コンテンツマーケティングで犯しがちな6つの間違い

コンテンツマーケティング。

2013年のマーケティングトレンドを象徴するバズワードの1つではないでしょうか。

本ブログでも何度もこのキーワードは登場しており、特にハミングバード導入以降のSEO対策はコンテンツマーケティングというコンセプトなしに語ることはできなくなっています。

しかし、言葉ばかりが先行して、誤った情報や手法に基いたコンテンツマーケティングが横行しているのも事実。

本日はそんな現状を考慮して、マーケティング担当なら必ず知っておきたい「コンテンツマーケティングで犯しがちな6つの間違い」をご紹介致します!

間違い① 売上アップが唯一の焦点

コンテンツで顧客を獲得したいなら、売上に目を向ける以前に、ユーザーのためになるメッセージを正しいチャネルとタイミングで伝え、適切なターゲットと信頼関係を築くことに焦点を当てましょう

コンテンツマーケティングとは、良質なコンテンツの提供によって顧客を獲得することです。

要するに売上げアップやリードジェネレーションがが最終的な目的な訳ですが、売上だけに重きをおくことによって、「良質なコンテンツ」の定義が曖昧になってしまうケースを多く見かけます。

そもそも正しいコンテンツマーケティングとは、「(見込み)顧客にとって価値のあるコンテンツ」を届けることであって、「あなたが考える質の高いコンテンツ」を提供することではありません。

もしあなたのウェブサイトが自社のアピールばかりを並べた供給側本位のコンテンツしか提供していないなら、今すぐコンテンツを見直しましょう。

間違い② 自社サービスの優位性ばかりを伝える

あなたの商品がどれだけ優れているかをただアピールするのはやめましょう。

消費者も馬鹿じゃありません。

自社の商品を過大評価したコンテンツも、他社の商品をただこき下ろしたコンテンツも、目の肥えた消費者にとっては競合同士の単なる意地の張り合いでしかないのです。

消費者がウェブコンテンツに求めているのは、自身の悩みや不満を解決する上で最も適切な商品を見極める手助けです。

他の商品と比較するのであれば、双方のメリットとデメリットを挙げることはもちろん、特にどんな状況下に置かれたユーザーの悩みを解決するのに最適なのかを明確にすることが重要です。

間違い③ 最新の情報は絶対取り入れる

「良い情報=新しい情報」という発想は捨てましょう。

たしかに時事性や更新頻度は、良質なコンテンツを構成する大切な要素のひとつです。

古い情報ばかりを載せていては、ユーザーのためのコンテンツとは呼べないでしょう。

しかし、新しい情報を載せるばかりに気を取られ、あなたが伝えたいメッセージが疎かになったり曖昧になっては意味がありません。

新着ニュースや新たなコンテンツを追加する際には、あなたがウェブサイト全体をもって伝えたいメッセージを必ず再確認してみましょう。

間違い④ 簡潔であればあるほど良い

コンテンツの良し悪しはコンテンツの量で決まるものではありません。

もちろんキャッチコピーを考える際やTwitterなどを活用する際は、文章の簡潔さがとにかく重要です。

しかし、キャッチコピーやTwitterはあくまでコンテンツ全体への導入部分であり、コンテンツ全体を簡潔にしすぎればメッセージが伝わりづらくなる恐れもはらんでいます。

コンテンツを作成する際には、まず本当に伝えたいメッセージを明確にしましょう。

メッセージが長ったらしい場合には、以下のような対策を取ることで、メッセージ性をそのままに閲覧しやすいコンテンツを提供しましょう。

  • ・削除してもメッセージがぶれない部分は削除する
  • ・重要ポイントをリスト化する(読みやすくする)
  • ・複数のコンテンツに分ける
  • ・チャネルを再考する(例えば長々とした文章をあげる場合は、オウンドメディア>フェイスブック)

間違い⑤ 量より質

質の良いコンテンツを量産できる仕組みを考えましょう。

もちろんただのコピーコンテンツや誰でも知ってる情報を載せていてはコンテンツマーケティングとは呼べません。

しかし、質にこだわりすぎて量を確保できなければ本末転倒です。

「質と量の両方を担保出来る方法はないか」、とにかく考え抜きましょう。

例えば、グロースハックジャパンは皆様に最新のWEBマーケティング情報をお届けすることを目的に、米系統計サイト Statistaの情報をしばしば引用しています。

信頼性の高い粗データを発信するサイトを活用し、粗データに関する意見や分析結果を載せることも、質と量の両方を担保するための手法の1つと言えるでしょう。

間違い⑥ 最重要KPIはソーシャル指数

コンテンツマーケティングの成否をソーシャル指数だけを基に判断してはいけません。

いいね!やリツイートの数はユーザーからの貴重なフィードバックの1つであることに間違いありませんが、アクションに工数がかからないことから、データとしての厚みはユーザーの生の声やアクセス解析に比べて低いことも事実です。

ソーシャル指数のみに頼ることなく、下記のKPIを含んだ従来通り定性・定量的観点からの効果測定を心がけましょう

  • ・ユーザーレビューの数
  • ・ユーザーレビューの内容
  • ・流入数
  • ・コンバージョン
  • ・直帰率
  • ・離脱率

まとめ

  • ・流行のコンテンツマーケティングもやり方を間違えれば失敗に終わりかねません。
  • ・本記事で紹介した6つの間違いを参考に、ご自身のコンテンツマーケティング手法を改善していきましょう。

【有名IT企業は何位にランクイン?】最もクリエイティブな企業トップ10

クリエイティブな企業と聞いて、皆様はどの会社を思い浮かべますか?

