さるのものになるでしょう。受動的に眺めるだけの広告よりも、その効果は明白です。このように、ユーザーのモードに合わせたコンテンツは、エンゲージメントに深く影響しています。
 二つ目は、「Moment(モーメント)」。コンテンツを作る際にはペルソナを設計します。もちろん、ペルソナはとても重要な役割を果たしますが、もっと細かく見れば、同じ人物でも朝と夜ではペルソナが変わります。つまり、今までのような1 format, 1 messageではカバー仕切ることができないとういこと。今後は様々なモーメントに合わせるため、コンテンツはより多くのバラエティを持つことが求められるようになるでしょう。
 三つ目は、「Measurement(メジャーメント)」。コンテンツマーケティングの成否は、KPIがしっかり設定され、それを実際にメジャーメントできるかという点が大きく関係しています。トレンドの移り変わりを的確に捉えながら、コンテンツをリアルに改善していくことが、刺さるコンテンツ作りに必要な3つ目の要素と言えるでしょう。

–メジャーメントについては近年、ツールの進化が目立っています。

 当社のパートナー企業であり、アトリビューションサービスを提供するTRENDEMONの登場に示されるように、ここ2〜3年でマーケターがデータ分析を行うのに最適な環境が整いつつあります。コンテンツの8割はカスタマージャーニーに貢献していないという調査結果もあり、データに基づいて問題点を改善すれば広告の雲鷹効率は単純計算で5倍に上がります。
 しかし、データの読み方には何通りもあるということも忘れてはなりません。つまりどれだけ計測ツールが進化しようとも、データを読み解き、対策を講じるのは人間である以上、どうデータを読み解くかというのはマーケターや編集者のカンや経験に頼る部分も少なくなく、そうした経験値は今後ますます重要になってくるでしょう。現在、データ分析は個の力に依存する部分が目立ちますが、ある企業はデータ分析のプログラムを自社で開発したりするなど、かなり意識の高い試みを見せています。その一方、まだ的確なKPIを設定せずに広告運用を行っている企業も多く、今後もこうした二極化はますます進むだろうと見込んでいます。

–日本におけるデジタルマーケティングは今後、さらに二極化が進むということですが、これを改善するには?

 日本の企業はそもそもの文化として、縦割りの事業部制が浸透しています。しかし企業によっては、ECサイトも運営すれば、楽天やAmazonでも商品を扱う、また企業サイトだけでなく、オウンドメディアやマイクロサイトも展開するなど、ユーザーとの接点は非常に多岐に渡ります。そうした中でメディアごとに担当者を分ける従来の体制では、全体を俯瞰的にみて戦略を講じることはほぼ不可能。つまりCMOが全体を俯瞰し、マーケティングの戦略を横串で繋げていき、企業全体で最適化を測っていくことが必要であり、体制そのものを根本的に変革していく必要があるのではないかと考えています。

–そうした中で、今後、必要とされる人材とは?

 デジタルマーケティングの領域は、現在、統廃合が進んでいます。どんどん新しいテクノロジーも開発されていますし、プロダクトのリリースも相次いでいます。各社が新しいツールを次々と提供する中では、適切なツールを、適切に使える人材が必要。決して新しい手法を取り入れ、先駆的な取り組みをすることがゴールではなく、定めたゴールに対して適切なツールをどう組み合わせて使っていくか、全体設計の視点においてツールを選択する視点がまず必要となるでしょう。
 しかしその一方で、最終的にユーザーのエンゲージメントを確保するという点では、より、クリエイティブの領域が重要性を増すだろうと考えています。今まではどちらかというと、デジタルマーケティングの領域では、計算や論理的思考を司る左脳が重要とされてきましたが、今後は、右脳的な創造性が必要になるのではないでしょうか。このツールを使って、このようにファネルを設計して、こうやってリタゲして…とどれだけ完璧に設計しても、そこを流れるコンテンツが良いものでなければ、ユーザーには刺さりません。どんなに高級なレストランで、インテリアやサービスが素晴らしかったとしても、そこで提供される料理がいまいちであれば、お客は満足しませんよね。それと同じ。つまり、デジタルマーケティングの領域では、よりクリエイティブ性が必要とされ、ユーザー経験の価値を高めることが重要視されるのではないでしょうか。

FOCUSのウィジェット例。動画の再生ボタンをクリックすることで初めて再生。
興味をもったユーザーのみが
主体的に視聴する。

確度だけではない。今、広告に必要な要素とは

–そうした中で、サービスやプロダクトの方向性についてはどのようにお考えですか。

 先ほど申し上げた3つのMのうち、モードとモーメントに関しては、アウトブレインが誕生以来、主軸に据えている分野であり、それらをコミュニケーション起点としてそもそものサービスが設計されています。そうした中で、今後、より重要になると捉えているのがメジャーメントです。つまり、我々が持っているユーザーのインタレストデータに、たとえばクライアントが持っているファーストパーティのデータや、パブリックなサードパーティのデータなどを結合させ、クライアントにとってもっと効果的なマーケティングを考えていくことが今後、ますます求められていくでしょう。

–それによって、ユーザーの行動変容はどのように起こりますか。

 適切なモードやモーメントはエンゲージメントの深さにつながります。それに加え、メジャーメントによって客観的な視点を加え、広告精度を上げていくことで、ユーザーのエンゲージメントは深まるだろうと考えています。
 しかし、矛盾するように思えるかもしれませんが、データはあくまでも過去の履歴でしかありません。つまり、未来を予測する領域にはまだ到達していないのです。たとえば、私がこれまでネパールの情報に触れておらず、現時点で興味を持っていないとはいっても、私がネパールを好きではないかというと、決してそうではありません。ネパールの広告を当てることによって、新たな興味を喚起し、行動変容につなげる可能性もあるのです。
 私たちは、広告にはディスカバリーの要素が必要だと考えています。つまり、ユーザーの興味関心に沿って、「その人に好まれるだろうな」という情報を提示することはもちろん大事ですが、その一方で、遊びの要素も必要であり、新たな世界を示してあげることも大切だと思うのです。自分の世界観に合致する広告ばかりが提示されれば、はじめはユーザーの関心を誘っても、やがて広告自体が飽きられてしまうでしょう。そこではフレッシュなお勧めがないからです。
 もともとアウトブレインは、「雑誌を読んでいるときの、次のページをめくるときの高揚感や、次にどんなコンテンツと出会うかわからない不確かさ」といったものにインスパイアされ、設立されたという経緯もあります。これまではデジタルマーケティングの精度を高めることに注力し、ユーザーが好みそうなコンテンツの配信に意識が向けられてきましたが、現在はその揺り戻しが起こっており、「広告をみる楽しさ」という原点が改めて見直されているのではないかと思います。たとえていうなら、情報のセレクトショップとなるでしょうか。どんなに優れたショップでも、品物を一つしか持っていなければすぐにユーザーに飽きられてしまうでしょう。しかし、「あなたはこういう商品が好きですよね、でも、こういうものもありますよ」と新しい世界を示してあげる。そうすることでユーザーの広告体験は価値が高まり、エンゲージメントにも貢献するのではないかと思うのです。

–“情報のセレクトショップ”は、オンラインだけでなく、オフラインにも拡大していくのでしょうか。
 
 当然、そうなるでしょう。今、クライアントと話していると、イベント重視の傾向が出ているように感じます。たとえば、自社の商品を愛用しているユーザーの中から影響力のある人たちを招待して、リアルなイベントを開催する、そしてその様子をSNSで拡散するといったインフルエンサーマーケティングも、ますます重要視されています。デジタルマーケティングというと、数値やデータだけで完結すると勘違いされてしまいがちなのですが、その先には「人」が存在しています。その人の感情や行動を細やかに読み取り、マーケティングに還元していくという、一見時代に逆行していくかのような施策が、今後のデジタルマーケティングにおいては価値が見直され、ますます求められていくのではないかと考えています。

嶋瀬 宏氏
アウトブレインジャパン株式会社
代表取締役社長

2001年三菱商事株式会社入社。国内外における新規プロジェクト開発などを担当。同社退職後、新規事業のインキュベーション・コンサルティングを行う株式会社ステラ・ホールディングスを設立。2013年11月より世界最大級のディスカバリー・プラットフォームを提供するアウトブレイン ジャパン株式会社の社長に就任。『適切なユーザーに適切なモーメントで』コンテンツを届ける同社のプラットフォームを通して、オンラインパブリッシャーとコンテンツマーケティングを展開するさまざまな企業をサポートている。

2018年日本上陸。新たな分析ツールがコンテンツマーケティングを変える TRENDEMON JAPAN 株式会社 カスタマーサクセスマネジャー 嶋添心悟氏

TRENDEMONというユニークな名前のもと、日本でサービスを開始したのが2018年夏。 「コンテンツの価値」を誰でも簡単に分かりやすく可視化できるという画期的なアトリビューション分析ツールで、現在、多くの企業のデジタルマーケティングに貢献している。一般に、“Content is king, distribution is queen”と言われるが、それらに続く第3の役割を担うべく、イスラエル発のコンテンツアトリビューション解析ツールTRENDEMONは、今後、日本のデジタルマーケティングをどのように変えるのか。TRENDEMON JAPANでカスタマーサクセスマネージャーを務める嶋添心悟氏にお話をうかがった。

“Content is king, distribution is queen”に続く、第3の役割として

–日本で正式にローンチしたのは2018年7月。現在の状況はいかがですか。

2014年にイスラエルで設立され、日本で正式にサービスを開始したのが2018年7月。お客様の多くがオウンドメディアを運営し、コンテンツマーケティングに注力されている企業の方達です。日本で正式にローンチしてからまだ半年ほどですが、お陰様で既に国内では大手企業を中心に延べ50社近くのお客様にご導入頂いています。
 その背景にあるのが、当社のサービスの独自性と利便性です。ご存知の通り、従来のWEB計測分析ツールにおいては国内でも既に複数あります。いずれも素晴らしいツールですが、そういった計測ツールのほとんどが広告のROIを可視化するものであり、デジタル上の「コンテンツ」にスポットを当てた計測ツールがこれまでほとんど見当たらなかったのも事実だと思います。そういった現状に対して、弊社では誰でも簡単に「コンテンツがビジネスゴールに与えているインパクト」を分析することができるようなダッシュボードをご提供しています。

–御社のサービス「TRENDEMON」では広範囲に渡ってカスタマー・ジャーニーを可視化することで、 どのようなコンテンツがビジネスゴールに貢献しているのか把握することができるのですね。

 現在、デジタル上でのカスタマー・ジャーニーはますます複雑になり、長期化しています。その背景として、広告に反応しづらくなっている方が増えているということも挙げられます。ニールセンの調査によると現在の生活者は「購買行動を行うまで平均で11個以上のコンテンツを消費する」というデータがあります。そこでTRENDEMONではワンタグをご設置頂くだけでクロスドメインかつクロスデバイスでカスタマージャーニーを一気通貫で分析できるようになっています。しかしながら、ユーザーのデジタル上でのカスタマージャーニーのデータ量は膨大な大きさになります。ただでさえ忙しいコンテンツマーケティングのご担当者様が集計や分析に多くの時間を割くことは現実的ではありません。
 そのため、TRENDEMONは予め膨大なジャーニーデータからご担当者様が実際にすぐ、改善アクションに移れるようなインサイトを複数ダッシュボード上でご提供しています。

–料金体系についてはいかがですか。

 通常、SaaS系のプロダクトは、オプションで価格をアドオンしていくケースがほとんどですが、当社の場合は金額体系を可能な限りシンプルにしようと 考え、PVによる従量課金制をとったサブスクリプション型の年間契約が基本となっています。
  まだ立ち上げフェーズという状況もありますが、現時点ではご導入頂いた企業様には必ずオンボーディングから分析、レポーティングなど含めカスタマーサクセスチームがサポートさせて頂いております。弊社の理念として、TRENDEMONを使って頂くことが目的ではなく、責任を持ってお客様のビジネスを一緒にグロースさせて頂くことが弊社の最終的な目標にあります。

–グローバル企業と比べて、日本企業ならではビジネス特性もあるのではと思います。

 確かに国内ではディテールオリエンテッドな気質が あるように感じています。グローバルの場合、 PLAN(計画)してからアクションするまでのスピードが早いかと思うのですが、国内ではディテール部分をしっかりと詰めてからでないとなかなかアクションに移れない光景をよく目にします。どちらが良いということではないのですが、逆に日本市場のニーズを細かく、正確にキャッチアップし、プロダクトに反映しローカライズすることに成功すれば、間違いなくどこの国でも戦えるプロダクトになっていると、弊社では本国の開発チーム含めて共通の認識としています。

–今後のプロダクトの方向性については、どのような展望をお持ちですか。

 現在、弊社のプロダクトは計測ツールという位置づけではありますが、パートナー企業であるMAやCDPを提供する企業様とのAPI、データ連携もすでに行っています。たとえば、弊社のアトリビューションスコアを元にしてメディア内部の回遊性を上げる、コンテンツのオートレコメンド表示機能であるPERSONALIZATIONや、店舗での購買データから顧客デモグラ情報をベースにしたコンテンツ分析なども順次リリース予定となっています。
 CDPを提供するパートナー企業様との連携では、年代や性別などのデモグラ情報で見た時に店舗での購買者がオフラインでの購入を決断するまでにどのようなコンテンツを多く消費する傾向にあるのかといった非常に興味深いインサイト事例が出てきています。
 更に、現状のWEB施策の大半がCPAベースで施策のパフォーマンスが評価されがちですが、実際にはCPAだけでなく、ブランドに対して興味を持ってもらうという”入り口”としての要素もきちんと評価されるべきだと思っています。
 非常に基本的なことではありますが、広告ごとに役割が存在し、例えば、読み物系のコンテンツを通してブランドに対して興味や親近感、新たな気付きなどを感じてもらったりする中で、態度変容や能動的な行動を促されるようなモーメントが必ずカスタマージャーニー上のどこかで発生します。その重要なモーメントを確実に捉える為に弊社ではATTENTIVE(高頻度接触者)オーディエンスという指標をリリース致しました。ATTENTIVEオーディエンスとは、「過去30日間で2回以上来訪し、尚且3つ以上のコンテンツを読了している」という定義のもとコンテンツに対して通常の来訪ユーザーよりも極めて高いエンゲージメントをもったユーザーを「見込み顧客」として個別にダッシュボード上でインサイト化しています。自社の調査の結果、このATTENTIVEオーディエンスは通常の来訪ユーザーと比較して3倍近くのCVRがあるという実績も出てきております。

