デジタル広告の重要トレンド、「ブランドセーフティ」の考え方 CHEQ AI Technologies 日本法人カントリーマネージャー 犬塚洋二氏 / エグゼクティブアドバイザー Gadi Becker氏

インターネット広告配信における次世代型のアドセーフティプラットフォームを提供するCHEQ AI Technologiesが日本法人を設立したのは、2018年5月。以来、半年が経過していないにもかかわらず、その存在感と周辺からの期待はますます大きくなっている。世界的にブランドセーフティに対する関心が高まり、広告配信面への安全性の確認が急務とされている現在、同社が担うべき役割とは-。日本法人カントリーマネージャーの犬塚氏と、エグゼクティブアドバイザーを務めるGadi Becker氏にお話をうかがった。

ブランドにとって、本当の“セーフティ”とは?

–日本法人を設立して約半年。現在の状況はいかがですか。

犬塚 当社は広告の透明性、つまりアドトランスペアレンシーを主軸として事業を展開しています。現在、ウエブ広告の業界では、テクノロジーによるアドベリフィケーションが注目を集めています。DSPなどで配信された広告が、広告主のブランドイメージを低下させるようなサイトに掲載されていないか、また、ユーザーがきちんと認識できる場所にしっかり掲載されているかなどを確認し、配信をコントロールするためのツールを活用するといった取り組みは、日本でも2017年ごろから本格的に始まっています。多くのブランドがそうした事に対して関心を持ち、知識も深まってきたと感じます。

–そうした流れの中、御社が目指す方向性とは。

犬塚 CHEQはすべての広告主がインターネット広告を安心して活用し、マーケティング活動に従事できる環境を創り出すことを目的に、①ブランドセーフティの確保、②アドフラウド回避、③ビューアビリティの確保、の3つを柱に設定。軍事技術をベースとしたAIによる超高速情報処理技術や、NLP技術を駆使した「リアルタイム・アドセーフティプラットフォーム」を提供しています。特徴は、従来型のサービスでは、自社の広告がふさわしくないページに配信された後に検知するという事後報告型であったのに対し、CHEQは広告の配信そのものを未然に防ぐということ。交通事故でもそうですよね、事故を起こした理由を知るよりも、そもそも事故を起こさないようにすることの方が、もっと価値がある。これと同じで、CHEQのプラットフォームでは不適切な広告を事前に回避することを可能にしています。

–2018年8月には株式会社サイバー・コミュニケーションズとのパートナーシップ契約を締結し、同社によるCHEQのアドセーフティサービスの導入サポートも開始しています。

犬塚 現在、CHEQの本社はイスラエルにあり、支社をNYと東京に設置しています。そのうち、東京により多く投資されていて、2020年をめどにCHEQの機能を幅広くご利用いただける環境を創り、デジタル広告の領域において、ブランドが真に安心して広告出稿ができる状態を作りたいと考えています。

Gadi CHEQが目指しているのは「広告の透明性」と「コントロール」。最近までアドバタイジングの世界では、「デジタル広告は紙媒体やテレビと違ってコントロールができないもの」と考えられ、「不適切な広告を制御することはできない」と半ば諦められていました。しかし我々は、軍事技術で活用されてきたサイバーセキュリティーの技術やアルゴリズムを活用すれば、それは無理な話ではないと考えた。ブランドのバリューを守り、高めると共に、限られた広告予算を効果的に投下できるよう、デジタル広告の環境を整備するために、CHEQという会社を創ったのです。

–日本に対し、重点的に投資をしているのはなぜですか。

Gadi よく尋ねられる質問です(笑)普通、外資系の企業が世界へ進出しようとするとき、初めの一歩を日本に設定することはほとんどないでしょう。しかし私たちは、「まずは日本」と考えました。なぜかというと、日本のマーケティングは広告に限らず、非常に高度なレベルを極めているからです。また、CCIさんと組んでいても感じるのですが、アドセーフティに対する要求が極めて高く、非常に精密な設計が求められます。つまり、日本で我々がビジネスを成功することができれば、おそらく、世界のどこへ出かけても成功するだろうということ。日本において我々の真価が問われるだろうと考えています。

グローバルブランドを筆頭に、対策を取り始めている

–アドベリフィケーションというキーワードが注目されつつありますが、現時点では日本企業の中で、どれくらいが対策を練っているのでしょう。

犬塚 広告の安全性や透明性に対して関心を持っている企業は増えてきましたが、実際に対応している企業はまだそれほど多くないと考えています。ただ、昨年9月、NHKの『クローズアップ現代』でWEB広告不正の実態が取り上げられるなど、この分野に対する関心は急激に高まっています。2019年はこれらの問題に対する企業の対策が本格化する年になると感じています。

Gadi 現在、日本でブランドセーフティやアドフラウドについて関心を持ち、対策を取っているのは、大手のグローバルブランドがほとんど。日本のローカルブランドはまだこれからといった感じがします。しかし、市場でインパクトを持つグローバルブランドがデジタル広告の安全性や透明性に関心をもち、対策を始めれば、必ず他の企業も追随する。一旦その波が訪れればそれほど時間をかけずとも、多くの企業が対策をとるようになるのではと考えています。

–現在、予定しているサービスやプロダクトの方向性について、お聞かせください。

犬塚 現在、当社は先ほどお伝えした通り、ブランドセーフティ、アドフラウド、ビューアビリティという3つの側面からサービスを展開していますが、その一方で、媒体社側に立ってみるとマルウェアの攻撃に対する施策の重要性が増しており、当社では、あらゆる種類のマルウェアをリアルタイムに検知・アラートし、即時性のある対策を可能にするマルウェア検知機能、さらに、前述のクローズアップ現代などでも話題になった悪質なトラフィック詐欺を検知、異常トラフィックのソースを突き止めるトラフィックフラウド対策機能などを提供してまいります。現在、最終テストを行っており、2019年早々にはリリースする予定です。