企業のクリエイティビティはもはや商品やサービスのみに表れるばかりでなく、企業の労働環境や仕事の仕方にも表れる重要な指標です。

GoogleやAppleに代表される今を翔ける有名IT企業の多くは、サービスから職場環境に至るまでの総合的なクリエイティビティ(創造性)が高く評価されていると言えるでしょう。

しかしクリエイティブな企業は何もグーグルやアップルのような有名企業に限ったことではありません。

世界には知名度はまだ低いものの、その創造性を評価されている企業は多く存在しているのです。

そこで今回は、人事担当と社員のマッチアップサービスViewsOnYouが提供する「最もクリエイティブな企業トップ10」をドドンとご紹介致します!

ViewsOnYouについて

viewson

 

 

まずはViewsOnYouの仕組みについて簡単にご説明致します。

  • ・ユーザーはLinkedInかFacebookアカウントを使って登録
  • ・様々な指標から自己評価
  • ・自分を知ってる人に客観的に評価してもらう

「様々な指標」の中には、以下のような項目が含まれます。

  • ・キャリアゴールへのコミット
  • ・リスクに対する姿勢
  • ・チャレンジ精神
  • ・計画性
  • ・同調性
  • ・神経質

要するに、ViewsOnYouはユーザーのログイン情報と自己及び他己評価を基に、どの企業が最もクリエイティブな社員を抱えているかを算出しているわけなんです。

最もクリエイティブな企業トップ10

仕組みがわかったところで、早速トップ10の発表に参りましょう!

第1o位 カタール航空

創業: 1993年

本拠地: カタール・ドーハ

事業内容: 航空会社

URL: http://www.sanofi.co.jp/l/jp/ja/index.jsp

第9位 バイアコム

創業: 2006年

本拠地: アメリカ・ニューヨーク

事業内容: ケーブルテレビを含むメディア事業

URL: http://www.viacom.com/

第8位 ユニバーサルミュージックグループ

創業: 1934年

本拠地: アメリカ・サンタモニカ

事業内容: 音楽・エンターテイメント

URL: http://www.universalmusic.com/

第7位 CBCテレビ

創業: 1952年

本拠地: カナダ・モントリオール

事業内容: テレビネットワーク

URL: http://www.cbc.ca/television/

第6位 アップル

創業: 1976年

本拠地: アメリカ・クパチーノ

事業内容: インターネット、デジタル家電製品および同製品に関連するソフトウェア製品を開発・販売

URL: http://www.apple.com/jp/

第5位 FedEx

創業: 1971年

本拠地: アメリカ・リトルロック

事業内容:  輸送・ロジスティック業務

URL: http://www.fedex.com/jp/index.html

第4位 クアルコム

創業: 1985年

本拠地: アメリカ・サンディエゴ

事業内容:  移動体通信の通信技術および半導体の設計開発

URL: http://www.qualcomm.co.jp/

第3位 グラントソントン

創業: 1924年

本拠地: イギリス・ロンドン

事業内容:  監査法人

URL: http://www.grantthornton.jp/

第2位 トヨタ自動車

創業: 1937年

本拠地: 日本・豊田

事業内容:  自動車メーカー

URL: http://www.toyota.co.jp/

第1位 サノフィ

創業: 2004年

本拠地: フランス・パリ

事業内容:  医薬品及び医療機器の製造販売・輸入、研究開発、医療機関への医薬品情報提供・収集

URL: http://www.sanofi.co.jp/l/jp/ja/index.jsp

ランキングから見える傾向

ランキングを振り返ってみると、平均設立年は1969年と、必ずしも新しい会社ほどクリエイティブという訳ではないようです。

また、トップ10の内、情報通信系企業の数はなんと3つだけ!

アップルが6位、そしてグーグルに関してはランクインもしていないことを考えると、ITブームの結果、私達は自然と「IT=クリエイティブ」という幻想を抱くようになったと言っても過言ではないでしょう。

地区別に見るとやはり強いのはアメリカ

もちろんViewsOnYouが米系サービスということも考慮する必要はありますが、アメリカの企業文化が他と比べてクリエイティブ志向であることは間違いありません。

そんな中でトヨタ自動車が2位にランクインしているのは日本人として誇らしい半面、今後日本やアジアからより多くのクリエイティブな企業が出てくることを願いたいですね。

まとめ

  • ViewsOnYouが独自の算出方法で最もクリエイティブな企業をランク付けしました。
  • ViewsOnYouによると、最もクリエイティブな企業は医療系のサノフィだそうです。
  • ランキングを見ると、新しい会社ほどクリエイティブというわけではないようです。
  • 「IT=クリエイティブ」という発想も、間違った見識かもしれません。
  • 地域で見ると、アメリカ系企業が強いことが分かります。

【クリエイティブWEBマーケティング】あなだだけのセーターを作ろう!

毎年恒例ブラック・フライデーの時期がやってまいりました!

ブラック・フライデーとは、感謝祭の週末の金曜日に催される大商戦のこと。

ネット時代の到来とともにサイバー・マンデー(オンラインショッピング商戦)なんて言葉も飛び出すほど、この時期はオンライン・オフラインにかかわらず小売業者は火花を散らしているのです。

もちろん多くの日本人は感謝祭を祝うことも無く、直接商戦に関わることもありませんが、実はこの時期になると各社がこぞってクリエイティブかつ休暇シーズンにぴったりなマーケティングを仕掛けることでも知られています。

今年も様々なホリデーマーケティングが見受けられましたが、本日は私のオススメ、コカコーラゼロによるとっても楽しいマーケティングキャンペーンをご紹介します!

