グロースハック事例 – Dropboxを急成長させた7つの方法とは

これまで、グロースハックの基本に関する記事の紹介はしてきました。今回は実際のグロースハックの事例をご紹介します。グロースハックを学ぶ上で、実際に行われた施策を見てみることでより具体的で深い理解が得られるのではないでしょうか。
ドロップボックスは世界的に利用されているオンラインストレージサービスで、ファイルのアップロードや他人とのファイルの共有がとても簡単なところが特徴です。急成長を遂げたこのドロップボックスがこれまでどのようなグロースハックをしてきたのかをご紹介します。- growth hack japan

なお、本記事はウェブマーケティングに関する多くの記事を紹介しているKISSmetricsThe 7 Ways Dropbox Hacked Growth to Become a $4 Billion Companyという記事を参考にしています。

ドロップボックスを成長に導いた7つのグロースハック

ドロップボックスは40億ドルもの価値を生み出していると言われていますが、広告にはほとんど投資をしていないそうです。どのようにしてこのような成功を果たしたのでしょうか。
今回は、ほとんどお金をかけずに自社サービスを成長させたドロップボックスの7つのテクニックを紹介します。
この記事で紹介されていたグロースのためのテクニックは以下の7つです。

1. サインアップを重視したシンプルなホームページ
2. サインアップのハードルを下げる
3. 友人紹介のための仕組みづくり
4. SNSでのフォロワーを増やす
5. 共有を簡単にすることで潜在的なユーザをも囲い込む
6. イベント開催でサービス・企業の露出を高める
7. 多くのデバイスやプラットフォームで利用可能にする

では、それぞれを見て行きましょう。

1. サインアップを重視したシンプルなホームページ

ウェブサイトというと、多くのユーザに自社サービスを知ってもらいたいがために、とにかく多くの情報を載せたい、と思ってしまいがちかもしれません。ですが、ここで一度立ち止まって考えてみましょう。ウェブサイトでユーザにしてもらいたいことは一体何でしょうか?ドロップボックスのようなサービスを提供するサイトでは、「サインアップ(会員登録)」が大きな目的であるといえますね。

ファーストビューの下からは、シンプルでわかりやすいサービスの説明が続きます。

あれもこれも、と情報を載せすぎなくても、必要な情報がユーザに届いていればサインアップには繋がります。そのよい例といえるのが、このドロップボックスのウェブサイトです。上のキャプチャのようにシンプルなレイアウトにすることで、「ユーザに商品を知ってもらい登録してもらう」という導線を最短距離で用意できるのです。

2. サインアップのハードルを下げる

サインアップが面倒だったり、登録をしても使い方がわからなかったりすればユーザはサービスを利用してくれませんね。ドロップボックスのサインアップはシンプルな上、ウェブブラウザでなくても、デスクトップ上でサインアップできることも特徴のひとつです。

また、インストールをしたらまず、写真フォルダやテキストファイルが用意されています。これらから、ユーザが登録後にどのようにこのサービスを使ったら良いかを示しているのです。サービスに登録したはいいが、使い方がわからなかったので結局全く使っていない、、という経験をお持ちの方も多くいるのではないでしょうか。最近ではアプリのチュートリアルのようなものも含め、登録直後に使い方の案内をする様々な工夫がされていますが、これが登録直後の離脱を防ぐための方法であるといえます。

3. 友人紹介のための仕組みづくり

自社サイトからの集客には限界があります。ユーザが増えてきた段階で、そのユーザにも集客を手伝ってもらえたらよいですよね。ドロップボックスは自社で獲得したユーザが、その友人・知人に紹介してもらうための仕組みを作りました。

例えば、ある人がドロップボックスを他の人に紹介をしたら、その両方に500MB分の容量をプレゼントする、という方法を取ります。インセンティブがあれば、他の人にも紹介したくなりますよね。
CEOのヒューストンによると、ドロップボックスはこの紹介制度によってサインアップの数を60%も向上させたそうです。

4. SNSでのフォロワーを増やす

サービスを広めるためには、SNSも有効な手段のひとつです。SNSは多くの企業で、自社の認知度向上やユーザとのコミュニケーションのために使われています。フェイスブックでいいねしてくれた人だけに特別なお知らせをするなど、いいねをした人へのインセンティブをあげる会社もあります。ドロップボックスがしたのは、ツイッターやフェイスブックと連携したら、125MBのインセンティブをあげるということです。

5. 共有を簡単にすることで潜在的なユーザをも囲い込む

ドロップボックスでは、ユーザが非会員に写真やファイルを共有するのも簡単にできます。これはもちろんユーザにとっても便利な機能ですが、ドロップボックスにとっても、潜在的な会員にまで露出ができるチャンスです。


このように、リンクをコピーするだけで共有ができます。

実際に筆者の五木田も、自分が将来ウェブ関係のベンチャーでインターンをするなんて全く想像もしていない普通の高校生だった2008年か2009年頃に、アメリカ人の友人からたまたまドロップボックスでファイルを共有された時にこのサービスを知った、ということを覚えています。
このように簡単に共有できる仕組みを用意しておけば、当時の筆者のような、世の中のサービスに敏感でない層にも幅広く露出ができるのです。潜在層にリーチするのはハードルが高そうに感じますが、このように既存ユーザを上手く利用することでユーザの幅がどんどん広がっていきます。

6. イベント開催でサービス・企業の露出を高める

ドロップボックスは、ドロップクエストというコンテストを開催しています。このようなイベントを開催することで話題性にも繋がりますし、参加者がブログなどで紹介することでより多くの人への露出に繋がります。

7. 多くのデバイスやプラットフォームで利用可能にする

これまでのドロップボックスのグロースハックの方法を見てもわかるように、ユーザがサービスを周りに紹介しやすい(したくなる)ような工夫がされています。ただ、紹介する相手が利用するデバイスやソフトウェアなどが原因でドロップボックスが使えなかったら、せっかく紹介・共有をしてもらっても登録には繋がりませんよね。
そのためにも、ドロップボックスは新たなソフトウェアがリリースされたらすぐに対応するなど、多くのデバイスやプラットフォームでの利用を可能にしています。こうすることで、ユーザの増加をより一層加速させているのでしょう。

まとめ

まずサービス自体やウェブサイト、サインアップをシンプルにすることで多くの人に使い始めてもらい、さらにそのユーザが他の人に紹介しやすくするような仕組みづくりをすることで、ドロップボックスというサービスは多くの人の元に届いていきました。
「グロースハック」と聞いても実際にどのようなことをするのかイメージがしにくかったですが、このような事例を参考に、コストをかけずに多くのことが試せるというグロースハックの特長を活かして様々な施策をテンポよく試していきたいですね。- growth hack japan

【サービスにおけるバランス】習慣と刺激のメリット・デメリット

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■はじめに

日々の生活において、習慣は大切です。
でもその反対に、刺激も欠かせない存在です。

人生において、毎日通勤に刺激的なトラブルがおきたら
疲弊してしまいますし、何もない毎日だと
灰色の中に埋もれていると錯覚してしまうかと思います。

さて、自社サービスにおける習慣と刺激は、
人生と同じくバランス良く感じる事が正解です。

習慣と刺激に関してメリット・デメリットを
ソーシャルゲームを例に勉強してみましょう。

■習慣と刺激

1)習慣のメリット
習慣のメリットは、何といっても無意識に行動ができると言う事です。
習慣化の学習においては、ユーザーメリットを想像させて、
意識の壁を超える事からはじまります。

ソーシャルゲームで言う所の、ログインボーナスです。
これは、ログインボーナスを無料で提供するという企業側の投資によって
成りたちます。(原価は、殆どかかりませんが)