フリーインターネットの未来を守るために

Gadi そもそもCHEQのファウンダーであるガイ氏がなぜ、この会社を創ったかというと、フリーインターネットのコンセプトを守るため。我々が日常的に無料でインターネットを楽しむことができるのは、媒体社側がデジタル広告をマネタイズできているからで、万一、主要なブランドが「デジタル広告は危なすぎるので、これからは出稿を控えます」と撤退してしまったら、たちまちフリーインターネットの未来は閉ざされてしまうでしょう。そのための、いわば“武器”として、我々はCHEQを創ったのです。

犬塚 現在、デジタル広告配信におけるブランド毀損のリスクは、およそ10%前後と考えられています。とはいえ、この数値自体が確実なものではなく、測定手段も明確に定められていいないため、もしかしたらリスク要因はもっと多岐に広がっているかもしれません。しかしCHEQのテクノロジーを活用することにより、そうしたリスクが明確に解消され、広告主は有効なインプレッションだけを買い付けることで、広告予算の投入を最適化することができ、また、媒体社は良質な広告インプレッションを、より高い価値で販売し、広告収益を拡大することが可能になります。

–CHEQ導入の実例を挙げてください。

犬塚 あるブランド様の例です。そのブランド様はブランド管理の観点から、事件事故や災害ニュース、芸能人の訃報など、広告掲載を回避すべきコンテンツが多く含まれるニュース系の媒体へは出稿したくてもできない、という状態になっていました。ところがニュース媒体はご存じの通り、膨大な読者を持つ、マーケティング上重要な媒体です。このジレンマを解消すべく、CHEQのタグを導入してもらい、ニュース媒体においてブランドにふさわしくない記事だけを取り除いて配信する、という施策をご一緒しました。結果として全体のインプレッションの25%くらいの記事が配信対象外として除かれましたが、残り75%もの広告インベントリが有効在庫として復活し、ブランド様は大規模な読者層へ新たにリーチをすることに成功しました。「ニュースは全部、危ないよね」と言ってすべて排除してしまうのではなく、好ましいページに効率よく出稿できる。これはブランドにとってだけではなく、媒体社にとってもポジティブなことです。

–今後のデジタル広告を考える上で、どのような人材が必要と考えますか。

犬塚 従来のブランディングというと、どうしてもアナログというか、トラディショナルな価値観でものを考えることが多かったように思います。しかし、ブランドを守るという視点で言えば、今後、アドベリフィケーションは非常に重要かつ不可欠なテーマ。ブランドサイド、媒体社サイドともにテクノロジーに関する知識を持ち、また、フレキシブルに対応することが必要でしょう。

Gadi 媒体社側の目線でいうと、ときどき、「ブランドセーフティを考えると、広告在庫が売れなくなるのでは」と心配する方がいらっしゃいます。しかし、ブランドセーフティの戦略をどう実現するか、この点を考えることで問題は解決可能です。たとえば、まずはブランドセーフティに対して非常に感度の高いブランドが安全な広告枠を購入する。その他の広告枠はパスバックシステムを活用して、代替広告を設定する。このように、さまざまなアプローチを実践することが可能なのです。ブランドにとっても媒体社にとっても、安全性とスケールの両方を叶えることができ、誰にもダメージを与えないのがCHEQの特徴。今後も広告の透明性とコントロールを使命に、日本の広告主や媒体社への本格的な導入を支援していきたいですね。

犬塚洋二氏
CHEQ AI Technologies
日本法人カントリーマネージャー

1995年立教大学卒、商社勤務を経て2000年1月エキサイト株式会社入社、広告営業部長などを経て、2011年グラムメディア・ジャパン株式会社入社、アドバタイジングセールス・ディレクター、執行役員を歴任、2018年5月CHEQ Japan入社。

Gadi Becker氏
CHEQ AI Technologies
エグゼクティブアドバイザー

エルサレム・ヘブライ大学の数学とコンピュータサイエンスの学位を取得。
1992年コンサルタントとして独立後、イスラエルの先端技術を日本へ紹介し、日本市場での立ち上げをサポートしている。OutBrain、SundaySky、Checkmarx、Panayaなど多くの企業の日本市場立ち上げの実績を持つ。2017年6月よりCHEQ本社のアドバイザリーボードとして日本市場への戦略立案を担当。自身も7年間の日本在住経験を持つ。

コンテンツマーケティングで大切な10のこと: “ベストコンテンツマーケティングブランド50選”から学ぶ

ベストコンテンツマーケティングブランド50選”を公開したことは、最高のコンテンツマーケターを賞賛するだけではなく、2018年のコンテンツマーケティング状況を深く確認する機会を得たということでもありました。

トップ50, を選ぶために、グローバルで展開する大企業からスタートアップ企業まで、私たちは何百というブランドを3つの観点から評価しました。コンテンツハブを持ち、高品質なコンテンツを作り出しているいること。革新的で、コンテンツに基づいた独自性を発揮していること。そして、自身のビジネスに、計測可能で、有益な影響を与えていること、の3つです。

選考プロセスを通して、たくさんの称賛すべき点を発見しました。かたや、多くのコンテンツマーケターがその点を学ぶ機会が少ないことも。以下には、私たちが見出したポイントを並べました。

戦略に始まり、収益化に終わる

トップ50の評価を、コンテンツマーケティングの成功に結びつく3つの主要要因にもとづいて行いました。効果的なコンテンツマーケティングは、企業の重要なゴール、例えば、売上やブランドアウェアネスを上げることと結びついた戦略から始まります。戦略が策定されると、コンテンツマーケティング担当者は、オーディエンスがアクションを起こすまで、コンテンツを利用し続けます。

私たちは、ほとんどのブランドが、これらすべてのステップを踏むことなく、一部だけを行っている現実を知りました。あるブランドでは、単発のキャンペーンの、素晴らしい動画やランディングページに私たちは引き寄せられましたが、継続的なコンテンツマーケティング活動は行われていませんでした。他のケースでは、頻繁に更新されるコンテンツハブは存在しているものの、商品ページへのアクセスやニュースレター登録など、読者に行動を促すためのコール・トゥ・アクションがありませんでした。またあるブランドは、未だもっぱら広告頼りで、プロモーションコンテンツのみを制作していました。