自分だけのセーターを作ろう!

sweatgen

 

「セーター・ジェネレーター」と題されたこの企画。(https://www.sweatergenerator.com/#/main/landing)

休暇シーズンにぴったりなオリジナルセーターを、ウェブアプリを使って作ってみよう!というわけです。

私も早速試してみたので、スクリーンショットと共にご紹介致します!

セーターのタイプを選ぶ

sweat1

 

 

まずはセーターのタイプを選びます。

  • Vネック
  • 丸首
  • タートルネック
  • ベスト

の4種類の中から選ぶことが出来ます。

(選ぶタイプによって後々の選択肢に制限が出るので注意しましょう。)

セーターのメインカラーを選ぶ

sweat2

赤、青、緑などなど、全7種類から選ぶことが出来ます。

基本パターンを決める

sweat3

ストライプ、ダイヤモンド、丸模様などを選ぶことが出来ます。

基本パターン・ラインの色を決める

sweat4

(ここらへんまで来るとセンスのなさがバレて恥ずかしくなってきます。)

模様を加える

sweat5

この作業が一番の醍醐味!

クマ、サボテン、トナカイ、ペガサスなどなど、様々な模様であなたのセーターを飾り付けましょう!
バックグラウンドを決めて完成

sweat6

私のセーターは、こんな感じにスッキリしたものになりました!

ダイヤモンドに浮かぶ白いペガサスがポイントです( ´ー`)ドヤ顔

コンテストに出す

sweatvotes

SNSで共有できることはもちろん、コンテスト形式にするあたりはさすがコカ・コーラ。

競争心を煽って参加者を惹きつけるSNSマーケティングの基本を忠実に守っています!

晴れて1番多くの票を集めたユーザーには実際にウェブ上で作ったセーターが届くというインセンティブもあり、アメリカでは既に大きな盛り上がりを見せているようです!

おまけ(ダサいセーター作ってみました)

sweatex

 

 

自分はもちろん、友人や両親が着てても私は距離をおきます。

sweatex2

夢に出るほどクマだらけ。。。

 

 

sweatred

動物愛好家でしょうか。。。

 

 

まとめ

  • 毎年11月の感謝祭シーズンは、小売店がこぞって大商戦を繰り広げます。
  • この時期になると各社がこぞってクリエイティブかつ休暇シーズンにぴったりなマーケティングを仕掛けることでも知られています。
  • 今年一番のオススメはコカ・コーラゼロによる自分だけのセーターを作れるキャンペーンです!
  • 試したい方は https://www.sweatergenerator.com/#/main/landing まで!

【知らずに新年は迎えられない!?】2014を前に知っておきたい6つのITトレンド

♪ もういくつ寝るとお正月…

さすがに気が早いですが、気づけば11月も中盤。

ビッグデータ活用からTwitterのIPOまで、IT業界では今年も様々なニュースが飛び込んで来ました。

「今年の冬はゆっくりハワイで…」

なんて既に優雅なバケーションを想像している皆様も多いことでしょうが、まだまだ休暇モードには時期尚早。

日々発展を続けるIT業界にキャッチアップし続けるためにも、本日は「2014年を前に知っておきたい7つのITトレンド」をご紹介致します!

1. スマートテレビ

プラズマ、液晶、4kと、画質面では世界を引っ張ってきた日本。

しかし、今テレビ業界の関心は画質ではなく機能へとシフトしており、その最先端をいくのがスマートテレビです。

スマートテレビとは、通常のテレビとウェブの機能をを融合し、

  • ・オンデマンド番組の視聴
  • ・ネット限定番組のテレビ配信
  • ・コメント・情報交換の活発化

などをテレビ1台で可能にするモノ。

既得権益が根強い日本ではまだまだ発達していませんが、欧米ではネットフリックスや日本でもお馴染みHuluなどを中心に続々と開発と導入が進んでいます。

その中でも特に大きな注目を集めるのがApple社のiTV(仮)。

先日のキーノートでも発表が見送られ、来年こそはと待ち焦がれているギークも多いのではないでしょうか?

2. スマートウォッチ

スマートフォンやタブレット機器などはここ数年で著しく成長を遂げ、市場や新製品の発表も落ち着きを見せてきた印象です。

そんな中今注目を集めるのが「ウェアラブル端末」。

「身につけて持ち運びが可能」な端末の総称で、SamsungやGoogleなど、国際的なITの企業はこぞってウェアラブル端末の開発を進めています。

samsungwatch

こちらの写真はサムスンが先日発表したスマートウォッチ。

まだまだ「単なる話題作り」のイメージを打ち破れないのが現状ですが、

  • ・ポケットやカバンから取り出す必要がない
  • ・一日のスケジュールに規則性を発見し、能動的にサービスを起動
  • ・心拍数を感知することで様々な応用が可能

などなど、可能性は計り知れません。

3. ヘッドマウントディスプレイ(HMD)

これだけ聞くとあまりイメージが湧かないかもしれませんが、実はこれ、Googleグラスなどのメガネ型ウェアラブル端末の事。

Google Glass_Cala

今年の2月にGoogleがディベロッパー向けのグラスを発表したのを皮切りに、HMD機器本体はもちろん、HMD機器専用のアプリの開発も続々と進んでいます。

Googleは2014年にGoogle Glass専門のアプリストアをローンチするとも予測されており、スマートウォッチに並ぶ最先端ガジェットとしてITニュースを席巻すること間違いないでしょう!