–現在、お客様の中で、コンテンツマーケティングに取り組んでいる企業の比率はどれくらいですか。

 グローバルでは多くの企業がコンテンツマーケティングを展開していますが、日本ではまだ数えるくらいというのが現状です。一般に、アメリカのマーケティングが日本へ到達するのに3年かかると言われていますが、その一方、アメリカよりも緻密で高度な分析を行なっているお客様も多いので、一概にアメリカに比べて遅れているとは言えないと思います。
 とはいえ、現実としてコンテンツ制作をする上で依然としてライターさんの属人的な勘や経験値といったものでしかコンテンツの制作、量産化ができていないお客様が国内では多くいるのではないかとも感じています。また、自社の調査によれば、オウンド・メディアのコンテンツのうち、コンバージョンに寄与しているのはわずか15%だったという非常にセンセーショナルなデータもあります。
 国内では特にラストタッチにおける広告のROIにはセンシティブな方が多い一方で、興味深いことに多くの予算と人的リソースも投下されているであろう大切な「コンテンツ」のROIの可視化に取り組もうとしている企業は思った以上に少ないと率直に感じています。
 大きな要因のひとつとしては、冒頭でお話した通り、これまでコンテンツの価値を可視化しようとした時に適切な分析ツールが存在しなかったことが考えられます。
 コンテンツのROIを明らかにすることができれば、さらに国内でのコンテンツマーケティングへの成長スピードは加速すると信じています。

ますます注目を集める「カスタマーサクセス」のポジション

–コンテンツマーケティングがますます活発になると予想される日本のデジタルマーケティング市場において、今後は、どのような人材が求められると思いますか。

  私のような者が言えた立場ではまだないのですが(笑)、自分へのメッセージとしてもあえて言うとすると、 弊社はカスタマーサクセスというポジションを非常に重視しています。その背景として、弊社のようなSaaS系ソフトウェアのプロダクトのほとんどがクラウドベースのプロダクトということもあり、お客様が従来のような最初の契約で大金を支払ってソフトウェア自体を「所有」する必要がなくなってきています。そうした状況の中で一定の契約期間の中で「利用する」ということに重きをおいた、サブスクリプション型のビジネスが現在多く広まっています。
 そういったサブスクリプションの世界では、常にお客様の満足度を上げ続ける必要が出てきます。その中核の役割を果たすのが「カスタマーサクセス」というポジションです。文字通りお客様のビジネスを成功に導くことが最終ゴールのため、お客様視点で物事を考えることが求められます。ですが、とりわけ弊社のような立ち上げフェーズという状況ですとどうしても気がつくと自分も導入社数など、いかにプロダクトのシェアを伸ばすかということばかりに気を取られ、近視眼になってしまう時があります。
 話が脱線しましたが、そういった状況の中でも、そこは焦らず目の前のお客様の視点で物事を考えることができ、適切なアクションが取れるような人がより一層求められてくると感じています。
 自分自身としては上記の役割を果たすにはまだまだ至らないところだらけではありますが、現在は本国の優秀なチームの方達のサポートや国内のコンテンツマーケティングを取り組まれている先輩方からのサポート頂きながら少しでもカスタマーサクセスの役割を果たせるような人材になりたいと思います。

 
–カスタマーサクセスはサブスクリプション型プロダクトに特化するサービスとも言えそうですが、そうしたサービスを受ける企業側にとっては、ビジネスを成長させるためにどのような姿勢が必要でしょうか。

  自戒を込めて言うと、新しい試みに対して進んで挑戦し、最新の事例を作ることに前のめりで取り組めるように、失敗を恐れずにリスクを取り続けるマインドを常に持って日々の業務を行っていきたいと思っています。実際、当社のお客様にもそうした方が多く、私自身、TRENDEMONを新規のお客様にご説明するにあたり、 今までにない概念を持った特殊なプロダクトであるため、当初は提案するのが大変だろうと予想していたんです。しかし実際は、 「こういうプロダクトを待っていたんですよ!」と好意的に受け止めてくださる方も多く、そうしたお客様はサービスの活用によって、ますます業績を伸ばしていらっしゃいます。当社としても、これからますます人員を拡充してサービスを充実させ、 当社のミッションでもある「コンテンツ計測の世界標準」になるべく、コンテンツマーケティングを通してお客様のビジネスゴールに徹底的にコミットしていきたいと思っています。

嶋添 心悟氏
TRENDEMON JAPAN 株式会社
カスタマーサクセスマネジャー

2013年新卒として SEPTENI JAPANに入社。約3年間ソーシャルメディアの立ち上げメンバーとして従事し、Facebook、Twitterのコンサルティングを担当。2016年には 博報堂DY Digitalにて企業のLINE公式アカウントのコンサルティングに従事。2018年からはTRENDEMON JAPANにてCustomer Success Managerとして日本オフィスの創設メンバーとしてビジネス開発に従事している。

コンテンツマーケティングで大切な10のこと: “ベストコンテンツマーケティングブランド50選”から学ぶ

ベストコンテンツマーケティングブランド50選”を公開したことは、最高のコンテンツマーケターを賞賛するだけではなく、2018年のコンテンツマーケティング状況を深く確認する機会を得たということでもありました。

トップ50, を選ぶために、グローバルで展開する大企業からスタートアップ企業まで、私たちは何百というブランドを3つの観点から評価しました。コンテンツハブを持ち、高品質なコンテンツを作り出しているいること。革新的で、コンテンツに基づいた独自性を発揮していること。そして、自身のビジネスに、計測可能で、有益な影響を与えていること、の3つです。

選考プロセスを通して、たくさんの称賛すべき点を発見しました。かたや、多くのコンテンツマーケターがその点を学ぶ機会が少ないことも。以下には、私たちが見出したポイントを並べました。

戦略に始まり、収益化に終わる

トップ50の評価を、コンテンツマーケティングの成功に結びつく3つの主要要因にもとづいて行いました。効果的なコンテンツマーケティングは、企業の重要なゴール、例えば、売上やブランドアウェアネスを上げることと結びついた戦略から始まります。戦略が策定されると、コンテンツマーケティング担当者は、オーディエンスがアクションを起こすまで、コンテンツを利用し続けます。

私たちは、ほとんどのブランドが、これらすべてのステップを踏むことなく、一部だけを行っている現実を知りました。あるブランドでは、単発のキャンペーンの、素晴らしい動画やランディングページに私たちは引き寄せられましたが、継続的なコンテンツマーケティング活動は行われていませんでした。他のケースでは、頻繁に更新されるコンテンツハブは存在しているものの、商品ページへのアクセスやニュースレター登録など、読者に行動を促すためのコール・トゥ・アクションがありませんでした。またあるブランドは、未だもっぱら広告頼りで、プロモーションコンテンツのみを制作していました。

それでも、私たちは励まされました。コンテンツマーケティングには着手したばかり。本格的なコンテンツマーケティング施策を展開するには数カ月、あるいは数年かかります。コンテンツマーケティングを成熟させる過程でたくさんの施策を見てきたからこそ、断言できるのです。私たちは一年後にこれらのブランドがどのようになっているのかを今から楽しみにしています。

顧客を第一に考える

マーケターはこれまで以上に顧客に注力しています。デロイトの2017年CMO調査によると、CMOはマーケティング組織を顧客体験にフォーカスして再編しています。それは当然です。今日の顧客は無限のチャンネルを指先だけで素早く利用できます。ワンクリックで最適な商品や情報に辿り着くことができる顧客は、セールストークや、無関係なコンテンツに、わざわざ関心を払いはしないのです。

コンテンツマーケティングは、実践的には、顧客が探したくなるような、魅力的なコンテンツを制作するよう努力しています。しかし優れたコンテンツマーケターは、オーディエンスのニーズに向けたコンテンツを最初から生みだしているのです。

昨年、瞑想アプリで知られるHeadspaceは、瞑想に不慣れな初心者がしばしば抱く問題に対処するため、ビデオやイラストを用い、会話調で構成された“How to Meditate”をローンチしました。Headspaceは、従業員自らが瞑想の実践を試みた体験話を配信するポッドキャスト“packcasts”も提供しています。二つのコンテンツ戦略は、瞑想の不安を減らし、より実践しやすいものにすることで、Headspaceがいかに利用者のサポートを行っているかを示しています。それはもちろん、長い目でみればHeadspaceに利益をもたらすのです。

価値と共に導く

おそらく、現在の政治情勢が影響しているのかもしれません。あるいは、意見を口にすることに躊躇しないミレニアル世代とZ世代―― 彼らは他の人も意見を口にすることを期待している ―― の台頭によるのかも。いずれにしても、今や、大多数の人々が、各ブランドが社会的および政治的にも明確な立場を表明することを求めています

社会や政治情勢に恐れず立場を貫くブランドは、成功に結びついています。Ben & Jerry’s は、Black Lives Matter(黒人差別を批判するスローガン)や移民権などの社会問題提起と合わせて、新しいアイスクリームフレーバーのコンテンツをプッシュすることで、売上が増加しています。Patagoniaは、ドナルド・トランプが2つナショナルモニュメントへの資金提供を中止したときに、ソーシャルメディアで発した「大統領はあなた達の土地を盗んだ」というメッセージが非常に拡散したように、環境問題を語ることでブランドのロイヤルサポーターを集めた上に、さらに新たにサポーターを生みだしました。

 

ビッグロック”で成功を導く

“ビッグロックコンテンツ”とは上手く名付けたものです。“ビッグロック”とはオーディエンスが無視することのできない非常にインパクトのある主要コンテンツです。“ビッグロックコンテンツ”には、かなりの時間と先行投資が必要です。それは数カ月(あるいは数年)を要するかもしれません。しかしそれは、大きな利益をもたらします。

ナイキの施策“Breaking2”を見てみましょう。スポーツブランドに相応しく、ナイキは野心的なコンセプトを思いつきました。それは、世界最高のマラソンランナーが2時間の壁を破る挑戦を手助けすること。ナイキは計画に2年間を費やしました。この挑戦のライブストリーミングは、Twitter、YouTube、Facebookを通じて1,310万人を超える人々が視聴する成果を上げました。

ただ、“ビッグロックコンテンツ”が、このような長大なものというわけではありません。ホワイトペーパー、e-Book、その他のインタラクティブコンテンツも、“ビッグロックコンテンツ”なのです。KLM’s interactive, annual, where-to-fly pieceを見て下さい。このサイトは、平均5分以上のエンゲージメントタイムとKLMの予約サイトへの参照サイト中での平均以上の送客を実現しています。

リスクを取り、新しいフォーマットを試す

私たちが評価したすべてのブランドの中で、Visit Seattleが、おそらくは、最も意欲的な試みをしています。彼らは数十億ドルもの収益を上げる「フォーチュン500」の企業ではありません。それでも、ビデオコンテンツのマーケティングに徹底的に取り組み、シアトルの精神と多様性を訴求する多数のドキュメンタリースタイルのビデオを制作しました。その活動と努力は、シアトル版 “The Amazing Race(米国のテレビ番組)” から、地元のミュージシャンとレストランシェフを取り上げ、音楽シーンや独創的な料理の出現に迫ったシリーズ“Turning Tables”にまで及びました。

Visit Seattleは、YouTubeで視聴回数2,200万回以上を稼ぎ、25歳から44歳までの視聴者を獲得しています。

パーソナライズ戦略を計画する

パーソナライゼーションは、すべてのマーケティング担当者にとって意識すべき最重要事項です。AmazonNetflix、およびSpotifyは、何が可能なのかを示しており、オーディエンスは、これらのサイトの状態を、当たり前のものと捉えています。つまり、それ以外の私たちは、追いつくべきことがたくさんあるのです。

適切な人物に適切なコンテンツを適切なタイミングで提供することは、コンテンツマーケティングの究極の姿です。トップ50の多くはすでに戦略を立て始めています。

「私たちは、自らの裁量で、オーディエンスが見ているコンテンツを厳密にコントロールする、より緻密なデータを倍増させています」とDigidayのGlossier最高技術責任者、ブライアン・マホニー氏(Bryan Mahoney)は言います。「これは機械学習のようなものへの扉を開きます。つまり、私たちはパターンを確認することができ、さらに、データのチェックを通じて、新たなユーザを得るために、パターンの周辺のコンテンツを変えることができます。

他の部門でのコンテンツの役割を考える

コンテンツマーケティングはセールスやブランドアウェアネスの向上に効果的です。ではなぜマーケティング以外の分野にも応用できないのでしょうか?