ソーシャルゲームの運営企業は、
ユーザー減衰が高まる日を解析し、
その前後に価値の高いアイテムやキャラクターを提供している
と言えます。

2)習慣のデメリット
習慣化を高めすぎると、ユーザーは不満を漏らし始めます。
ソーシャルゲームでいう所の、ネガティブキャンペーンです。

ファンであるからこそ、ゲームを利用し課金をしてくれます。
しかし、習慣化してしまえばしてしまうほど、課金した際に求めるものから
刺激が感じられなくなってしまうのです。

また、課金に関しても
課金すればするほど確率曲線に準じてしまう部分があり、
奇跡的な成功や、連続して課金してしまう中毒性から離れてしまいます。
その点から、強制されてゲームをしている様な感覚に陥ってしまいます。

結果、利用ユーザーからはゲームへのネガティブキャンペーンが始まってしまうのです。

3)刺激のメリット
刺激を高めると、ユーザーは行動を増やします。
ソーシャルゲームでいう所の、ゲームアップデートです。

ゲームにおける実施できる事の追加というのは、大いにユーザーを刺激します。
通常のミッション、もしくはイベント戦 この2つを軸に展開するコンテンツが
殆どだと思われます。

それに対して、コレクション性やストーリーを追加したり
はたまたミニゲームや対人戦を追加すると言った事は
よりユーザーに出来る事の選択肢を増やします。

選択しが増え、ユーザーがそれに対して行動をつづければ、
結果利用時間が増え、課金量も増えると言えます。

4)刺激のデメリット
刺激が多すぎると、刺激が多い事を習慣化してしまうと言えます。
ソーシャルゲームでいう所の、ゲームバランスの崩壊です。

刺激的なキャラクターが多ければ、それに慣れてしまい
旧来のキャラクターの削除や非活性化につながります。

結果、旧来のキャラクターに投資していた人々は
投資しても、新キャラクターによって使えなくなってしまう事を
無意識化で学習し、課金率が減少します。

それを打破する為に、もっと強力なキャラクターを提供すれば
より旧ユーザーの課金が減る曲線をたどります。

■まとめ

いかがだったでしょうか?
自社サービスにおいて、習慣と刺激
両方にバランスが取れていましたでしょうか。

維持フェイズにおいては、習慣化を
新規獲得フェイズにおいては、刺激を増やしましょう。

■PLUS(1)

刺激ばかりが多い場合には、

【サービス改善】「秋だけどあえてダイエット」太りきったサービスを改善する黄金7箇条

をおすすめ致します。

Uberが競合Lyftを確実に潰すために実行した5つのエグすぎる戦術

活気を見せるオンデマンド配車サービスの数々。

世界各地で様々な類似サービスがローンチする中で、圧倒的な地位を確固たるものにしているのがUberです。

たった数年という短い期間の中で、Uberの時価総額は1兆8千億円に達し、毎週20億円もの収益を上げています。

一方で、同系サービスの中で唯一Uberと張り合いを見せているのが競合のLyft。

サンフランシスコを拠点にグロースに成功してきたLyftは、ニューヨークにも活動の拠点を拡大する動きを見せてきました。

しかし、ローンチ予定日の前日、ニューヨークのタクシー業界を管轄する各団体からローンチ差し止めの命令が下り、Lyftはローンチの延期を余儀なくされます。

同系のUberは既にニューヨークにおいてサービスを展開しているにもかかわらず、Lyftのみが苦境に追いやられている現状は何も偶然ではありません。

本日は、Uberが競合Lyftを確実に潰すために実行した5つの戦術を紹介します。

参考: Here Are Five Things Uber Did To Beat Lyft Before It Even Had A Chance To Compete

Lyftに対抗して1,500億円を調達

4月にLyftが250億の調達を決定したちょうど1ヶ月後、Uberは1,200億円の資金調達を決定しました。

関係者によれば、Uberのこの動きは決して偶然ではなく、Lyftやタクシー業界の追随を止めるための調達であったことが明らかになっています。

Uberの投資家には、Amzonのジェフ・ベゾス、Google Ventures、Menlo Venturesなど、潤沢な資金を持つ投資家が名を連ねており、目には目を、資金には資金をの姿勢で真っ向勝負を挑んだことが分かります。

タクシー業界の重鎮を採用

さかのぼること5月、Uberは、タクシー業界を規制管轄する組織TLCの重要人物であるAshwini Chhabra氏の採用に踏み切りました。

この動きに対してTLCや同系組織の幹部は危機感を表明し、同氏がTLCに属していた時期のUberとの関係に関して徹底的な調査を求める声も上がっているほどです。

しかし、Uberはその後もニューヨークの公的機関で職務経験のある人材を積極的に採用し続け、真っ向から規制組織と戦う姿勢を強めています。

Lyftの好機をしらみつぶし

Lyftのニューヨークにおけるサービス開始が予告されるや否や、Uberは、低価格帯サービスであるUberXの価格を下げたのみならず、その日から2週間の間、ドライバーに毎週最低10万円の賃金を保証するに至りました。

同日Lyftが24つの都市において何回でも無料でサービスを体験できる2週間分のチケットの提供を発表すると、Uberは全く同じプロモーション企画をコネチカット州限定で提供しています。

ここまでくると、もう偶然とは言いがたいですね。

Lyftユーザーとドライバーを「買収」

6月、UberはLyftのユーザーに対して、LyftのドライバーをUberXのドライバーになるように勧誘に成功した場合、2万5,000円分のクーポンを提供する企画を実施しました。

Uberは他にも、別の配車サービスに登録してるドライバーがUberに転職する場合や、Uberのドライバーが他社からドライバーの引き抜きに成功した場合にも5万円の特別報酬を与えています。

ビジネスモデルの変更

Lyftやその他のライドシェアリング系サービスとは異なり、Uberはニューヨークにおいて法的な運営が許されています。

もちろん規制組織がUberだけを贔屓に扱っているわけではなく、Uberは、誰もがパートタイムで働けるライドシェアリングモデルを破棄し、タクシー業務の運営ライセンスを所有する基地局と提携することで法的な運営を可能にしました。

実際にUberは、現時点でニューヨークにはライドシェアリング・プラットフォームを展開していないと表明しており、事実上ニューヨークにおけるUberは他のタクシーやリムジンサービスと何ら変わりないということになるわけです。

 最後に

これだけの対抗策を張るのも、Lyftをそれだけの脅威と見ているからと考えられるでしょう。

両者の今後の争いが、サービスクオリティの向上につながっていくことに期待です。

WEBユーザーがサイト利用時にマジでイラつく9つのタイミングと改善術

直帰率や離脱率の高さにイラついているのはあなただけではありません。

ユーザーも同じように、もしかしたらあなた以上に酷いUXに対していらだちを覚えているのです。

本日は、WEBユーザーが思わずイラッとしてしまうタイミングとその改善術を9つ紹介します。

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グロースハッカーが駆使するコンバージョンファネルの使い方(グロースハックに関する最も確実な手引書「4/9」)

【追記】突然のダウン(6/19 17:00現在)

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フェイスブックのような大規模ウェブサービスになんの前触れもなくダウンされては、ユーザーもイライラが止まりません。

ブラウジング前のユーザー登録

ウェブサイトの会員登録は、障害物競走にとってのハードルと同じです。

ゴールが見えるからハードルを越えていくのと同じように、ビジターに何も見せることなくサイトを開いたと同時に会員登録を求めれば、ユーザーが直帰しても何も文句は言えません。

