デザイナーとの正しいおつきあいの方法「中級編」

■はじめに

デザイナーとの正しいおつきあいの方法「初級編」はご覧いただけましたでしょうか。 グロースハックにとって、デザインはその根幹をなすほど重要です。

初級編では全てのデザイナーに共通のコミュニケーションのポイントについてご紹介しました。
しかしデザイナーと言っても、その特徴は様々です。 この「中級編」では、ディレクションを行っている方々に向けて、特徴的な3つのタイプにデザイナーを抽出して、それぞれの持ち味に合わせた仕事の進め方と、コミュニケーション上の注意点を「やるべきこと」「やってはいけないこと」について述べていきます。

もちろん、ひとくちにデザイナーいっても、その意味合いの解釈は多様でカバーする仕事領域も広いため一概に分類できるものではありませんが、今回はあえてシンプルな3つのタイプをご紹介致します。

■特徴的デザイナー3つの分類

1、クラフトマン型 「クラフトマン」とは職人のことです。

クラフトマン型のデザイナーは、自分の技術を磨き、精度の高いデザインを行うことに誇りを持っています。

自分から何かアイディアを出して新しいものを生み出すことは苦手ですが、与えられた仕事は確実にこなします。

クラフトマン型はしっかりとしたディレクションを組み合わせることで、最高のプロダクトを出してくれます。

やるべきこと:ディレクションをしっかりと行い、可能な限り具体的に指示をする。「~~風に」「~~のような感じで」など、既存の事例を提示しながらイメージを伝える。

やってはいけないこと:投げっぱなしの依頼の仕方をする。

ゼロから何かを生み出すことはストレスがかかかる可能性がある。

2、アーティスト型 「アーティスト」はここでは芸術家の意味で用いています。

アーティスト型のデザイナーは、自分のセンスとアイディアに自信を持っています。
新しいものを生み出す力はいちばんですが、その反面、細部を言われた通りに作ることにはモチベーションが高くない場合が多いです。
そういった部分をバックアップすることで、優れたクリエイティビティを最大限に活かした美しいデザインを提出してくれるでしょう。
やるべきこと:作って欲しいデザインにかける熱い想いや、全体的なコンセプトについての情報を多く語る。
やってはいけないこと:細かい部分のリテイクを何度もかける。可能であれば細部はこちらで修正するくらいの気持ちで。

3、ビジネスマン型 「ビジネスマン」は文字通り経済性と数字を重視するデザイナーで、近年増加しつつある比較的新しいタイプです。

グロースハッカーと最も似ているのはこのタイプでしょう。

ビジネスマン型のデザイナーは、デザインを目的達成のための手段ととらえていることが多く、数値的な根拠を元にしたり、論理的な思考展開でデザインに落としこんでいきます。
そのため、コスト計算にも非常に敏感で、工数と効果が釣り合わない場合や論理的ではない提案をした場合は、なかなか飲んでくれない場合もありますし、雰囲気のデザインの美しさはあまり重視しないこともあります。
一緒にデザインを作り上げることで、素晴らしい結果を出してくれます。
やるべきこと:到達すべき指標を、数字や根拠をもとに説明する。コンセプトやターゲットユーザーについて互いに議論する。

やってはいけないこと:「なんかイマイチ」「もっとゴージャスに」など抽象的な指示をすること。

■おわりに

いかがでしたでしょうか。

一概にデザイナーを3つだけに分類できるものではありませんが、「ああ、社内のあの人はこのタイプに当てはまるな」とイメージできた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もし、デザイナーとよく衝突して、うまくプロジェクトを進められていない…という心当りがある方がいたら、もしかしたらそれぞれのパターンでやってはいけないことを、無意識のうちにやってしまっているのかもしれません。

一緒にプロジェクトを進めていくデザイナーの特徴を理解して、伸び伸びと仕事を進めてもらえるようなコミュニケーションの取り方をしていくことで、最高のアウトプットをしてもらうのが、真のグロースハッカーと言えるではないでしょうか。

グロースハックジャパン的<11月>の一押しイベント

 はじめに:

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今後のトレンド、全てがWeb上でわかる訳ではない。
そうした時に是非検討していただきたいのが、イベントへの出席だ。
東京に集中しがちなイベントではあるが、ハッカソンやウェブサービスの披露会等色々と学びのチャンスは多いはずだ。
イベントの中で出会える人とのつながりが新たな結果を導すはずだ。

 イベント:

①TechCrunchTokyo
<11月18日>

ガジェット・IT系最大のメディアTechCrunchTokyoが開催するイベント。
特別なプロダクトやサービスを取り上げるサイトだけあって、熱気もすごい。
去年はRINGが優勝したが、今年はどこのサービスが優勝するのだろうか?
新サービスのキャッチアップや、知識習得の場になるのでは?
http://jp.techcrunch.com/events/techcrunch-tokyo-2014/