それは非常に効果的です。他のビジネス目標を達成するためにコンテンツを活用し、うまく利益効果をもたらしている企業を見るのは刺激的です。Bloombergは、多様な従業員を魅了し、雇用を維持し、排他的にならない文化を育むためにコンテンツマーケティングを利用しています。アディダスのコンテンツ・ハブ“GamePlan A”は、「アスリートの心で仕事に取り組む」をコンセプトに、社内外の人々を刺激するために存在しています。

私たちは来年、このような応用事例をさらに多く見ることができるのを楽しみにしています。

Bloomberg D&I content marketing.png

Bloomberg’s Diversity & Inclusion blog

食品、旅行、自動車の分野でコンテンツマーケティングの機会を獲得する

食品、旅行、自動車業界の状態には、驚かされました。これらの業界からは、コンテンツマーケティングの傑出した事例に圧倒されることを期待しましたが、ごくわずかの事例しか得られなかったのです。これは驚くべきことです。食品、旅行、自動車は、視覚的であり、大衆に愛されており、かつユーザの感情に訴えることができるものなので、コンテンツマーケティングにとって最も重要なのですから。

多くの食品や自動車ブランドはコンテンツ・ハブを持っていません。コンテンツ・ハブが存在する場合、ブランドは、流通チャネル上では、販促キャンペーンを好み、コンテンツをほとんど推進していません。ほとんどのホテルや航空会社はブログを持っていますが、その多くは、ポテンシャルを引き出せていません。旅行関連の企業は、強力なコンテンツ内容をもっているにもかかわらず、配信のエコシステム全体でコンテンツを推進していません。

ユーザー生成コンテンツ(UGC)は、しばしば機会損失につながっています。人々は、楽しんだ食事の写真、素晴らしい休暇中の写真、あるいは購入した新しい車の写真を共有することが大好きです。これらの業界には、マーケティング目標をさらに高めるために、ファンの愛着(および彼らのコンテンツ作成スキル)を向上させる巨大なチャンスがあります。

収益化に向かう

NewsCred Top 50に選ばれるためには、ブランドはコンテンツマーケティング活動からビジネス成果を生み出さなければなりませんでした。私たちは大変興味深くそのような好事例を見ていました。

靴のeテイラーZapposは最近、女性スニーカーファン向けのコンテンツ・ハブThe Onesを立ち上げました。フィーチャーしたスニーカーを購入する導線がコンテンツに組み込まれています。またThe Onesには、コンテンツ・ハブに掲載した写真とカスタムアートをフィーチャーした購入機能を持ったInstagramフィードも持っています。

 

イギリスに本社を置くB2B金融テクノロジー企業Sageは、コールセンターから得られたナレッジを外部に発信するためのコンテンツ・ハブとしてSage Adviceを立ち上げました。四半期だけで、このハブによって145,000以上のリードを獲得しました。

結果を常に計測し、共有する

もしあなたのコンテンツマーケティングプログラムが驚くべき成果を上げているとしても、組織内に測定した数値を正確に伝えて共有しない限り、何も変わりません。成果をきちんと伝え共有することが、社内の協力者を獲得し、将来のマーケティング予算を確保する唯一の方法です。

USAAのコンテンツマーケティングチームは、ポッドキャストを立ち上げる際にこれを経験しました。パイロット版を配信する機会が与えられ、最終的には成功を収めました。USAAのポッドキャスト“Money Drill”は、費用をかけず、少ない配信回数で月間24,000回以上再生されました。その結果、コンテンツチームは大きな勝利を収めました。

「これは、施策としてコンテンツマーケティングを行うという、USAAの従来存在していなかった、新しい試みとなりました」とUSAAのリード・マーケティング・マネージャー/コンテンツ・ストラテジー・リードのモリー・ウォーカー氏(Mollie Walker)は述べています。「これから時間をかけて、コンテンツマーケティン施策を拡大させていくことによって、認知のために購入していたメディア出稿のコストが節約されてゆくことが示されることを期待しています。私たちは、認知と購入という二つのステージの間で、ストーリーを語ることを通して、ステージ間のギャップを埋めているのです」

Heather EngはNewsCredのエグゼクティブエディター、Marie DiDominicaは NewsCredのシニアマネージャーでカスタマーとフィールドマーケティングを担当しています。

NewsCredのプレジデントが語る、コンテンツマーケティングの世界の潮流 [ThinkContent TOKYO 2018]

2018年9月27日、東京では昨年に続いて2回目となる「ThinkContent TOKYO 2018」が開催されました。

今年のテーマは「コンテンツが導く、マーケティングの新世紀」。トップマーケターやグローバルブランドは、どのようにしてコミュニケーション戦略を構築・実施しているのか。世界のベストプラクティスや最新トレンドを通じて、コンテンツマーケティングの“いま”と“これから”を多角的に学ぶことができる、貴重な1日となりました。

 

チャールズ2.jpg

 

本レポートでは、最初の登壇者としてイベントのオープニングを飾った、NewsCredのPresident兼COO、Charles Houghのセッションをお送りします。「コンテンツマーケティングの世界の潮流」をテーマに、グローバルマーケットにおけるコンテンツ活用の最先端を織り交ぜながら、コンテンツマーケティングの課題と予測について講演しました。ぜひご精読ください。

 

※ThinkContent TOKYO 2018のプログラムや登壇者の詳細はこちらをご覧ください

 

◆  ◆  ◆

 

チャールズ3.jpg

NewsCredのPresident兼COO、Charles Hough

 

皆様、こんにちは。2回目のThinkContent Tokyoにお越しいただき、誠にありがとうございます。ThinkContentは、ニューヨーク、東京、ロンドンで、開催場所に関わらず、マーケティングのプロの方々が、このように一堂に会し、お互い学んだことを共有しながらマーケティングソリューションを作っていこうという趣旨のイベントです。

 

チャールズ4.jpg

 

今年のはじめ、Gartnerがコンテンツマーケティング業界のマジック・クワドラントの調査をはじめました。弊社NewsCredは、コンテンツマーケティング・プラットフォームというカテゴリーにおいて、栄えある第一位を獲得することができました。我々が色々なことを学び、マーケティングコミュニティの皆様とさまざまなことを共有し、またテクノロジーの進歩にも貢献できたことが、この評価につながったのだと自負しております。

お客様、パートナーの皆様、ときには競合他社の皆様のサポートやコラボレーションなくして、この一位を獲得することはできなかったと思います。再度御礼を申し上げます。

 

まず、私が最近お客様から何を学んだかを話したいと思います。私たちのお客様は、大手のグローバルブランドなのですが、グローバルのマーケティングの世界で何が起こっているのか、最近の潮流をお伝えします。

最近の潮流は3つのカテゴリに分けられます。コンテンツのパフォーマンス、GDPR(一般データ保護規則)の施行、組織のサイロ化です。

 

コンテンツのパフォーマンス

昨年のThinkContent Tokyoでは、パフォーマンスについて色々お話しました。コンテンツを中核的なアセットとして活用し、企業の業績を上げていこうというお話をさせていただきました。

朗報ですが、このことは変わっていません。パフォーマンスはまだ大事です。コンテンツのためにコンテンツを重要視するのではなく、質の高いコンテンツを目指し、ROIをきちんと測っていく。パフォーマンスを上げるためにコンテンツが重要なのです。むしろ、これからお話する課題があるゆえに、パフォーマンスは、今まで以上に大事になってきていると思います。

このような数値を見たことがあるかと思います。コンテンツの類似性、コンテンツが無駄になっているという問題です。とくに紹介したいのが、この統計です。

 

チャールズ5.png

 

貴重な時間とエネルギー、そしてお金をかけて作ったコンテンツなのに、4回以上シェアされたコンテンツは、全体の半分、50%しかありません。皆さんのマーケティングチームは4人以上で構成されている場合もあるかと思いますが、同じチームのメンバーですら共有していないという統計なのです。つまり課題は、コンテンツの量ではなく、どういうコンテンツが出ているのか、ということです。コンテンツの影響を測定し、パフォーマンス改善につながっているかどうか、きちんと把握できているかということです。

 

GDPR(一般データ保護規則)の施行

もうひとつ、今年初めにあった大きなことは、EUでGDPR(一般データ保護規則)が施行されたことです。

 

チャールズ6.jpg

 

GDPRが施行されたことで、我々マーケターは、今までの考えを改める必要があります。なるべく多くのコンテンツを作ってユーザーに発信するということではなく、どういうコンテンツを作るべきなのか、きちんと理解しないといけない。ビジネス戦略に合致したコンテンツを配信しなくてはいけない。それをきちんと測定し、業績改善につながっているかどうかを正確に把握しないといけない、という状況です。

 

組織のサイロ化

このような潮流の結果、新たな課題が生まれています。企業はひとつのチームとして、コラボレーションを行っていく文化をきちんと築く必要性が出てきています。新しいマーケティングの潮流に遵守した活動をしていく重要性が出てきたのです。

マーケティングの組織は、とにかく専門性を重視してきました。これまでは、ひとつのチャネルで、非常に専門性の高い内容をオーディエンスに向けて配信していました。自分の専門性の範囲の中で、ひとつの限られたチャネルの中において、生産性の改善に取り組めばよかった。しかしいまは、ソーシャルメディア、Email、ブログ、ソーシャルの中にも色々なサブチャネルが普及しています。これまでのマルチチャネル型のアプローチ、それにもとづいたチーム編成では対応できなくなっています。

従来のやり方では、複数の、専門性の高いチームがサイロ化し、縦割りの組織になってしまい、複数のチャネルが独自に活動し続けることで、結果的に競争し合うようになっています。共通の目的に向かって一緒に活動していないという事態に陥ってしまうのです。

 

チャールズ7.png

 

理想的には、オムニチャネル型のアプローチに進化しないといけません。共通の目的を持ち、透明性を高め、他のチームが何をやっているのかを相互に理解し、フィジビリティ、可視性を高め、業績を上げるために何をすれば良いかの情報をきちんと共有する必要があります。

以上が、いまグローバルで起きている3つの大きな現象です。1つ目が、コンテンツのパフォーマンス。2つ目が、GDPR後の世界に対応するガバナンスをきちんと管理・強化し、ブランドエクイティやブランドインテグリティを確保しないといけないこと。3つ目は、いまのサイロ化が進む状況から、我々はチーム編成の仕方を考え直す必要がある、ということです。

 

Integrated Team(統一された組織)の時代へ

皆様のチームがオムニチャネルに向いているかどうか、チームが最適に編成されているかどうかを確認するために、ここに掲げた8の項目を考えてみてください。

 

チャールズ8.jpg

 

プロジェクトの計画が頻繁に遅れてしまう。共通の目的に向かって整合性のあるカタチで活動ができていない。説明責任や可視性、透明性がない。ほかのチームが何をしているのか情報が把握できていない。それらが当てはまるようなチームですと、ここに掲げている8の症状が出がちです。オムニチャネルに適したチームにはなっていないということです。

弊社でマーケターの皆様に調査をさせていただきました。そして自分に点数をつけてもらうようにお願いしました。その結果、わずか17%のマーケティングの組織しか、戦略立案という意味では進んでいると思っていない、ましてやオペレーション業務や実行に関しては10%の組織しか「進んでいる」と答えられませんでした。

先ほど3つの潮流を紹介しました。それらを踏まえて、業界がどうなっていくべきか、どうなりつつあるのか、ご紹介したいと思います。

 

チャールズ9.png

 

まず最初にテクノロジーです。営業、研究開発、財務の組織を見ますと、単一のプラットフォームで作業しています。しかし、マーケティングの組織を見ると、お互いに接続していない、20の別個のツールを使っている、複数のツールが積み上がっている組織をよく見かけます。私どもの予測では、いまのように複数チャネルが広がっている時代においては、マーケティングチームも単一のプラットフォームを使い、今後はコラボレーションしていくということになるでしょう。

2つ目が、コンテンツです。コンテンツは、いわば通貨のような存在で、業績の改善につながります。お客様と、より強い関係を構築することができる、より良いブランドエクイティにもつながります。コンテンツが中核的な資産となり、コンテンツを使って関係者全員がコラボレーションできるような環境が生まれる ーー この潮流はどんどん強くなっていくと思います。

3つ目の予測として、統一されたチーム、統一された組織です。従来のサイロ化された縦割り型ではない、統一されたチームが必要になるということです。

以上の3つを用いて、理想的には、こちらにある5つのプロセスを網羅できる組織を編成したいと思っています。

 

チャールズ10.png

 

まず、部門やブランドを超えて、企業内や企業間でのコミュニケーションを活性化する、対話を深めるということ。しかもリアルタイムで可視性のあるカタチで対話ができるようになることです。

また、プランニングとエグゼキューション(実施)は、同じツールを使わなくてはいけません。マーケティングチームを見ますと、プランニングの段階では、あるツールを使う、たとえばスプレッドシート的なものを使う。エグゼキューションになると、また別のツールを使うというマーケティング組織は少なくありません。

4つ目は、コラボーレーションです。1つのシステムを使っていない。可視性がない。協力する文化になっていない。そうするとコラボレーションが欠如したチームになってしまいます。

5つ目に、測定をし、分析をしなくてはいけません。そして分析した結果の洞察を次の戦略に活かさないといけない。そうすることで、コンテンツを使って業績を最適化することができます。

 

コンテンツは通貨のような存在に

こちらのグラフは、組織におけるコンテンツの役割を示しています。

 

チャールズ11.png

 

コンテンツは、今後マーケティングの世界では、お金の通貨のような存在になっていくでしょう。すべてのチャネル、タッチポイント、戦略を超えて使われていくものです。

さらに、コンテンツマーケターの役割が変わっていくでしょう。いまは担当しているブロックやチャネルが決まっていて、その範囲内に限った活動ですが、将来は、もっとコラボレーションできるような文化へと変えていくための、変革を促す存在へとコンテンツマーケターは変わっていくでしょう。最終的には、チームやチャネル間の競争を減らし、ブランドの費用対効果、そしてパフォーマンスを最大化していくことが目標になります。