これではAARRRの最初のA、アクイジションの段階で自らファネルの入り口を狭めていることと同じなのです。

情報過多、そしてセキュリティに関する懸念がいっそう高まっているのこの時代に、ユーザーが自らの個人情報を提供するまでのハードルは確実に上がっています。

提供するサービスやプロダクトに自信があるならば、少なくともサイトのクオリティが伝わる程度の情報は公開するのが当然と言えるでしょう。

高級ブランド商品を扱う急成長サービスThe RealRealのように、入り口を狭めることでプレミア感を演出する施策も今では一般的となっていますが、急成長企業はこうした施策をデータに基づいて行っています。

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皆様もプレミア感の演出を目的にブラウジング前のユーザー登録を求める場合には、必ずテストを行った上で全体向けに公開しましょう。

モバイル未対応

絶対値はサービスの種類にもよりますが、スマホやタブレットを含むモバイルデバイスからの訪問率はどの分野でも高まりを見せています。

スマホ、タブレットへの対応に加えて、iOSとアンドロイド両方に対応することが真のモバイル最適化であることも忘れてはいけません。

モバイル最適化に関しては、以前グロースハックジャパンで紹介した「Googleが明かすスマホサイト最適化25の最新ルール」が参考になるでしょう。

不必要なエントリーフィールド

本当にその個人情報は必要でしょうか。

ユーザーにとってみれば、エントリーフォームの入力情報が少なければ少ないほど助かるのは当然です。

核となる情報以外は求めないことを心がけましょう。

単純なフォームの数だけではなく、情報の「重さ」も気にかけるのがEFO(エントリーフォーム最適化)です。

「Eメールアドレス+パスワード」の組み合わせに比べて、「ユーザーネーム+パスワード」の方がユーザーからすると入力する際の心理的負担が軽減されることは自明でしょう。

姓名を分けずに一度にフルネームを入力させるなど、省略出来る箇所は皆様が想像している以上に多いはずです。

気が利かないエントリーフォーム

「一カ所記入ミスをしたままエントリーフォームを送信したことにより、はじめから入力しなおさなければならない」

スタートアップ系のサービスにおいてこのような初歩的な過ちは見受けられなくなりましたが、未だに通販サイトや大手企業が運営するサイトでは上記のような過ちがはびこっています。

記入ミスをした部分以外は復元される事後対策も良いですが、記入中にミスに気づかせて挙げるプロアクティブな施策の方がより効果的と言えるでしょう。

以下はTumblr.のエントリーフォームになりますが、Emailアドレス記入欄に「@」を記載しないと記入ミスを通告するメッセージがフォーム下に現れます。

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驚くべきは、「growthhackjapan@gmailcom」と「.」を記入しなかった場合にも、以下のように「もしかしてあなたのメールアドレスは『growthhackjapan@gmail.com』ですか?」というメッセージが現れるケアの充実さです!

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読みづらい文章や文字の配列

ウェブコンテンツは書いたらそれで終わりではありません。

ユーザーがしっかりとコンテンツに目を通して、内容を理解して、購入や利用の動機を覚えることがゴールであることに誰も反論は出来ないでしょう。

にもかかわらず、今でも「読みづらいコンテンツ」はウェブ上に数多く存在しています。

ここで言う読みづらさとは、大きく分けて①文章の拙さと②視覚的な読みづらさの2種類に分類出来ます。

①文章の拙さに関してはライティング経験が豊富なライターを雇ったり、不必要にSEOを意識しないことで改善が可能です。

一方で、②視覚的な読みづらさはフォントの種類や文字の大小及び間隔に依存します。

日本語フォントで極端に読みづらいというものは少ないですが、文字の大小及び間隔に関しては、目をよほど凝らさないと頭に入ってこなかったり、改善の余地が大きいウェブサイトがまだまだ多いのが現状です。

以下の画像はアフィリエイトサイトに多く見られる比較的極端な例ではありますが、これではどれがヘッダーなのかもどこが要点なのかも分からないだけでなく、そもそも読む気が失せてしまいますよね

Screen Shot 2014-06-19 at 14.05.05

オススメ機能が酷すぎる

どうでもいい商品を紹介してサイトスピードを鈍化させたり、閲覧中のページからユーザーの気をそらすくらいなら、オススメ機能は取り払ったほうが懸命です。

カスタム化が2014年のトレンドにあるように、「同じカテゴリにあるからオススメする」といった考えは通用しません。

ユーザーの利用データを基に、趣味趣向を最大限考慮したオススメ機能を提供しましょう。

サイトスピードが遅い

サイトスピードは、コンバージョンを押し下げる最大の要因の1つ。

直帰や離脱の主な理由には、必ずと言っていいほどサイトスピードの遅さが挙げられるほどです。

SEO HACKSさんの「Webサイト高速化・表示速度改善のために知っておきたい基礎知識」やグロースハックジャパンの「レベニューに直結!サイトスピード改善に不可欠な6つの知識」を参考に、サイトスピードの改善に努めましょう。

画像のパターン及びクオリティが酷い

オンライン及びモバイルショッピングの定着により活況を見せるeコマース市場ですが、いくら流入が増えても商品の魅力が伝わらずにサイト内から逃げられては意味がありません。

特にアパレル系のブランドや家具等は、画像ひとつでコンバージョン率が大きく変化するため、画像選びは実際の商品ラインナップと同じくらい重要であると言えるでしょう。

画像を選定する際には、高画質であることはもちろん、角度や色のバリエーションを最大限考慮することが大切です。

広告の量と位置

「私は広告を見に来たのか…」

皮肉混じりにそう感じてしまうウェブサイトが多く存在します。

画面の小さいモバイルデバイスからウェブコンテンツを閲覧する際は、特にその感覚が顕著に現れると言えるでしょう。

多くのウェブサイトが主な収入源として広告に依存していることを考えれば致し方ないことではありますが、クリック率を高める為にわざと誤って押しやすい位置に設定したり、スクロールダウンする度に追いかけてくる広告を設置したりすることはUXの観点から褒められる施策ではありません。

サブスクリプションモデルに変更する、コンテンツを充実させることでサイトの広告価値を高めて単価の高い純広告や記事型広告を設置する、サイトと広告の関連性の高さでアドネットワークを選ぶなど、広告収入を減らさずとも出来ることは存在すること忘れてはいけません。

最後に

growth hack japanもたまにイラッとします。 (。・ ω<)ゞ

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グロースハッカーが駆使するコンバージョンファネルの使い方(グロースハックに関する最も確実な手引書「4/9」)

メッセを読むなら代償を払え!? ローンチ直後のFacebookアプリ「Slingshot」を徹底解剖

edited by Ryutaro Mori

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Facebookが最新アプリ「Slingshot」を数時間前にローンチしました。

本記事では、SlingshotとSnapchatの違いを中心に、アメリカから届いたばかりの最新情報をお伝えします。

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WEBユーザーがサイト利用時にマジでイラつく9つのタイミング

Slingshotとは

Slingshotは、Facebookがほんの数時間前に公開した最新アプリです。

Snapchatのクローンとも揶揄されるSlingshotは、一定の時間が経つとメッセージが消えてしまう自動消滅型のインスタント・メッセンジャーアプリです。

先日誤ってApp Storeに公開されたSlingshotがこの度ようやく一般向けに公開され、その全貌が明らかになっています。

まずはこちらのスクリーンショットをご覧下さい。

Screen Shot 2014-06-18 at 4.17.12

drawing

電話番号でサインアップ、自画撮り、そして撮影した画像にお絵描き出来る機能はまるでSnapchatと変わりません。(深夜3時を回った顔はさすがにエゲつないため、修正を施しています。)