4. タッチID

iPhone5sより搭載された新機能タッチID。

タッチ1つでロックを解除する簡易性は(まだまだ不具合も多いようですが)、パーソナル機器の新しいセキュリティ機能として注目を浴びました。

しかし、タッチIDの真髄は単なるロック解除機能に留まりません。

特に期待されているのが簡単かつ安全な決済機能への活用。

将来的に

  • ・専用アプリをダウンロード
  • ・カード及び指紋情報を登録
  • ・実店舗で買い物
  • ・レジでホームボタンを押しながらカードリーダーに携帯をかざすだけ

なんてことが可能になれば、今までよりずっと安心してモバイル決済が可能になりますね!

5. 家庭用ゲーム機+ソーシャル

ここ数年は特にスマホやタブレットで遊ぶゲーム機が強く、すっかり息を潜めていた家庭用ゲーム機。

もちろんGunghoやコロプラなどのソーシャルゲーム勢は2014年も着実な成長が予測されますが、ソニーやMicrosoftなど家庭用ゲーム機の重鎮も黙ってはいません。

発売を間近に控えるPlaystation 4はコントローラーに「シェアボタン」を追加し、ワンタッチでオンライン体験の共有を可能にするなど、2014年は家庭用ゲーム機のソーシャル化が顕著に進むと予測されます。

shareps4

また、音楽・映画・テレビなどの他のエンタメ系メディアとのシームレスな連携も期待されており、スマホやタブレットでは味わえないリッチなメディア体験がゲーマー以外のセグメントも魅了することでしょう!

6. バーチャルアシスタントと自然言語検索

「使ったのは購入直後だけ」

なんて方も多いiPhoneのSiriですが、実はアップデートの度にしっかりと進化を遂げています。

Googleも自社のGoogle Nowの開発に注力しており、2014年にこうしたバーチャルアシスタントアプリが話題性以上の注目を浴びることでしょう。

具体的には、

  • ・利用者のリクエストなしに必要なアプリやサービスを起動
  • ・自然言語検索(≒話し言葉による検索)の正確性とシェアの向上

が予測され、特に後者は自然言語検索に対する正確性を高めた新検索エンジンGoogle ハミングバードの導入からも明らかです。

これに際してSEO対策にも大きな変化が出ることは間違いないと思われ、マーケティング担当の皆様にとっては新たなハードルとして立ちはだかるかもしれませんね。

まとめ

  • ・2014年もIT業界は急速な進化を遂げていくでしょう。
  • ・2014年はスマートテレビやバーチャルアシスタントなど、「世紀の大発明」よりも既存テクノロジーの発展や効果的な応用が注目を集めることでしょう。

新サービスGoogle Helpoutsに隠された5つの企て

Googleがこの度米国でローンチした新サービス、Google Helpouts(ヘルプアウト)。

日本でも既に大きな注目を集めています。

初めて耳にした方のためにご説明致しますと、Helpoutsはビデオチャットを通じて専門家とノウハウや助けを必要とするユーザーをつなぐサービス

ソーシャル・アシスタンス・プラットフォームと呼んでもいいでしょう。

Googleの公式発表によると、ヘルプアウトローンチの目的はhelp people help each other(共助関係を促進する)ことらしいのですが、実際はかなりマネタイズを意識したものに思えます。

そこで今回は「Google Helpouts ローンチに隠された5つの企て」と題して、Googleの目論みとHelpoutsに眠るマーケティングの機会を探ってみましょう!

1. P2P授業プラットフォーム

Helpoutsのサービスは基本的に0円。

ニーズさえマッチすれば、専門家もノウハウを必要とするユーザーも無料でサービスを利用できます。

一方、専門家は自身のノウハウをソリューションとして分単位もしくはセッション単位で販売することも可能。

helpmone

ノウハウの提供がお金になる従来のハウツーサイト同様、HelpoutsもP2P(パーソン・トゥ・パーソン=個人間) 授業プラットフォームとして手数料から収益を得るビジネスモデルになります。

Helpoutsのベータ版ではGoogleが授業料の20%を手数料として差し引いており、本サービスの人気に火が付けば大きな収益源となること間違いないでしょう。

2. 新しいマーケティングメディア

もちろんHangoutsの活用は個人に限ったものではありません。

ノウハウや技術をソリューションとして提供している企業にとって、Helpoutsは新しいマーケティングメディアとしての可能性も秘めているのです。

特に注目したいのは、弁護士や会計士事務所といった所謂「専門家軍団」。

Yahoo!知恵袋やその他ハウツーサイトでは聞けなかった、よりパーソナルな質問や悩みを手軽に解決する手段としてHelpoutsは格好のメディアになると言えるでしょう。

Helpouts上でユーザーの心を掴めば、より大きな案件につながる可能性も大。

Googleによれば個人同様20%の手数料が差し引かれるとのことですが、アクティブユーザーが増えれば手数料を考慮しても魅力的なマーケティングメディアに成長するかもしれませんね。

ローンチ直後でまだまだ実例が少ないため、ヘルプアウトのマーケティングメディアとしての活用例はもう少し時間をおいて紹介できればと思います。

また、忘れてはならないのがSEOに与える影響。

グーグルマップ同様、今後ノウハウ関連のキーワードに対してグーグルがHelpouts参加企業を優先的に上位表示する可能性も考えられるでしょう。

3. 零細企業の獲得

現状でGoogleの収益を支えるのは、広告予算が潤沢な中小や大企業です。

一方で、ピラミッドの底には母数の多い小規模ビジネスが存在し、もちろんGoogleも「ちりも積もれば山となる」ことをしっかりと意識しています。

「アドワーズに広告を出稿する予定はまだ無いけど、Helpoutsを通じて無料相談という形で少しでも弊社のことを知ってもらえるなら…」

そう考える小規模企業も少なくないはずで、GoogleとしてはHelpoutsを通じてウェブの可能性を理解してもらい、後々アドワーズのようなPPC広告への出稿に繋げる企てがあるといっても過言ではないでしょう。