②TechCrunchTokyoハッカソン

<11月15日〜16日>
手を動かせるエンジニアが枯渇するのが、ハッカソンの問題点。
そうした問題点に関して企画職(デザイナーも)制限をしているというのは、ちょっと面白い試み。
エンジニアの比率が高いハッカソンになる予定なので、是非トライしてみては?
優勝すると①のTechCrunchTokyoに出場しプレゼン機会が与えられるとも。
http://tctokyo2014-hackathon.peatix.com

③KAIZEN x 株式会社ペンシル

<11月20日>
ABテストによるWebサイトのグロースハックを支援するKAIZEN社とWebコンサルティングを主業とする株式会社ペンシルのセミナー。両企業とも、アメリカでも勢力的に活動を行っているとの事なので、海外事例やトレンドを聞けるいい機会かも知れません。
http://www.pencil.co.jp/seminars/2014100700001.html

④プロトタイプ作成ツールPrott勉強会

<11月11日>
先月リリースされました、プロトタイプ作成ツールPrott
手書きで書けば、プログラムを組まずにプロトタイプを使う事ができる。
シンプルで、かつ非常にわかりやすいUIとデザインが作れます。
http://swtokyo.doorkeeper.jp/events/16356

⑥スタートアップウィークエンド

<11月21日〜23日>
日本でのハッカソンブームを巻き起こした、スタートアップウィークエンド。10回連続で参加するなど、スタートアップマニアすら発生させる本エベントは、多くの出会いや感性のぶつかり合いが発生します。そうした中で自分のチームとの議論や研鑽でいいものを作れるというのは、このイベントならではです。
http://swtokyo.doorkeeper.jp/events/16216

 最後に:

いかがだったでしょうか?
セミナーやイベント参加により、多くの学びやチャンスを得る事ができます。
是非皆さんも参加してみて下さい。

タスクを混乱させないためのコミュニケーションハック

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■はじめに

テクノロジーの発展によって、メールやLINEなどのさまざまなツールが発達し、どこにいても仕事の連絡ができるようになりました。グロースハッカーたるもの、当然こうしたツールを日常的に活用していることでしょう。でもそこには落とし穴もあるのです。

■メールやLINEは誤解の温床

チームの間でタスクの指示が混乱してしまうことは、グロースハックにとって致命的です。でも直接顔を合わせるミーティングに比べて、メールやLINEでの連絡はすれ違いが多いと思いませんか? それはこうした連絡方法が、言葉のみによるものだからです。実は人間は、言葉の内容よりも、表情や仕草などを頼りにコミュニケーションをしていることがわかっています。しかしちょっとしたコツを覚えるだけで、言葉のみのコミュニケーションでもぐっと誤解の数を減らすことができるのです。

1、主語と目的語を明確に

日本語の文法では、主語と目的語はそれほど重要ではありません。日常的なコミュニケーションでは、これらを省略しても何ら問題ありません。しかしミスが許されないグロースハックの現場では話は別です。「誰/何がやるか」という主語と、「誰/何に対してやるか」という目的語を、常に明確にしましょう。

2、連続して別の話題を投げない

特に焦っている場合にやってしまいがちなのですが、思いつくままに次々と様々なトピックを投げてしまうと、相手に見落としが発生する可能性が跳ね上がります。いずれにしても相手からのレスポンスがないと情報が届いたことは確認できないのですから、ひとつひとつ了解を取りながら進めるようにしましょう。

3、ローコンテクストに徹する

コミュニケーションには二種類あります。ハイコンテクストなコミュニケーションと、ローコンテクストなコミュニケーションです。ハイコンテクストとは、正確に意味を取ろうとするとき、その場で発された言葉以外に、文脈の力が多分に作用するものを指します。極端に言えば「あれはどうなってる?」などと曖昧な聞き方をするのはハイコンテクストです。こうした会話は文脈による補完が必要な分、すれ違いを生みやすい宿命にあります。「~~の案件の納期は~~までだけれど、進捗を報告してくれる?」といったように、言葉だけで成立するローコンテクストな会話を心がけましょう。

4、重要なものではなく、重要「でない」ものを区別する

基本的には真面目な仕事の会話といえど、緊急度が高く重要なものと、それほどでもなくゆるやかで重要度の低いものがあるでしょう。対面なら簡単なのですが、これが言葉しかないと意外と難しい。特に重要なものをより重要に感じさせることは難しいのです。なので逆に、ふだん重要でないものを区別するようにしましょう。具体的には、「そうだよー」のように語尾を伸ばす、「そうだよ☆」「そうだよ♪」「そうだよ!」のように記号をつけるなどが有効です。自分のキャラクターに合っていて使いやすいものを選びましょう。これによって、「そうだよ」のように言い切った場合に、シリアスさを伝えることができます。

■おわりに

いかがでしたでしょうか。これくらい言っておけば伝わっているだろう、という甘えがディスコミュニケーションのもと。スムースに仕事を進めるために、ちょっとした心がけを徹底して実践しましょう。