これだけ見ると本当に単純なSnapchatのクローンであると思われてもおかしくないわけですが、Slingshotは今「ある特徴」を理由にローンチ直後から大きな話題を集めています。

メッセージ受信の条件

まずは、ウォークスルーを撮影した以下の画像をご覧下さい。

ss1

(こんにちは!Slingshotは写真やビデオを共有する新しい方法です。スワイプで次へ進みましょう。)

ss2

(Slingshotを開始する為に、写真か動画を撮りましょう。撮り終わったら、複数の友人にその写真や動画を投げつけよう。)

【ここ注目!!!】

ss3

(でも条件がひとつだけあります。画像や動画を受け取った友人は、彼らが同様に何かを投げ返さない限りその画像や動画を見れないんです。)

そう。

Snapchatとの決定的な違いは、メッセージの受信方法。更に詳しく言えば、メッセージに対してメッセージを返答しない限り、最初のメッセージが閲覧出来ない仕組みになっているのです。

Slingshotのデザイナーは、Slingshotについて以下のように語っています。

「私たちはSlingshotをメッセンジャーアプリとして見ていません。ペイ・パー・プレイ(楽しむ為には代償を支払わなくてはいけない仕組み)によって、Slingshotはコンテンツフィード、もしくはコンテンツストリーミングのカテゴリに分類されるのです。」

また、まだ私は実際に友人とSlingshotを体験していませんが、あるレビュアーによれば、Slingshotは「プッシュ通知つきのFacebookフィードのよう」であると言います。

プッシュ通知は届くものの、こちらにアクションを求めている以上、他のメッセージアプリに比べて緊急性が低いという点でまるでフィードを見ている感覚を覚えるというわけです。

Snapchatユーザーが熱望するも、誰もが利用すればプッシュ通知の重要性を損ねることから搭載が見送られてきた一斉送信機能をSlingshotが備えていることも「フィード感」を感じさせるひとつの理由でしょう。

では、なぜFacebookは自らコミュニケーションに障害を立てるような真似をしたのでしょうか。

その裏には、ほんの一握りのユーザーが情報を発信し、残りの大半は情報の消費者にとどまっているソーシャルメディアの現実が隠されています。

Slingshotの特徴であるペイ・パー・プレイは、コンテンツの消費者と発信者の境目を曖昧にし、「あらゆるユーザーをFacebook上よりも情報を共有するクリエイターに変える」という使命を担っているのです。

最後に

Paperのローンチ時同様、まだ日本ではローンチに至っていないSlingshot。

私も発見したのが数時間前だったためまだその楽しさを満喫出来てはいませんが、大きな野望が隠されたアプリであることに間違いはありません。

果たしてペイ・パー・プレイの仕組みがどこまで受け入れられるのか、今後が楽しみです。

Slingshotのダウンロードはこちら(米国のみ)】

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WEBユーザーがサイト利用時にマジでイラつく9つのタイミング

Eコマース関係者必見!!メルマガのCROに絶対活用したいRebelMail

6月12日更新「グロースハックとは何か?(グロースハックに関する最も確実な手引書①)

まずはこちらのGIF画像をご覧下さい。


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鋭い読者の皆様ならお気づきかもしれません。

一見するとオンラインショッピングの様子をGIF化したなんてことない画像ですが、実はこのプロセス、全てGmailの本文中で行われているのです。

RebelMailとは

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RebelMailは、一昨日シードラウンドで2億円の調達を発表した今期待のサービス。

元々EngageInboxという名前でBeta版後悔されていたRebelMailは、メルマガにインタラクティブ要素を加え、費用対効果を高める効果がeコマース関係者を中心に期待されています。

当初は2~3,000万円のシード投資を目論んでいたと語る2人の創業者ですが、RebelMailのテストを通じて多くのeコマースサイトのエンゲージメント及びコンバージョン率に大幅な改善が見受けられたことから採用プランなどを急遽変更し、大型資金調達に踏み切ったとBusiness Insiderに語っています。

残念ながらRebelMailはまだローンチに至っておらず、APIも公開されていません。

様々なソースを辿ってみましたが、ウェブサイトに加えて2記事ほどしか有用な情報ソースが見つからなかったため、本記事では今分かる情報基にその魅力を紹介したいと思います。

ユーザーを逃がさない

RebelMail最大の魅力は、メール本文内でショッピングプロセスが全て完了するということ。

先ほどご覧頂いたGIF画像でも分かる通り、RebelMailを使うことで色やサイズの選択もメール本文中で可能になり、ブラウザを開いたり、ウェブサイト内でページを移動したりする際に出来るユーザーの抜け道が減少します。

どれほどコンバージョン率が向上したのか定かではありませんが、調達額を見ても、大幅な改善が見受けられたと想像出来ます。

エンゲージメントを高める

GIF画像を見る限り、かなり直感的なUIである様子が伺えます。

APIを公開していない手前、どの程度のカスタマイズが可能になるかは想像の域を脱しませんが、共同創業者のTeplow氏は「(RebelMailを使ったことに夜)エンゲージメントの向上にぶったまげた」と語っており、メール本文内でショッピングを楽しめる斬新な体験はユーザーの好奇心をそそり、結果的にエンゲージメントの改善に寄与している様子です。

多種多様なフォームフィールドのカスタマイズが可能になれば、アパレルの他にも家具のカスタマイズ等、様々な応用が期待出来そうです。

クイック決済

元々共同創業者のFaden氏は、クイック決済の仕組みを利用したチャリティーサービスを提供していました。

この経験はRebelMailにも活かされており、2回目以降の利用は郵便番号を入力するだけでOKという仕組みを取っているようです。

決済が完了するとブラウザに画面が移行し、完了を伝えるメッセージが消えるとウェブサイトのトップページに移行する様子がGIF画像から伺えます。

トップページに移行した際にキラーコンテンツを表示させれば、更なる購入に繋がる効果も期待出来るかもしれません。

アプリいらず

この数年でスマホ化が急速に進んだ結果、一般的なユーザーの多くはメールチェックを含むオンライン行動の大半をアプリ上で過ごす傾向が顕著になっています。

一方で、商品選びから決済までを一括で行うアプリを制作するには工数がかかり、中小のeコマースサイトには敷居が高いことも現実。

その点RebelMailを使えばブラウザに飛ぶこと無くメールアプリ内でそのままショッピングを楽しめるため、迅速なモバイル対応が可能になります。

今後RebelMailがどのような形でマネタイズしていくかは不明ですが、たとえコミッション制だとしても、ショッピングモールアプリに登録するよりも高いコンバージョン及びエンゲージメントが期待出来るのであれば妥当な選択肢のひとつになりうるでしょう。

最後に

ローンチもしていないサービスを先走って紹介しちゃったわけですが、RebelMailはメールと言う既存のチャネルにイノベーションを起こすことでショッピング体験を豊かにするとても楽しみなサービスです。

日本語に対応するのは先かもしれませんが、Eコマースに関わる人ならぜひとも使ってみたいのでは?

既に事前サインアップを行っているようなので、興味がある方はウェブサイトまで!

UXを高めるTinder風UIで今後が期待される「非」出会い系アプリ10選

なぜTinder風UIが今注目を浴びるのか。

そんな疑問に答えた昨日の記事「Tinder風UIがUXを高める4つの行動心理学的理由」に引き続き、本日はTinder風UIで今後が期待させるアプリ10選を紹介します!

Tinder風UIの強みを活かしたアプリの数々は、今後皆様のアプリ開発にヒントを与えてくれるかも知れません!