 

チャールズ12.png

 

本日、マーケティングの世界で抱えている課題、将来についての予測をしましたが、これは5年ないし10年という長期的な視野に立ったものではありません。いまのマーケティング業界のことです。統一されたチームのコンセプトというのは、業界として、十分重要視してこなかったことなのかもしれません。

今後、大手ブランドのお客様と、より緊密な協力関係を築かなくてはいけません。そして、一緒にパフォーマンスの向上を目指して協力し合えるチーム、一緒にコラボレーションし、プランニングやエグゼキューションを協力して行えるチームこそが、今後マーケティングプログラムで成功できるのだと思います。

マーケターにとって、これは大きな課題かもしれません。一歩下がって、ブランド全体の目的やゴールを俯瞰して考え、コラボレーションできるチームを編成していく。それも効率の良いカタチでコラボレーションをはかれるようにしていく。そうすることで業績を最大限に引き上げていく。ROIは、売り上げではありません。利益が大事なのです。運営面での効率を高めることが大変重要になっていくでしょう。

以上が、我々が共通で抱えている課題ではないかと思います。ご静聴ありがとうございました。

 

Photos by 川合穂波(acube)

 

◆  ◆  ◆

 

白土 啓はamanaのコンテンツディレクター/キュレーターです。

NewsCredのサービスについては、NewsCred by amanaまでお問い合わせください。

 

「小さなブランドには、伝えるべき大きな物語がある」〜 Skift創業者の言葉

「いま、大きな世界の中で何かが起きています。それは、“小さな世界”が私たちの生活の中で“大きなもの”になろうとしていることです」。これはSkiftのCEO・創業者であるRafat Ali氏の言葉です。Skiftは旅行業界の変革を目指したプラットフォームです。Ali氏は、ThinkContent 2018で「どのように物語を書き換えれば、世界を変えることができるのか」、自らの哲学を発表しました。

まず、思考を働かせるために、Ali氏は次の話から始めました。「ほとんどの人々にとって、キャリアをスタートさせたときや、大学の在学中に受け取るアドバイスは、“大きく考える”ことでしょう」。しかし彼は、現代では正反対のスタンスで若者たちに“小さく考える”ことを促す方が重要だと信じています。そして、私たちはいま、伝えるべき大きな物語を持つ小さなブランドの時代に生きているのです。

小さなブランドには、コンテンツマーケティングの重要性がますます大きくなっています。小さなブランドには、Away、Harry’s、Everlane、Thirdlove、Burrow,、Forward、Vawaa、Rhone、Vello,、The Armouryなどが含まれます。注視すると、上記に並んだブランドのほとんどが、旅行、小売り、食品関連の業界だと気づくでしょう。これらの業界は、ほぼ間違いなく、今日の若い消費者にとって最も価値のある業界なのです。

ここでは、なぜこのようなムーブメントが起きているのか、そして小さなブランドが成長を遂げるためにストーリーテリングをどのように活用すべきかについて、彼の考えを詳しく見ていきます。

ブランドが象徴するものを共有する

「若者は、ブランドを自分たちの生き方につながる水路として捉えています」とAli氏は言います。そして、実際に若者はこの進歩的な世界で、共通の価値観やコミュニティを共有する感覚をブランドに求めていると言います。さらに、若者はソーシャルメディアで非常に自由な発言をすると述べたうえで、ブランドへの忠誠心を獲得するためには、企業が象徴的に表現するものが、同社の製品やサービスと同じぐらい重要だと指摘しています。

つまり、若い消費者は信憑性や真正性が高く、儚さのある物語をブランドに求めているのです。「こうした傾向は、その種の物語を語ることができる小さなブランドにとっては大きな強みとなります。独立性が高く、人を中心に考える企業は、個人消費者の中で優先順位を上げることができます」とAli氏は言いました。

混雑するコンテンツの世界で、小さなブランドが際立つために助けとなるのは次のことです。

  • 由来: あなたのブランドの起源を物語で共有しましょう。
  • クラフトマンシップ: 小さなブランドはひとつのことに専念して、最高品質に高めることができます。
  • 物語: 創業者、従業員、顧客のいずれであっても、ブランドの背景にあるストーリーを伝えてください。
  • ローカルプライド: あなたのブランドはどこで、どのように事業と企業文化を結びつけていますか?

パーソナルコネクションを作る

それほど昔ではない時代、ウェブサイトに1,000万人のユニークユーザーがいれば大きなサイトだと言われていました。しかし、いまでは1億人の訪問があっても小さい方だとAli氏は言います。小さくても力強いブランドであれば、顧客の人数ではなく、人々に与える影響にもっと集中することができます。そして、小さなブランドが自らに投げかける疑問は、「ブランドを気にかけてくれる人々の人生の中で、どれだけ大きな存在になっているのか」だと言います。

「ユーザーがあなたの成長ストーリーの一部になると、彼らは常に賛同し、一生涯寄り添ってくれるでしょう」とAli氏は強調します。彼らは、どんな浮き沈みがあっても、ずっとついてきてくれるというのです。

小さなブランドの文化を開花させよう

「人間力のあるブランドは、自社の従業員ともより深い関係性を築くことができる」とAli氏は言います。ひとりの雇用主として、Skiftは従業員たちと次のような約束を交わしています。

  • あなたの人生の中で今までにやったことがない、最高の仕事をしましょう。
  • 仕事を通じて最高の幸せを味わいましょう。
  • そうすれば人生は豊かになるでしょう。

「私たちが目指し続けているのは大きな北極星です。それは小さな会社でしか実現できないような『ブランドの誓約』でもあるのです」とAli氏は述べています。

Ali氏は「小さなブランド、またはあまり知られていないブランドのマーケターに対し、小さいことは単なる足掛かりではなく、成功への目的地だ」と言います。「小さいままで世界に小さな足跡を残すことは、ブランドが前進するための有効な方法です」。

 

ThinkContent New York 2018のすべてのセッションを見る 

 

Dawn PapandreaはNewsCredの寄稿者です。

ジャーナリストから学ぶ「Googleに好かれる記事の書き方」

コンテンツマーケティングの世界では、競争相手はビジネス上のライバルに限った話ではありません。あなたの専門分野に関するコンテンツを制作している人は誰もがライバルなのです。つまり、目を見張るようなストーリーによって、自身のコンテンツを検索結果の上位に位置させ、アクセスを増加させることができる職業ライターと闘わねばならないということなのです。

ではどうすれば彼らに勝てるのでしょう。それは「彼らの考え方、彼らのやり方通りに記事を書くにはどうすれば良いかを学ぶこと」が答えです。

私は、元ジャーナリストのコンテンツマーケターなので、両方の職業についての経験と知見があります。ジャーナリズムとコンテンツマーケティングとのゴールや戦術を理解しています。コンテンツマーケターには、ジャーナリストから学べることが数多くあると信じています。ここでは、高品質のオンラインコンテンツを作成するための理論と実践の一部をお見せしましょう。書こうとするコンテンツの一番良い形態をどのように見極め、そのコンテンツをGoogleの検索結果の上位にランクさせ、その結果、オーガニックのオーディエンスがそのコンテンツを見つけるには、どうすれば良いかを紹介します。

ジャーナリストの気持ち

まずは考えてみましょう。ジャーナリストは何を成し遂げたいのでしょうか?

大まかに言えば、人々が読みたくなるようなコンテンツを書くということです。ジャーナリズムはサービスだけではなく、素晴らしい情報を提供することで読者の役に立つという面も持っています。

それがジャーナリストの一番の関心事なのです。またジャーナリストは、そのコンテンツを読者の目の前に届けることや (たとえば、検索結果の上位に位置させるなど)、競争相手を倒すことにも重点を置いています。

これは、コンテンツマーケティングでも持つべき考え方です。とはいえ、まだ方程式の片側を見たに過ぎません。

Googleの気持ち

Googleが検索エンジンのひとつに過ぎなかった1998年、Googleのミッションステートメントはシンプルに「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスでき、使えるようにすること」でした。

Googleのアルゴリズムは高品質のコンテンツを優先するという重要な但し書きがあるのですが、これは現在でもGoogleのミッションです。事実、Googleは「ページを検索エンジンのためではなく、人々のために作りましょう。Webサイトをユニーク、価値あるもの、興味深いものにするためにはどうしたら良いか考えましょう。自身の領域において、あなたのWebサイトが、他のサイトとは明らかに違うものにしましょう」と勧めてさえいるのです。

この考え方の通りにコンテンツを制作できれば、検索エンジン結果ページ(SERP)で上位を獲得することができます。ユーザーが探している関連コンテンツや高品質なコンテンツを、ユーザーの目の前にいち早く届けようとするGoogleを助けること。本質的には、これがSEOのすべてです。

高品質のコンテンツとは何か

ジャーナリスト、コンテンツマーケターやライターは事実上あらゆるテーマを取り扱います。しかし、テーマが何であれ、高品質なコンテンツは以下に挙げる基準のほとんどを満たしています。

  • 読者が関心を持ち、探し求めているテーマについての情報を提供することによって、読者に価値を提供する。
  • 目的を持っている: 知らせること、教えること、楽しませること、インスピレーションを与えることなど。
  • 独創的であり、会話に新しい考え方や視点をもたらす。
  • 信頼性が高く、洞察に富んでいる。
  • 感情的な反応を誘発する。
  • 読みやすく、文法的に正確である。

コンテンツを素晴らしいものにするために、これらをすべて押さえなくてはならない、というわけではありません。しかし基準は高く設定しましょう。あなたがやらないなら、きっと競争相手がやるでしょうから。

アイデアを出し合う

高品質のコンテンツを作るためには、どこから始めなくてはならないのでしょうか。まずはアイデアを出し合うことです。

話題となっているトピックスは、良い出発点です。読者が探しているコンテンツは、たいてい品質リストの最初の項目として書き込まれます。顧客によく聞かれる質問について考え、彼らにどのような情報を提供し、示唆を与えられるかを検討しましょう。

同様に、話題となるトピックを予測することもできます。Google AdWordsによる過去の検索ボリュームデータを使用して、特定のテーマについて書くのに最適なタイミングを判断することができます。また、来年の各種イベントについて考えることで、人々がそのイベントに関連するトピックを検索するタイミングにコンテンツを公開することができるようになります (Googleトレンドを使って相対的な検索ボリュームデータを確認することができます)。当たり前のように思えますが、先を見据えて計画することにより、コンテンツが、オーディエンスが読みたいときに提供できる状態になるのです。

話題となっているトピックスについてのコンテンツはファネルの上段層に対して機能します。オーガニック検索によって初めてサイトを訪れた人を惹きつけるのに効果的で、記事内の関連記事へのリンクによって、こういった人をサイトに長時間滞在させましょう。すでに「関連記事」や「よく読まれている」といったウィジェットが存在しているのであれば、さらに良いことです。

一方の考え方は、コーナーストーン(礎石)コンテンツ、またはエバーグリーン(常緑)コンテンツに目を向けることです。これは長期間注目してもらえることを目的とした深みのあるコンテンツを意味します。話題となっているコンテンツのように、最初から爆発的なアクセスを得ることは期待できませんが、サイト上で公開され続けていればーーとくに検索順位の上位に位置できればーー時間とともに少しずつ訪問者を増やすことができます。

一般的に、コーナーストーンコンテンツは、ファネルより下段に位置し、より詳細な情報を探している読者を魅了するので、高いエンゲージメントを示します。彼らは、さらにサイトに滞在して、関連するコンテンツを読む傾向があるのです。

Brainstorm ideas.jpg

出し合ったアイデアを可視化するために、アイデアを付箋などに書いて、壁に貼り付けてみましょう。そして、どれが際立ったものか、どのようなアイデアをひとつにまとめられるか、確認しましょう。

アイデアを洗練する

いいアイデアを得たら、テストを行います。

最初のテストは、コンテンツを消費する立場として、自分自身で行います。つまり、以下のような問いに自身で答えるのです。このアイデアは興味深いのか、検索するのか、検索結果でクリックするのか。もし答えが「いいえ」であれば、他の人だって「いいえ」と答えるに決まっています。最初からやり直しましょう。

答えが「はい」なら、品質チェックリストに則って評価して、さらに健全なアイデアなのかどうか、テストを続けましょう。

人々に、まだ知らない何かを教えているか。他のパブリッシャーのコンテンツとの関連を考えて、似たような記事がすでに書かれていないか確認します。アイデアは独自のものか、すでに確立しているトピックに新風を起こすものか。コンテンツは信頼できるものであり、考察を提供するものとなっているか。(信頼できるコンテンツを作る良い方法は専門家を巻き込むことです。インタビューであったり、記事に情報源として引用するなど。これはジャーナリズムの手法です。)

最終的に、あなたのアイデアは、どのような感情的反応を引き起こすことになるのでしょうか。人を笑顔にさせるものもあれば、ワクワクさせるもの、安心させるものもあります。感情的反応を引き起こすアイデアであれば、より読者は覚えやすくなり、サイトに戻ってくるようになるのです。

このような基準に対して、前向きに答えられるようになったら、おそらく良いアイデアを手中にした、といってよいでしょう。

ストーリーを書く

アイデアが固まったら、執筆を始めることができます。多くのライターはアウトラインを作り、核となるアイデア、裏付けとなる要点、調査した内容、エピソードや、これらを支える統計データを書き込みます。アウトラインは執筆の計画表としても機能します。アウトラインに沿って書くことで、執筆者は自身のストーリーに無駄がないか、核となるアイデアから逸脱していないかを確かめます。また、アウトラインによって、ストーリーが重要なポイントを信頼してもらえるだけの十分な根拠を提示できているかを確認することもできます。