【サービスにおけるバランス】習慣と刺激のメリット・デメリット

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■はじめに

日々の生活において、習慣は大切です。
でもその反対に、刺激も欠かせない存在です。

人生において、毎日通勤に刺激的なトラブルがおきたら
疲弊してしまいますし、何もない毎日だと
灰色の中に埋もれていると錯覚してしまうかと思います。

さて、自社サービスにおける習慣と刺激は、
人生と同じくバランス良く感じる事が正解です。

習慣と刺激に関してメリット・デメリットを
ソーシャルゲームを例に勉強してみましょう。

■習慣と刺激

1)習慣のメリット
習慣のメリットは、何といっても無意識に行動ができると言う事です。
習慣化の学習においては、ユーザーメリットを想像させて、
意識の壁を超える事からはじまります。

ソーシャルゲームで言う所の、ログインボーナスです。
これは、ログインボーナスを無料で提供するという企業側の投資によって
成りたちます。(原価は、殆どかかりませんが)

ソーシャルゲームの運営企業は、
ユーザー減衰が高まる日を解析し、
その前後に価値の高いアイテムやキャラクターを提供している
と言えます。

2)習慣のデメリット
習慣化を高めすぎると、ユーザーは不満を漏らし始めます。
ソーシャルゲームでいう所の、ネガティブキャンペーンです。

ファンであるからこそ、ゲームを利用し課金をしてくれます。
しかし、習慣化してしまえばしてしまうほど、課金した際に求めるものから
刺激が感じられなくなってしまうのです。

また、課金に関しても
課金すればするほど確率曲線に準じてしまう部分があり、
奇跡的な成功や、連続して課金してしまう中毒性から離れてしまいます。
その点から、強制されてゲームをしている様な感覚に陥ってしまいます。

結果、利用ユーザーからはゲームへのネガティブキャンペーンが始まってしまうのです。

3)刺激のメリット
刺激を高めると、ユーザーは行動を増やします。
ソーシャルゲームでいう所の、ゲームアップデートです。

ゲームにおける実施できる事の追加というのは、大いにユーザーを刺激します。
通常のミッション、もしくはイベント戦 この2つを軸に展開するコンテンツが
殆どだと思われます。

それに対して、コレクション性やストーリーを追加したり
はたまたミニゲームや対人戦を追加すると言った事は
よりユーザーに出来る事の選択肢を増やします。

選択しが増え、ユーザーがそれに対して行動をつづければ、
結果利用時間が増え、課金量も増えると言えます。

4)刺激のデメリット
刺激が多すぎると、刺激が多い事を習慣化してしまうと言えます。
ソーシャルゲームでいう所の、ゲームバランスの崩壊です。

刺激的なキャラクターが多ければ、それに慣れてしまい
旧来のキャラクターの削除や非活性化につながります。

結果、旧来のキャラクターに投資していた人々は
投資しても、新キャラクターによって使えなくなってしまう事を
無意識化で学習し、課金率が減少します。

それを打破する為に、もっと強力なキャラクターを提供すれば
より旧ユーザーの課金が減る曲線をたどります。

■まとめ

いかがだったでしょうか?
自社サービスにおいて、習慣と刺激
両方にバランスが取れていましたでしょうか。

維持フェイズにおいては、習慣化を
新規獲得フェイズにおいては、刺激を増やしましょう。

■PLUS(1)

刺激ばかりが多い場合には、

【サービス改善】「秋だけどあえてダイエット」太りきったサービスを改善する黄金7箇条

をおすすめ致します。

【サービス改善】「秋だけどあえてダイエット」太りきったサービスを改善する黄金7箇条

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■はじめに

芸術の秋・紅葉の秋・そして食欲の秋。

機能追加といういつまでも続く欲望に負け、太りに太ったサービス。

万能ツールではあるものの、多機能であればある程、 サービスは機能不全を引き起こしやすいと言われています。

使いたい機能が分かりにくく、新規ユーザーは理解しにくい。 既存ユーザーは、目新しさを感じられず目減りしていく。

起死回生のリニューアルオープンは、まさかの大失敗となり ユーザーは減少する事に、なーんて事はよくある話です。 特に代替サービスがある場合には、本当に一瞬でサービスの終焉を 迎えてしまう可能性もあると言えます。

さて、リニューアルのノウハウの前に必要と言われているのは、 サービスのダイエットです。 愛着のある機能やサブサービスの削除というのは、 ダイエット以上に身を切る辛さがあります。

しかし、事業の集中の為にも選択し行動する事が重要です。 サービスを改善の為の黄金7箇条を学んでいきましょう。

■7つの方法

1:機能の抽出は網羅的に

機能の抽出は全体的に、網羅性を持って行う事が必要です。
コンサルティング的なワードでMECEという視点がありますが

重複なく・漏れなく実施する事が必要です。

個別機能を深く掘り下げれば機能数は増えますが、
検討量が多くなります。

機能を大枠で考えれば機能数が減り検討事項は少なくなりますが
本当に削らなければいけない機能が抽象度によって隠れてしまいます。

この点は、サービスの成熟度により深度が変わる分だと思いますので、
自社サービスに合う検討を実施して下さい。

2:削除するときには一気に実施する

チマチマと削除すると、その都度ユーザーは新たな使い方を学習しなければならず
疲弊すると言えます。
そのたびに社内の稟議を通して、機能を削除した事による影響を計測しなければいけません。
機能追加以上の作業が発生する事は間違いありません。