5/30更新「『好きより価値を追求しろ』ネットの覇者アンドリーセンが語るプロダクト論」

Tinder

まずはTinderを良く知らないという読者の皆様の為に、簡単にそのUIの特徴を説明したいと思います。

Tinderの魅力は、何と言っても次々に現れる異性の写真をスワイプしながらハートかバツ印で判定していくシンプルなUI。

こちらでインストール(Google PlayApp Store)して体験するのがベストではありますが、「出会い系アプリはちょっと…」という方の為に以下に画像付きの説明を書き下ろしておきます。

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(Tinderの基本画像の下にはハートとバツ印が設置してあります。)

Screen Shot 2014-05-27 at 5.50.12

(相手に好意があるときは、ハートに向けてスワイプします。次の写真が出てきても、同様の作業を繰り返します。)

Screen Shot 2014-05-27 at 5.48.35

(そうでもない時は、バツ印に向かってスワイプします。)

基本的にはこの単純作業の繰り返しになりますが、お互いがハートを付けることでマッチングが成立し、ここで初めてメッセージの交換が可能になります。

昨日の記事ではUIにのみ焦点を当てたため言及しませんでしたが、Tinderが人気を集めた秘密はこのマッチング機能にも隠されています。

今まで出会い系サイトの女性ユーザーは興味のない男性からも大量のメッセージを受信せざるを得ませんでしたが、Tinderのマッチング機能により、自分が興味のある男性からのみメッセージを受け取ることが可能になったのです。

Kwoller

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Kwollerは、Tinder風UIを女性ファッションコマースに応用した最新サービスです。

好みの商品でなければ左にスワイプする動作はTinderそのものですが、右にスワイプするとチェックした商品が「ラブ・リスト」に登録されます。

ラブ・リストに登録された商品はもちろんその場で購入可能であることに加え、値下げされたタイミングでプッシュ通知が届く機能がKwollerの魅力です。

ダウンロードはこちらから

Potluck

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Potluckは、「一口サイズのニュース」を提供して、その内容を友人と共有出来るSNSアプリです。

使い方は以下の通り。

①Potluckが3枚のカード(画像や文章)を使って30秒以内にニュースをお届け

②気になった情報は右スワイプでお気に入りに登録、そうでもないのは左スワイプでポイ

③お気に入りに登録した情報は、後ほど友人とシェアしてそのままチャットを開始することも可能

Tinder風UIとは一見相性の悪そうな文字ベースのカードを含むPotluckですが、文章も一口サイズにすることで、ニュースをTinder風UIに乗せて上手に提供しています。

ダウンロードはこちら

Networkr

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Tinderのビジネス版として期待されるのがNetworkrです。

使い方はTinder同様、位置情報とビジネスに関する興味関心に基づいて「興味無し(Not interested)」か「Let’s connect(つながる)」を選択。

お互いに興味があれば新たなコネクションを開拓することが出来る最新ビジネスアプリです。

ダウンロードはこちら

5/30更新「『好きより価値を追求しろ』ネットの覇者アンドリーセンが語るプロダクト論」

Weave

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Networkrと同様に、プロフェッショナルネットワーキングとTinder風UIを融合させたのが Weave。

使い方もNetworkrとほぼほぼ同様で、まさに競合と言ったところですが、UIのクールさではNetworkrが勝るかと言う印象です。

ダウンロードはこちら

LinkedUp

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WeaveやNetworkr同様プロフェッショナル同士を繋ぐLinkedUpですが、このアプリが繋ぐのはプロフェッショナル同士の恋愛。

「非出会い系アプリ9選」と銘打ちましたが、LinkedUpはWeaveやNetworkrとの対比が面白かったので特別掲載です。

同じ業界にいれば共通の話題も多く、会話が弾む可能性も高まる?

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BarkBuddy

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お家を無くしたワンちゃんと未来の飼い主を繋ぐBarkBuddy。

Tinder風UIは、ニーズの不一致から生まれる社会問題の解決にも役立っています。

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5/30更新「『好きより価値を追求しろ』ネットの覇者アンドリーセンが語るプロダクト論」

Stylect

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ファッションと言う広いカテゴリの中でも靴に特化したのがStylect。

全50,000種類の靴をTinder風UIで選定することが出来ます。

色、種類、値段でフィルターをかけることも可能なのは嬉しいですね。

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HitList

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行きたい観光地をTinder形式で探索できるのがHitList。

「行きたい!」と思った場所までの航空券までお知らせしてくれるのがHitList最大の魅力です。

大まかに都市を選んだ後、その中にある細かな観光スポットまでTinder形式で選んで、自分だけの観光ガイドを作れる機能があっても面白いかもしれません!

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Mallzee

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最近日本でも話題になったファッションアプリMallzee。

スワイプする度に自分の好みのファッションアイテムを進めてくれる機能はもちろん、ファッションアイテムの購入に迷ったとき、友人に買うべきか否か質問出来る機能も話題を呼んでいます。

もちろん回答もTinder風のスワイプ形式です!

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Blonk

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求人情報検索の煩わしさをTinder風UIで解決してくれるのがBlonk。

求人誌や求人情報サイトにありがちな情報が溢れすぎていてどれから手をつければよいかわからないという認知的負荷を、1枚のカード形式での表示することにより解消しました。

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最後に

やっぱ出会いが欲しい。(23歳男性・独身)

(Tinder風UIアプリはまだまだ存在するので、いつかまた別の機会に紹介出来ればと思います。)

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関連記事「アプリ開発者必見!Tinder風UIがUXを高める4つの行動心理学的理由」も是非ご覧下さい!

5/30更新「『好きより価値を追求しろ』ネットの覇者アンドリーセンが語るプロダクト論」

アプリ開発者必見!Tinder風UIがUXを高める4つの行動心理学的理由

【本記事とセットで読みたい「UXを高めるTinder風UIで今後が期待される「非」出会い系アプリ10選」を公開しました!】

edited by Ryutaro Mori

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Tinder

出会い系アプリに革命をもたらしたと言っても過言ではない超人気アプリです。

Tinderの魅力は何と言ってもそのUI。

次々に現れる異性の写真をスワイプしながらハートかバツ印で判定していくシンプルなUIは、今までプロフィール+顔写真の組み合わせが主流だった出会い系サービス内における異性の判定基準を顔写真(+位置情報)のみに限定し、「余計な情報」を省くことで出会い系に新感覚のカジュアルさをもたらしました。

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(Tinderの基本画像の下にはハートとバツ印が設置してあります。)

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(相手に好意があるときは、ハートに向けてスワイプします。次の写真が出てきても、同様の作業を繰り返します。)

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(そうでもない時は、バツ印に向かってスワイプします。)

そして今、TInderを真似したUIは出会い系アプリ以外にも広がりを見せています。

なぜ今これほどまでにTInder風UIが注目を集めるのか。

本記事ではその答えをTinder風UIによって向上するUXに導き出し、「Tinder風UIがUXを高める4つの理由」として紹介致します。

【本記事とセットで読みたい「UXを高めるTinder風UIで今後が期待される「非」出会い系アプリ10選」を公開しました!】

認知的負荷最小化

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グロースハックジャパンでも「もう一つのグロースハック条件「認知的負荷最小化」5つのポイント」としてお伝えしたこのコンセプト。

詳細は是非記事をご覧頂ければと思いますが、要するに、「目的達成までに辿る脳内ステップの数を最小化し、使いやすいアプリを作るためには、UIをシンプルにするだけでは足りないよ」というお話です。

Tinderに話を戻すと、今までの出会い系サービスは、「この人に興味があることを伝えよう」という目的を達成するまでに、①検索、②検索結果に表示されるプロフィールの1部を閲覧、③プロフィール詳細を閲覧、④興味があることを伝えるなどといったステップを踏んできました。