それでも、私たちは励まされました。コンテンツマーケティングには着手したばかり。本格的なコンテンツマーケティング施策を展開するには数カ月、あるいは数年かかります。コンテンツマーケティングを成熟させる過程でたくさんの施策を見てきたからこそ、断言できるのです。私たちは一年後にこれらのブランドがどのようになっているのかを今から楽しみにしています。

顧客を第一に考える

マーケターはこれまで以上に顧客に注力しています。デロイトの2017年CMO調査によると、CMOはマーケティング組織を顧客体験にフォーカスして再編しています。それは当然です。今日の顧客は無限のチャンネルを指先だけで素早く利用できます。ワンクリックで最適な商品や情報に辿り着くことができる顧客は、セールストークや、無関係なコンテンツに、わざわざ関心を払いはしないのです。

コンテンツマーケティングは、実践的には、顧客が探したくなるような、魅力的なコンテンツを制作するよう努力しています。しかし優れたコンテンツマーケターは、オーディエンスのニーズに向けたコンテンツを最初から生みだしているのです。

昨年、瞑想アプリで知られるHeadspaceは、瞑想に不慣れな初心者がしばしば抱く問題に対処するため、ビデオやイラストを用い、会話調で構成された“How to Meditate”をローンチしました。Headspaceは、従業員自らが瞑想の実践を試みた体験話を配信するポッドキャスト“packcasts”も提供しています。二つのコンテンツ戦略は、瞑想の不安を減らし、より実践しやすいものにすることで、Headspaceがいかに利用者のサポートを行っているかを示しています。それはもちろん、長い目でみればHeadspaceに利益をもたらすのです。

価値と共に導く

おそらく、現在の政治情勢が影響しているのかもしれません。あるいは、意見を口にすることに躊躇しないミレニアル世代とZ世代―― 彼らは他の人も意見を口にすることを期待している ―― の台頭によるのかも。いずれにしても、今や、大多数の人々が、各ブランドが社会的および政治的にも明確な立場を表明することを求めています

社会や政治情勢に恐れず立場を貫くブランドは、成功に結びついています。Ben & Jerry’s は、Black Lives Matter(黒人差別を批判するスローガン)や移民権などの社会問題提起と合わせて、新しいアイスクリームフレーバーのコンテンツをプッシュすることで、売上が増加しています。Patagoniaは、ドナルド・トランプが2つナショナルモニュメントへの資金提供を中止したときに、ソーシャルメディアで発した「大統領はあなた達の土地を盗んだ」というメッセージが非常に拡散したように、環境問題を語ることでブランドのロイヤルサポーターを集めた上に、さらに新たにサポーターを生みだしました。

 

ビッグロック”で成功を導く

“ビッグロックコンテンツ”とは上手く名付けたものです。“ビッグロック”とはオーディエンスが無視することのできない非常にインパクトのある主要コンテンツです。“ビッグロックコンテンツ”には、かなりの時間と先行投資が必要です。それは数カ月(あるいは数年)を要するかもしれません。しかしそれは、大きな利益をもたらします。

ナイキの施策“Breaking2”を見てみましょう。スポーツブランドに相応しく、ナイキは野心的なコンセプトを思いつきました。それは、世界最高のマラソンランナーが2時間の壁を破る挑戦を手助けすること。ナイキは計画に2年間を費やしました。この挑戦のライブストリーミングは、Twitter、YouTube、Facebookを通じて1,310万人を超える人々が視聴する成果を上げました。

ただ、“ビッグロックコンテンツ”が、このような長大なものというわけではありません。ホワイトペーパー、e-Book、その他のインタラクティブコンテンツも、“ビッグロックコンテンツ”なのです。KLM’s interactive, annual, where-to-fly pieceを見て下さい。このサイトは、平均5分以上のエンゲージメントタイムとKLMの予約サイトへの参照サイト中での平均以上の送客を実現しています。

リスクを取り、新しいフォーマットを試す

私たちが評価したすべてのブランドの中で、Visit Seattleが、おそらくは、最も意欲的な試みをしています。彼らは数十億ドルもの収益を上げる「フォーチュン500」の企業ではありません。それでも、ビデオコンテンツのマーケティングに徹底的に取り組み、シアトルの精神と多様性を訴求する多数のドキュメンタリースタイルのビデオを制作しました。その活動と努力は、シアトル版 “The Amazing Race(米国のテレビ番組)” から、地元のミュージシャンとレストランシェフを取り上げ、音楽シーンや独創的な料理の出現に迫ったシリーズ“Turning Tables”にまで及びました。

Visit Seattleは、YouTubeで視聴回数2,200万回以上を稼ぎ、25歳から44歳までの視聴者を獲得しています。

パーソナライズ戦略を計画する

パーソナライゼーションは、すべてのマーケティング担当者にとって意識すべき最重要事項です。AmazonNetflix、およびSpotifyは、何が可能なのかを示しており、オーディエンスは、これらのサイトの状態を、当たり前のものと捉えています。つまり、それ以外の私たちは、追いつくべきことがたくさんあるのです。

適切な人物に適切なコンテンツを適切なタイミングで提供することは、コンテンツマーケティングの究極の姿です。トップ50の多くはすでに戦略を立て始めています。

「私たちは、自らの裁量で、オーディエンスが見ているコンテンツを厳密にコントロールする、より緻密なデータを倍増させています」とDigidayのGlossier最高技術責任者、ブライアン・マホニー氏(Bryan Mahoney)は言います。「これは機械学習のようなものへの扉を開きます。つまり、私たちはパターンを確認することができ、さらに、データのチェックを通じて、新たなユーザを得るために、パターンの周辺のコンテンツを変えることができます。

他の部門でのコンテンツの役割を考える

コンテンツマーケティングはセールスやブランドアウェアネスの向上に効果的です。ではなぜマーケティング以外の分野にも応用できないのでしょうか?