4. 既存ハウツーサイトからのトラフィック奪回

「プロモツイート 出稿方法」

「グーグルアナリティクス 見方」

今までは、このようなノウハウ目的の検索クエリの上位に必ずallabout.co.jpのようなハウツーサイトが表示されて来ました。

当然ハウツーサイトはこのトラフィックを基に広告収益を上げてきたわけですが、今後ノウハウ関連の検索クエリに対してグーグルがHelpouts参加企業を上位表示するようになれば、既存のハウツーサイトは苦戦を強いられるかもしれません。

つまり、Helpoutsの成長は、Googleに手数料収益のみならずSSPとして更なる広告収入をもたらす可能性を秘めているのです。

5. Google+の拡大

HangoutsやYoutube同様、Google HelpoutsのユーザーはGoogle+アカウントを通じて利用登録を進めなくてはなりません。

FacebookやTwitterとくらべてまだまだ日本でSNSとしての地位を確立しきれていない印象のあるグーグルプラスですが、Helpoutsの成長によりGoogle+ユーザーの拡大(≒広告収入の拡大)を見込んでいることは間違いないでしょう。

まとめ

  • ・Google Helpouts(ヘルプアウト)はビデオチャットを通じて専門家とノウハウや助けを必要とするユーザーをつなぐサービスです。
  • ・共助関係を促進するというヘルプアウトの表面上の目的の裏には、Googleの手数料・広告収益増加への意欲が見て取れます。
  • ・①SEOへの影響と②ソリューションビジネスにとっての新しいマーケティングメディアとしての観点から、ウェブ担当者は今後もHelpoutsの動向に要注目です。

MUV世界トップ10企業からみるグロースハックのチャンス

最近トップ10系の記事が多いですね。

有用な情報を提供したいという思いはもちろんなんですが、なにせ記事が書きやすいことも事実です…

さあ、そんな内輪話は置いておきまして、今日はMUV(月間ユニークビジター数)トップ10企業のご紹介です。

ウェブサイト毎のMUVではなく、各企業が保有する全てのウェブコンテンツに対するMUVであることに注意して見ていきましょう。

topmuv

サラッとご紹介致しますと、

  1. 1.グーグル(12億900万人)
  2. 2.マイクロソフト(8億7800万人)
  3. 3.フェイスブック(7億9700万人)
  4. 4.ヤフー(7億2500万人)
  5. 5.ウィキメディア・ファウンデーション(4億9200万人)
  6. 6.アマゾン(4億400万人)
  7. 7.バイドゥ(3億5800万人)
  8. 8.テンセント(3億4100万人)
  9. 9.アリババ(3億1800万人)
  10. 10.ソウフ(3億1800万人)

このような並びに。

恐らく皆様もご想像なさっていたように、圧倒的なMUVを誇るのは世界一の検索サイトGoogle

12億900万人と、2位のMicrosoft(Bingを所有)や4位のYahoo!に3~4億人以上の差をつけてのMUV数ナンバーワンです。

日本で利用率はまだまだ低いBingですが、アメリカでは17.9%とGoogleとYahoo!に続く検索シェアを誇っており、MicrosoftのMUV数に貢献したといえるでしょう。

とは言え日本では検索エンジンの2強のYahoo!とグーグルが現在も圧倒的強さを誇っているので、ウェブ担当者の皆様が焦る必要はなさそうです。

検索エンジンの強さは明らかですが、Facebook (SNS), Wikimedia(百科事典), そしてAmazon (小売り)と、各セクターのリーディング企業が奮闘していることも伺えます。

ウィキペディアは特殊なケースですが、FacebookやAmazonはサービスはもちろんディスプレイ広告のアドプラットフォームとしての力も強力。

それぞれのプラットフォームと自社の商品の特性を意識して、効果的にマーケティングを行いたいところです。

中国勢の台頭

baidu

一方、7位から10位を占めるのは…?

ご存じないとしても当然です。

  • バイドゥ(検索エンジン)
  • テンセント(SNS、IMなど)
  • アリババ(企業間電子商取引)
  • ソウフ(ポータルサイト)

実はこれらの4企業、全て中国のインターネット企業なんです。

人口の多い中国ですからこれだけのMUV数を稼いでいてもなんらおかしなことはないのですが、もちろんグロースハッカーならこのチャンスを見逃すわけにはいきません。

反日のイメージが強く中国進出企業の苦戦も頻繁に伝えられますが、日本製品にブランド力があるのは紛れもない事実。

実際にバイドゥは日本企業に対して中国人ユーザー向けのリスティング広告を日本語で奨励しています(URLを参照)

http://www.baidu.jp/info/business/

アパレルや電子機器などの日本ブランドが活きる商品を扱う会社では、特に無視できないアドプラットフォームといえるでしょう。

Appleが発表”しなかった”4つのこと

アップルが恒例のキーノートイベントをサンフランシスコで行いました。

  • ・iPad Air
  • ・iLifeの無料配布
  • ・Retina版iPad Mini
  • ・新OS Mavericks
  • ・最新プロセッサ搭載Macbook Pro

などなど、様々なニュースが日本にも飛び込んできましたね。

PC、タブレット、スマホ。
どれを取っても強いシェアを持つAppleのイベントに、ウェブマーケティング担当の皆様も注目していたに違いません。

ここで一つ一つを説明してもいいのですが、それは他のブログやニュースサイトが散々伝えているようなので、今回は思い切ってAppleが期待に反して発表しなかった4つのことをお伝えしたいと思います。