これら実際のステップに加えて、脳内では「どこのボタンを押せば次のステップに進めるのか」、「間違って変なボタンを押して変な操作を行ってしまわないか」などといったより細かなステップが存在し、(特に新規)ユーザーに認知的負荷を与えてきたのです。

その点Tinderは、①シンプルなUIはもちろん、②ナチュラルなウォークスルーや③統一性のあるUI、そして④「カジュアルな出会い」という届けたい体験に基づいたUI設計により、脳内ステップを最小化することに成功しています(詳しくは認知的負荷最小化の記事を参考)

特に、1画面で人間が許容出来る情報量を理解し、1画面あたり1つの情報(1人の顔写真)のみを表示したことが、認知的負荷の最小化に貢献した最たる所以でしょう。

「即断」の効能

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熟考するより即断した方が正しい決断を下せる

そんなリサーチ結果が 社会学や心理学を題材として扱うMalcolm Gladwell氏の著書「Blink」で明らかになっています。

Gladwell氏によると、私たち人間が「自覚している認知」とは、私たちが毎日の生活で体験する物や人に対する認知のほんの一角に過ぎず、その他の認知は全て「無意識に起こる認知」であると言います。

更に、私たちが熟考する際に頼りにするのはこのほんの一角に過ぎない「自覚している認知」であるため、大量に存在する「無意識に起こる認知」を基に下す即断のほうが正確性が高くなる傾向にあるというのです。

*とにかく簡潔に要点をお伝えすることに専念しています。即断の危険性に関してもGladwell氏は言及しています。

話をTinderに戻しますと、Tinder及びTinder風のUIを用いたアプリは、ユーザーに熟考ではなく即断を求めます。

もしGladwell氏の主張が正しいのであれば、ユーザーは異性のプロフィールをじっくり読んでコンタクトを取るよりもより良い決断を下せることになり、Tinderの最終目的である「出会い」もより良い体験になる可能性を秘めているのです。

もちろんTinder風UIが持つ即断の効能は、出会い以外にも様々なサービスに活用出来ること間違いないでしょう。

親指だけで操作が可能

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時代はモバイルです。

何度も言いますが、時代はモバイルです。

「そんなことグロースハックジャパンを読まなくても分かるよ」なんて意見はごもっともですが、実際の問題として、両手を使わないと満足に使えないUIがあまりに多いのが実情ではないでしょうか。

今一度ユーザーの利用シーンを想像してみましょう。

満員電車の中、バッグを抱えて買い物中、肩肘つきながらテレビ鑑賞中などなど。片手しか使えない状況が数多く存在しています。

どこに行ってもスマホと一緒のモバイル時代において、Tinderのように親指1つで操作出来るUIは必須条件になっているのです。

【本記事とセットで読みたい「UXを高めるTinder風UIで今後が期待される「非」出会い系アプリ10選」を公開しました!】

ゲーミフィケーション

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Tinderのユーザーレビューを見てみると、「Tinderは出会い系じゃなく、ゲームとして使っている」といった声が多く見受けられます。

「スワイプを繰り返し、意中の人を見つけ出す」という作業は従来の出会い系アプリには無い新たなゲーム感覚をもたらし、結果としてバズルゲームなどにも見られる中毒症状を生み出す結果に至っているのです。

実際に、Tinderの共同創始者であるJustin Mateen氏は、昨年行われたインタビューにおいて、ユーザーの60%が毎日アプリを利用し、その多くが1日あたり5~6回アプリを開いているとも語っています。

もちろん性欲という最強の欲望あっての上記の数字であることに間違いはありませんが、それでもゲーミフィケーションによるアクティブ率の向上は無視出来ない要素と言えるでしょう。

最後に

本記事を通じてお伝えしたTinder風UIの魅力ですが、他の分野における応用性に関してはまだまだ未知数であるのも事実です。

それでも各業界が続々とTinder風UIを導入している背景には本記事で紹介した心理学的理由が存在し、今後も多くのアプリでTinder風UIを目撃する機会が増えるのではと筆者は予測しています。

【参考:Small Data: Why Tinder-like apps are the way of the future

【本記事とセットで読みたい「UXを高めるTinder風UIで今後が期待される「非」出会い系アプリ10選」を公開しました!】

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ブックマークアプリPocketのAA(RRR)の悪いとこ7個と良いとこ4個、つまり合計11個

私がかれこれ2~3年愛用しているサービスPocket。

最近では日本語版も登場し、日本でも人気を集めているこのブックマークアプリは、PC向けにGoogle Chrome拡張機能も備えていたり、まさにマルチデバイス時代に欠かせないアプリの1つです。

本日は、そんなPocketのユーザー獲得とアクティベーション施策を、「PocketのAAの悪いとこ7個と良いとこ4個」としてご紹介します。

BAD①いきなり登録

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いくら知名度が高く、その使い勝手の良さが評価されるPocketでも、新規ユーザーにいきなり登録を求めるのはあまり好ましい施策とは言えません。

一番下に「Swipe to learn more >(詳細を見る為にスワイプ>)」の文言が挿入してありますが、意図的に小さく表示してあり、決してユーザーフレンドリーとは言えないでしょう。

質の高いユーザーを増やす為に、ユーザーに大きなアクションを求める際には、必ずサービスの中身をウォークスルーを通じて体験する機会を与えてからが基本です!

GOOD①ログイン方法の選択肢

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こちらは先ほどと全く同じ登録画面のUIです。

ご覧の通り、登録にはG+ログインとEmailログインの2つがあり、Gmailユーザー以外にも対応している点は評価出来ます。

Pocketは本質的にソーシャル系のサービスでないこともありますが、ユーザーの本意ではないリファラルを目的とした不必要なFacebookやTwitterログインを置いていない点も評価出来ます。

GOOD②色彩のコントラスト

Screen Shot 2014-05-13 at 17.39.07

これまた同じ画像になりますが、ここで注目したいのは、2つのログイン方法の色の違いです。

プロセスが楽なだけでなく、ユーザーに関してより多くの情報が手に入るG+ログインの色が目を引く赤で強調されていることが分かります。

これにより、gmailアカウントを持つユーザーが誤って手間のかかるemailログインを選択する確率を多かれ少なかれ抑えられているのではないでしょうか。

GOOD③「ログイン」は小さく

Screen Shot 2014-05-13 at 17.39.07

何らかのタイミングで一度サインアウトしてしまったユーザーのために、ログイン画面へのリンクを設置することは必要不可欠です。

しかし、リンクの設置によって新規ユーザーの気を逸らし、結果として取り逃しが起こっては元も子もありません。

ログイン画面へのリンクは①目立たない配色で、②他の要素と比較して小さく、③画面の中心以外に設置することが基本であり、Pocketもこの基本に概ね忠実と言えるでしょう。

BAD②スワイプの指示が曖昧

Screen Shot 2014-05-13 at 17.39.07

ここからは怒濤のダメ出しです。

一番下に設置してある「Swipe to learn more >(詳細を見る為にスワイプ>)」の文言ですが、本来は左に向かってスワイプし、右側のコンテンツを表示する為の指示にもかかわらず、この文言と矢印の向きでは右側に向かってスワイプしてしまうユーザーがいてもおかしくはありません。

誤解の無いように、「右にスワイプ」、「左にスワイプ」と、しっかり言葉で示してあげましょう。

BAD③肝心なことがアピール出来てない

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こちらの画像は、「Swipe to learn more >(詳細を見る為にスワイプ>)」の文言に従って、実際にスワイプしてみた際のUIです。