それは非常に効果的です。他のビジネス目標を達成するためにコンテンツを活用し、うまく利益効果をもたらしている企業を見るのは刺激的です。Bloombergは、多様な従業員を魅了し、雇用を維持し、排他的にならない文化を育むためにコンテンツマーケティングを利用しています。アディダスのコンテンツ・ハブ“GamePlan A”は、「アスリートの心で仕事に取り組む」をコンセプトに、社内外の人々を刺激するために存在しています。

私たちは来年、このような応用事例をさらに多く見ることができるのを楽しみにしています。

Bloomberg D&I content marketing.png

Bloomberg’s Diversity & Inclusion blog

食品、旅行、自動車の分野でコンテンツマーケティングの機会を獲得する

食品、旅行、自動車業界の状態には、驚かされました。これらの業界からは、コンテンツマーケティングの傑出した事例に圧倒されることを期待しましたが、ごくわずかの事例しか得られなかったのです。これは驚くべきことです。食品、旅行、自動車は、視覚的であり、大衆に愛されており、かつユーザの感情に訴えることができるものなので、コンテンツマーケティングにとって最も重要なのですから。

多くの食品や自動車ブランドはコンテンツ・ハブを持っていません。コンテンツ・ハブが存在する場合、ブランドは、流通チャネル上では、販促キャンペーンを好み、コンテンツをほとんど推進していません。ほとんどのホテルや航空会社はブログを持っていますが、その多くは、ポテンシャルを引き出せていません。旅行関連の企業は、強力なコンテンツ内容をもっているにもかかわらず、配信のエコシステム全体でコンテンツを推進していません。

ユーザー生成コンテンツ(UGC)は、しばしば機会損失につながっています。人々は、楽しんだ食事の写真、素晴らしい休暇中の写真、あるいは購入した新しい車の写真を共有することが大好きです。これらの業界には、マーケティング目標をさらに高めるために、ファンの愛着(および彼らのコンテンツ作成スキル)を向上させる巨大なチャンスがあります。

収益化に向かう

NewsCred Top 50に選ばれるためには、ブランドはコンテンツマーケティング活動からビジネス成果を生み出さなければなりませんでした。私たちは大変興味深くそのような好事例を見ていました。

靴のeテイラーZapposは最近、女性スニーカーファン向けのコンテンツ・ハブThe Onesを立ち上げました。フィーチャーしたスニーカーを購入する導線がコンテンツに組み込まれています。またThe Onesには、コンテンツ・ハブに掲載した写真とカスタムアートをフィーチャーした購入機能を持ったInstagramフィードも持っています。

 

イギリスに本社を置くB2B金融テクノロジー企業Sageは、コールセンターから得られたナレッジを外部に発信するためのコンテンツ・ハブとしてSage Adviceを立ち上げました。四半期だけで、このハブによって145,000以上のリードを獲得しました。

結果を常に計測し、共有する

もしあなたのコンテンツマーケティングプログラムが驚くべき成果を上げているとしても、組織内に測定した数値を正確に伝えて共有しない限り、何も変わりません。成果をきちんと伝え共有することが、社内の協力者を獲得し、将来のマーケティング予算を確保する唯一の方法です。

USAAのコンテンツマーケティングチームは、ポッドキャストを立ち上げる際にこれを経験しました。パイロット版を配信する機会が与えられ、最終的には成功を収めました。USAAのポッドキャスト“Money Drill”は、費用をかけず、少ない配信回数で月間24,000回以上再生されました。その結果、コンテンツチームは大きな勝利を収めました。

「これは、施策としてコンテンツマーケティングを行うという、USAAの従来存在していなかった、新しい試みとなりました」とUSAAのリード・マーケティング・マネージャー/コンテンツ・ストラテジー・リードのモリー・ウォーカー氏(Mollie Walker)は述べています。「これから時間をかけて、コンテンツマーケティン施策を拡大させていくことによって、認知のために購入していたメディア出稿のコストが節約されてゆくことが示されることを期待しています。私たちは、認知と購入という二つのステージの間で、ストーリーを語ることを通して、ステージ間のギャップを埋めているのです」

Heather EngはNewsCredのエグゼクティブエディター、Marie DiDominicaは NewsCredのシニアマネージャーでカスタマーとフィールドマーケティングを担当しています。

「小さなブランドには、伝えるべき大きな物語がある」〜 Skift創業者の言葉

「いま、大きな世界の中で何かが起きています。それは、“小さな世界”が私たちの生活の中で“大きなもの”になろうとしていることです」。これはSkiftのCEO・創業者であるRafat Ali氏の言葉です。Skiftは旅行業界の変革を目指したプラットフォームです。Ali氏は、ThinkContent 2018で「どのように物語を書き換えれば、世界を変えることができるのか」、自らの哲学を発表しました。

まず、思考を働かせるために、Ali氏は次の話から始めました。「ほとんどの人々にとって、キャリアをスタートさせたときや、大学の在学中に受け取るアドバイスは、“大きく考える”ことでしょう」。しかし彼は、現代では正反対のスタンスで若者たちに“小さく考える”ことを促す方が重要だと信じています。そして、私たちはいま、伝えるべき大きな物語を持つ小さなブランドの時代に生きているのです。

小さなブランドには、コンテンツマーケティングの重要性がますます大きくなっています。小さなブランドには、Away、Harry’s、Everlane、Thirdlove、Burrow,、Forward、Vawaa、Rhone、Vello,、The Armouryなどが含まれます。注視すると、上記に並んだブランドのほとんどが、旅行、小売り、食品関連の業界だと気づくでしょう。これらの業界は、ほぼ間違いなく、今日の若い消費者にとって最も価値のある業界なのです。

ここでは、なぜこのようなムーブメントが起きているのか、そして小さなブランドが成長を遂げるためにストーリーテリングをどのように活用すべきかについて、彼の考えを詳しく見ていきます。

ブランドが象徴するものを共有する

「若者は、ブランドを自分たちの生き方につながる水路として捉えています」とAli氏は言います。そして、実際に若者はこの進歩的な世界で、共通の価値観やコミュニティを共有する感覚をブランドに求めていると言います。さらに、若者はソーシャルメディアで非常に自由な発言をすると述べたうえで、ブランドへの忠誠心を獲得するためには、企業が象徴的に表現するものが、同社の製品やサービスと同じぐらい重要だと指摘しています。

つまり、若い消費者は信憑性や真正性が高く、儚さのある物語をブランドに求めているのです。「こうした傾向は、その種の物語を語ることができる小さなブランドにとっては大きな強みとなります。独立性が高く、人を中心に考える企業は、個人消費者の中で優先順位を上げることができます」とAli氏は言いました。

混雑するコンテンツの世界で、小さなブランドが際立つために助けとなるのは次のことです。

  • 由来: あなたのブランドの起源を物語で共有しましょう。
  • クラフトマンシップ: 小さなブランドはひとつのことに専念して、最高品質に高めることができます。
  • 物語: 創業者、従業員、顧客のいずれであっても、ブランドの背景にあるストーリーを伝えてください。
  • ローカルプライド: あなたのブランドはどこで、どのように事業と企業文化を結びつけていますか?