1.スマートカバー

tabletcover

キーノートの際に必ず事前にプレス向けに送られる招待状。

そこにはいつも発表内容に関わるちょっとおしゃれなキャッチコピーが添えられています。

実は今回の招待状にも、

we have a lot left to cover
(カバーするものがまだ沢山残っている)

と、新たな発表と兼ね兼ね噂されてきた

  • キーボード機能
  • Bluetooth機能

を持ち合わせたAppleのスマートカバー(仮)をかけたとも思えるメッセージが。

勿論期待していたファンも多かったわけですが、蓋を開けてみると今回は発表が見送られたようです。

Apple元従業員がスマートカバーの存在を明らかにしたニュースも以前出回っていたため、今後の展開に期待です。

2. タッチID&ゴールドカラー

goldipad

今回発表された新型iPadは、プロセッサなど、先日発表されたiPhone新シリーズの多くを踏襲しているようです。

もちろんファンは新iPhoneに導入されたタッチID機能の搭載やゴールドカラーの登場も期待してたわけですが、今回は惜しくも見送り。

セキュリティの懸念も叫ばれてたし、土壇場で搭載を諦めた…なんてことは恐らくないでしょうが、導入見送りの意図が気になるところです。

3.  Apple TV (iTV?)

itv

現在までに第3世代まで登場したApple TV。

前回の新iPhone発表会に加え、今回のキーノートでも新作の発表は見送られました。

価格は15万円くらいになるとか4k解像度の高画質とか様々な噂が飛び交っていますが、実際はどこまで開発が進んでいるのでしょうか。

大学時代にApple TVのお世話になった私としては、今から楽しみで仕方ありません。

4. iWatch

iwatch

今テック業界で続々話題に上がるウェアラブル端末。

GoogleのGlass(眼鏡型)やSamsungのGalaxy Gear(スマートウォッチ)などのウェアラブル端末を各社が発表する中、Appleはもう少し時間を置いてみるという選択に至ったようです。

スマートフォンやタブレットなどの過去のデバイスを見ても、Appleはいつもあえて後手に回り、完成度の高い商品を発表する傾向にあるような気がします。

まだまだウェアラブル端末の市場が勢いづいていない段階での今回の未発表は、当然といえば当然の流れなのしれません。

Apple TVやiWatchの発表が今後のウェブマーケティング戦略に大きな影響を与えることは確実です。

今後もAppleのキーノートに注目です!

13のレッスンに学ぶグロースハック【後編】

前回の記事に引き続き、13のレッスンに学ぶグロースハック【後編】をお送りします!

データは地図で、車じゃない

データはあなたが次に何をすればよいのか教えてはくれません。

1時間データを見た後は、2時間ブレストに時間を割きましょう。 いくら地図を眺めたって、エンジンをかけなきゃ目的地に辿りつけないことと同じです!

成長に不可能はない

nike

ヒッグス粒子は存在するのか? なんて聞かれてもさっぱりわかりません。(するらしいですよ)

でも成長は可能かと聞かれれば答えはYes! 素晴らしい人材、豊富なデータ、適切な決断が揃った時、(急)成長は可能であると、グロースハッカーの成功は語るのです!

「言う」が花

デザインもユーザビリティも大事なことに違いはありません。

でもスティーブ・ジョブズがもしあれだけ自社商品に興奮して、雄弁にApple製品について語らなかったらどうでしょう?

言葉は人間最古のマーケティングツールです。 ベストな発言が、ベストなタイミングで、ベストな順番で飛び出た時、商品の魅力はユーザーに必ず伝わるのです!

因果関係>相関関係

  • Aが上がるとBも上がる

こんな「相関関係」に騙されてはいませんか? データ解析で最も重要なのでは「因果関係」です。

  • ・Aが上がったからBがあがった

のか

  • ・BがあがったからAがあがった

のか

  • ・はたまた、Cの上昇がAとBの両方に作用した

のか。

可能な限り「因果関係」を突き止めましょう! 相関関係は成長へのヒントでしか無いのです。

商品設計にとにかくコミット

既にこのブログでも何度強調したかわかりません!

グロースハッキングは商品完成前から始まっているのです!

人の振りみて我が振り直せ

「売上もユーザー数も一向に伸びない…」

なんてマーケターの皆さんに限って成功例(そして失敗例)から目をそむけていることが多々あります。

同業者と単純にデザインやUIを比較するのもあり、異業種の戦法を自社のフィールドで模倣するのもあり。 規模や業種にかかわらず、外に目を向けましょう!

データ解析や商品設計だけでは見えてこなかった課題やヒントが必ず隠されているはずです!

13のレッスンに学ぶグロースハック【前編】

徐々に増えてきましたね、当ブログの記事も。

短期的な動向に一喜一憂しないことはマーケティングの基本ですが、それでもアクセスとか気になっちゃう今日このごろです。

そんなナイーブな私の一面は置いといて、今日はグロースハックに学ぶ13のレッスンをご紹介致します。

LinkedInのユーザー数を10倍までのし上げたエリオット・シュマクラーやTwitterの成長を支えたジョシュ・エルマンをはじめとする数々のグロースハッカーからの教訓は必見です!

新規ユーザーよりリピーター

リピート率の低いウェブサイトは穴の空いたバケツと同じです。

新規顧客は顧客維持の約5倍のコストがかかるなんて試算もありますし、水を汲むこと(顧客獲得)より水をこぼさないこと(顧客維持)により多くの注意を払いましょう!