ブランドのボイス&トーンに沿っているかを確認しながら執筆することも必要です。ボイスとは、ブランドの個性そのものとわきまえましょう。たとえば、いい加減、折衷的なものなのか、もしくは権威あるものなのか。トーンとは、雰囲気や態度のことです。快活なのか、嫌味なものなのか。ブランドにふさわしいボイスで書き、ふさわしいトーンを用いることがきわめて重要です。ボイス&トーンによってオーディエンスはブランドを理解します。葬儀用の棺桶を販売することがあなたの仕事であれば、ユーモアに溢れた砕けた調子というのはふさわしくはありません。

読者と検索エンジンに向けてコンテンツを最適化する(SEO)

SEOやキーワード検索が過去のものになる(自然言語の音声検索に置き換わる)と考える人もいるとはいえ、少なくとも今日では、コンテンツを上位に位置させるにはSEOが最適な方法です。

SEOのベストプラクティスの多くが読者にとってもベストプラクティスであるというのは明るい材料です。とくに重要な項目を見ていきましょう。

キーワードを組み込む

キーワードは重要です。ランク付けするにあたって、何が書かれている記事なのかをGoogleが理解するために重要なのです。もちろん読者にとっても重要です。検索の世界でGoogleが長年にわたり支配した結果、誰もがキーワードで検索する習慣を身に付けました。その結果、人間と検索ボットが同じように振る舞うようになったのです。

コンテンツごとに、ターゲットキーワードを決めましょう。Google AdWordsなどのツールによりキーワード検索ボリュームを計測し、関連キーワードの検索ボリュームが時間とともにどのように変化しているのか、Googleトレンドで確認しましょう。ターゲットキーワードがコンテンツに含まれているようにしましょう。しかしキーワードだらけにしないように。もしコンテンツがキーワードでいっぱいになっていると、Googleはあなたの意図を見抜き、上手く上位に表示されません。

target keywords.png

記事タイトル、URL、metaタグのdescriptionに戦略的にターゲットキーワードを配置することも上位表示につながります。

一方で、書いたり読んだりしやすいように、とくにプロダクトについては、長々としたキーワードを短縮しようと考えるかもしれません。やってはいけません! 出現のたびにキーワードをそのまま書くことは、何の問題もありません。短縮されたり省略されたキーワードは、SEOに悪影響があり、結果的に順位が落ちます。

見出し

見出しにはSERPの最上位にランク付けされるための一面と、誰かのクリックを誘発させるためのものという一面があります。良い見出しは、あなたの記事へのクリックと、競合相手の記事へのクリックとの違いを生み出します。

見出しを用いて記事の潜在読者の目を引きましょう。ターゲットキーワードを含み、興味を引くような、疑問形または成功や失敗を約束するような見出し(〜に成功する方法、なぜ〜は失敗するのか? など)を作りましょう。数字は人を惹きつけやすく、コンテンツの内容を理解しやすくほのめかします。コンテンツを読むことの利益を広く知れわたらせましょう。読者に助言を与えようとしている、ガイドとともに「やり方」を示しているということを語るのです。

見出しによって読者を惹きつける方法はたくさんありますが、言いすぎないようにしましょう。記事に書いていない何かを約束してはいけません。サイトの訪問者をガッカリさせ、二度と戻ってこなくなる可能性があります。

もちろん、見出しでもボイス&トーンを考慮しましょう。ブランドのボイス&トーンに対して、見出しが適切なのか確認します。BuzzFeed式の見出しは多くのクリックにつながると思いますが、ターゲットオーディエンスが真面目かつ深い内容のコンテンツを探している場合や、とりわけ、あなたが何か深刻なものを販売しているような場合には、ターゲットから敬遠される可能性もあります。

BuzzFeed式の見出しをクリックする人はBuzzFeed式の記事を期待しているということでもあるのです。クリックベイトに食いついたつもりが、10,000ワードにも及ぶ木星内部の科学的プロセスの研究結果にたどり着いたら、相当失望するでしょう。これではルーズ・ルーズの状態になってしまいます。

Screen Shot 2018-03-09 at 10.51.25 AM 1.png

クリックを獲得できたとしても、ブランドのボイス&トーンに適合していなければ、BuzzFeed式の見出しは実際にブランドを傷をつけてしまうかもしれません。

リード文

リード文によって、読者は惹きつけられます。ジャーナリズムにおいてリード文は、見出しに続いて書かれる「記事の要旨」として参照されています。リード文によって、読者はどのようなストーリーなのかを知ることができます。Googleにとってもリード文は重要です。リード文が<h2>や<h1>タグでフォーマットされていれば、Googleは記事をカテゴライズするのにタグの内容を利用します。

リード文を用意するのであれば、ターゲットキーワードが含まれていることを確認しましょう。だだしキーワードだらけにならないように。Googleに見破られてしまいます。簡潔に、なおかつ的を射た内容にしましょう。人間に対して有効なことは、検索エンジンにも有効なのです。

長さ

記事の長さは重要ですが、品質を犠牲にしてはいけません。記事には最低300語のボリュームが必須ですが、1,000語以上の長さを目標としましょう。検索エンジンが、この記事は上位に位置させる価値があるとみなすためには、読者の疑問を解消するのに必要な内容を十分に網羅する必要があります。正直なところ、300語未満で十分な情報を伝えることができるでしょうか? できません。(訳注: 英文300語/1,000語は、カタカナが多い、漢語が多いなど、記事内の用語の傾向により異なるため、一概に日本語の文字数に変換できませんが、本記事では冒頭の300語は約1,000字に、1,000語は約3,300字に翻訳されています。)

一方で、長すぎる記事というものは、品質に関わらず、読者は最後まで読まずに離れてしまう傾向にあります。適切な中見出しを作ることや、読者が引き続きサイトに引き込まれるように、ストーリーが自然に中断される箇所にコール・トゥ・アクション(関連記事やeメール登録など)を配置することを考えることで、この傾向に対応しましょう。

フォーマット

常にユーザーエクスペリエンスを念頭において記事をフォーマットしましょう。画面上で読むのは、印刷された記事を読むのに比べて目が疲れる行為です。パラグラフを短くして、疲労を軽減させましょう。パラグラフあたり15語で、2〜3文というのが効果的です。同時に無駄な内容を書くことなく、本来のテーマから話が逸脱しないような文章になります。これ以外にもオンライン記事を書くコツはたくさんあります。

重要な内容を伝えるために、一文だけのパラグラフを使うことも恐れてはいけません。

ウェブマスター向け情報: フォントは重要です! 12pt(16px)以上の判別しやすいフォントを用いて、画面上で読みやすくしましょう。

クロスヘッド(ヘッダー)は、いくつかの点で有効です。1: 読者にどこから読み始めるかを示すことが出来、役に立つ情報が書かれている記事はどれか探すことが出来るようになります。2: ヘッダーをHTML上で<h3>か<h2>でタグ付けすると、Googleボットがサイトにやってきた際に、記事をカテゴライズするのに役立ちます。SEOに有用ということです。

クロスヘッドには、続くパラグラフの内容が記述されていることを確認しましょう。そうしなければ読者や検索エンジンにとっても意味がありません。言葉遊びについての記事でない限りは、駄洒落もいけません。

引用符や箇条書きもGoogleや読者に対して効果的です。記事の見た目が「一面文章だらけ」ではなく、目に優しくなるだけでなく、書かれている情報を理解しやすくすることができます。

インラインリンク

インラインリンクとは、記事内に、他の記事へのハイパーリンクを張ることです。文脈的な関連記事を読者に提供するので、ユーザージャーニーを進める方法として大変効果的です。さらに、記事にどのような内容が書かれているかの追加情報をGoogleに与えることになるので、SEOにも有効です。

しかし、インラインリンクが上手く機能するように気をつけましょう。インラインリンクは、リンク先の記事の見出しとして考え、遷移先の記事の内容が適切に述べられているテキストを使ってリンクを張りましょう。そして信頼できるソースにリンクを張ること。これはGoogleに有効で、読者にとってはさらに優れた手法です。

画像や、その他のマルチメディアを活用する

画像の選択は重要です。理想的には、記事の内容を補強する高品質の写真またはイラストを使用し、関連するコピーの近くに配置したいものです。画像が何者なのか、メインのボディコピーに対してどのような点が補強されているのか、それぞれの画像にはキャプションを付けましょう。写真は読者にとって記事への優秀な取っ掛かりです。(SEOのヒント: 画像のalt属性にテキストを加えましょう。画像の内容を説明したものであれば、キャプションのテキストを使うだけで構いません。これによってGoogle画像検索が画像を見つけ、索引を作ることが出来るようになります。)

また、画像の最適化も忘れずに。写真にはJPG、色数に制限があるような図版にはPNGかGIFを用いましょう。画像のリサイズも行うこと。ページテンプレートでの横幅が700pxなら、2,000px幅の画像をアップロードする必要はありません。基本的に、ファイルサイズが小さければ小さいだけ、ページの読み込みが速くなり、Googleにも好まれるようになります(ただし画像の質を犠牲にはしないように)。

photography.jpg

高品質の画像は、読者へ訴求し、ビジュアルでのヒントを与えます。そしてSEOにも有効です。

動画は情報を提供し、訪問者をページに長時間滞在させるための非常に効果的な手段です。記事のテーマ全体に関連した動画があるならば、本文中または記事の終わりに載せましょう。SEO対策として<h3>タグを用いて動画にタイトルを付けるか、説明文を付けるかしましょう。

他のオプションもあります。ソーシャルメディアの投稿内容(あなたのフィードでの投稿であれば、アカウントの宣伝にもなります)、GIFアニメーション、eBookなどへのダウンロードリンク、クイズなどを埋め込みましょう。これらは、読者のエンゲージメントを高める、強力なツールです。

正しい文法・正しい表記を忘れない

品質チェックリストの最後は、当たり前のことですが、しばしば見落とされる、ライバルの前に急いで公開したいときなどにとくに見落とされがちな項目です。記事に表記の誤りが一切ないときは誰も気にはしないのに、ひとつでも誤りがあると読者はその誤りを気にしてしまうものです。あなたの記事に、表記が間違っているといった単純なミスがあるならば、信頼できる情報として見てもらうことはできなくなります。

さらにターゲット読者の語法に適した表記を用いることも考えましょう。アメリカ英語は一般的にウェブ標準と見なされますが、オーディエンスのほとんどがイギリス在住であるならば、イギリス式ではない綴りは避けたほうが良いかもしれません。読者は、反射的にコンテンツが自分たちの地域とは無関係であると考えてしまうかもしれないのです。

最後に

良いオンラインコンテンツを作るということは、ある面は理論が重要であり、ある面では実践が重要なのです。概念的には、他に伝える何ものか、です。さらに最後にアドバイスとして言いたいことはこれです。「ここまで読んできたことをすべて忘れよ」。

まあ、忘れるのはすべてでなくても構いません。最適化については、心に留めておいても良いでしょう。

このアドバイスで言いたいことは、こういうことです。データやSEO、検索上位に位置することに集中し過ぎて、素晴らしいアイデアがあるからストーリーを紡ぐのだということを忘れないでほしい。もし失敗したとしても、そこから学べばいいのです。時間をかけてリスクを取らなければ、真に、独自の何かを作ることはできないのです。

間違いなくこれはジャーナリストの考え方として最も重要です。勇気を持って新しいアイデアを試し、競争相手が思いつかないことを想像し、書くことのすべてのプロセスを楽しみましょう。それこそが、本当にGoogleに好まれ、検索上位に表示されるコンテンツを生みだす秘訣なのですから。

Nick JonesはNewsCredロンドンオフィスのシニア編集ストラテジストです。Nickは18年以上、印刷記事、オンライン記事の編集者・ジャーナリストとして活動していました。

感謝祭(サンクスギビング)の七面鳥とコンテンツマーケティングの共通点

今年もこの日がやってきました。アメリカ人の一日平均摂取カロリーが4,500カロリーを超える日は、目の前まで近づいています。そう、感謝祭(サンクスギビング)です。この日は「すでにある資産の再利用」と「効率性」を考えてください。魅力的なビジュアルコンテンツを調理してコンテンツマーケティングを「感謝祭で調理する七面鳥のたとえ」で見直しましょう。

感謝祭の七面鳥は、コンテンツマーケティングを手助けするツールとして利用することができます。このシンプルなコンセプトをあなたにプレゼントしますので、残った七面鳥と同じように、既存のコンテンツを再利用するチャンスを作ってください。

 

_____05.png

 

このたとえは、コンテンツマーケティングのストラテジストのRebecca Lieb氏が最初に説いたものです。より良いコンテンツ制作のために奮闘する企業に向けてヒントを求められたとき、彼女は次のように答えました

「私は、感謝祭のたとえを使っています。みなさんは祝祭のためにこの大きな鳥を何週間もかけながら、スライスしたり四角くカットしたりして食べますよね。そのとき、余った鳥肉を活用してサンドイッチやスープなどあらゆるものを作ろうとするでしょう。コンテンツマーケティング戦略も同じように考えることができるのです」。

マーケティング担当者は新しいコンテンツの制作にこだわるのではなく、最高のパフォーマンスを備えた既存の作品を再利用する機会を模索すべきです。電子ブックのコンテンツを持っているなら、クロスチームのコラボレーションを通し、カスタマージャーニーに合わせた流通チャネルとCTAの戦略で、インフォグラフィックやSlideShareの作成、ブログ投稿、一覧記事の作成、動画を作成することができます。