パーソナルコネクションを作る

それほど昔ではない時代、ウェブサイトに1,000万人のユニークユーザーがいれば大きなサイトだと言われていました。しかし、いまでは1億人の訪問があっても小さい方だとAli氏は言います。小さくても力強いブランドであれば、顧客の人数ではなく、人々に与える影響にもっと集中することができます。そして、小さなブランドが自らに投げかける疑問は、「ブランドを気にかけてくれる人々の人生の中で、どれだけ大きな存在になっているのか」だと言います。

「ユーザーがあなたの成長ストーリーの一部になると、彼らは常に賛同し、一生涯寄り添ってくれるでしょう」とAli氏は強調します。彼らは、どんな浮き沈みがあっても、ずっとついてきてくれるというのです。

小さなブランドの文化を開花させよう

「人間力のあるブランドは、自社の従業員ともより深い関係性を築くことができる」とAli氏は言います。ひとりの雇用主として、Skiftは従業員たちと次のような約束を交わしています。

  • あなたの人生の中で今までにやったことがない、最高の仕事をしましょう。
  • 仕事を通じて最高の幸せを味わいましょう。
  • そうすれば人生は豊かになるでしょう。

「私たちが目指し続けているのは大きな北極星です。それは小さな会社でしか実現できないような『ブランドの誓約』でもあるのです」とAli氏は述べています。

Ali氏は「小さなブランド、またはあまり知られていないブランドのマーケターに対し、小さいことは単なる足掛かりではなく、成功への目的地だ」と言います。「小さいままで世界に小さな足跡を残すことは、ブランドが前進するための有効な方法です」。

 

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Dawn PapandreaはNewsCredの寄稿者です。

Bloomberg社CMOのDeirdre Bigley氏に聞く、グローバルマーケティング組織を率いるためのヒント

秀でたリーダーシップは、市場の差別化を図り、格別のカスタマーエクスペリエンスを提供しようと努力する、すべての企業にとって欠かせないものです。

Bloombergのような巨大な企業では、複雑な組織のあらゆる部分で変化を促進する先見的なリーダーだけが進歩と革新を遂げることができます。Bloombergの最高マーケティング責任者のDeirdre Bigley氏はそうしたリーダーのひとりです。

2009年にIBMから転職してきたBigley氏は、Bloombergの企業グローバルマーケティング部門をいちから構築しました。現在彼女は、金融商品・メディア・垂直業界(バーティカル市場)など、世界におけるBloombergビジネスのマーケティング活動を率いています。

 

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Bloombergの最高マーケティング責任者、Deirdre Bigley

 

Bigley氏は在任当初から、Bloombergブランドのユニークな価値を提供するために、コンテンツ・デザイン・テクノロジーで構成したチームの育成に注力してきました。そして、すべてのマーケティングプログラムで、同社のコアミッション「顧客が情報にもとづいた意思決定を行うことができるように、正確なニュース・経済データ・業界分析を提供すること」の反映を目指しています。

彼女の成功は、世界中の複数の地域に及ぶマーケティング組織だけでなく、彼女が管理および指導した人々に影響を与えた方法にも現れています。

私がBigley氏と初めてお会いしたのは、2016年の夏にBloombergでインターンをしたときでした。私は、部署に関係なく社内の若い女性12人を集めた女性コミュニティグループのメンタリングセッションに招待され、Bigley氏とつながる機会を得ました。業界に参入してすぐに昇進した若き専門的な女性として、自分自身の経験を引き合いに出した彼女のメッセージは、明確で意欲をかき立てられるものでした。

彼女は「自分がどのような人間で、どのような価値を持っているのか、常に注視しましょう」と強く呼びかけ、参加者たちに自身を定義する価値を理解するよう念を押しました。

そして彼女はネットワークを作り、メンターを見つけ、強く自信を持って意見を述べることの重要性を強調しました。「会議室に座っているのに何も意見を言わないのならば、あなたはそこにいないも同然です」。

2年後、Bigley氏とのディスカッションが若い専門家としての自己啓発に重要な瞬間だったと認識するようになりました。私は今日に至るまで、彼女の自信あふれるリーダーシップや、若い専門家へのコミットメント、賢明なアドバイスに感銘を受け続けています。フェミニストメディア企業であるMAKERSのリーダー兼取締役でもあるBigley氏は、職場内外のダイバーシティとインクルージョンの文化を育むことに全力を尽くしているのです。

事実として、BloombergはBloomberg D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)のブログとコンテンツマーケティングプログラムによって、NewsCredの【2018年版】ベストコンテンツマーケティングブランド50選に選ばれました。このプログラムは、インクルージョンを重視した職場づくりという同社のコミットメントを強調し、多様な従業員を誘致・維持するよう努めています。

Bloombergのマーケティング活動を構築する彼女の変革的な仕事や、ダイバーシティとインクルージョンに対するコミットメント、Bloombergブランドのユニークな価値提案を伝達するコンテンツの役割について、Bigley氏と情報交換ができたのは、私にとって非常に光栄なことでした。

 

ーー Bloombergの最高マーケティング責任者として、あなたの主な優先事項と責任は何ですか?