流行にも伝統にもとらわれるな

店頭販売、DM、Email、リスティング、SEO、SNS、、、

新技術が次から次へと登場する昨今、マーケティング手法に限りはありません。

単に新たなマーケティング手法を試すでも過去の栄光にしがみつくでもなく、自社の強みを最大限活かしたマーケティングを思案し、試行錯誤を繰り返しましょう。

 ③答えはユーザーの声にある

review

いくらアクセス解析を繰り返しても売上が上がらない…

そんな時こそユーザーの生の声に立ち返りましょう!

ただ単にアンケート用紙を配るのではなく、どうすれば顧客のリアルな心情を探れるのかを考える。

マーケターの腕の見せ所です!

データはアシスタントでありマスターではない

よくグロースハックはデータ至上主義なんて揶揄されますね。

でも実は彼らのスゴさは定数的データを高度に分析することではありません。

人間にしか味わえない感覚や経験を高度な数値と掛けあわせ、ユーザーの心に届くサービスを開発する能力こそグロースハッカーと呼ばれる所以なのです!

日常生活の深くに潜り込む。

  • ・投稿することが無くてもFacebookを開いてしまう。
  • ・このあいだ買いモノしたばかりなのにもうAmazonの商品カゴがいっぱい。

addict

グロースハッキングのゴールはユーザーを増やすことでも売上を伸ばすことでもありません。

サービスを日常の習慣に、一種の中毒物質にまで押し上げることなのです!

エキスパートの助言より一般人の意見

Simple is the Best!

万人に受け入れられるサービスは、共通してシンプルで使いやすい設計が魅力の1つです。

あなたはなぜiPhoneを愛用するか、もう一度考えてみましょう!

二兎を追う者は一兎をも得ず

流入数、リピート率、コンバージョン、離脱率、、、

解析を始めたら気になる数値がいっぱい!なんことはよくあること。

でも多くの場合、ある時点で最も重要な数値はたいてい1つや2つ。

タイミングタイミングで最重要数値を見つけ出し、その数値をいかに改善できるかに集中しましょう!

【後半に続く】

「グロースハッカー」と「平凡マーケター」5つの違いその⑤: リスク・テイキング

前回の記事までに、「グロースハッカー」と「平凡マーケター」の5つの違いと題して、

  • ・成長>予算
  • ・商品開発とマーケティングを区別しない
  • ・バイラル効果(拡散性)を埋め込む
  • ・新しいマーケティング・チャネルのみに目を向けず、既存チャネルの無駄を省く

といった4つの特徴を紹介してきました。

長い道のりではございましたがとうとう今夜が最終回。
どんな新しい概念や手法が登場するのかと期待してくださった皆様、大変申し訳ございません。

最後を飾るのは精神論、リスクを恐れない姿勢と行動です。

リスク・テイキング

risktaking

既に過去記事で何度も繰り返して来たように、サービスとビジネスの成長こそがグロースハックの最重要課題です。

たとえそれがサービス利用規約や法律スレスレのラインでも、成長にさえ貢献すればグロースハッキングは成功に終わるのです。

もちろん私は「サービス規約や法律なんてド返しして成長だけを追い求めろ!」なんて皆様に迫っているわけではありません。(いまだに警察の前歩くと意味もなくドキドキしてしまう小心者でございます。)

過剰なリスク・テイキングは時にトラブルを招き、ビジネス自体を破滅に追いやる可能性だってあるんですから当然です。

重要なのは、リスクとトラブルの境界線を要所要所で見極めてサービスを展開することなんです。

Pealk VS. LinkedIn

日本ではあまり話題になりませんでしたが、パリ発のスタートアップ Pealk と皆さんご存知LinkedInの例を取ってみましょう。

Pealkは、LinkedInのようなプロフェッショナル・ネットワーキング・サービス上におけるヘッドハンティングを簡易化するアプリとして2012年の初頭にかけて急速に頭角を表しました。

PealkはLinkedInのAPIを利用することで互いにウィン・ウィンな関係を築いていたかに思われましたが、

  • ・LinkedInのデータを保存・アーカイブしていた
  • ・LinkedInのユーザーに対して大量のメールマーケティングを行なった
  • ・APIを利用してLinkedInの競合になりうるサービスを展開した

という3つのサービス規約違反を犯したことで、最大のプロフェッショナル・ネットワークであるLinkedInとの関係が途絶えることになったのです。

(*APIを使うことで、あるサービスの一部を他のサービスの開発者にリリースすることが可能になり、それらのサービスを中心としたエコシステムを増築・強化することが出来る)
幸いPealkはViadeoというプロフェッショナルネット・ワーキング・サービスに買収され一命を取り留めましたが、この例1つを取ってもリスクとトラブルの境界線の見極めが非情に重要であることがお分かり頂けると思います。

もちろん誰もがそんな鋭いビジネス感覚を持ってるわけじゃないですが、グロースハッカーを志すものとして、いつまでもリスクテイカーとしての姿勢は忘れないことは重要だということですね。

さあ、「グロースハッカー」と「平凡マーケター」の5つの違いと題してお送りしたシリーズも本記事でひとまず終了です。

今後は具体的なノウハウやタイムリーな実例などを中心に、マーケティング担当の皆様に有用な情報をお届け出来ればと考えておりますのでお楽しみに!

「グロースハッカー」と「平凡マーケター」5つの違いその④: 無駄を見逃さない

突然ですが、みなさんはこの2つの画像のどちらがお好きですか?

banana for bloghockey stick for blog

ホッケースティックを選んだあなたはグロースハッカーになる素質がある!
かどうかは分かりませんが、もしこれが会社の成長カーブだったらどうでしょう?