「あなたがポケットできるもの」というヘッダーに、3行の説明文は非常に簡潔で分かりやすい一方、「閲覧したい記事、ビデオ、ウェブページを見つけたけど見る時間がないときに、ポケットを使いましょう」という説明文では、「あとで読む」というPocketユーザーにとって最も重要な機能がアピールし切れていません。

以下は更にスワイプした際に現れるUIになりますが、ここへ来て初めて「ポケットアカウントがあれば、タブレット、PCのどこでも閲覧が可能です。インターネット回線だって必要ありません。」という説明が入っています。

付加価値をユーザーに理解させる為には、このページを全面に押し出した方が効果的でしょう。

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BAD④名前を分けて入力

Screen Shot 2014-05-13 at 18.32.01

そもそも実名を入力させる意味がこのアプリにあるかという論点はひとまずおいておきまして、一行で済む名前入力を、わざわざ姓名別にして入力させる意味はありません。

これは、日本語でも英語でも同じことです。

BAD⑤PWの要件が分からない

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一見シンプルで分かりやすいUIですが、このままでは、パスワードが何文字以上なのか、大文字や数字を含まなければいけないのかなどの詳細が分かりません。

いざ4文字のパスワードを入力してみると、以下の通りポップアップが出現し、ようやくパスワードは6文字以上必要であることが分かります。

シンプルさを追求した結果、それが仇になってしまった良い例です。

Screen Shot 2014-05-13 at 18.39.51

BAD⑥不必要なステップ

登録が完了し、更に続くチュートリアルを辿ってみると、以下の「Email me Instructions(使い方をEmailで送る)」というCTAボタンを含んだページが出現します。

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…いる!?

の一言に尽きます。

既にEmailで登録している訳ですから使い方の説明は当然一緒に届けてくれるべきですし、もっと言えば今やっているこのプロセスはなんなの!?という印象さえ受けてしまいます。

BAD⑦アクティベーション中にメールが届きまくる

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チュートリアルをこなしている最中に、Pocketからメールが複数回届きます。

一言、邪魔です。

他のメールまではコントロール出来ませんが、メールに通知を設定しているユーザーの行動を見越せていないが故の過ちであり、今すぐメールを送信するタイミングを変更した方が良いでしょう。

GOOD④Push通知の前に一枚挟む

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ポケットのInstant Sync機能を使うと、アプリが閉じている時でも他のデバイスから取得したコンテンツを自動でポケット内にアップデートしてくれます。

この機能を使うにはPush通知をONにする必要がありますが、いきなり何の前触れもなくPush通知の許可を求めるのではなく、1枚ページを挟むことで、ユーザーに許可を与える意味を示しています。

最後に

良いとこより悪いとこが上回ってしまった本記事ですが、私がPocketのファンである事実に変わりはありません。

より多くの方がPocketを心地よく利用出来るように、AA体験に更に磨きをかけてくれればと思います。

あなたは中毒? アプリ利用回数から分かるあなたの「スマホ依存度」

edited by Ryutaro Mori

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あなたは一日に何回スマホアプリを開きますか?

この度モバイルマーケティング・アナリティクスサービスのFlurryは、1日にアプリを開く回数とスマホ依存に関するデータを公表しました。

単純に依存具合が分かるだけでなく、過去1年間でスマホに対する依存度、そしてモバイルの浸透が急速に拡大したことが分かる、非常に興味深い内容です。

スマホ中毒の基準

13億デバイス上に存在する約50万のアプリをモニタリングするFlurryによると、1日のうちにスマホアプリを開く平均回数はおおよそ10回16回以下であれば利用頻度の観点から「通常」レベルであると伝えています。

一方で、一日につき16回~60回スマホアプリを開くユーザーは「やや依存」レベル、そして60回以上開くユーザーを「中毒」レベルにあると見なしています。

Flurryが定義する「中毒」ユーザーは、無理に利用を制限しようとすると振戦せん妄などの禁断症状を覚えるほどだと言います。

(「60回なんて開かないだろ」と感じた皆さん、余裕があれば実際に数えてみてください。本日私はゆうに100回は開いています。)

以下の図を見てみると、中毒レベルにあるユーザーの数はまだまだマイナーである一方、前年の2013年度の7,900万人と比べると123%増の1億7,600万人が中毒レベルに達していることが分かります。

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「通常」と「やや依存」レベルのユーザー数を見ても、それぞれ前年比23%増、55%増と、スマホ依存が急激に加速していることが見て取れます。

参考: Mobile addicts launch their apps 60 times a day (VentureBeat) 

詳細なデータ

データの詳細を見てみると、「中毒」ユーザーの大半を10代、大学生、中年子持ち世代が占めていることがわかります。

10代と大学生が大きなシェアを占めていることは容易に理解出来ますが、中年子持ち世代が高い中毒度を見せている事実に関して、Flurryは「子供とデバイスをシェアしている」ことが大きな理由であるのではと語っています。

また、「通常」ユーザーの52%は男性、48%は女性であるのに対して、「中毒」ユーザーの48%が男性、52%は女性であり、「中毒」ユーザーに関しては女性が1,500万人多いことも分かっています。

更に詳しく見てみると、女性の中毒ユーザーの特徴として、①母親、②ゲーマー、③スポーツファンであるということが挙げられ、男性の中毒ユーザーに関しては、①車好き、②ゲーマー、③カタログ通販愛好者という特徴が挙げられます。

最後に

前述の通り、私が今日一日何回アプリを開いたか、やや不正確ではありますが意識的にカウントしたところ、60はおろかゆうに100回を超えていました。

元々パソコン依存は自覚していましたが、本記事を執筆するにあたってスマホ中毒であることも認識するに至った次第です。(本日は外出時間が多かったこともありますが…)

本記事とは別の筋の情報によると「スマホを使う時間の内、アプリ使用時間が占める割合」は90%に迫るとも伝えられており、モバイルとアプリはますます同義語に近い存在になっています。

スマホ画面最適化よりも多くの場合開発に工数のかかるアプリ制作ですが、ユーザーの属性を定量・定性両方の観点から理解し、その必要性をしっかりと見極めましょう。

オンスクリーンVS.サイドドロワー【アプリのエンゲージメントを半減しうるUIに関する決断】

サービスに全く触れたことの無いユーザーを想定して開発を行う

ユーザーと開発側の知識のギャップを認識し、あくまで不慣れなユーザーの立場に立って開発を進めることは鉄則です。

しかし、ユーザーのことを考えて使いやすいUIを意識すれば、その分デザインに妥協を迫られるのも事実。開発側としては大きなジレンマを抱えているのです。

そして、そんなジレンマの代表的存在とも言えるのが「オンスクリーンVS.ドサイドロワー」。アプリの開発や改善を行う中で必ず議題に上がるとっても過言でないほど重要な選択です。

オンスクリーンメニューVS.ドサイドロワーとは

そもそも、「オンスクリーンナビゲーション」と「サイドドロワーナビゲーション」って何という方のために説明をしておきましょう。

まず「オンスクリーンナビゲーション」とは  、アプリの画面上に主要な機能を常に表示しておくUIの呼称です。

オンスクリーンナビを採用しているサービスは、Facebookが良い例でしょう。

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一方で、YouTubeなどは、アプリの画面上にはほとんどアイコンを設置せず、「画面の裏側」に主要機能からセッティングに至までのリンクを掲載しています。これを「サイドドロワー(引き出し型)ナビゲーション」と呼びます。