もちろん、一気に削除すれば学習の壁が大きくなり、一気に疲弊する面もあります。
しかし、一覧網羅的に変わった事をお知らせする事よりも
都度機能削除内容についてお知らせする方が難しいのは言わずもがなでしょう。

3:経営・開発担当者への根回しの徹底

サービス終了に伴い良く起きるのは社内的なトラブルです。
サービスの内情が見えるからこそ、批判的になりがちです。
また、削除してから指摘を受けて再度リカバリーさせるなんていう
事例も多々発生します。

そうした状況を避ける為にも、経営・開発両方の側面から
根回しを実施し、周知と納得を得る事が重要です。

4:ユーザーヒアリングを徹底的に

削除してからリカバリーする事程、面倒で無駄な事はありません。
そうしたトラブルを避けるために必須なのが、ユーザーヒアリングです。
顧客が機能として使用率が低い=使っていない機能ではありません。
逆に使われていない機能は、どういう側面で活用されているのか?

実際にユーザーにアンケートを取ったりインタビューをしてみましょう。

使われていない機能が、実は知られていなかっただけだったという事もあったりします。
コストをかけなくても、アンケートツールやソーシャル上でのヒアリング等
色々な手はずがあります。

5:代替サービスのご紹介

今までのサービスを削除すると言う事は、
そのユーザーが他サービスに行く事を認めると言う事です。
ユーザー視点に立てば、使えなくなるという事で不満点があり
代替サービスを探すというのに不便を感じるわけです。

ユーザーからすれば、提供サービスへ嫌悪感すら覚える事でしょう。
そうした時にはライバルであるという事を一旦棚におき、ライバルに顧客を提供しましょう。
また、流入支援という事で交渉できる部分もあると言われます。
ダイエットして利得を得ることもできるのです。
是非とも検討しましょう。

6:サービス削除のタイミング

サービス削除のタイミングはブーイングが出る部分です。
ソーシャルの中では、忌憚のないご意見が飛び交い、
サービス利用者は今後に不安を感じて、多少なりともユーザー減少の可能性も避けられません。

それを、新サービス提案によってオブラートに包み込むというのは戦略的に妥当と言えます。
サービス追加が少ない時期であれば、ユーザー利用が少ない時間帯などでのアナウンスを
心がけましょう。

7:改善において完成形はない

最後の1カ条は、サービスに完成はないという事です。
削除する事によって次に何に注力するのか?という事や
新たなゴール設定を行うという事等を考える必要性があります。

カド番の機能を作り、てこ入れをしつつ
次の削除する機能について焦点を当てましょう。

■最後に

いかがでしょうか? サービス担当者であれば、取捨選択を常に考えなければいけません。

太り太ったサービスに大ナタを振るうのには、上記7カ条を必ず目を通すことを お勧めいたします。

【グロースハック図書館】書籍「グロースハッカー」を読んで

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■はじめに

グロースハック図書館シリーズ、前々回、前回に続く3冊目です。

今までの記事はこちら:
第1回「世界一即戦力な男」
第2回「ハマるしかけ」

本書はグロースハッカーの読むべき最初の一冊、といった趣の書籍です。

具体的な事例について豊富に記されているわけではありませんが、基本的なグロースハッカーの定義、そしてマインドセットについて書かれています。

グロースハッカーのみなさまにおいては、日夜グロースハックに励むあまり、目の前の問題を解決することに追われてしまってはいませんか。

初心忘るるべからず。筆者はこの「グロースハッカー」を読んで、グロースハックの本質とは何なのか、改めて考えさせられました。

■グロースハックとは、自ら進化するシステムを作り出すことである

まずは本書に書かれている、グロースハックの定義を引用してみましょう。

グロースハッカーは、伝統的なマーケティング戦略を放棄し、検証•追跡•測定が可能なものだけを用いる。
彼らの武器は、CMや宣伝や資金ではなく、電子メール、PPC(ペイパークリック)、ブログ、プラットフォームAPI(アプリケーション•プログラミング•インターフェース)だ。古い世代のマーケターが”ブランディング”や”マインドシェア”などの漠然としたものを追い回している間、グロースハッカーはひたすらユーザーと成長とを追跡する。そして、戦略が当たれば、ユーザーがユーザーを引き込む連鎖反応が生まれる。グロースハッカーとは、自立し、自己増殖する成長マシンの発明者であり、オペレーターであり、整備士だ。この成長マシンが新興企業を成功に導くのだ。