もちろんホッケースティックのような急成長を遂げたいですよね?

その急成長を演出するのがグロースハックの真骨頂です。

とは言え新しいマーケティングチャネルを創造するにはインターネットのような技術革命が必要だし、決して容易なことじゃありません。

ではグロースハッカーは何に目を向けるのか?

「無駄」でしょ!(この更新の何年後かに当ブログを読んでいる皆様は今すぐ「林修先生」で検索)

そうなんです。

常に新たなマーケティングチャネルを探し求める一方で、グロースハッカーは既存のチャネルの無駄を省く努力を惜しまないのです。

最も良い例はDropbox(クラウド型データストレージサービス)でしょう。

Dropboxのウィルス性に火がつく前から、クラウドサービスも、会員登録型オンラインサービスも存在していました。

一方で、

  • ・個人情報の登録がめんどくさい
  • ・登録確認メールの確認がめんどくさい
  • ・インストールもめんどくさい

などなど、多くのサービスが上記のようなめんどくさい手順をわざわざユーザーに強いていたのです。

「どうやったらユーザーを遠ざけずにサービスの導入を促進できるのか、開発者たちは夜通し考え続けた・・・」

なんてプロフェッショナル(毎週月曜日 NHK総合 午後10時~)風に言ったかどうかは分かりませんが、この無駄に目をつけたのがDropboxでした。

登録要項は最小限に

利用したことのある方はご存知のことと思いますが、ユーザーがDropboxのアカウント登録にあたって必要な情報は

  • ・フルネーム
  • ・メールアドレス
  • ・パスワード

の3つのみ!

住所や生年月日だけでなく、「メールアドレスのご確認」なんてい面倒くさい作業もバッチリ省いてくれたのです。

登録確認メール&手動インストールの省略

「まずは登録!」なんてノセられて登録したら「インストール用URLが記載されたメールを送ったので確認して下さい☆ (ゝω・)テヘペロ」なんてメッセージが届いてイライラしたことありませんか?

その手間も省いてしまったのがDropbox。

登録が完了するや否や、自動的にスクリーンにインストール確認のメッセージが表示されるのです。

登録からインストールのフローが明確でないサービスには不向きですが(株式情報のポータルサイトが登録と同時に市況追跡ツールのインストール始めたら焦りますよね?)、この些細な無駄を省く行為がDropboxの導入率をグンっと押し上げたと言っても過言ではないんです。

もちろんインストールを必要としないサービスにも多くの無駄が存在します。

  • ・不必要な個人情報を会員登録時に要求
  • ・選択肢が少数なのにラジオボタンが未設定
  • ・やたらと新しいタブでページを開く

などなど、「意外と知らないECサイトの○○つの無駄」みたいな記事が書けてしまうほどです。

手厚い充実したサービスが魅力

いつのまにか無駄が増える

どこを削ればいいのかわからないけど、まだまだサービスは充実させる予定

こんな負のスパイラルに陥らないよう、グロースハッカーを見習って エコを心がけましょう!

「グロースハッカー」と「平凡マーケター」5つの違いその③: バイラル効果

前回の記事では、グロースハッカーは商品開発とマーケティングを区分しないというお話をしました。

その過程で、グロースハッカーの特徴③にあたるバイラル効果(ネットを介して瞬く間に人気が出て世の中に拡散すること)という概念をご紹介したのですが、今回はその具体的な例を見て行きたいと思います。

前回もちょっぴり触れましたが、やはりSNSはその代表格です。

もしあなたにFacebook友達が2人しかいなかったらどうでしょう?

「ホームページが全然更新されないしつまんない!」

その通りです。

その反面もしあなたに1,000人の友だちがいたら?

友人が勧めるニュースや音楽が次から次にアップされ、あなたの楽しみや満足度は格段に高まりますよね?

するとユーザーのリテンション(≒リピート率)が高まるだけでなく、より多くの人とつながろうと言う欲求が高まるわけです!

実は皆様が毎日利用する電話も同じこと。

電話も利用者が増えれば増えるほどるほど利便性が高まりますよね?

更にFacebookは、「もしかしたら友達かもしれませんよー」と言った具合に、データとアルゴリズムを駆使した紹介機能を通じてオフライン上の友人関係をオンライン上でも可能にします。

mosikasite

これこそFacebookが埋め込んだバイラル効果(の一部)なんです。

もちろんバイラルモデルはSNSに限ったことではありません。
皆様が毎日のように利用するネット通販も例外じゃないんです。

ネット通販業者にとっての販売媒体であるウェブサイトとそのUX(ユーザーエクスペリエンス)は、取扱商品に並ぶ「プロダクト」であり、多くの通販サイトには

・紹介機能

商品やサイトを友達に紹介することで特定のリワードが貰えちゃう。

・レコメンデーション機能

この商品を買ってる人はあの商品も買ってるなんてきいたら思わず気になっちゃう。

・オンラインギフト券

特定のネットショップでしか使えないとは言えお得なギフト券だったらプレゼントしたくなっちゃう。

・カスタマーレビュー

「噂」はたちまち広がちゃう。

といった機能が備わってますよね?

こういった「横のつながりを利用してサイトの知名度を向上させるさまざまな仕掛け」こそVirality戦略の重要な特徴なのです。

情報が瞬く間に拡散するネット時代において、商品にバイラル効果を埋め込むことは欠かせない戦術の1つとなっています。

そしてこの戦術を確立した者こそがグロースハッカーと呼ばれる洗練されたウェブマーケターだったのです。

Viralityに目が行き過ぎて肝心の商品の魅力を伝えきれない例も多くありますが、それはまたいつか別の機会に!