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【シンプルなTOP画面にメニューアイコンが1つ】

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 【クリックすると数々の導線が登場】

オンスクリーンとサイドドロワーのジレンマを言い換えれば、それはユーザービリティとデザインのジレンマです。

オンスクリーンの方がアプリに不慣れなユーザーでも分かりやすく、ワンクリックでアクションを起こせるなど使い勝手は良い一方で、デザインは画面に要素が詰まった印象を与えてしまいます。

反対に、サイドドロワーはデザイン面ですっきりとしたクリーンな印象を与える一方で、不慣れなユーザーからすればどこで何が出来るのか、非常に分かりづらいUIになっているのです。

以前にグロースハックジャパンで紹介した「認知的負荷」にも関係する話ですが、実際にオンスクリーンとサイドドロワーかの違いのみで一体どれだけエンゲージメントに差が出るのでしょうか。デザインを犠牲にするほどの価値がオンスクリーンには存在するのでしょうか。

Zeeboxのケース

その答えに関しておおきなヒントを与えてくれるかもしれないのが、テレビ情報を基に繋がりを紡ぐSNS「Zeebox」です。

Zeeboxはもともとユーザービリティを考慮したオンスクリーンナビゲーションを採用していましたが、2013年にフェイスブックがサイドメニューのA/Bテストを開始し、Google Playチームもサイドドロワーナビを推奨し始めたことから、ビジュアル重視のサイドドロワーにUIを変更しました。

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【Before】

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【After】

ユーザーがUI変更に対応出来るようにと、アプリオープン時にはまずナビゲーションを表示するという施策も取り入れました。

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レビューを見るとUI変更後のユーザーの反応は良好かに思えましたが、アナリティクスを見ると驚くべき結果が。なんと滞在時間が半減していたというのです。

これに慌てた開発サイドは、至急アップデートを加え、元のオンスクリーンUIに回帰することに。変更後のサイドドロワーナビが好きだったユーザーのために、ナビの切り替え機能も追加しました。

この失敗に懲りたかと思われたZeeboxでしたが、念のためにA/Bテストを実施。すると(半減ほどまではいきませんでしたが、)やはり日間利用頻度、週間利用頻度、滞在時間全てにおいてオンスクリーンが良好な数値をたたき出し、結果として現在では全てのユーザーに対してオンスクリーンナビ(トップナビ)を表示しています。

【画像・内容参照: UX designers: Side drawer navigation could be costing you half your user engagement 】

Zeeboxから学べること

もちろんZeeboxの例が全てのアプリやスマホサイトに当てはまるわけではありません。

メインユーザー層のITリテラシーや、利用頻度の高いスクリーンの数によって、オンスクリーンとサイドドロワーの違いがエンゲージメントにもたらす影響は大きく変わることが考えられます。

正解は各アプリが改善サイクルを回して初めて分かることですが、何かセオリーがあるとすれば、Zeeboxの開発者が語るように、1画面で(セッティングなど滅多に利用することのない機能をのぞく)全てのアクションが完了出来るプロダクトであればサイドドロワーメニューを、反対に、いくつかの違ったスクリーンを均等に利用する場合には、オンスクリーンを採用し、アクションまでのステップを減らすことが懸命と言えるでしょう。

パズルゲームがコワいくらいの中毒症状をもたらす5つの心理学的理由

edited by Ryutaro Mori

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スマホゲーム中毒

電車の中、部屋で独り、食事中などなど、どこにいても何をしていてもスマホを片手にゲームを始めてしまう。そんな経験を読者の皆様も一度は体験したことがあるかもしれません。

「純粋に楽しいから」という理由はもっともらしく聞こえますが、この中毒症状の裏にはユーザーを病み付きにするための秘密がいくつも隠されており、それ故に社会問題を引き起こすまでに至っているのです。

本日は、数あるゲームの中でもその中毒性が注目を集め、月間アクティブユーザー数は4,600万人、運営元の時価総額は7,000億円を超えるとも言われる「キャンディ・クラッシュ・サーガ」の例を取って、中毒症状をもたらす5つの理由を心理学的な観点からご紹介致します。

コンソールゲーム市場をはるかに上回ると言われるスマホゲーム市場への進出を考えるのであれば、読んで損はない内容です。

NEW グロースの必須条件「導入プロセスの最適化」をサポートする「WalkMe」が話題

簡潔さ

キャンディクラッシュサーガは、3つの同じ色のキャンディを揃える、LINE POPと同じ感覚のスマホゲームです。

幼稚園児でも楽しめるこの簡潔さは、新たなものを試す際にかかる脳内の負荷を軽減し、最適な初回体験を促す作りになっています。

また、最初のステージは経験が無くても簡単にクリアー出来る設計になっています。この達成感は脳内でドーパミンの放出を促進し、同じ行動を繰り返したくなる衝動(中毒症状)を刺激しているのです。

変動比率スケジュール

最初こそ簡単にステージをクリアー出来たものの、徐々に難しくなっていくのがゲームの性。ユーザーを飽きさせないために、難易度が増すのは当然です。

しかし、難易度が増せばその分達成感を得る回数は徐々に減り、結果としてユーザーを逃すことにつながります。ユーザーの中毒症状を継続的に保つためには、勝たせすぎるのも負かし続けるのもダメというわけです。

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この反動を防ぐために開発側が操るのが「変動比率スケジュール」という戦術です。簡単に言ってしまえば「ユーザーは次いつ勝つか予測は出来ないが、ゲームを楽しく続けるには十分な回数勝たせてあげる」戦術を指し、スロットやパチンコにも使われています。

キャンディクラッシュサーガのようなゲームは、プレイヤーのスキルよりも「運」に勝敗が左右されることがほとんどであり、この「運」が最適に調整されたとき、中毒性は一気に高まるのです。

コントローラー心理

前述の「運」に深く関わってくるのがコントローラー心理です。

キャンディクラッシュサーガのようなパズルゲームをプレイしていると、ゲームを有利に進める、つまり「運」を高めるためのアイテムに必ず出くわします。

これらのアイテムがどれだけゲームの結果に影響を与えているかは未知数である一方、ユーザーはこれらのアイテムを利用することで「自分がゲームの実験を握っている」という意識を強めます。この幻想によってユーザーが知覚する勝率は非合理に高まり、「次こそは勝てる」という錯覚を強めてしまうのです。

利用制限

多くのパズルゲームがそうであるように、キャンディクラッシュサーガも(勝ち続けない限り)一定の期間で利用出来る回数に制限が存在します。

もちろんこれではユーザーが満足感を覚えることは無く、一見フラストレーションがたまるようにも思えますが、「『おあずけ』を食らった後の楽しみはそうでない場合をはるかに超える満足感を対象者に提供する」という結果が科学的にも証明されており、利用制限は中毒性に拍車をかけていることが分かります。

どうしてもプレイしたいユーザーは利用制限を撤回するために課金が求められ、レベニュー源になるあたりも本当にうまい仕組みだと思わず感心してしまいますね。

キャンディ

なぜキャンディクラッシュサーガはキャンディをモチーフにしてるのか。実はここにも心理学的理由が隠されています。

cna

スロットを一度でも体験したことのある方ならご存知の通り、スロットにはさくらんぼやスイカの目が存在しています。これは偶然ではなく、ゲームを「食べるという行動から人間が得る幸福や満足感」と連想させるための仕組みなんです。

実際にキャンディクラッシュサーガの広報の方もキャンディと娯楽/リラックスの関連性を認めており、キャンディクラッシュサーガには私たちが考えている以上に心理学を意識して作られたプロダクトであることが分かりますね。

参考記事: This is what Candy Crush Saga does to your brain, theguardian

NEW グロースの必須条件「導入プロセスの最適化」をサポートする「WalkMe」が話題

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