今、グロースハックジャパンをご覧のみなさまなら、なるほどその通りだと納得する定義だと思います。

この書籍全体がこの定義に沿って書かれていますし、全体のまとめとして素晴らしい文章です。

しかし同時に、いささか具体的な用語が多く、掴みにくい定義にも感じられます。

今までのマーケティングと、グロースハックは、一言で言うと、何が決定的に違うのでしょうか。

グロースハックのもたらした決定的な革新とはなんだったのでしょうか。

■想像力の限界を超える方法

この「グロースハッカー」を読んで、グロースハックの本質とは「人間の想像力を超えることができる」ことにあるのではないかと考えました。

従来のマーケティングは、主に個人の想像力に依っていました。

数値を分析することはあれど、その解釈の結果打ち出す施作は、結局のところマーケティング担当者の発想できる以上のものにはなり得ません。

当然、個人の想像力の限界が、そのままマーケティングの限界に繋がってしまいます。

一部のカリスママーケッターだけが、その並外れて優れた直感で大きな結果を出してきた、とも言えるでしょう。

しかしグロースハックはそうではありません。とにかく様々な施作を試み、実験を繰り返し,最もユーザーの反応が良かった施作を組み合わせていくという手法です。

グロースハッカーに必要なのは、直感や想像力のようなアーティスティックな才能ではありません。

科学的に結果に向き合うサイエンティストとしての眼差しです。

結果として、想像もつかないような最適な効果を上げる施作の組み合わせに辿り着くことができるのは、他でもないグロースハッカーなのです。

そうした意味で、グロースハックとは、人間の想像力の限界を超える手法と言えるのではないでしょうか。

■おわりに

グロースハックは生物の進化に似ています。この地球では、多種多様な形態を持った生物がひしめいています。

その中には、人間の想像を絶するような姿の生物も数多く存在しています。

しかしどんな生物も、それが生き延びている以上、何らかの形で環境に対して、長い試行錯誤の中で最適化されているのです。

同じように、今まで考えもしなかったような最適な施作を生み出すことができるグロースハックという手法は、20世紀の人類が到達できなかった、新しい地平を切り開いているのかもしれません。

グロースハックの基礎に立ち返ると同時に、「グロースハックとは何なのか」という問いは、意外に哲学的な問いに繋がっているのかもしれない、と考えさせられた一冊でした。

理論的には完璧なはずなのに……! あなたのプレゼンテーションがなぜ伝わらないか

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■はじめに

グロースハッカーにとって、プレゼンテーションが重要なのは今更言うまでもないでしょう。

完璧な内容と完璧なスライドデザインで、綿密な準備と練習の元にいざ本番を迎えたにも関わらず、
なんだか思っていたほどクライアントの反応が良くない……。そんな経験はないでしょうか。

実はプレゼンをよりわかりやすくするために、大切なことがあるのです。

■プレゼンをさらによくするために:音声をコントロールする

プレゼンをよりよくする大切な要素、それは「音声」です。

ただ準備した原稿を読み上げるだけでは、プレゼンの内容は伝わりません。

音声を正しくコントロールしデザインすることで、プレゼンはもっとわかりやすくなります。

■スライド(視覚)をデザインするなら、声(聴覚)もデザインする

音について考える前に、まずプレゼンの根源的な部分について考えてみましょう。

私たちはなぜ、プレゼンをするのでしょうか。

情報の受け渡しということで言うなら、単なる.txtのテキストファイルを送るだけでもいいはずです。
なぜわざわざスライドを準備し、自分の身体を使って情報を伝達する必要があるのでしょうか。

私たちはスライドをデザインするとき、重要な部分を大きく、重要でない部分を小さく作ります。
注目して欲しい部分に自然と視線が行くようにしているわけです。

重要だと思っている部分、注目すべき部分を伝えることができる、というのが、プレゼンを行う意義のひとつだと思います。

しかしスライドという視覚情報のデザインにはこだわるのに、しばしば声という聴覚情報のデザインはおざなりになっていませんか。

スライドと同じように、声においても、重要なところを強調することで、プレゼンは劇的にわかりやすく聞きやすくなるのです。

■重要な部分と重要でない部分を区別する

音声でプレゼンをわかりやすくするコツは、非常にシンプルです。

それは、「重要な部分をゆっくりはっきり、重要でない部分は速く流す」ということです。

強調するために声を大きくしてはいけません。
音量に大きなバラつきがあると、話を聞き取りにくくなってしまいます。声を高くするのも同様です。

音量でもピッチでもなく、大切なのはリズムのコントロールです。
大きくなくても高くなくても構わないので、大事な部分はゆっくりはっきり言いましょう。

たったこれだけのことで、人は自然とその部分を注意して聞くようになります。

■アドバイスは程々に受け入れる

プレゼンテーションにおいて、第三者からの視点によりブラッシュアップするというのは、自分で気がつかない問題点を発見できる為必ずやってもらいたい作業です。

しかしブラッシュアップを重ねすぎるあまり論点がぶれてしまう・わかりやすくはなったが情報が浅くなっている・流れがギクシャクしてしまって
いるという様な問題を引き起こす可能性もあります。