  1. 私にとっての最優先事項は、市場に投入したすべてのプログラムに対して確実な測定を行い、可能な限りマーケティング投資の利益を理解することです。
  2. 会社ではすべてのビジネスが交わる場所を担当しているため、これらの点と点を結び、より全体的なBloombergのストーリーを伝える責任を負っています。
  3. 私たちは毎年、真の意味で革新的かつ想像力豊かなアイデアを考える必要があります。
  4. 最後に、私は、マーケティング部門の文化を強力なものにして、共通の目標を持つチームを構築する責任があります。

 

ーー 2009年にBloombergに入社する前、あなたはシニアレベルのマーケティング担当者としてIBM13年間在籍していましたね。Bloombergはこの転職にどのようなインスピレーションを与えたのでしょうか?

偉大なブランドからの電話は、常に魅力的だと感じるものです。しかも、自分のメンターから電話があり、それがマーケティング組織をいちから構築するという仕事内容だったら、オファーを断ることは不可能です。

 

ーー Bloombergの企業マーケティング事業をいちから構築するにあたって、どのようにすべてのチームを連携させましたか?

ここまで進化するには9年もかかりました。連携させるために行ったのは、主に以下の3点です。

  1. すべてのマーケティングリソースを単一のグローバル組織に統合すること。
  2. 外部機関を使用するのではなく、自社でスタジオを持つこと。これによって、私たちは素早く行動し、新しいものを試し、創造的な人材を雇うことができるようになりました。
  3. すべての行動を測定するシステムを構築するなど、(ある意味取り憑かれたように)評価基準に焦点を当てること。

 

ーー Bloombergのような複雑な会社において、ユニークな価値を伝えるブランドをどのように確立していますか?

たしかに、Bloombergは事業がたくさんあってまとまりがないように見えるかもしれませんが、その中核にあるのはただひとつ、「顧客が情報にもとづいた意思決定を行うことができるように、データ・ニュース・インサイトを提供すること」ということです。すべてのビジネスとマーケティングプログラムは、そのミッションにたどり着くまでのはしごのようなものです。

 

ーー マーケティング担当者は、自社のブランドに命を吹き込むコンテンツエクスペリエンスを創造するために、ストーリーテリングをどのように活用すれば良いですか?

コンテンツを作成してそれを宣伝するのは簡単です。それよりも、人々に時間を投資したいと思わせるストーリーを伝えるほうがずっと難しいのです。開発する各コンテンツは、独自の立場に立つ十分なインサイトを備えていなくてはなりません。全体的に、コンテンツは階層化されたブランドストーリーを提示する必要があります。Bloombergは金融市場に対する深いインサイトや、慈善活動に対する献身、ダイバーシティとインクルージョンに対するコミットメント、稀有で特別な文化を要素として含みます。これらすべての要素を魅力的なインサイトと組み合わせることで、ブランドストーリーを伝えているのです。

 

ーー 長年にわたり、あなたは、広告業界で活躍するAWNY(Australian Women in New York)50人からWorking Mother Magazineのトップワーキングマザー賞に至るまで、職場や家庭での成功を讃える一連の賞を受賞してきました。ワークライフバランスをどのように管理していますか?

今は子どもたちも大学生なのではるかに楽になりましたが、経験者からするとワークライフバランスなどというものは存在しません。罪悪感に慣れることが必要です。仕事を優先しなければならないときも、家庭を優先しなければならないときもあります。そして、いつも誰かが損な役割を担っていると罪悪感を覚えるかもしれません。最善を尽くし、自分が欠点だと思うことも大目に見てください。

 

ーー 職場におけるダイバーシティ&インクルージョンに対するコミットメントについて教えてください。

これは私にとって非常にパーソナルなことです。私はBloombergの女性と積極的に関わっています。私はラテン系コミュニティのエグゼクティブスポンサーであり、MAKERSの取締役です。私は多様なチームのほうが優れていることを知っています。ですので、平等やインクルージョンを尊重し、多様な従業員を採用することに全力を尽くしています。最高の仕事は、全く異なる経歴や視点を持つチームによってもたらされるものです。

 

ーー 2018年も後半に差しかかりましたが、すべてのCMOが認識すべきことは何ですか?

データと分析の重要性や、メッセージングを狙ってROI(投資収益率)を高める必要性について明確な答えを出すのは簡単なことです。しかし私は文化の重要性も信じています。共通のミッションに導かれ、お互いを尊重し、毎日(訂正します…ほぼ毎日)仕事を心から楽しめるチームを作ることができれば、どんなことも達成することができるでしょう。

 

ーー マーケティングの未来を形作っている最も驚くべきトレンドは何ですか?

社内エージェンシーの台頭です。これは私の同僚が言っていた言葉ですが、コンテンツ・デザイン・テクノロジーをひとつのチームにまとめることで、迅速かつ効果的なマーケティング組織へと成長することができます。それは社内でしか実現できませんし、人材を確保することも可能です。

 

2018年版】ベストコンテンツマーケティングブランド50選について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

 

Gaby TamaはNewsCredのソーシャルメディアおよびコンテンツマーケティング担当アソシエイトです。

【2018年版】フィットネス業界のコンテンツマーケティング:トップトレンド

プロのアスリートやアスリート志望者にとって、ワークアウトは身体的というよりも精神的な要素が大きいものです。

定期的なワークアウトを自分のルーティンに組み込むことから、自分で設定した目標を達成できると信じるまで、内面にある思考や感情が体調のあらゆる側面に影響します。

健康・ウェルネス業界にとってコンテンツマーケティングが非常に重要なのはそのためです。適切なストーリーテリングは、インスピレーションとモチベーションを向上させ、人々に最高のパフォーマンスを発揮するよう促し、志が同じ熱心な人たちとの密接なコミュニティを構築するポテンシャルを秘めています。

オーディエンスの気分を高揚させ、あらゆるワークアウトに熱心に取り組んでもらうために、今日、主要なフィットネスブランドの一部がどのようにコンテンツマーケティングを利用しているかについて紹介していきましょう。

顧客開拓ブログへ投資する

最近では、さまざまなブランドが雑誌のように高品質の記事を掲載するのも珍しいことではなくなりましたが、これはフィットネスカテゴリーに関しても同じです。たとえば、Condé Nastの元編集者チームが運営しているEquinoxの出版部門のFurthermoreは、このことを理解し、傑出したストーリーと素晴らしいビジュアルを投稿してフォローを促しています。