また、これをLinkedInのコンテンツとソーシャルメディア(EMEA地域)担当責任者のJason Miller氏が唱えた有名なフレーズ「ビッグロックコンテンツ」を視覚化して考えてください。ビッグロックコンテンツで核となるのは、カスタマージャーニーのさまざまな段階で再利用できる、価値の高いコンテンツにコンセプトを集中させて投資することです。時間と労力と費用がかかりますが、成功するコンテンツ戦略には必要不可欠です。

 

Zz1kOThjNjA2M2IyYzJlNjIyZDNhNjk5ZTM5NDgwNzViNQ==.png

ビッグロックのコンテンツマーケティングはこの図に似ているはずです。

 

NewsCredの新しい電子ブック「The Integrated Marketing Organization」もビッグロックコンテンツの取り組みのひとつです。40ページにわたる電子ブック自体はリードジェネレーションを促進するためのゲーテッドコンテンツとして機能しますが、同時にこの電子ブックをブログ記事、ウェビナー、印刷関連、ダイレクトメール、ワークショップ、ソーシャルポスト、有料キャンペーンに切り分け、各チャネルで提供しています。つまり、ビッグロックコンテンツの戦略によって、マーケティングチームのあらゆる分野(コンテンツマーケティング、デザイン、プロダクトマーケティング、イベントマーケティング、需要の創造)をひとつのプロジェクトに集中させることができるのです。

 

Zz1mMzU3YjdhYmU4MjBlNmZiZTY0YzYzZWE2ZjFmMTI5ZQ==.png

 

ビッグロックコンテンツの代表的な例は、LinkedInの洗練されたマーケティングガイドです。2013年の立ち上げ以来、ウェビナー、モバイルダウンロード、SlideShareプレゼンテーション、インフルエンサーブログ、2015年から始まった毎月のポッドキャスト、2018年1月にデビューした四半期ごとのプリントとデジタルマガジンを含む、何百ものコンテンツに分けられています。感謝祭の七面鳥にインスパイアされたこの長期的なコンテンツマーケティング戦略の先にあるのは、思いがけないギフトです。これらはリード、取引、収益に影響を与えています。

NewsCredでは、すでにある資産を再利用することは、運用効率統合されたマーケティングの成熟度、どちらにおいても重要な要素であると考えています。実際の七面鳥はそれほど長く食べ続けることができませんが、コンテンツの再利用ができればできるほど、コンテンツマーケティングを効率化し、統合されたキャンペーンでそれぞれのチームをまとめながら究極の結果を与えてくれることでしょう。

とはいえ、まずは感謝祭のお祝いを楽しんでください!

 

Ali HartはNewsCredのマーケティングコーディネーターです。

コンテンツマーケティングのKPIを定義する

マーケターなら、誰もが、コンテンツマーケティングのROIを証明しなくてはならないというプレッシャーを受けています。もはや、ページビューとエンゲージメントメトリクスだけで済ますというわけにはいきません

これは、なかなか気が重いことに思われますが、実現は可能です。その第一歩は、計測フレームワークを作成し、バイヤージャーニーの各ステージ上で、コンテンツが企業に対してどのようにポジティブな影響与えているかを追跡することです。計測フレームワークは企業のビジネスゴールにあわせて調整されているべきものであり、独自のコンテンツマーケティング施策に合わせて作られる性質のものなのです。

計測フレームワークを作成するにあたっては、判断を下すために必要なデータを、適正な分量だけ盛り込むことが重要です。データは、多すぎると手の付けどころが分からなくなったり、扱いづらくなったり、ついにはチームにとって検討するにも、時間をとられすぎて使えないものになってしまったりします。少なすぎれば、ビジネスに影響を与えるストーリーを見逃してしまいかねません。とは言うものの、適切なデータ量を見つけるにも、多くの疑問が生まれてきます。測定すべきものは何? 用いるべきKPIは? エンゲージメント指標やトラフィック量を確認する必要はある? セッション数とユーザー数の確認は? 計測した値をバイヤーファネルに対応させる方法は?

第一歩を踏み出せるよう、NewsCredのアナリティクスチームは、コンテンツマーケティングの指標の概要をまとめました。この概要は、たいていのアナリティクスパッケージ(NewsCredのContent Marketing Platformを含む)で利用可能で、さらにこれらのKPIがファネルの各ステージにどう対応しているのかが示されています。

コンテンツに関するKPI

ファネル上段のコンテンツマーケティングの指標からは、読者とエンゲージメントについての考察を得ることができます。これらの指標は、コンテンツが読者を引き付けているか、反響を呼んでいるか、さらなるエンゲージメントを求める気にさせているか、といったことを示しており、コンテンツの効果を正確に測定する上で役立ちます。

KPI 定義 内容
閲覧された記事数 閲覧された記事数は、オーディエンスが一定期間内に見た記事の総数を示します。 閲覧された記事の総数は、コンテンツマーケティング戦略の有効性を把握するのに役立ちます。どの記事やトピックがもっとも読者数を押し上げているのかが分かり、オーディエンスが読みたがっているものについての考察が得られます。

こういった考察をより精密にするには、閲覧された記事数を次のような指標とともに評価します。

  • 読者数
  • 平均注目時間
  • エンゲージメント率
ページビュー ページビューは、一定期間内にオーディエンスが見たページの総数です。これは、サイトが読み込まれた回数ではなく、ページが読み込まれた回数です。たとえば、あるWebサイトを訪れ、記事を2本読み、そのサイトを後にしたなら、2件のページビューが記録されることになります。 ページビューは、サイトを訪れたすべてのユーザーによるトラフィックの総量を示します(一方、閲覧された記事数は、コンテンツのページについてのみ測定します)。ページビューは、どのチャネルが最も効果的か、どのコンテンツが最もトラフィックを生みだしているか、といったことを明らかにできます。ページビューはSEO戦略が有効か、ソーシャルメディアにおける有料のキャンペーンが機能しているか、といったことを示してくれます。
ユニークビジター ユニークビジターは、サイトを訪れた個々のユーザーの総数です。

私がサイトを訪れたら、1人のユニークビジターとなります。あなたも同じサイトを訪れたら、私とあなたとで2人のユニークビジターになります。これは、ページビューと異なるものです。ページビューは、私とあなたとがそれぞれに訪れたページの数を足したものです。

ユニークビジターは、リーチを明らかにします。さらに、大抵の場合、各ユーザーがエンゲージしている記事の平均量も分かります。
再訪者数 再訪者数は、一定期間内にサイトへやって来た人のうち、以前にもそのサイトを訪れたことがある人の数です(再訪者は新規訪問者と対になるもので、新規訪問者は、初めてサイトを訪問した人の数を表します)。 再訪者数は、再訪させるほど、訪問者に響くコンテンツが制作されているかを示します。

新しいユーザーによりオーディエンスを継続して拡大することは重要ですが、ブランド認知度やビジネスリードを押し上げるためには、徐々に、ユーザーと定期的なエンゲージメントを持つ必要があります。

平均注目時間 平均注目時間は、ユーザーが実際にコンテンツの消費に費やす時間の平均量です。コンテンツ全体で見る場合も、コンテンツ一つ一つで見る場合もあります。 平均注目時間が教えてくれるのは、訪問者が実際にコンテンツを読んでいるのか、どれだけの時間をかけているのか、といったことです。ではタイマーのトリガーとして用いるイベントに、スクロール幅とマウスの動きを用いています。それによって、ユーザーが実際にコンテンツを消費しているかを確認できます。その結果、サイト上で読者が時間を費やしているコンテンツが明らかになります。
エンゲージメント率 エンゲージメント率は、ページビューの内、ユーザーがコンテンツに30秒以上エンゲージしたものの割合です。 コンテンツの質を把握するためには、ユーザーがエンゲージメントを持ったページビューの割合を知ることが重要です。

ある記事が、多くのページビューを獲得しているのにエンゲージメント率が低いという場合、ユーザーをもっと長い時間引き付けるため、この記事を修正した方がよいということが示されています。ページビュー数が低くエンゲージメント率が高いという場合、コンテンツ拡散のためのリソースを再配分し、SEOに向けて記事の最適化をやり直し、もっと多くのユーザーの目にとまるようにすべきということが示されています。

ソーシャルメディアアクション ソーシャルメディアアクションは、企業のソーシャルメディアへの投稿に関するすべてのユーザーインタラクションを、チャネルごとに合計したものです。この指標には、「いいね」の数、コメント数、シェア数、リツイート数、リンクのクリック数などが含まれます。 コンテンツの拡散はコンテンツ戦略の根幹であり、ソーシャルメディアはその一環として不可欠です。コンテンツがトラフィックとエンゲージメントをどれだけ牽引しているか把握すれば、チームはどのコンテンツがどのチャネルに合っているか、仔細に検討することができます。

アクション(コンバージョン)に関するKPI

アクションに関する指標は、サイトにおける目標に対するコンバージョンを追いかけたものです。多くの場合、これらはROIの主要な指標となります(ニュースレターの購読登録を行った人数や、支払いページまで向かった人数など)。

KPI 定義 内容
アクション数/コンバージョン数 アクションアナリティクスは、どのコンテンツがサイト上でのコンバージョンを生み出しているのかを示します。コンバージョンはビジネスごとに異なっており、サイトにおける目標として設定され、クリックイベントにより追跡されます。通常、企業が定義するアクションがROIの主要な指標となります。この指標は、ニュースレター登録、サイトへのログイン、商取引における支払いページのクリックなど、ブランドへの強いエンゲージメントを証明します。 アクション数は、エンゲージした読者が、どのコンテンツによって、効果的にファネル下方へ導かれているのかを示します。最高のパフォーマンスを誇るコンテンツによるコンバージョン率を把握することで、コンテンツ戦略を最適化し、さらなる成果向上を図ることができます。極論すれば、収益が生み出される前であっても、マイクロコンバーンジョンのアクション数が明確に積み重ねられることを通して、コンテンツマーケティング施策が機能していることが示されているのです。

ROIに関するKPI

ROIに関するKPIは、コンテンツの影響による成約や収益を測定します。

KPI 定義 内容
リーチしたリード数 リーチしたリード数は、既存リードの内、コンテンツに接触したリードの総数です。 どのコンテンツによって、リードのデータベースからコンバージョンが生まれ続ける状態が保たれているのでしょうか?リードからの持続的なエンゲージメントを生じさせているコンテンツを把握すれば、ファネル下部における効果的なコンテンツがよく分かります。
生み出されたリード数 生み出されたリード数は、コンテンツマーケティング施策が直接生み出したリードの数です。リードの定義方法や追跡方法がなんであれ、Eメール登録数、追加情報の請求件数などが考えられます。

注意:この指標を取得するには、マーケティングオートメーションプラットフォームを統合する必要があります。

生み出されたリード数は、コンテンツマーケティングがビジネスに与える影響度を示します。そのコンテンツ戦略は、本当にビジネス上の機会を生み出し、ROIをもたらしているでしょうか?
影響を受けた成約件数 影響を受けた成約件数は、コンテンツが直接生みだした成約の数です。 最終的に、コンテンツ戦略はどれだけの成果を上げているでしょうか?コンテンツ戦略が、企業の最終損益に与える影響は?あるコンテンツが取引を成立に導く上で最も効果がある理由を明示できますか?
影響を受けた収益 影響を受けた収益は、コンテンツがビジネスに与えている金銭的な影響を、具体的な金額に落とし込んだものです。 影響を受けた収益は、ビジネス全体に対するコンテンツマーケティング施策の価値と重要性を裏づけるものです。コンテンツを中心とする視点から、何に投資すべきか、マーケティングミックスはどのようなものであるべきか、その他、さまざまな点についての判断材料を増やしてくれます。

コンテンツマーケティングに関するこれらのKPIは、計測フレームワークについての考えに弾みを付け、自社と、自社のコンテンツマーケティングプログラムにとって、どのメトリクスが適切であり得るかを考える材料になるよう、考案されました。ご質問があれば、各企業のビジネスに合わせた、具体的で効果の高いメトリクスの作り方を、じっくりとお話しいたします。NewsCredのアナリティクスチームには、こちらからご連絡ください。

Stuart Russell氏は、ロンドンを拠点とするマーケティングストラテジストで、NewsCred社のアナリティクスCoEチームに所属しています。

Content Marketing World 2018でわかった5つの注目ポイント

NewsCredのContent Marketing World(CMW)も今年で6年目になりました。私たちは、コンテンツマーケティング業界とともに成長と進化を遂げることができ、とても幸せです。私は数多くのコンテンツマーケティングイベントに参加してきましたが、CMWを中心とした魅力的で活気あるコミュニティが際立っています。今年は、多くのコンテンツマーケティング担当者がコンテンツの速度と飽和状態がピークの時代にいることで、コンテンツ制作者・コンテンツ配信者・コンテンツストラテジストにならなければならないというプレッシャーを感じているかもしれません。しかし私たちは、力強く共感を呼ぶストーリーを届けつつ、困難に立ち向かおうと固く決心しています。

CMWでは、できる限り多くのフロアの出席者とつながり、パネルやセッションに参加してきました。その中から、私の目に留まったトレンドと学習内容を紹介します(NewsCredが地元企業のRising Starを招いて非常に濃いコーヒーを提供したことが役に立ちました)。

フォーマット: コンテンツのスケーラビリティと形状

コンテンツマーケティング担当者の課題はチャネルの拡散だけではありません。利用できるフォーマットの数もこれまで以上に増加しています。ポッドキャスト、ウェビナー、VR、インタラクティブのように、ベストプラクティスに焦点を当てたセッションが数多くあったようです。また、ベンダーブース全体では販促資料や印刷されたコンテンツ(印刷されたeBookは…単純に本と読んでいいのでしょうか?)が多くみられました。