また、自分自身が作っている拘り部分も、口うるさい指摘により削がれてしまうという事もあります。

わかりやすいプレゼンにする為には、表現に関する指摘のみを受け入れてデザインや論点等に関する指摘に関しては程々の反映と致しましょう。

■おわりに

いかがでしたでしょうか。

1:声をデザインする

2:重要な箇所の区別

3:アドバイス反映は程々に

ちょっとしたことに気をつけるだけで、プレゼンは劇的にわかりやすくなります。デザインという考え方を、声にも意識して取り入れましょう。

グロースハッカーのための色彩学【中級編】

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■はじめに

前回「グロースハッカーのための色彩学【初級編】」はご覧いただけましたでしょうか。
色彩を言葉にする方法を学んだ前回ですが、今回は中級編ということで、実際に色彩とイメージの関わりを見ていきたいと思います。

■おさらい

初級編では色彩を「色相(Hue)」「彩度(Saturation)」「明度(Brightness)」の3つの要素に分解していきました。
それではこの3つを使って、実際にどのように色彩とそのイメージを操作していくのかを見ていきましょう。

■ブルーの変化で空模様を表現する

ここからは、実際に色彩の例を出しながら説明していきますが、色彩のサンプルにはHSBの値を表記しました。
本来はいろいろな表記の仕方があるのですが、再現性を重視して、Adobe Illustratorのソフト上の値を記載しました。
記載されている値をイラレに入れれば、そのまま同じ色彩が再現できます。ぜひ試してみてください。

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まずはこのブルーを見てください。

どのようなイメージを抱いたでしょうか。

夏のよく晴れた日の空などは、このような明るいブルーになっています。

チンダル散乱という現象によって波長の短い光が見えているので、こうした散乱によって見られる色をチンダルブルーと呼びます。
彩度はかなり控えめで、明度が高いのが数値からわかると思います。

それでは次に、このブルーのHSBを操作して、曇り空の色彩を作ってみましょう。

どの値をどれくらい変えれば良さそうでしょうか。

実際に作ってみたのがこちらです。

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色相はほぼそのままに、彩度と明度をぐっと下げることで、曇り空を再現しました。

特に彩度が大きく下がるのが特徴です。

曇り空と言っても、その状態はさまざまです。自分のイメージした雲に近づけることができれば成功です。
今回は今にも雨が降りそうな厚い雲をイメージしてみたのですが、上手くいっているでしょうか。

それでは次は、少し難しい操作にチャレンジしてみましょう。

最初のブルーは夏の空を感じさせる色彩でしたが、今度は秋の空を感じさせる色彩にしてみます。

どのように操作すればいいか、イメージしてから次に進んでみてください。

それでは作例を見てみましょう。

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微妙な違いですが、比較すると、最初のブルーより少し気温が低く感じられるのではないでしょうか。

値を比較すればわかるのですが、色相と明度はほぼ同じに維持したまま、彩度だけを少し下げています。
秋は雲が薄くかかることが多いので、このように彩度の低い色彩にしました。

これも秋の空と言って思い浮かべるものは人それぞれですので、自分のイメージに近づけてみてください。

■まとめ

いかがでしたでしょうか。

色相、彩度、明度の3要素に色彩を分解して分析することによって、より細かい操作ができるようになります。

小さな違いでも、最終的なイメージの差は大きく出るのが色彩の面白い部分です。

より細かく色彩を見ていくことで、正確にイメージを伝えられる色彩を選べるようにしましょう。

スーパーニッチが、大衆サービスを食う!開始後2ヶ月で150万PVを獲得した、The Dodoにみる成功へのプランとは?

https://www.thedodo.com

はじめに:The Dodoについて

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みなさん、The Dodoというサイトはご存知ですか?

動物専門のバイラルメディアになります。

本メディア、動物のみの専門とする事により、一部方から熱狂的な支持を得る形で最初のメディアのスタートをしました。ニッチであれば、一部のユーザーに好まれるが大衆からは見向きもされないまま流されるという事が今までの定説でした。

しかも、Webメディアであれば自分の好みであるコンテンツを取捨選択し、何かの知的好奇心やコンテンツの優位性がない物はユーザーから求められません。

しかし実際には、開始から2ヶ月後には158万PV / 月を稼ぐまでになりました。

スーパーニッチを攻める戦略性・The Dodoがなぜ成功したかに関して解説したいと思います。

1:アーリーユーザーの獲得の上手さ

The Dodoは、動物に対する問題提起を行ったり、社会的な問題に関して取り上げる事で議論や共感を得る記事を執筆しました。

それにより、スーパーニッチではあったもののアーリーユーザーからの熱烈な信頼関係を勝ち取る事ができ、アーリーユーザー達が明確な広告塔になってくれたと言えます。

2:テーマ選定の良さ

動物というのは、多くの動物メディアがグロースしている様にシェアされる率が非常に高いです。

しかも、The Dodoでは議論や意見が発生しやすい書き方になっている為、余計にテーマに対してイメージを膨らませる事ができているのです。

3:シンプルである

「ねぇ、The Dodoは、何なの?」

「動物のニュースサイトだよ」

と言った形でシンプルに答えるできる点は非常にわかりやすく・良いポイントです。

アプリであれサービスであれ商品であれ、バイラルさせる為にはどの様なツールなのか・サービスなのか伝え安い事が必須です。

※呼びやすさも、グッドポイントなのかもしれない。

4:キャラクター性

The Dodoは、キャラクターもThe Dodoという鳥である。

(和名ドードー鳥)