しかし、フィットネス企業は、消費者の売上げ以外の事業目標を達成するためにコンテンツマーケティングを使用する価値があることを認識し始めています。私たちの好きなブランドも同じです。

 

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象徴的なアスリートブランドのAdidasを例にとってみましょう。

Adidasのデジタルマガジンは、多くのアスリートが直面する「自分のアスリートとしてのマインドセットを、いかにして職場で最大限に活用できるか」という課題に取り組むことで、フィットネス推進型のライフスタイルを提案しています。

「アスリートの精神で仕事に取り組む」をモットーとしているAdidasのブログ、GamePlan Aは、ワークライフバランスや優れたビジネスプラクティス、職場での知恵に焦点を当て、現在から将来の全従業員(あるいはその他のアスリートのマインドを持った従業員)にコンテンツを提供するよう努めています。目標は強力な企業文化を構築し、従業員を引き付けて留めることです。

 

 

記事やビデオは数千人の熱心な読者や視聴者を集めており、「ヨガ - 職場であなたのフローを見つける秘訣」、「Women Talk - 前向きな女性リーダーシップにグローバルな意見をもたらそう」などのテーマは読者の興味を掻き立て、「私たちの習慣に隠された秘密 - 成功したアスリートから学べる3つのこと」は1月初旬以降15,000回もの視聴回数を達成しました。

また、数十ものフィットネススタジオを会員に提供しているClassPassも、その一例として挙げられます。ClassPassは、標準的なワークアウトとウェルネスに関するヒントを掲載する消費者向けブログ、The Warm Upを運営しています。しかし、もっと素晴らしいのは、ジムやワークアウトスタジオを対象としたB2B向けのAfter Classです。

 

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審美的に言えばそれは最先端であり、概念的にも新進気鋭なものです。「パートナーエンパワーメント」ブログとしてブランディングされたこのプラットフォームは、マーケティング事業展開運用クラスエクスペリエンスリソースという、ジムやフィットネススタジオのオーナーが知っておくべきトピックごとにカテゴリが分かれています。それはまた、「フィットネススタジオが互いに結び付き、学ぶためのコミュニティ」でもあるとAboutページに記載されています。そして、「収益を生み出す豊富な知識や、最新トレンドと一流スタジオ・インストラクターのハイライト記事が掲載されているAfter Class」は、ブランドにとって最も重要な情報がキュレーションされた、「タイムリーな業界ニュースの頼りになるリソース」でもあるのです。

結局のところ、フィットネス事業に参加する企業がいなければ、ClassPassの会員たちはどこにも行けません。

自分自身に問いかけてみましょう:コンテンツマーケティングを使用したときに、自社の主要ターゲット市場を超えてエンゲージしてくれるオーディエンスは誰でしょうか?

インスパイアされた本物のソーシャルメディアコミュニティを育成する

ソーシャルメディアはすべてを支配し、仮想現実をもたらしています。こうした特徴を備えたプラットフォームは、フィットネスに特化したストーリーテリングに最適です。InstagramやFacebookの投稿をスクロールしただけでは汗をかくことはありませんが、適切なコンテンツと力強く応援してくれるコミュニティがあれば、「汗をかきたい」と思わせることができるかもしれません。

ソーシャルメディアが発明されるずっと前から、Barry’s Bootcampにとってコミュニティは不可欠なものでした。「1998年に遡ると、すべてのインストラクターは、生徒の名前から犬や娘さんの情報まで、生徒全員のことを知っていました。それは挨拶のように自然なことだったのです」とCEOのJoey Gonzalez氏は言います。「実際に、私たちは長年にわたってその習慣を維持しようとしてきました」。

しかし今日では、継続的な成長をするために、少なくとも部分的にソーシャルメディアに依存しています。そして、「Barry’s Bootcampにとってのコミュニティは、新しい顧客を誘致する大きな推進要因です」とGonzalez氏は昨年Forbesに語っています。Instagramでは、気持ちを後押ししてくれて遊び心のある口調がユーザーを歓迎し、安心感を与えます。その一方で、心を揺さぶる現実的な投稿がトレーニングを行うように動機づけてくれています。

 

Barry’s Story… . . . . . Barry’s (still funny to call it that) is a huge component of my sobriety. I trace my sobriety back to this place. It’s the people I met here who got me sober. My experience here– I wouldn’t trade it for anything. I used to be unable to look at myself in the mirror. Now when I Face myself, it’s easy to say I like what I see–through my years at Barry’s, I like who I’ve become. – Barry Jay #BarrysStories

A post shared by Barry’s Bootcamp Canada (@barryscanada) on Mar 22, 2018 at 5:49pm PDT

Barryのストーリー……Barry’s(自分でこう呼ぶのは未だに笑ってしまうけれど)は、自分のこれまでの行動を示してくれる大きな要素です。この場所に戻ってくると、自分が真面目にやってきたかどうかがわかります。私を真面目にしてくれたのは、ここで出会った人々でした。ここでの経験は、何事にも代えがたいものです。昔の私は、鏡で自分自身の姿を見ることができなくなっていました。今、自分自身を見つめると、鏡に映る自分が好きだとはっきり言えます。Barry’sでの日々を通じて、私は自分のことが好きになりました。- Barry Jay #BarrysStories

 

#BarrysStoriesは、フィットネスの成功と挑戦に関する個人的な意見をシェアする機会を設けています。Barry自身の意見(上記参照)より真正なメッセージは、ほとんどありません。誰でもハッシュタグを使って自分の話を伝えることができるのです。また最近のビデオシリーズでは、強烈かつ特別に調整されたワークアウトによって減量に成功し、感謝している人々を強調しています。透明性のあるこれらのストーリーは、人々を結び付け、最終的に人々が気合いを入れて行動したくなるようもたらします。同社の「顧客がブランドの伝道者となり、自らの体験を自分のネットワークと共有したくなる」のはそのためだとGonzalez氏は語ります。

 

At Barry’s, there are opportunities to break through walls. And, we can take those lessons and bring them into every part of our life. . . . . . After struggling with obesity his entire life, Tony lost 100 lbs at Barry’s. But his story isn’t about pounds lost. It’s about finding a whole new set of metrics for self-worth. #BarrysStories