テクノロジーは、ゲートキーパーの数を減らしつつアクセス可能なコストで、新しい種類のストーリーテリング、フォーマット、共有を日々可能にしています。閉会時の基調講演でTina Fey氏が冗談を言ったように、次のエミー賞候補者にマクドナルドのハッピーセットがノミネートされても驚くことはないでしょう。

しかし、投資額の高いフォーマットを使ってROIを実証することについては、いまだ疑問が残っています。マーケティング担当者は、これらのフォーマットにもっと投資すべきだと確信していますが、それに伴う承認人数の増加や配信戦略、測定戦略に苦労しているそうです。

SEO: 誰もがその重要性を知っているが、まだ習慣にはなっていない

コンテンツを見つけてもらうにはオーガニック検索が必要不可欠であるため、SEOとコンテンツマーケティングの融合は、数多あるトピックの中でも最優先課題のようでした。多くのコンテンツマーケティング担当者が、平均以上のSERP(Search Engine Result Page)スキルを持つ必要があると感じているのでしょう。ショーフロアにも、多くのパートナーがソリューションを用意して待っていました。

しかし、SEOは依然としてコンテンツマーケティング担当者の日常業務から離れたところにあり、サイロ化されていると思われています。Children’s HealthのCourtney Cox氏が、オーディエンスにGoogleのアンサーボックスについて知っているかと尋ねたところ、半数近くの人が手を挙げました。しかし、アンサーボックスとして表示される方法については、まだ理解が浅いようです。

その理由は、SEOがテクノロジーソリューションと並んで時間や投資を要するスキルだからです。Googleのアルゴリズムが変わるにつれて、SEOは常に進化を見せます。TrueSense MarketingのマーケティングマネージャーであるElyse Haines氏は、私にこう言いました。「やり方はわかっていても、時間の見つけ方がわからないのです」。

アジャイル: さまざまな意味を持つ流行語

「リアルタイムに行動する」という目標は、アジャイルなマーケティングやマーケティングチームを生み出すというコンセプトに取って代わられているようです。それはコンテンツマーケティング担当者にとってどのような意味を持つのでしょうか? 明確なコンセンサスはありません。

マーケティングにアジャイルなアプローチを取ることは、「アジャイルなコンテンツマーケティング・ロードマップを使って主導権を握る方法」から、「マーケティングのためにScrumのプラクティスに適応する方法」や「アジャイルマーケティングの助けを借りてルネサンスなマーケティング担当者になる方法」に至るまで、CMWのセッションの中で言及されていました。当社のCEO・共同創立者であるShafqat Islamも、CMWのプレゼンテーションでは、信頼性と敏捷性(アジャイル)を築き上げるために協力して働く必要性を指摘しています。

アジャイルの手法は、従来、主にエンジニアリング作業プロセスに適用されてきました。CMW全体におけるその時代精神的な姿勢は、マーケティング担当者が協力し合うために新しい方法を模索しているという事実を物語っていると思います。それがテクノロジー、SEO、配信、どんな困難であっても、私たちはこれまで以上にサイロ化していると感じているのです。

このメッセージは、コンテンツマーケティングのシニアディレクターである1人の出席者の共感を呼びました。「組織を統合化に導くことは非常に重要です。私たちはすべてのマーケティング活動の中心です。そのため、チームの足並みが揃わないと、コンテンツマーケティング担当者は非常に苦労することになります」。

B2B: 測定とセールスアラインメント(営業とマーケティングの連携・整合性)に苦労している

どのB2Bセッションも、多くの出席者を集めていたようでした。マーケティング担当者は自分の組織のために学習内容をパーソナライズしようとしたのか、質疑応答もエネルギーに満ち溢れていました。しかし多くの企業が、B2Bバイヤージャーニーがオンライン(そしてモバイル)から始まるという同じような紹介スライドを使用していたので、全体的に見て古典的なコンテンツマーケティングのように見えました。何よりも、CMWの出席者にとってはセールスの非アラインメントが最優先課題です。

B2Bコンテンツマーケティングの測定戦略も、今年はかなり人気でした。CMW 2018の最初のセッション、Search Guruの社長のLeslie Carruthers氏による若干ドライな(褒めています)コンバージョントラッキングに関するセッションも満員でした。コンテンツマーケティング担当者向けのソリューションの多くは、コンテンツ中心のマルチチャネルジャーニーに特化したものではなく、カスタム化されたアナリティクスとアトリビューション戦略を中心に展開されています。

共感: 共有可能で意義深いストーリーに隠された秘訣

「コーズマーケティング」やCSRのような殺風景な用語は、共感を呼ぶストーリーを伝えたいという、真正かつ人間的な欲求に置き換えられました。共感を呼ぶストーリーテリングは、CMWで紹介された多くのコンテンツマーケティング・プログラムのコアテーマであり基盤です。これはコンテンツの飽和という課題に対する、ひとつのソリューション(または少なくとも代替策)として位置づけられています。

 

 

CMWで気に入ったセッションのひとつは、Northwell Healthチームのセッションです。彼らは、The Wellという、大きな共感を呼ぶコンテンツプログラムを作り出しました。彼らが共有してくれたプログラムのミッションステートメントは、マーケティングの目的と真正性を探すのに苦労しているブランドにとって素晴らしい北極星(指針)となるでしょう。

情報の多くが不正確で、助けにならず、理解が困難である情報過多の時代において、Northwell Healthは、正直で、信頼性が高く、思いやりのあるパートナーとして差別化を図ろうとしています。私たちは消費者とつながり、ストレスを軽減し、笑顔を増やし、最終的には自らのヘルスケアジャーニーにもっと自信が持てるようになる、パーソナライズされたコンテンツを提供しています。

それがNewsCredのCMW 2018の結論です! コーヒーやデモのために当社のブースに立ち寄ってくださった方々、ソーシャルメディアで当社をフォローしてくださった方々、より優れたマーケティングチームの構築に関するセッションに出席してくださった方々全員に心から感謝申し上げます。

 

Jesse FeldmanはNewsCredのコンテンツマーケティングマネージャーです。

Bloomberg社CMOのDeirdre Bigley氏に聞く、グローバルマーケティング組織を率いるためのヒント

秀でたリーダーシップは、市場の差別化を図り、格別のカスタマーエクスペリエンスを提供しようと努力する、すべての企業にとって欠かせないものです。

Bloombergのような巨大な企業では、複雑な組織のあらゆる部分で変化を促進する先見的なリーダーだけが進歩と革新を遂げることができます。Bloombergの最高マーケティング責任者のDeirdre Bigley氏はそうしたリーダーのひとりです。

2009年にIBMから転職してきたBigley氏は、Bloombergの企業グローバルマーケティング部門をいちから構築しました。現在彼女は、金融商品・メディア・垂直業界(バーティカル市場)など、世界におけるBloombergビジネスのマーケティング活動を率いています。

 

DB pic.jpg

Bloombergの最高マーケティング責任者、Deirdre Bigley

 

Bigley氏は在任当初から、Bloombergブランドのユニークな価値を提供するために、コンテンツ・デザイン・テクノロジーで構成したチームの育成に注力してきました。そして、すべてのマーケティングプログラムで、同社のコアミッション「顧客が情報にもとづいた意思決定を行うことができるように、正確なニュース・経済データ・業界分析を提供すること」の反映を目指しています。

彼女の成功は、世界中の複数の地域に及ぶマーケティング組織だけでなく、彼女が管理および指導した人々に影響を与えた方法にも現れています。

私がBigley氏と初めてお会いしたのは、2016年の夏にBloombergでインターンをしたときでした。私は、部署に関係なく社内の若い女性12人を集めた女性コミュニティグループのメンタリングセッションに招待され、Bigley氏とつながる機会を得ました。業界に参入してすぐに昇進した若き専門的な女性として、自分自身の経験を引き合いに出した彼女のメッセージは、明確で意欲をかき立てられるものでした。

彼女は「自分がどのような人間で、どのような価値を持っているのか、常に注視しましょう」と強く呼びかけ、参加者たちに自身を定義する価値を理解するよう念を押しました。

そして彼女はネットワークを作り、メンターを見つけ、強く自信を持って意見を述べることの重要性を強調しました。「会議室に座っているのに何も意見を言わないのならば、あなたはそこにいないも同然です」。

2年後、Bigley氏とのディスカッションが若い専門家としての自己啓発に重要な瞬間だったと認識するようになりました。私は今日に至るまで、彼女の自信あふれるリーダーシップや、若い専門家へのコミットメント、賢明なアドバイスに感銘を受け続けています。フェミニストメディア企業であるMAKERSのリーダー兼取締役でもあるBigley氏は、職場内外のダイバーシティとインクルージョンの文化を育むことに全力を尽くしているのです。

事実として、BloombergはBloomberg D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)のブログとコンテンツマーケティングプログラムによって、NewsCredの【2018年版】ベストコンテンツマーケティングブランド50選に選ばれました。このプログラムは、インクルージョンを重視した職場づくりという同社のコミットメントを強調し、多様な従業員を誘致・維持するよう努めています。

Bloombergのマーケティング活動を構築する彼女の変革的な仕事や、ダイバーシティとインクルージョンに対するコミットメント、Bloombergブランドのユニークな価値提案を伝達するコンテンツの役割について、Bigley氏と情報交換ができたのは、私にとって非常に光栄なことでした。

 

ーー Bloombergの最高マーケティング責任者として、あなたの主な優先事項と責任は何ですか?

  1. 私にとっての最優先事項は、市場に投入したすべてのプログラムに対して確実な測定を行い、可能な限りマーケティング投資の利益を理解することです。
  2. 会社ではすべてのビジネスが交わる場所を担当しているため、これらの点と点を結び、より全体的なBloombergのストーリーを伝える責任を負っています。
  3. 私たちは毎年、真の意味で革新的かつ想像力豊かなアイデアを考える必要があります。
  4. 最後に、私は、マーケティング部門の文化を強力なものにして、共通の目標を持つチームを構築する責任があります。

 

ーー 2009年にBloombergに入社する前、あなたはシニアレベルのマーケティング担当者としてIBM13年間在籍していましたね。Bloombergはこの転職にどのようなインスピレーションを与えたのでしょうか?

偉大なブランドからの電話は、常に魅力的だと感じるものです。しかも、自分のメンターから電話があり、それがマーケティング組織をいちから構築するという仕事内容だったら、オファーを断ることは不可能です。

 

ーー Bloombergの企業マーケティング事業をいちから構築するにあたって、どのようにすべてのチームを連携させましたか?

ここまで進化するには9年もかかりました。連携させるために行ったのは、主に以下の3点です。

  1. すべてのマーケティングリソースを単一のグローバル組織に統合すること。
  2. 外部機関を使用するのではなく、自社でスタジオを持つこと。これによって、私たちは素早く行動し、新しいものを試し、創造的な人材を雇うことができるようになりました。
  3. すべての行動を測定するシステムを構築するなど、(ある意味取り憑かれたように)評価基準に焦点を当てること。

 

ーー Bloombergのような複雑な会社において、ユニークな価値を伝えるブランドをどのように確立していますか?

たしかに、Bloombergは事業がたくさんあってまとまりがないように見えるかもしれませんが、その中核にあるのはただひとつ、「顧客が情報にもとづいた意思決定を行うことができるように、データ・ニュース・インサイトを提供すること」ということです。すべてのビジネスとマーケティングプログラムは、そのミッションにたどり着くまでのはしごのようなものです。

 

ーー マーケティング担当者は、自社のブランドに命を吹き込むコンテンツエクスペリエンスを創造するために、ストーリーテリングをどのように活用すれば良いですか?

コンテンツを作成してそれを宣伝するのは簡単です。それよりも、人々に時間を投資したいと思わせるストーリーを伝えるほうがずっと難しいのです。開発する各コンテンツは、独自の立場に立つ十分なインサイトを備えていなくてはなりません。全体的に、コンテンツは階層化されたブランドストーリーを提示する必要があります。Bloombergは金融市場に対する深いインサイトや、慈善活動に対する献身、ダイバーシティとインクルージョンに対するコミットメント、稀有で特別な文化を要素として含みます。これらすべての要素を魅力的なインサイトと組み合わせることで、ブランドストーリーを伝えているのです。

 

ーー 長年にわたり、あなたは、広告業界で活躍するAWNY(Australian Women in New York)50人からWorking Mother Magazineのトップワーキングマザー賞に至るまで、職場や家庭での成功を讃える一連の賞を受賞してきました。ワークライフバランスをどのように管理していますか?

今は子どもたちも大学生なのではるかに楽になりましたが、経験者からするとワークライフバランスなどというものは存在しません。罪悪感に慣れることが必要です。仕事を優先しなければならないときも、家庭を優先しなければならないときもあります。そして、いつも誰かが損な役割を担っていると罪悪感を覚えるかもしれません。最善を尽くし、自分が欠点だと思うことも大目に見てください。

 

ーー 職場におけるダイバーシティ&インクルージョンに対するコミットメントについて教えてください。

これは私にとって非常にパーソナルなことです。私はBloombergの女性と積極的に関わっています。私はラテン系コミュニティのエグゼクティブスポンサーであり、MAKERSの取締役です。私は多様なチームのほうが優れていることを知っています。ですので、平等やインクルージョンを尊重し、多様な従業員を採用することに全力を尽くしています。最高の仕事は、全く異なる経歴や視点を持つチームによってもたらされるものです。

 

ーー 2018年も後半に差しかかりましたが、すべてのCMOが認識すべきことは何ですか?