絶滅した動物をモチーフとしている点もさることながら、サービス名をズバリ普及させる為のキャラクターだという事も重要なポイントだ。

5:写真の選定能力

取材記事以外では、別メディアからの写真利用も行っている。

その際に題名付け以上にThe Dodoが上手い点が”写真選定”だろう。

動物の全体像や問題内容がわかる画像よりも、アップで顔部分がうつっている画像が良く用いられている。

まとめ:

いかがだったでしょう?

The Dodoにおける成功はメディアだったからと言う理由だけでなく、多くの戦略性から成功が導かれてると言えます。

自サービスにおいて以下の観点があるかを再考してみましょう。

1:アーリーユーザーが熱烈なファンとなりえるか?

2:市場性が見込めるか

3:シンプルであるか?

4:キャラクター性があるか

5:ビジュアル能力

【グロースハックジャパン1周年】もう一度読みたい記事セレクション

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はじめに:

グロースハックジャパンは、2013年の9月下旬より開始致しました。

グロースハックというワードがポピュラーになり、皆様のご愛顧により多くの記事を執筆させていただいております。

その中で、いままで掲載した記事の中でもう一度読みたいと編集部でセレクションした記事をまとめさせていただきました。

是非ご覧下さい。

1:「AARRR」 今更だけど絶対抑えておくべきグロースハッカーのコンバージョンの見方

今更といわず、何度も立ち返って読みたいグロースハッカーのコンバージョンの見方になります。グロースハッカーの必須知識として是非抑えておいて下さい。

2:4種類の起業家タイプとそれぞれの弱点及び成功への鍵

グロースハックジャパンの、読者層の中では起業家の方・起業を目標とされている方が多くいらっしゃいます。そうした方に良く読まれているのが本記事になります。皆様も、自分のタイプを調べて、是非シェアしてみて下さい。

3:グロースハックに関する最も確実な手引書

グロースハックジャパンにおける、読み応えのある手引書です。グロースハックを題材に、多くのIT系サイトが記事を書かれておりますが、企業のソフトウェア宣伝などに注力するあまり、異なる内容展開になってしまっている事も見受けられます。そうした、もやもやっとした物がある方は、是非手引書をご確認ください。

4:「コンテンツマーケティングで犯しがちな6つの間違い」

現在、企業がメディアを持つブームが発生しております。そうした時に、犯しがちな認識を改めるため本記事は執筆されました。現在、サイトを開設されている方も是非チェックしてみて下さい。

5:グロースハック前に避けて通れない「ピヴォット」 10の種類と成功例

コモディティワードとなった、「ピヴォット」

しかし「ピヴォット」においても、多くの方法があります。ビジネスにおいては多角的な戦略性が必要不可欠です。反面、余計な横道に向かってしまう可能性もあります。

「ピヴォット」する際には最前な選択を行いたいですね。

まとめ:

いかがだったでしょうか?

1周年を経てグロースハックジャパンは多くの挑戦とトライを実施していきたいと思います。

今後とも応援の程よろしくお願い致します。

【初歩に立ち返ろう】今更聞けない超基本欧文フォント7選

■はじめに

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ロゴやUIにおいて、フォントの存在は重要です。

服装や態度で人のイメージががらりと変わるように、

どのようなフォントを使うかによって、
ウェブサイトやアプリケーション、サービスのイメージは大きく変化します。

アプリケーションの、
”ガチャを回す”という文字のフォントを変えただけで
初期ユーザーの課金率が変わったという事が実績として言われています。

ここでは、超基本の欧文フォントを紹介しながら、
何に注目してフォントを選べばいいのかのヒントをまとめたいと思います。

ロゴ7選

Trajan(トレイジャン)

ギリシャの碑文をモデルにしたフォント。

歴史の重みを感じさせる堂々とした佇まいです。
押しも押されもせぬ王道のイメージを出したいときにオススメ。
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Optima(オプティマ)

ギリシャの碑文をモダンに解釈してアレンジしたフォント。
サンセリフでもう少しすっきりとしています。
先述のTrajanでは重すぎる、もう少し洗練された雰囲気が欲しいときに。font-02

Copperplate(コッパープレート)

名前通り、ヨーロッパの銅版印刷フォント。
ヨーロッパの伝統を感じさせる、クラシックな繊細さがあります。
フレンチやイタリアンレストランのメニューなどによく使われます。
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Zapfino(ツァッフィーノ)