A post shared by Barry’s Bootcamp (@barrysbootcamp) on Apr 2, 2018 at 12:00pm PDT

Barry’sには、壁を打ち破るチャンスがあります。そして、私たちは見事壁を乗り越えた人たちから教えを受け、自分の人生のあらゆる局面でその教えを活かすことができます……。Tonyは、ずっと肥満に苦しんでいましたが、Barry’sで100ポンド(約45キロ)も痩せました。しかし、彼のストーリーは単に何ポンド痩せたということだけではありません。重要なのは、自尊心を取り戻すために全く新しい指標を見つけたということです。#BarrysStories

 

305 FitnessはInstagramで同じような成功を収めましたが、インフルエンサーの助けも借りています。心臓が高鳴るようなワークアウトと音楽が鳴り響く「rave-meets-workout」のダンスクラスのコメント欄は、ソーシャルメディアで反響を集めています。

「このクラスは非常に楽しく、アップビートなので、インフルエンサーはそのエネルギーを取り込みたいと思っています。Instagramのストーリーは、彼らにその機会を与えてくれます」と、インフルエンサーマーケティングエージェンシーのObviously創設者兼CEOのMae Karwowski氏は述べています。

「さらに」とKarwowski氏は付け足しました。「305 Fitnessは、プラットフォームを使用してインフルエンサーの体験をゲーム化することに非常に長けており、より多く投稿してくれた人にはクラスや特権を提供しています。これによって、クリエイターとブランドの間に肯定的なフィードバックループを作り出し、ユーザーを留めているのです。また、ストーリーをシェアしてくれるインフルエンサーに報酬を与えるというクリエイティブな方法が発展してきたため、本当に素晴らしいコンテンツをたくさん用意しています。多くの人々がこれらの投稿を見て、楽しそうだと感じて、同じように参加したいと思っています。そして、人々はこの体験が本物だと感じています。実際そうですからね」。

自分自身に問いかけてみましょう:他の人たちにシェアしたり、行動したくなるストーリーをソーシャルメディア上で語ってもらうためには、どうすれば良いのでしょうか?

接続機器を通じてコンテンツを配信する

2018年の今、コンテンツを消費するのは自分の携帯電話、タブレット、ノートパソコンだけではありません。そうです、現代の技術とは、コンテンツを他の多くの場所でも消費できることを意味します。

PelotonMirrorなどの企業は、革新的なデバイスを通じて、顧客の家庭に自社開発した新しいトレーニング体験をもたらしています。それは、全米各地のクローゼットでほこりをかぶっているZumbaやヨガのDVDとは異なり、実際に人々が必要とする家庭内エクササイズルーティンの始まりでもあるのです。

 

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中毒性の高い健康習慣としてもてはやされているPelotonは、インタラクティブなスクリーンを完備した屋内向けエクササイズバイクとルームランナーを提供しています。このディスプレイは、ある意味、Pelotonのニューヨーク本社で行われているライブやオンデマンドクラスをリアルタイムで放送し、世界を知る窓口として機能しています。ユーザーはクラスに参加するためにニューヨークに行く必要はありません。

 

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1日12時間のライブビデオが全国の家庭で放送され、快適なリビングルームでトレーニングすることを好む人に、常に新しく楽しいトレーニングを提供しています。そして、加入者に向けてパーソナライズされたメッセージを叫ぶインストラクターのクローズアップショットや、自分と同じ仮想クラスに参加している他のライダーと比較した測定結果を示すライブデータによって、まさにスタジオの真ん中にいるような没入感をもたらしています。

 

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今後発売予定のフィットネススタートアップであるMirrorは、その仮想体験をさらに進歩させました。それは、インタラクティブデジタルミラーが「LCDディスプレイ、サラウンドサウンドスピーカー、カメラ、マイク」の力を借りて、文字通りユーザーを認識し、彼らのニーズや能力を学習して調整したトレーニングを提供するというもの。トレーニングが不十分であれば、ひとり、または仲間と一緒に行うことができて、他のハイテク機器を必要としないオンデマンドのワークアウトをストリーミングしてくれます。たとえば、ヨガ、有酸素運動、ボクシング、筋力トレーニングなどです。

自分自身に問いかけてみましょう:このような革新的なテクノロジーは、あなたのビジネスでどのような役割を果たしますか? オーディエンスはどのようなデバイスを使用していて、あなたはどのようなコンテンツを配信することができますか?

音声起動型コンテンツを作り出す

あまりハイテクではありませんが、印象深い音声起動型コンテンツは今年のウェルネススペースで見られるトレンドです。FitbitHeadspaceのようなブランドは、Alexa Skillsを彼らの製品やサービスに取り入れています。Amazonの有名な仮想アシスタントと連携して、無数の既存アプリケーションや今後発表予定のアプリケーションを無料で使用できる拡張機能をAlexa Skillsで提供しています。

 

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シンプルに「アレクサ、Headspaceを開いて」と言うだけで、ユーザーが瞑想したり、ベッドでゆっくりさせたりできるように、一連のコマンドの中から選択してくれます。同様に、AlexaのFitBitスキルを使えば、加入者は毎日の統計、睡眠パターン、その他のフィットネス目標をチェックすることができます。

どちらのブランドもユーザーの期待に応えるまでの道のりはまだまだ長いですが、重要なのは音声認識スペース上で実験を行い、ユーザーの信頼を獲得していることです。「歳月人を待たず」と言いますが、技術も人を待ってはくれません。あなたの会社は、難局をうまく対処し、取引に利用可能なすべてのツールを活用できますか? 頭ひとつ抜け出し、成功を収めるためにすべきことはもうおわかりでしょう。脂肪の燃焼を感じるのが待ちきれない技術者はどうしたらいいかって?「アレクサ、7分のワークアウトを開始して」と言ってみて、何が起こるか見てみましょう。

自分自身に問いかけてみましょう:どの自社製品やコンテンツがAlexaやそれ以外の音声認識機能に向いているでしょうか?

 

Anastasia DyakovskayaはNewsCredの寄稿者です。