データと分析の重要性や、メッセージングを狙ってROI(投資収益率)を高める必要性について明確な答えを出すのは簡単なことです。しかし私は文化の重要性も信じています。共通のミッションに導かれ、お互いを尊重し、毎日(訂正します…ほぼ毎日)仕事を心から楽しめるチームを作ることができれば、どんなことも達成することができるでしょう。

 

ーー マーケティングの未来を形作っている最も驚くべきトレンドは何ですか?

社内エージェンシーの台頭です。これは私の同僚が言っていた言葉ですが、コンテンツ・デザイン・テクノロジーをひとつのチームにまとめることで、迅速かつ効果的なマーケティング組織へと成長することができます。それは社内でしか実現できませんし、人材を確保することも可能です。

 

2018年版】ベストコンテンツマーケティングブランド50選について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

 

Gaby TamaはNewsCredのソーシャルメディアおよびコンテンツマーケティング担当アソシエイトです。

決定版 ライセンスドコンテンツガイド2018

Eメール配信のニュースレターソーシャルメディアチャネル、Webサイトパーソナライゼーション。これらの共通点は何でしょうか。

それは、どれも絶え間なく「燃料」を必要としているという点です。そして、その「燃料」とはコンテンツなのです。

コンテンツマーケティング施策を運用するということは、日帰り旅行とは異なります。成功を収めるまでには、行きつ戻りつする、長い道のりを経る必要があります。成功する上で最も重要なのは、コンテンツを絶え間なく流し続けることにより、すべてのデジタルチャネルでオーディエンスを引きつけ、エンゲージメントを構築し、つなぎ止めることです。長距離ドライブにはガソリンの絶え間ない供給が不可欠ですが、まさにそれと同じことです。

ライセンスドコンテンツが、その絶え間ない燃料の供給源となります。NewsCredで紹介した極めて有効なコンテンツマーケティング施策のすべてにおいて、ライセンス済みプログラムは欠かせない要素となっています。ライセンスドコンテンツとブランド自身のオリジナルコンテンツを組み合わせることが、オーディエンスを引きつけ、つなぎ止め、さらにコンテンツマーケティングのROIを最大化する上で、理想的な方法となります。ライセンスドコンテンツを利用するブランドでは、クリックスルー率とエンゲージメント率、オーディエンスの成長速度、再訪率のどれもが、より高い傾向にありました。NewsCredの顧客企業の80パーセント以上が、コンテンツマーケティング施策の一環としてライセンスドコンテンツに投資しているのには、こういった理由があるのです。

ライセンスドコンテンツとは何か

ライセンスドコンテンツは、「シンジケーテッドコンテンツ」、「サードパーティコンテンツ」とも呼ばれています。これは、他者によって制作され、その制作者が法的な所有権も保持しているコンテンツのことです。コンテンツの所有者(ライセンサー)はクライアント(ライセンシー)にライセンスを発行し、記事全文の複製を、クライアントの所有する媒体で、元の形のまま再掲載することを許諾します。ライセンス条項には通常、コンテンツの掲載が許可される場所(たとえば、ライセンシーのコンテンツハブ)、掲載可能期間、許可される宣伝および拡散行為が記載されています。その他のライセンス条項には、以下のような使用条件が含まれます。

  • ライセンシーは元のパブリッシャーへの帰属表示をしなければなりません。
  • ライセンシーは著者の署名をそのまま残します。
  • ライセンシーによる記事の編集や、記事への文章追加は許可されません。考察や注釈を追加する場合は、記事本文の前または後に表記しなければなりません。
  • 元記事のcanonical URLが提供されている場合、ライセンスを受けた記事にはそれを表示しなくてはいけません。

以下に、ライセンスドコンテンツの例を2つ紹介します。

コンテンツ戦略の一環としてライセンスドコンテンツを利用することには、多くのメリットがあります。しかし、ライセンスドコンテンツがコンテンツマーケティングを助けてくれるのか、それとも損ねてしまうのかについては、多くの混乱も生じています。ライセンスドコンテンツがSEO対策を後押しすると考えるコンテンツマーケターがいる一方で、ライセンスドコンテンツを利用すればGoogleからペナルティが科されるのではないかと危惧する関係者もいます。また、ライセンスドコンテンツが投資に見合うのか、その投資資金を使ってフリーランスライターに記事一式を依頼する方がよいのではないかと疑う人もいます。

そこで求められるのは、事実関係の明確化です。コンテンツマーケティング施策にとって何が最適なのか、十分な情報に基づいて判断が下せるよう、ここに、ライセンスドコンテンツに関して多く見かける主張と、それに対する率直な回答を示します。

 

主張:ライセンスドコンテンツによってSEOの効果が向上する

事実:正しいとも間違っているともいえます。

解説:ライセンスドコンテンツによって、検索エンジンにインデックスされる、より多くのコンテンツを公開することができ、ブランドのSEOに貢献します。ライセンスドコンテンツを利用すれば、ブランドは特定のテーマやキーワードに沿ったコンテンツの厚みを増すことができ、その領域における権威を確立しやすくなります。また、ソーシャルメディアにおけるシェア、バックリンク、内部リンクも活発化できます。これらすべてが、SEOの効果を向上させる要因となります。
一般に信じられていることとは異なり、適切に利用すれば、ライセンスドコンテンツがSEO対策の妨げになることはありません。コンテンツの利用が合法的な配給関係に基づいていて、検索エンジンをあざむくための不正な試みではないということが明白な場合、重複したコンテンツへのペナルティというような事象は発生しません。ライセンサーはしばしば、ライセンスドコンテンツにcanonical URLの記載を要求します。canonical URLによって、コンテンツが合法的にライセンスされていることを確認できます。
しかし、ライセンスドコンテンツがGoogle検索で高い検索順位を得られると期待してはいけません。高い順位は得られません。ライセンスドコンテンツは、強力ではあるかもしれませんが、他の場所で既に掲載されたものなのです。canonical URLを記載することによって、オリジナル記事のSEO効果が保護され、常に掲載元が検索結果の先頭に来ることが保証されています。

 

主張:ライセンスドコンテンツは、コンテンツ制作にかかる時間と費用の節約になる

事実:そのとおりですが、注意点が1つあります。

解説:ライセンスドコンテンツが非常に役立つのは、たとえば新しいコンテンツハブや特化型メディアを一から立ち上げるときです。基本的に、特定のトピックに関して厚みを持ったコンテンツを構築する必要があるときには、必ず役立つといえます。ライセンスドコンテンツはあらかじめ構想、調査、執筆、編集、校閲が済んでおり、したがって、すぐに掲載できます。そのため、コンテンツ制作プロセスに費やす時間が節約できるのです。

また、ライセンスドコンテンツはオリジナル記事の発注よりも低コストです。そのため、新しいトピックや形式を試し、何がオーディエンスからの反響があるコンテンツなのかを知る上で、費用対効果の高い方法といえます。ライセンスドコンテンツは、旬の移り変わり、戦略の修正に応じて、新しいトピックを迅速かつ容易に立ち上げる上で役に立つのです。

さらに、ライセンスドコンテンツはブランドが速報性のある情報に反応するためにも役立ちます。報道機関は速報に対応できるよう作られており、また、消費者向けパブリッシャーは製品発表や企業からのアナウンスに関する事前通知を得られますが、多くのコンテンツマーケターは、即時の情報に対応するための備えを持っていません。ライセンスドコンテンツは、こうした差を埋めるために役立ちます。たとえばNewsCred Insights(英語版)では、コンテンツマーケターに影響が出そうな、ソーシャルネットワーク上の新機能やアルゴリズムの変更といった情報をカバーするために、ライセンスドコンテンツを用いることがよくあります。

図1.png

Fast CompanyからライセンスされNewsCred Insightsに掲載された記事の例

しかし、ライセンスドコンテンツを利用する際に注意しなければならないことが1つあります。それは、コンテンツのキュレーションは難しい仕事になることも多いということです。記事として理想的なのは、ブランドに即していて、意見や論調、読者から引き出す反応が適切で、しかも競合他社への言及を含まないものですが、そういった記事を見つけるために、コンテンツマーケターはいわば大量の発掘作業をこなすことになります。マーケターはコンテンツを編集できないので、この点は重要な検討事項となります。

 

主張:ライセンスドコンテンツはユーザーとのエンゲージメント構築に役立つ

事実:確実に役立ちます。

解説:高品質かつ実用的なコンテンツの安定供給は、オーディエンスのエンゲージメントを構築する上で非常に重要です。コンテンツを消費する場合を考えてみましょう。あるブログにアクセスしたとして、そのコンテンツが「今」に合わなければ、そのブログにアクセスすることは二度とないでしょう。それと同じで、企業によるEメール配信のニュースレターに登録するとしても、ソーシャルメディアで企業をフォローするとしても、その企業が宣伝以外の情報は何も提供していなければ、ただちに登録を解除するはずです。
ライセンスドコンテンツは、ブランドが自身のチャネルへ「燃料」を注ぐ上で役立ちます。ブランドはライセンスされた記事を利用して、ソーシャルメディアやEメールでオーディエンスとエンゲージメントを構築することができます。NewsCredがInsightsのニュースレターで1か月に及ぶ実験を行った結果、ライセンスドコンテンツからはオリジナルコンテンツとほぼ同じエンゲージメントが得られるということが分かりました。これが示す価値は、ライセンスドコンテンツによってオーディエンスとエンゲージメントを持てるというだけのことではありません。コンテンツマーケターは、オリジナル記事に取り組むための余裕を喉から手が出るほど欲しがっていますが、ライセンスドコンテンツはその余裕をも与えてくれるのです。
また、ライセンスドコンテンツはNewsCred Insightsの2017年における全トラフィックの9パーセントを構成していました。有償の宣伝行為をそのために行ってはいません。トラフィックはソーシャルメディアやEメールのエンゲージメントという、純粋にオーガニックのものに起因していました。

 

主張:ライセンスドコンテンツはオリジナルコンテンツほど価値がない

事実:場合によります。

解説:ライセンスドコンテンツの利用には多くのメリットがある一方で、多少の欠点も存在するため、オリジナルコンテンツの価値の方が高いという感覚も生じ得ます。
これまで見てきたように、ライセンスドコンテンツはSEOに対していくつかの面では有用ですが、Googleで検索ランキングのトップを獲得し、コンテンツハブへのオーガニックのトラフィックをより促進できるのは、オリジナルコンテンツだけなのです。
また、ライセンスドコンテンツでは、企業独自の話題を提供したり、企業幹部の専門知識を紹介したりはできません。それを行うためには、自社のコンテンツを制作する必要があります。しかし、ライセンスドコンテンツにより、トレンドや分析を紹介したり、何かの重要性についてジャーナリストの公平な意見を提供したりする場合には、少量のライセンスドコンテンツがオリジナルコンテンツを完璧に補完し得るのです。こうしたライセンス済みの記事によって、オーディエンスの欲求を刺激し、なぜその企業が、特定のサービスや製品を最も適切に提供できるのかというメッセージを受け取る用意をしてもらえます。ライセンスドコンテンツとオリジナルコンテンツ、両方の形式を効果的に使用することで、それぞれの形式を補完することが可能です。
さらに、評判の高いパブリッシャーからのライセンスドコンテンツは、ブランドエクイティという形で大きな役割を果たします。これは金融サービスや製薬など厳しい規制があり、コンテンツの正確さを厳しく審査する必要がある業界において、特に重要な点です。パブリッシャーのブランドネームと実績ある審査プロセスにより、マーケターが自信を持って記事を使用できるだけでなく、読者も記事を信用できるようになります。NewsCred Insightsのニュースレターで昨年実施されたA/Bテストでは、パブリッシャーの名前を明示した記事タイトルと、していないものとの間で、クリックスルー率を比較しました。すると、パブリッシャーの名前を含んでいる記事のクリックスルー率が、そうでないものより19パーセント高く、パブリッシャーのブランドエクイティがユーザーの行動を後押しするということが実証されました。

 

主張:ライセンスドコンテンツはROIをプラスにすることに貢献する

事実:確実に貢献します。

解説:有償メディアにおける最近のキャンペーンで、NewsCredは別々の記事を10本テストしました。そのうち、3本はライセンス済みのもので、7本はオリジナルでした。ライセンス済み記事のうち1本が、キャンペーンが生み出したコンバージョン全体の50パーセント近くに貢献しました。そのライセンス済み記事がなければ、産み出されたリードの件数は少なくなり、1クリック当たりの費用も上昇し、キャンペーンは成功から程遠い結果に終わっていたでしょう。それに、そもそも当該記事1本をライセンスするのにかかった費用は、オリジナル記事1本の制作費よりも安かったのです。ライセンス済み記事をキャンペーンに加えたことは、全体の支出を引き下げ、ROIをさらに向上させる結果となりました。

 

主張:ライセンスドコンテンツを利用できるなら、オリジナルコンテンツを制作する必要はない

事実:それは違います。

解説:コンテンツ戦略の一環として、常にオリジナルコンテンツがあるべきです。自社による創造的かつ詳細なオリジナルの記事を通し、ブランドや会社独自の話題、視点を紹介する必要があります。コンテンツマーケティング施策が最大限の成功を収めるためには、ライセンスドコンテンツとオリジナルコンテンツの両方が必須です(実際、SEOの専門家はコンテンツマーケティングハブにおけるライセンスドコンテンツの構成比が全コンテンツの50パーセント以下であることを推奨しています)。オーディエンスとのエンゲージメントを構築し、オーディエンスを満足させ、ROIを押し上げてくれるコンテンツマーケティング施策を、コンテンツマーケターが実施・推進するにあたって、コンテンツの2つの形式は車の両輪として役に立つのです。

Jennifer StengerはNewsCred社事業開発部のバイスプレジデントです。