ドイツ生まれのカリグラフィーフォント。
その流麗さは筆記体ならでは。
自動でうまく文字同士が繋がるように調整されるのもポイント。

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helvetica(ヘルベチカ)

定番中の定番、スイス出身のモダンフォント。
とにかく読みやすくユニバーサル。
一気にユーザーフレンドリーな印象になります。
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Futura(フツラ)

ドイツのバウハウスで作られた、徹底してモダンなフォント。
幾何的に構成されたジオメトリック•サンセリフの代表格です。
未来的でスタイリッシュなイメージ。
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Impact(インパクト)

イギリス出身のボールドフォント。
とにかく密度が高く圧倒的な存在感が特徴です。
名前通り、ガツンとキメたいときに。

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■まとめ

いかがでしたでしょうか。
フォントの外見の印象には、意外と出自や文脈が影響しています。

フォントについて考えたこともないユーザーでも、
敏感にそのイメージを感じ取っているのです。

どれもさまざまなところで使われている見慣れたフォントですが、
少し知識が増えるだけで、
一気に選びやすくなるのではないでしょうか。

グロースハッカーのための色彩学【初級編】

はじめに:

色彩の持っているパワーは凄まじいものです。

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正しい色彩は、インターフェースを理解することを助けると共に、

アプリケーションやウェブサイトのイメージを直感的に正しく伝える、強力なツールです。

色彩の力を使いこなすことは、グロースハッカーにとっては必須と言っても過言ではないでしょう。

まずは基礎的な知識をおさらいして色彩の見方を確認し、

デザイナーと正しくコミュニケーションを取れるようにしましょう。

■グロースハッカーのための色彩へのアプローチ

色彩は言葉を使わなくても、直感的に伝わります。

それは大きな長所ですが、同時に色彩について論理的に考えることを難しくしている原因でもあります。

「なーんかこの色じゃないんだよなあ」と感じたときに、

それが人にうまく伝えられなかったり、代案や修正が思いつかなかったことはありませんか?

まずは色彩を分析/表現する基本的な方法について、確認しておきましょう。

■色彩を分析する3つのキーワード

色彩をどのように捉えるかは、用途によって異なります。

①RGB

②CMYK

③HSB

■①RGB

エンジニアに最もなじみ深いのが、このRGB表記かもしれません。

色彩をRed、Green、Blueの3色の混合として捉える考え方がRGBです。

ご存知の通り、コンピュータのディスプレイはこの3色を混ぜて表示することによって、

さまざまな色彩を表現しています。

また人間の眼球の中にある色覚を感じ取る細胞も、

同じように3色の混合によって構成されています。

最終的なアウトプットがディスプレイである限り、

RGBを意識する必要があるでしょう。

RGB

http://commons.wikimedia.org/wiki/File:RGB.jpg

■②CMYK

CMYK表記は、主に印刷の際に使われます。

Cはシアン、Mはマゼンタ、Yはイエロー、そしてKはKey Plateと言って、黒のことです。

RGBが色を足し合わせていく加法混合であるのに対し、

CMYKは光によって色を引いていく減法混合と呼ばれます。

主にインクによる印刷の際に使われるので、

グロースハッカーのみなさんが意識する機会は必ずしも多くないかもしれませんが、

データを印刷する際には、CMYKという4色のインクを使っていることを覚えておくと、

色がズレるなどの事故に対応しやすくなります。

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http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/db/CMYK-color_model.png

■③HSB

3つの中で最も直感的でわかりやすく、特に重要なのがこのHSBです。

HはHue(色相)、SはSaturation(彩度)、BはBrightness(明度)です。

色相環という言葉をご存知でしょうか。

虹のように色合いを順番にグラデーションに並べ、円状にしたものを色相環と言います。

赤からオレンジ、黄色、黄緑、緑、青緑、青、紫、ピンクと変化し、また赤に戻ってきます。

色相は、その色の色合いが、この円の中のどこに位置するかを決める値です。

そのため多くの場合、赤を0度として、360度までの角度で表現します。

彩度は色の鮮やかさを決めています。

彩度が低いと鈍い色に、彩度が高いとビビッドな色になります。

明度は明るさを決めています。

明度が低いと黒っぽい暗い色に、明度が高いと白っぽい明るい色になります。

他の人とのコミュニケーションを取る上でも、

HSBでの表現に慣れておくことは重要です。

私たちは「明るい色」「暗い色」「薄い色」「濃い色」のような表現をしてしまいがちですが、

これらは彩度と明度というふたつの要素で出来ています。

例えばパステルカラーは彩度が低く明度が高い色、

落ち着いたシックな色は彩度が高く明度が低いなど、

分解して理解することができれば、

自分の頭の中にある色彩と、目の前の色彩が、

どのように異なるのかを言葉で伝えることができるようになります。

■まとめ

いかがでしたでしょうか。

色彩は直感に訴えかけるからこそ、共有が難しいもの。

分析/表現する方法について知っておくことで、

もっとコミュニケーションをスムースにし、

色彩の力を使いこなしていきましょう。